| 【発明の名称】 |
排気ガス還流制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 昌弘
【氏名】布目 博之
【氏名】山田 康敬
【氏名】浅見 勝裕
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| 【要約】 |
【課題】応答速度が速く、デポジットによる弁体の固着を防止することができる排気ガス還流制御装置を提供する。
【解決手段】この排気ガス還流制御装置は、内部にガス通路2を有するハウジング1と、ハウジング1のガス通路2内に配設されたバタフライ弁4と、バタフライ弁4の弁軸5にそのロータ11を直結して配設されたロータリソレノイド10と、を備え、ロータリソレノイド10によりバタフライ弁4を応答性良く開閉駆動する。ロータリソレノイド10の非通電時、バタフライ弁4の弁体6が全閉位置から所定の開度だけ開弁して停止する。これにより、弁体の縁部へのデポジットの堆積を低減し、デポジットによる弁体の固着を防止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部にガス通路を有するハウジングと、該ハウジングのガス通路内に配設されたバタフライ弁と、該バタフライ弁の弁軸にそのロータを直結して配設されたロータリソレノイドと、を備え、該ロータリソレノイドにより該バタフライ弁を開閉駆動する排気ガス還流制御装置であって、該ロータリソレノイドの非通電時、該バタフライ弁の弁体が全閉位置から所定の開度だけ開弁して停止することを特徴とする排気ガス還流制御装置。 【請求項2】 前記バタフライ弁には、全閉時に該弁体が着座する弁座部が該ガス通路の内壁に突設されている請求項1記載の排気ガス還流制御装置。 【請求項3】 前記バタフライ弁の弁体の熱膨張率が前記ハウジングの熱膨張率より大きく設定されている請求項1記載の排気ガス還流制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気ガスを吸気系に還流させる排気ガス還流制御装置に関し、特にロータリソレノイドにより駆動されるバタフライ弁を使用した排気ガス還流制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の排気ガス還流制御装置として、排気ガスの還流通路にリフト式のポペット弁を配設し、リニア型のアクチュエータ(モータ)により、ポペット弁をその軸方向に移動させ、バルブの開度を変えて排気ガスの再循環量を制御する装置が、知られている(例えば、特開平1−203646号公報等参照)。この排気ガス還流制御装置は、弁ハウジングに形成した弁室内に、弁軸の先端に弁体を取り付けたリフト式のポペット弁を配設し、弁ハウジング上にリニア型のモータを取り付け、このモータによりポペット弁を軸方向に直線移動させ、バルブの開度を変える構造である。 【0003】つまり、このリニア型のモータは、ステータの内側に回転可能に支持されたロータ内に軸孔が形成され、その軸孔の内周部に雌ねじが設けられると共に、出力軸の外周におねじが設けられ、そのおねじを軸孔の雌ねじに螺合するように、ロータ内に出力軸を回転を阻止して挿入・螺合させ、ロータの回転時、その回転運動をねじの螺合により出力軸の直線運動に変換し、弁軸つまり弁体を軸方向に動かして、ポペット弁の開度を変えるように動作する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種の従来の排気ガス還流制御装置は、リニア型のモータにより、そのロータを回転させ、ロータ内に螺合する出力軸を、ねじ機構を介して軸方向に移動させ、これによりリフト式のポペット弁を直線的に動かしてバルブの開度を制御することから、比較的精度の高い再循環ガス量の制御を行なうことができるものの、ロータの回転運動をねじ機構を介して出力軸の直線運動に変換してバルブの開度を変えるために、バルブの開閉速度が比較的遅く、バルブを全閉と全開の間で駆動する場合、応答速度が遅くなって、高速でバルブの全閉・全開制御を行ないにくいという問題があった。 【0005】一方、従来、実開昭59−184356号公報等において、バタフライ弁を用いた排気ガス還流制御装置も、提案されている。このバタフライ弁式の排気ガス還流制御装置は、ガス通路内にバタフライ弁を配設し、外側に設置したステップモータによりバタフライ弁を回動してその開度を制御する構造である。 【0006】しかし、この種のバタフライ弁は、通常、円盤状に形成され、円筒形のガス通路内に、その通路の横断方向に設けられた弁軸により、回動可能に軸支される構造のため、弁軸に近い部分の弁体の縁部とガス通路の内壁との隙間が、弁の開度が比較的小さい状態において、非常に狭くなる。このために、弁体と通路内壁との間に、デポジット(排気ガス中に含まれる不完全燃焼物等の堆積物)が堆積し易く、そのデポジットを弁体が閉鎖時にかみ込むと、バタフライ弁が全閉位置で固着した状態となり、動作不良を生じる恐れがあった。 【0007】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、応答速度が速く、デポジットによる弁体の固着を防止することができる排気ガス還流制御装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の排気ガス還流制御装置は、内部にガス通路を有するハウジングと、ハウジングのガス通路内に配設されたバタフライ弁と、バタフライ弁の弁軸にそのロータを直結して配設されたロータリソレノイドと、を備え、ロータリソレノイドによりバタフライ弁を開閉駆動する排気ガス還流制御装置であって、ロータリソレノイドの非通電時、バタフライ弁の弁体が全閉位置から所定の開度だけ開弁して停止することを特徴とする。 【0009】ここで、バタフライ弁には、全閉時にその弁体が着座する弁座部をガス通路の内壁に突出して設けることができる。また、バタフライ弁の弁体の熱膨張率を、ハウジングの熱膨張率より大きく設定することができる。 【0010】 【作用】このような構成の排気ガス還流制御装置では、内燃機関の停止中、ロータリソレノイドは非通電状態であり、バタフライ弁の弁体は、全閉位置から所定の開度だけ開弁して停止している。このため、ガス通路内のバタフライ弁の弁体の縁部等にデポジット(排気ガス中に含まれる不完全燃焼物等の堆積物)が堆積していたとしても、デポジットの固着に起因した弁体の噛み付きを防止することができる。 内燃機関を始動すると、ロータリソレノイドに通電が行なわれ、バタフライ弁の弁体がロータリソレノイドにより全閉位置まで、或は制御された開度状態まで駆動されるが、ロータリソレノイドのロータは、ねじ機構等を介さず、バタフライ弁の弁軸に直結されているから、応答性良くつまり極めて速い応答速度で、弁体を所定位置に回転させることができる。 【0011】バタフライ弁は、その構造上、バルブの上流側と下流側でガス圧力に大きな差圧がある場合であっても、その差圧が弁体の両側に相反方向に作用することにより相殺され、ロータリソレノイドの駆動力が比較的小さくい場合であっても、確実に閉弁または開弁することができ、ロータリソレノイドの小型化が可能である。 【0012】一方、バタフライ弁には、全閉時にその弁体が着座する弁座部をガス通路の内壁に突出して設けた場合、弁体とガス通路の内壁間に生じる全閉時付近の隙間を比較的広く設定することができ、これによって、デポジットの付着による弁体の噛み付きをさらに防止することができる。 【0013】また、バタフライ弁の弁体の熱膨張率を、ハウジングの熱膨張率より大きく設定すれば、機関停止中の冷間時の弁体の収縮率をハウジングより大きくして、ガス通路の内壁との隙間が広くなるように作用し、それによっても、弁体のデポジットによる固着を防止することができる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は排気ガス還流制御装置の平面図を示し、図2、図3は同装置の断面図を示している。図において1は装置のハウジングであり、アルミニウム合金のダイキャストにより一体形成され、内部にガス通路2が縦に貫通して設けられる。このガス通路2は図2、図3において上部が入口側、下部が出口側であり、ハウジング1の上下には内燃機関の排気ガス還流通路への接続用に、フランジ部1a,1bが形成され、ハウジング1内の上部に冷却水路3が形成され、冷却水路3には接続パイプ3aが外部に突出して接続される。 【0015】図2、図3に示すように、ガス通路2内にバタフライ弁4が設けられる。バタフライ弁4は、ガス通路2内の横断方向に配設された弁軸5に円盤状の弁体6を固定して構成される。ガス通路2は横断面が円形に形成され、通路内径より小径に形成された円形の弁体6が、その中央部を弁軸5に固定ねじ6aにより固定される。弁体6の熱膨張率はハウジング1の熱膨張率より大きくすることが望ましく、例えばハウジング1として線膨張率21.0×10-6/ ℃のADC12を使用した場合、バタフライ弁4の弁体6には、例えば線膨張率23.0×10-6/ ℃のA2017を使用することができる。 【0016】一方、ガス通路2内の内壁の閉弁位置には、図3、図6に示すように、閉弁時に弁体6の縁部が当接する弁座部2a,2bが半円弧状に突設され、弁座部2aは入口側に、弁座部2bは出口側にずれて位置し、中央部を弁軸5で二分される弁体6の両側が、弁座部2a,2bに相反方向から当接可能である。 【0017】バタフライ弁は、一般に、ハウジング側の内壁に弁座部は設けられてなく、閉弁時、弁体の縁部が内壁に接触して閉鎖する構造のため、弁体が僅かに開いた状態のとき、弁体の弁軸に近い縁部の隙間が非常に狭く形成される。しかし、本発明のバタフライ弁4は弁軸5に近い縁部の隙間を比較的広く形成し、内壁に弁座部2a,2bを設けることにより、閉弁時の閉鎖性(密閉性)を良好にしている。このバタフライ弁4の弁体6は、図3に示すように、弁座部2a,2bに当接する閉弁位置から通路の流通方向に沿った開弁位置まで回動可能である。 【0018】図2に示すように、バタフライ弁4の弁軸5の両端は、ハウジング1内に進入し、その内部に配設された軸受7により回転自在に支持される。弁軸5の左端部には固定ナット8aによってレバー8が固定される。このレバー8はバタフライ弁4の閉弁位置を設定するためのもので、図8に示すごとく、レバー8に対向してねじ式のストッパ9が調節可能に設けられ、閉弁位置でレバー8がストッパ9に当りバタフライ弁4が停止する。レバー8とストッパ9の部分は、図5のように、カバー20で覆われる。 【0019】弁軸5の右端部には、ロータリソレノイド10のロータ11が固定ナット13により固定され、バタフライ弁4はロータリソレノイド10により直接駆動するつまり直接回転駆動方式を採用している。ロータリソレノイド10のロータ11の外周部には、例えば2個のマグネット12がS極・N極を180°の対向位置に配置して取り付けられる。 【0020】ロータリソレノイド10のステータ14は、積層鋼板を積層してなるコア15をロータ11の周囲に配設すると共に、上方に励磁コイル16の巻装部を設けて形成され、図4、図7に示すように、上部に励磁コイル16がボビンを介して巻装される。ステータ14のコア15のロータ11との対向位置には、図2に示すように、極歯17a,17bが上下に分かれて形成される。ステータ14は、ロータ11のマグネット12の周囲に極歯17a,17bを配置するように、リテーナ21(図2)を介してハウジング1の側部に、固定ねじ18を用いて取り付けられる(図4)。 【0021】このロータリソレノイド10は、ロータ11にマグネット12が使用され、その周囲にステータ14の極歯17a,17bが配置されるため、非通電時には、ディテントトルクが生じると共に、ロータ11がステータ14に対し常に一定の角度位置で停止する構造であるが、非通電時のロータ11の停止位置は、ロータ11に直結されるバタフライ弁4が僅かに開いた状態(弁体6が全閉位置から25°開いた状態)となるように設定される。 【0022】ロータリソレノイド10の励磁コイル16は、例えば2つに分割されて巻装され、閉弁時と開弁時には、例えば各コイルの通電方向と通電時間幅(デューティ比)を変えることにより、ロータ11つまり弁軸5に対し閉弁方向と開弁方向の相反方向に回転トルクを生じさせ、弁軸5を所定の角度だけ回転駆動する。なお、デューティ比の制御ではなく、コイルへの電流量を制御して回転角度を制御することもできる。励磁コイル16の端部はロータリソレノイド10の上部に設けたコネクタ19の端子に接続され、そのコネクタ19を介して図示しない制御回路に接続される。 【0023】このようなロータリソレノイド10は、マグネット12を備えたロータ11とステータ14の極歯17a,17bの配置との関係から、非通電時のロータ11の停止位置が、常に一定の角度位置となるから、戻りばねを必要とせず、また、角度検出用センサも不要として、構造を簡単化することができる。 【0024】上記構成の排気ガス還流制御装置は、図示しない内燃機関の排気管と吸気管の間に接続された排気ガス還流管に、ハウジング1のフランジ部1a,1bを介して装着される。内燃機関が停止中で、エンジンキーがオフの状態では、ロータリソレノイド10は非通電状態であるから、そのロータ11のマグネット12とステータ14の極歯17a,17bとの関係から、ロータ11つまりバタフライ弁4の弁体6は、その閉弁位置より僅かに開いた位置(開度25°)で停止している。 【0025】従って、バタフライ弁4の弁体6の縁部や弁座部2a,2b上にデポジット(排気ガス中に含まれる不完全燃焼物等の堆積物)が堆積している場合であっても、弁体6がそのデポジットにより固着することは防止できる。また、ハウジング1の内壁の閉弁位置に弁座部2a,2bを設け、全閉付近の弁体6の縁部と内壁との隙間(弁軸5に近い部分)を比較的広く設定しているから、その部分に堆積したデポジットによる弁体6の固着を防止できる。 【0026】さらに、弁体6の熱膨張率がハウジング1のそれより大きく設定されているから、機関停止中の冷間状態における弁体6の収縮率はハウジングより大きく、ガス通路2の内壁との隙間を広くするように作用するから、それによっても、デポジットによる弁体6の固着を防止できる。 【0027】この状態で、内燃機関を始動すると、冷間時には、排気ガスの再循環を行なわないから、図示しない制御回路は、バタフライ弁4を閉弁するようにロータリソレノイド10が駆動制御する。即ち、ロータリソレノイド10の励磁コイル16への通電を制御して、そのロータ11を図3の反時計方向に回転駆動するようにし、バタフライ弁4を閉弁側に回転させる。 【0028】これにより、弁体6は閉弁方向に回転し、レバー8がストッパ9に当接して、弁体6の上側縁部がガス通路2内の弁座部2bに当接し、全閉位置で停止する。このとき、バタフライ弁4は、ロータリソレノイド10により直接駆動されるから、従来のポペット弁のようにねじ機構を介してモータにより減速駆動するものに比べ、素速い応答性をもって直ちに閉弁することができる。 【0029】またこの際、上述のように、全閉付近の弁体6の縁部と内壁との隙間(弁軸5に近い部分)が比較的広く設定されるから、その部分に堆積し易いデポジットによる弁体6の固着を防止することができる。さらに、バタフライ弁4はその構造上、バルブの上流側と下流側でガス圧力に大きな差圧がある場合であっても、その差圧は弁体6の両側に相反方向に作用して相殺されから、ロータリソレノイド10の駆動力が比較的小さくい場合であっても、確実に閉弁することができ、小形で簡単な構造のロータリソレノイド10の使用が可能となる。 【0030】内燃機関の運転に伴い、機関の温度が上昇すると、制御回路は、機関の回転数、冷却水の温度等の検出データに基づき、バタフライ弁4の目標開度を算出し、その目標開度を実現するように、目標制御量を決定し、目標制御量に基づきロータリソレノイド10の励磁コイル16に通電し、ロータ11を回転させる。これにより、バタフライ弁4の弁軸5が回転して、弁体6が開弁方向に制御された角度だけ回動し、バタフライ弁4が開弁制御される。 【0031】この際、上記のように、ロータリソレノイド10によりバタフライ弁4が直接駆動されるため、つまり、従来のポペット弁のようにねじ機構を介してモータにより減速駆動するものに比べ、素速い応答性をもって直ちに開弁することができる。また、全閉付近の弁体6の縁部と内壁との隙間(弁軸5に近い部分)を比較的広く設定しているから、その部分に堆積したデポジットによる弁体6の固着を防止し、良好に開弁することができる。さらに、バルブの上流側と下流側の差圧は、弁体6の両側に相反方向に作用するから、比較的小形のロータリソレノイド10の駆動力で、確実に開弁することが可能である。 【0032】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の排気ガス還流制御装置によれば、ロータリソレノイドのロータをバタフライ弁の弁軸に直結して駆動する構造を採用するから、極めて速い応答速度で、弁体を所定位置に回転させることができる。また、ロータリソレノイドの非通電時、バタフライ弁の弁体が全閉位置から所定の開度だけ開弁して停止するため、弁体の縁部と内壁間のデポジットの付着を防止し、弁体のデポジットによる噛み付きを防止し、比較的小型で簡単な構造のロータリソレノイドであっても、弁体を確実に開閉駆動することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000116574 【氏名又は名称】愛三工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月3日(2000.2.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076473 【弁理士】 【氏名又は名称】飯田 昭夫 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−214816(P2001−214816A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月10日(2001.8.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−26376(P2000−26376) |
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