トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの




【発明の名称】 燃料噴射ポンプ
【発明者】 【氏名】石本 省寄

【要約】 【課題】カムシャフトの軸方向を規制する機能をポンプに組み付けられる既存の部材によって代用し、軸受けの耐久性からくる軸方向のギャップ調節を不要にして組付けの容易化、部品点数の削減、噴射ポンプの小型化を図る。

【解決手段】プランジャ4を駆動するカムシャフト7を有し、プランジャ4によって加圧される燃料を供給するためのフィードポンプ3が組み付けられている燃料噴射ポンプにおいて、カムシャフト7に径方向に突出する鍔部52を設け、このカムシャフト7の被駆動側の端部と反対側の端部にフィードポンプ3に動力を伝達する内歯歯車41を設け、ラジアル軸受12を介してカムシャフト7を回転自在に支持するハウジング部材8cを鍔部52と内歯歯車41とで挟み込んでカムシャフト7の軸方向を規制する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プランジャと、径方向がラジアル軸受を介して回転自在に支持されると共に前記プランジャを駆動させるカムシャフトとを有し、前記プランジャによって加圧される燃料を供給するためのフィードポンプが組み付けられて構成されている燃料噴射ポンプにおいて、前記カムシャフトに径方向に突出する鍔部を設けると共に、このカムシャフトの被駆動側の端部と反対側の端部に前記フィードポンプに動力を伝達する動力伝達部材を設け、前記ラジアル軸受を介して前記カムシャフトを回転自在に支持する部分を前記鍔部と前記動力伝達部材とで挟み込むことによって前記カムシャフトの軸方向を位置決めするようにしたことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
【請求項2】 前記ラジアル軸受は、プレーンベアリングであることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ポンプ。
【請求項3】 前記カムシャフトを前記ラジアル軸受を介して回転自在に支持する部分は、前記カムシャフトを支持するために別部材をもって構成されたポンプハウジングの一部を成すハウジング部材であることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ポンプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関に燃料を供給する燃料噴射ポンプ、特に、プランジャと、ラジアル軸受を介して回転自在に支持されてプランジャを駆動させるカムシャフトとを有し、プランジャによって加圧される燃料を供給するためのフィードポンプが組み付けられている燃料噴射ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の燃料噴射ポンプのカムシャフトは、ポンプハウジングに固定された軸受ハウジングに転動体として円錐ころを用いた円錐ころ軸受などを利用して支承し、軸方向のクリアランスを決定するために厳密なシム調整を行うようにしている。通常において、ハウジングは軽量化を図るためにアルミ合金によって形成され、カムシャフトは耐磨耗性の要求から鋼鉄によって形成されている。このため、カムシャフトやハウジングが加熱されると、それぞれの熱膨張係数の相違によってカムシャフトの軸方向のクリアランスが増大し、軸方向の力に対してカムシャフトのがたつきが生じ、引いては、正確な噴射特性が得られなかったり、騒音の原因となる。このような欠点を解消するため、従来においては、特開昭62−26372号公報や特開平2−42173号公報などのカムシャフトの支承構造が提案されている。
【0003】前者は、カムシャフトのスラスト軸受が両軸線方向で作用する固定軸受として形成され、ラジアル軸受が可動軸受として形成されているもので、具体的には、径方向の軸受をカムシャフトの軸線方向の遊びを許容するよう軸受カバー内に円筒ころ軸受を配置することによって構成し、軸方向の軸受をカムシャフトに形成されたリング溝内に軸受板の内周縁を係合させると共にこの軸受板をねじによって軸受カバーと共にポンプハウジングに緊足することによって構成するものや、径方向の軸受を同様に軸受カバー内に配置された円筒ころ軸受によって構成し、軸方向の軸受をカムシャフトの端面とこれに螺合するナットとの間によって形成されるリング溝に軸受カバーを軸受板を介して係合させることによって構成するものなどが提案されている。
【0004】このような構成とすることで、カムシャフトの軸方向の支承と径方向の支承とを分離することができ、円錐ころ軸受けの使用を避けることができるようになっている。
【0005】また、後者は、気筒数の多いポンプにおいては、カムシャフトの長さが大きくなることから、軸受けの磨耗を減少しつつ正確な支承を行うために、ハウジングに固定されたスラスト軸受けを2つのカムの間に配置するようにしたものである。このような構成においても、カムシャフトの軸方向の支承と径方向の支承とを分離することができる効果を備えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カムシャフトの軸方向の規制は、上述した前者の構造にあっては、スラスト軸受けのレース部材を一方でカムシャフトのリング溝内に係合し、他方でポンプハウジングに不動に結合することによりこの調整を行うものであり、後者の構造にあっては、ハウジングに固定されたスラスト滑り軸受けによってこれを実現しようとするものであり、いずれの構成においても、カムシャフトの軸方向を別部材からなる滑り軸受を介在させて規制するようにしているので、部品点数も多くなり、また、スラスト軸受けの耐久性からくる軸方向のクリアランスの調整が必要になってくる。また、別部材からなる滑り軸受をカムシャフトの軸方向に介在させなければならないことから、軸方向の短縮を図りづらくなっており、引いては、噴射ポンプの小型化を妨げる不都合がある。
【0007】そこで、この発明においては、カムシャフトの軸方向の規制を別体の軸受け部材を用いて行うのではなく、ポンプに組み付けられている既存の部材によってその機能を代用させ、軸受けの耐久性からくる軸方向のギャップ調節を不要にして組付けの容易化を図ると共に部品点数の削減、引いては小型化を図ることができる燃料噴射ポンプを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、通常の燃料噴射ポンプが、プランジャによって加圧される燃料を供給するためのフィードポンプを一体に組み付けて構成され、このフィードポンプがカムシャフトによって駆動される構成となっていることから、この既存の構成部材を利用してカムシャフトの軸方向を規制することができれば、別部材からなる軸方向の軸受を不要にできることに鑑み、発明者による研究開発の結果、実用化されるに至ったものである。
【0009】即ち、この発明に係る燃料噴射ポンプは、プランジャと、径方向がラジアル軸受を介して回転自在に支持されると共に前記プランジャを駆動させるカムシャフトとを有し、前記プランジャによって加圧される燃料を供給するためのフィードポンプが組み付けられており、前記カムシャフトに径方向に突出する鍔部を設けると共に、このカムシャフトの被駆動側の端部と反対側の端部に前記フィードポンプに動力を伝達する動力伝達部材を設け、前記ラジアル軸受を介して前記カムシャフトを回転自在に支持する部分を前記鍔部と前記動力伝達部材とで挟み込むことによって前記カムシャフトの軸方向を位置決めするようにしたことを特徴としている(請求項1)。
【0010】したがって、カムシャフトに形成された鍔部と被駆動側の端部と反対側の端部に設けられたフィードポンプに動力を伝達する動力伝達部材とによってカムシャフトを径方向で支持している部分を挟み込み、これによってカムシャフトの軸方向の位置決めを行うようにしたので、軸方向を規制するために別部材を設ける必要がなくなる。このため、軸方向の規制がスラスト軸受に依存されなくなることから、スラスト軸受の耐久性からくるクリアランスの調整が不要になると共に、カムシャフトがこの挟み込んだ部分を基準として軸方向が規制されるので、温度変化に関わりなく常に軸方向の正確な支承が可能となる。また、軸方向の規制を別部材を設けるのではなく、フィードポンプを駆動させる既存の部材を利用して行うようにしたので、軸方向に別部材を介在させる必要がなくなり、別部材の介在が不要になった分、軸方向の寸法を削減することができる。
【0011】ここで、カムシャフトのラジアル軸受は、転動体として円筒ころを用いる円筒ころ軸受によって構成してもよいが、プレーンベアリングで構成するようにしてもよい(請求項2)。このような構成とすれば、カムシャフトの径方向の寸法も小さくすることができ、また、カムシャフトの組み付けも容易となり、廉価に噴射ポンプを形成することができる。
【0012】また、カムシャフトをラジアル軸受を介して回転自在に支持する部分は、通常においては、ポンプハウジングを構成する別体のハウジング部材で構成されることから、このハウジング部材であってもよい(請求項3)。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。図1乃至図3において、燃料噴射ポンプが示され、この燃料噴射ポンプは、サプライポンプ1と、フューエルメータリングユニット(FMU)2と、フィードポンプ3とが組み付けられて構成されている。
【0014】サプライポンプ1は、プランジャ4、プランジャバレル5、タペット6、カムシャフト7を有して構成されているもので、カムシャフト7は、ポンプハウジング8に支承され、一端がポンプハウジング8から外部に突出して図示しない機関からの駆動トルクを受け、この機関と同期して回転するようになっている。
【0015】ポンプハウジング8は、プランジャバレル5が装着される縦孔10を備えたハウジング部材8aと、このハウジング部材8aにボルトなどによって固定されてカムシャフト7の両端近傍を回転自在に保持するハウジング部材8b,8cとを有して構成されている。
【0016】この例においては、ハウジング部材8aに形成される縦孔10は2つ形成されており、それぞれの縦孔内でプランジャバレル5がハウジング部材8aに固定され、このプランジャバレル5にプランジャ4が往復動自在に挿入されている。
【0017】また、カムシャフト7は、その両端近傍がラジアル軸受11,12を介して軸方向の遊びが許容されるよう前記ハウジング部材8b,8cに支承されており、このカムシャフト7には、これら軸受間においてプランジャ毎に設けられた2つの駆動カム13,14が位相をずらして形成されている。
【0018】それぞれのプランジャ4の下端は、カムシャフト7に形成された駆動カム13、14にタペット6を介して当接され、また、ハウジング部材8aに設けられたばね受け15とプランジャ4の下部に設けられたばね受け16との間にスプリング17が弾装されており、カムシャフト7が回転すると、このスプリング17と協動してプランジャ4を駆動カム13,14の輪郭に沿って往復動させるようになっている。
【0019】各プランジャバレル5の上部には、デリバリバルブホルダ19との間に組み付けられたIOバルブ(インレット・アウトレットバルブ)20が設けられている。このIOバルブ20とプランジャ4との間には、プランジャ室21が形成され、IOバルブ20の上方には、デリバリバルブホルダ19に形成された燃料出口22が設けられている。
【0020】ここで、IOバルブ20は、後述するフューエルメータリングユニット(FMU)2から送られてきた燃料油をプランジャ室21に供給し、プランジャ4によって圧縮された燃料油をFMU2に逆流しないように燃料出口22から送出する機能を有するもので、プランジャバレル5の上部に取り付けられたバルブボディ23と、一端がFMU2に連通し、他端がプランジャ室21に連通するバルブボディ23に形成された燃料通路24を開閉し、FMU2からの燃料圧に抗した付勢力により燃料通路24を閉方向に常時付勢しているインレットバルブ25と、一端がプランジャ室21に連通し、他端が燃料出口22に連通する燃料通路26を開閉し、プランジャ室21からの燃料圧に抗した付勢力により燃料通路26を閉方向に常時付勢しているアウトレットバルブ27とを有して構成され、プランジャ4が下降工程に入ると、アウトレットバルブ27が閉じてFMU2からの燃料油によりインレットバルブ25が押し上げられ、プランジャ室21に燃料油が流入し、プランジャ4が上昇工程に入ると、加圧された燃料油により、インレットバルブ25が閉じてアウトレットバルブ27が押し上げられ、燃料出口22から燃料油が圧送されるようになっている。
【0021】フューエルメータリングユニット(FMU)2は、後述するフィードポンプ3から送られてきた燃料油をエンジンの要求する燃料圧力となるように燃料油量の調節を行なった上で前記IOバルブ20に送り込む機能を有しているもので、フィードポンプ3から送られてきた燃料を燃料入口30から各プランジャ毎に設けられたIOバルブ20へ導くそれぞれの燃料通路31の途中にスロットルバルブ32を設け、このスロットルバルブ32の一端に設けられた圧力室33にオリフィス34を介してフィードポンプ3から送られてきた燃料油を供給し、圧力室33の圧力とスロットルバルブ32の他端に設けられたスプリング35のばね力とが釣り合った位置にこのスロットルバルブ32を停止させ、圧力室33の圧力を図示しない電子式コントロールユニット(ECU)で制御される電磁弁36によって調節し、これにより燃料通路31の絞りを制御してIOバルブ20へ供給される燃料油量を調節するようになっている。
【0022】フィードポンプ3は、燃料油を燃料タンク40から吸い上げて前記フューエルメータリングユニット(FMU)2へ供給するもので、ポンプハウジング8のハウジング部材8cの開口部を閉塞するようにボルトなどによって取り付けられている。このフィードポンプは、図4にも示されるように、外接歯車型のもので、カムシャフト7の被駆動側の端部と反対側の端部に固定されてカムシャフト7と共に回転する内歯歯車41から動力を伝達されるようになっている。即ち、フィードポンプ3は、この内歯歯車41に噛合する駆動ギア42と、この駆動ギア42とシャフト43によって連結された主動ギア44と、この主動ギアに噛合する従動ギア45とを有して構成され、カムシャフト7の回転によって主動ギア44と従動ギア45とを回転させ、これら主動ギア44と従動ギア45とで構成されるギアポンプによって燃料油を燃料タンク40から吸い込み、燃料フィルタ(46:図5において示す)を介して前記フューエルメータリングユニット(FMU)2に供給するようになっている。
【0023】したがって、上述した燃料噴射ポンプの全体構成は、図5に示されるように、燃料タンク40からフィードポンプ3によって燃料油がフューエルメータリングユニット(FMU)2に供給され、このFMU2によってサプライポンプ1の各プランジャ室21へ供給される燃料油量の調整が行われ、しかる後にIOバルブを介して燃料油をプランジャ室21へ供給し、2つのプランジャ4によって交互に加圧された燃料油を燃料出口22から圧送する構成となっている。
【0024】このような燃料噴射ポンプにおいて、前記カムシャフトの径方向は、前記ラジアル軸受11,12によって規制されており、この実施例においては、ラジアル軸受11,12がカムシャフト7に摺動可能に外嵌する円筒状のプレーンベアリングとして構成され、このプレーンベアリングが設けられる範囲に亘ってカムシャフト7の周面には、プレーンベアリングを受ける軸受面50、51が形成されている。そして、カムシャフト7の軸方向は、以下述べる軸方向規制手段によって規制されている。
【0025】軸方向規制手段は、カムシャフト7の被駆動側と反対側に形成された軸受面51の手前、即ち、軸受面51と駆動カム14との間に径方向に突設された鍔部52を設け、この鍔部52と、軸受面51よりも端部側、即ち、カムシャフト7の被駆動側と反対側の端部に固定された前記内歯歯車41とによって、ラジアル軸受12を介してカムシャフト7を支承しているハウジング部材8cをカムシャフトの回転に支障をきたさないクリアランスを確保して挟み込むことによって実現されている。
【0026】ここで、挟み込むハウジング部材8cの軸方向の幅は、軸受面51の軸方向幅にほぼ一致しており、したがって、ラジアル軸受12の軸方向の幅と同程度の幅であり、この幅は、カムシャフト7の全長に対して僅かなものであるため、熱膨張による影響が殆どない幅である。また、この例では、鍔部52は、カムシャフト7の外周面に一体に形成されて全周に亘って形成されているもので、ハウジング部材8cと当接する端面52aがカムシャフト7の軸心に対して垂直に形成されている。これに対して、フィードポンプ3に動力を伝達するためにカムシャフト7に固定された内歯歯車41は、有底の円筒状に形成されているもので、開口側をフィードポンプ側に向けて歯先曲面が歯底曲面の内側にくるように円筒部41aの内面に周方向に歯が形成され、底部41bがボルト53によってカムシャフト7の被駆動側と反対側の端面に緊足され、底部41bのハウジング部材8cと当接する端面41cがカムシャフト7の軸心に対して垂直に形成されている。
【0027】つまり、この軸方向規制手段は、カムシャフト7のスラスト方向を滑り軸受などの従来のスラスト軸受をハウジングとの間に介在させて規制するのではなく、カムシャフト7に形成された鍔部52の端面52aとフィードポンプ3に動力を伝達する動力伝達部材(内歯歯車41)の端面41cとによってハウジング部材8cを摺動可能に挟み込むことによって規制し、従来のスラスト軸受けを不要にした点に特徴がある。
【0028】このような構成としたことで、カムシャフト7は、被駆動側の端部と反対側の端部によって軸方向が支承され、この支承された端部を基準として軸方向の位置決めがなされることから、カムシャフトの軸方向のがたつきを抑えることができる。つまり、カムシャフト7やポンプハウジング8が加熱されると、それぞれの熱膨張係数の相違によってカムシャフト7の軸方向でポンプハウジング8とカムシャフト7との間に膨張差が生じるが、カムシャフト7は、被駆動側と反対側の端部においてハウジング部材8cを挟み込んで支承されているので、膨張差に伴うハウジングとカムシャフト7との相対的な位置ずれは、カムシャフト7の被駆動側に設けられたラジアル軸受11がカムシャフト7の軸方向の遊びを許容することから、このラジアル軸受11によって吸収される。また、カムシャフト自体は、ラジアル軸受12を介して径方向を支持する部分、即ち、ハウジング部材8cを挟み込むことによって軸方向が規制されているので、この支承構造は熱によって殆ど影響されないことから、軸方向のがたつきが誘発されることがなくなる。
【0029】このため、熱の影響によってカムシャフト7の軸方向でがたつきが生じ、これにより正確な噴射特性が得られなくなったり、騒音が生じるようなことがなくなり、また、内歯歯車41と駆動ギア42との精度のいい噛み合わせが常時確保されることとなる。また、従来のスラスト軸受けを不要にしたため、スラスト軸受の耐久性からくる軸方向のギャップ調節が不要になると共に、噴射ポンプを構成する部品点数を削減することができる。また、スラスト軸受けを不要にした分だけカムシャフト7の軸方向を短くすることができ、噴射ポンプの小型化の要請に対応することができる。
【0030】さらに、上述の構成にあっては、カムシャフトの径方向を支承するラジアル軸受11,12がプレーンベアリングで構成されているので、ポンプハウジングへのカムシャフトの組付けが容易になり、また、径方向の支承構造の寸法を小さくすることができることから、噴射ポンプの小型化を図ることができる。しかも、カムシャフト7をラジアル軸受11,12を介して回転自在に支持する部材は、通常においてポンプハウジング8を構成する別体のハウジング部材8b、8cで構成されることから、鍔部52とフィードポンプ3に動力を伝達する動力伝達部材(内歯歯車41)とによって挟み込む部分がこのハウジング部材8cとなっている上述の構成によれば、噴射ポンプの大幅な設計変更も不要となる。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、噴射ポンプのカムシャフトに形成された鍔部とカムシャフトの被駆動側の端部と反対側の端部に設けられたフィードポンプに動力を伝達する動力伝達部材とによって、カムシャフトの径方向を支持している部分を挟み込み、これによってカムシャフトの軸方向の位置を規制するようにしたので、軸方向を規制するために別部材を設ける必要がなくなり、スラスト軸受の耐久性からくるクリアランスの調整を不要にすることができるようになる。このため、カムシャフトの軸方向の位置決め作業が不要になる分、組付け作業の簡易化を図ることができ、作業コストを低減することができる。
【0032】また、軸方向の軸受に依存せずにカムシャフトの軸方向を鍔部と動力伝達部材とによって挟み込んだ部分を基準として位置決めすることができるので、軸方向の支承が熱によって影響されにくくなり、軸方向の正確な支承が可能となる。さらに、軸方向の規制を別部材を設けるのではなく、フィードポンプに動力を伝達する既存の部材を利用して行うようにしたので、軸方向に別部材を介在される必要がなくなり、その分、軸方向の寸法を削減することができ、もって、噴射ポンプの小型化を図ることができる。
【0033】さらにまた、カムシャフトのラジアル軸受をプレーンベアリングで構成すれば、径方向においても支承構造の寸法を小さくすることができ、噴射ポンプの小型化を図ることができる。また、ラジアル軸受をプレーンベアリングとすれば、カムシャフトの組み付けも容易となり、廉価に噴射ポンプを構築することができる。
【0034】尚、カムシャフトをラジアル軸受を介して回転自在に支持する部分は、通常においてポンプハウジングを構成する別体のハウジング部材で構成されることから、このハウジング部材をカムシャフトに形成された鍔部とフィードポンプに動力を伝達する動力伝達部材とによって挟み込むようにしてもよく、このような構成とすれば、既存の構成に対する大きな設計変更を伴うことがなくなる。
【出願人】 【識別番号】000003333
【氏名又は名称】株式会社ボッシュオートモーティブシステム
【出願日】 平成12年1月31日(2000.1.31)
【代理人】 【識別番号】100069073
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 和保 (外1名)
【公開番号】 特開2001−214829(P2001−214829A)
【公開日】 平成13年8月10日(2001.8.10)
【出願番号】 特願2000−22339(P2000−22339)