| 【発明の名称】 |
ガスエンジンの燃料ガス供給装置及び燃料ガス供給方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】後藤 悟
【氏名】福田 孝広
【氏名】中山 貞夫
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| 【要約】 |
【課題】燃料ガスの吹抜け量を減らして熱効率を上げる。
【解決手段】ガス供給管5の電磁弁4は、吸気弁2が開き始めてからクランク角度が360度になるまでの間に開かれ、その時のガバニングで定められた燃料ガス量がガス供給管5の噴出口5aから給気ポート1に供給されると閉じられて燃料ガスの供給を停止する。噴出口5aが燃焼室に近いため、給気ポート1内の残留燃料ガスが減少し、当該および次サイクルの弁・オーバーラップ期間中の吹抜け燃料ガス量が減る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 給気ポートに吸気弁が設けられたガスエンジンにおいて、電磁弁によって開閉されるガス供給管が、その噴出口を上記給気ポートに開口させて設けられたことを特徴とするガスエンジンの燃料ガス供給装置。 【請求項2】 給気ポートに吸気弁が設けられたガスエンジンにおいて、電磁弁によって開閉されるガス供給管が、その噴出口を上記給気ポートに接続された給気マニホールド等の接続管に開口させて設けられたことを特徴とするガスエンジンの燃料ガス供給装置。 【請求項3】 ガス供給管は給気ポートに接続された給気マニホールド等の接続管に取り付けられたことを特徴とする請求項1又は2記載のガスエンジンの燃料ガス供給装置。 【請求項4】 噴出口は、ガス供給管の管端に形成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のガスエンジンの燃料ガス供給装置。 【請求項5】 噴出口は、閉止部材によって閉じられた管端近くの外周に形成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のガスエンジンの燃料ガス供給装置。 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1つに記載のガスエンジンの燃料ガス供給装置において、吸気弁が開き始めてから電磁弁を開いて燃料ガスを吸気弁近くに供給することを特徴とするガスエンジンの燃料ガス供給方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主として産業用と民生用の定置型発電設備に用いられるガスエンジンの燃料ガス供給装置及び燃料ガス供給方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図7は従来の一般的なガスエンジンの燃料ガス供給装置を示す。この燃料ガス供給装置Bは、燃料ガスをミキサ21で空気と混合し過給機22を通じてガスエンジンEに供給する構造となっている。図7中、符号23は吸気フィルタ,24は過給機22を駆動する排気ガスタービンである。 【0003】また、図8は他のガスエンジンの燃料ガス供給装置を示す。この燃料ガス供給装置Baは、吸気弁2のステム部2aにガス弁26を設け、吸気弁2が所定のリフト以上となった場合に、ガス弁26が燃料ガス通路1aの筒状ガイド27を開放して(図9参照)燃料ガスを給気ポート1に供給する構造となっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】図7の燃料ガス供給装置Bにおいては、図9に示すように、吸気弁と排気弁の弁・オーバーラップ期間中に空気と一緒に燃料ガスが主燃焼室を素通りする。このため、燃料ガスを排気中に捨てる事となり、熱効率の悪化を招く。吸気弁と排気弁の弁・オーバーラップ期間中の燃料ガス吹抜け量を軽減するめには、弁・オーバーラップ期間を狭くすればよいが、この方法では燃焼室内が新気により十分冷却されないので、排気温度が高くなったりノッキングが発生したりする。このため、エンジンの出力を抑制するなどの犠牲を伴う。 【0005】図8の燃料ガス供給装置Baでは、ガス弁部に、ガス弁26が軸方向に移動して密着するシートをもたない。このため、ガス弁26と筒状ガイド27の微細な隙間から微量の燃料ガスが給気ポート1内に漏洩し易い、この漏洩燃料ガスは給気ポート1に滞留して次のサイクルの弁・オーバーラップ期間中に吹き抜けることとなり、熱効率の低下を招く。 【0006】本発明は上記従来の諸問題を解決することを課題としており、高い熱効率を得ることができるガスエンジンの燃料ガス供給装置及び燃料ガス供給方法を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、実施が容易なガスエンジンの燃料ガス供給装置及び燃料ガス供給方法を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の少なくとも1つの目的を達成するために、請求項1記載の発明は、給気ポートに吸気弁が設けられたガスエンジンにおいて、電磁弁によって開閉されるガス供給管を、その噴出口を上記給気ポートに開口させて設けた構成とした。 【0008】この手段では、吸気弁が開き始めた後における燃料ガスの吹抜け量が最低に抑えられる時期に電磁弁を開き、燃料ガスをガス供給管の噴出口から給気ポートに直接噴出することができる。したがって、吸気弁と排気弁の弁・オーバーラップ期間を狭める必要がない。ガス供給管の噴出口が給気ポートに開口しているため、精度のよいタイミングで燃料ガスを供給することができ、しかも電磁弁により燃料ガスの漏洩をより完全に防止することが容易である。噴出口は、吸気弁のステム部或いは弁シートリングの部分にできるだけ近付けることが好ましい。 【0009】請求項2記載の発明は、給気ポートに吸気弁が設けられたガスエンジンにおいて、電磁弁によって開閉されるガス供給管を、その噴出口を上記給気ポートに接続された給気マニホールド等の接続管に開口させて設けた構成とした。 【0010】この手段では、吸気弁が開き始めた後における燃料ガスの吹抜け量が最低に抑えられる時期に電磁弁を開き、燃料ガスをガス供給管の噴出口から給気ポートに近い給気マニホールド等の接続管に噴出することができる。したがって、この手段においても、吸気弁と排気弁の弁・オーバーラップ期間を狭くする必要がない。ガス供給管の噴出口が給気ポートに接続された接続管に開口しているため、請求項1記載の燃料ガス供給装置に準じたタイミング精度で燃料ガスを供給することができ、また、燃料ガスの漏洩を電磁弁で防止することが容易である。噴出口は給気ポートにできるだけ近付けるとよい。 【0011】請求項1又は2記載のガスエンジンの燃料ガス供給装置において、ガス供給管を給気ポートに接続された給気マニホールド等の接続管に取り付けることが好ましい(請求項3)。この構成では、通常、接続管を改造するだけでよく、シリンダヘッド等の大幅改造を必要としないので、新規のガスエンジンはもとより、既存のガスエンジンにも容易かつ安価に実施することができる。 【0012】請求項1ないし3のいずれか1つに記載のガスエンジンの燃料ガス供給装置において、噴出口を、ガス供給管の管端に形成することができる(請求項4)。この構成では、ガス供給管の構造が簡単になる。 【0013】請求項1ないし3のいずれか1つに記載のガスエンジンの燃料ガス供給装置において、噴出口を、閉止部材によって閉じられた管端近くの外周に形成することができる(請求項5)。この構成では、燃料ガスはガス供給管の径方向、一般には供給空気の流れを横切る方向に噴出される。このため燃料ガスと空気との混合が良好になる。噴出口は1個とは限らず、2個以上設けることができる。噴出口を複数形成する場合は、全噴出口の合計開口面積を、ガス供給管の横断内径面積とほぼ等しくするのが普通である。 【0014】請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のガスエンジンの燃料ガス供給装置において、吸気弁が開き始めてから電磁弁を開いて燃料ガスを吸気弁近くに供給する構成とした。 【0015】この手段では、吸気弁が開き始めてクランク角度が所定角度になると、電磁弁が開かれて燃料ガスがガス供給管の噴出口から吸気弁近くに供給される。電磁弁はその時のカバニングで定められた燃料ガス量がガス供給管の噴出口から噴出されると閉じられて燃料ガスの供給を停止する。 【0016】燃料ガス供給圧力と給気ポート内圧力との圧力差が大きい程、ガス供給管による燃料ガスの単位時間当りの供給量が増える。つまり、エンジン運転負荷が同一であれば、電磁弁の開弁期間が短くなり、したがって、給気ポート内の残留ガスが減少し、次サイクルの燃料ガスの吹抜けガス量が軽減する。一般に、シリンダ径260mmのガスエンジンでは、燃料ガス供給圧力と給気ポート内圧力との圧力差が0.1〜0.18MPa程度の場合、電磁弁の開時期は、330〜350度のクランク角度の範囲内とされる。 【0017】 【発明の実施の形態】発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係るガスエンジンの燃料ガス供給装置の第1の実施の形態を示す。このガスエンジンの燃料ガス供給装置Aは、給気ポート1に吸気弁2が設けられたガスエンジンEにおいて、電磁弁4によって開閉されるガス供給管5を、給気ポート1に接続された給気マニホールド6に取り付けて成る。 【0018】ガス供給管5は、L字状に折り曲げられ、垂直に配設された吸気弁2のステム部2a近くに管端の噴出口5aを水平に配して給気マニホールド(接続管)6に取り付けられており、供給源(図示せず)から燃料ガス管7を通じて送られてきた燃料ガスを噴出口5aから吸気弁2のステム部2aに噴出することができるようになっている。 【0019】給気マニホールド6は、過給機22(図7)を接続した給気トランク8に給気ポート1を連絡している。ガスエンジンEは、排気ポート(図示せず)に排気弁(図示せず)を備え、吸気、圧縮、燃焼、排気の各行程をクランクの2回転(720度)で行う周知の構造となっている。 【0020】ガス供給管5の噴出口5aは、図2に示すように、閉止部材5bで閉じられた管端近くの外周に複数形成することもある。この場合は、全噴出口5aの合計面積をガス供給管5の横断内径面積とほぼ等しくするのが普通である。なお、図1に示すように管端部を開口として燃料ガスを噴出させるこは言うまでもなく、開口部に絞り機構を設けて噴出させる燃料ガスの量を調整できるようにすることも可能である。 【0021】図3は本発明に係るガスエンジンの燃料ガス供給装置の第2の実施の形態を示す。この燃料ガス供給装置Aaは、給気マニホールド6に、ガス供給管15を、その噴出口15aを給気マニホールド6に開口させて取り付けて成る。ガス供給管15は、給気マニホールド6内に垂直に挿入され、噴出口15aは吸気弁2側の外周にガス供給管15の長手方向に沿って複数形成されている。他の構造は図1の燃料ガス供給装置Aと同一であるので、同一の部材等に同一の符号を付してその説明は省略する。 【0022】上記の構成とされたガスエンジンの燃料ガス供給装置A,Aaにおいては、電磁弁4は、吸気弁2が開き始めてからクランク角度が360度になるまでの間に開かれ、その時のガバニング(燃料供給量を調整することによってエンジン回転数を所定値に制御すること)で定められた燃料ガス量がガス供給管5,15から供給されると閉じられて燃料ガスの供給を停止する。 【0023】図4と表1は、図1の燃料ガス供給装置Aにおける電磁弁4の開時期及び閉時期と、燃料ガス供給圧力Pgと給気マニホールド6内圧力Pbとの圧力差ΔP(=Pg−Pb)の調整値が、排出THC(トータル炭化水素)に及ぼす影響を調べた結果を示す。 【0024】 【表1】
【0025】ところで、圧力差ΔPが大きいと単位時間当りの燃料ガス供給量が増える。つまり、エンジン運転負荷が同一であれば、電磁弁4の開期間が短くなる。THC濃度を示す図4の(イ)〜(リ)線から明らかなように、弁・オーバーラップ期間、特に吸気弁2が開いた時のTHC濃度値に差が認められる。電磁弁付きとはいえ、噴出口5aと燃焼室との距離を考慮に入れて、電磁弁4の開く時期を適正化することが重要であることが示される。また、圧力差ΔPが大きければ、前述のように燃料ガスが短期間に供給されるので、給気ポート1内の残留ガスが減少し、次サイクルの弁・オーバーラップ期間の吹抜けガス量軽減に寄与する。 【0026】図5と図6は、シリンダ径が260mmの単気筒燃焼試験エンジンの運転結果を示す。これらの図において、◇印は図1の燃料ガス供給装置、□印は図2の燃料ガス供給装置(正しくは、図2のガス供給管を用いた図1の燃料ガス供給装置)、○印は図3の燃料ガス供給装置の場合であり、図1と図2の燃料ガス供給装置は、図3の燃料ガス供給装置に対して熱効率が高く、また同時に計測された排気ガス中のTHC濃度が低い。 【0027】これは、図1と図2の燃料ガス供給装置の噴出口5aが図3の燃料ガス供給装置の噴出口15aよりも吸気弁シートに近接し、燃焼室に近いために、シリンダヘッドの給気ポート1内の残留燃料ガスが減少し、次サイクルの弁・オーバーラップ期間中の吹抜け燃料ガス量が減ったことによるものと考えられる。 【0028】なお、ガスエンジンEの燃料ガス供給圧力Pgと給気マニホールド6内圧力Pbは、エンジン運転負荷やガスエンジンの種類等によって異なるが、周知のガスエンジンと変りがなく、概ね、燃料ガス供給圧力Pgは、0.01〜0.4MPa、給気マニホールド6内圧力Pbは、大気圧〜約0.2MPaである。 【0029】また、図4のTHC濃度は、シリンダヘッドの排気ポート(図示せず)部分において高速FID(水素炎イオン化検出)で計測した値であり、図6のTHC濃度は、エンジン排気管においてFIDで計測した値である。図6のTHC濃度が図4のそれよりも低くなっているのは、排気ガス中のHCが図4の計測部分である排気ポート(図示せず)から、図6の計測点である排気管に流れるまでに幾分酸化されることなどの理由によるものと思われる。 【0030】電磁弁4の開時期は、圧力差ΔPが、1.0〜1.8MPaである場合、クランク角度が330度となった時に吸気弁2が開き始める図4と表1の実験では、クランク角度が330〜350度となっているが、これに限られるものではなく、ガス供給管5の噴出口と吸気弁2のシート部、燃焼室(図示せず)までの距離がエンジンの大きさによって異なるため個々に最適化される。最適化作業は、吸気弁2が開き始めるクランク角度を基準とし、2、3度の前後にわたって調べると良い。 【0031】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1,2又は6記載の発明によれば、吸気弁が開き始めた後に電磁弁を開くことにより、燃料ガスの吹抜け量を合理的に低減することができ、したがって、熱効率が向上する効果がある。また、弁・オーバーラップ期間の設計自由度が高められ、この時期を長く取って、燃焼室内の冷却効果を引き出してガスエンジンの出力アップを実現することができる。 【0032】請求項1又は2記載のガスエンジンの燃料ガス供給装置において、ガス供給管を給気ポートに接続された給気マニホールド等の接続管(給気管)に取り付けた場合は、シリンダヘッド等の大幅改造が不要となり、付属部品とも言うべき給気マニホールド等の接続管を改造するだけで済むので、新規のガスエンジンだけでなく、既存のガスエンジンにも容易かつコスト安に実施することができる。 【0033】請求項1ないし3のいずれか1つに記載のガスエンジンの燃料ガス供給装置において、噴出口を、ガス供給管の管端に形成した場合は、ガス供給管の構造が単純になり、コストの点で有利になる。 【0034】請求項1ないし3のいずれか1つに記載のガスエンジンの燃料ガス供給装置において、噴出口を、閉止部材によって閉じられた管端近くの外周に形成すると、供給空気の流れを横切る方向に燃料ガスを噴出させて、燃料ガスを空気に良好に混合することが容易になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003931 【氏名又は名称】株式会社新潟鉄工所
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| 【出願日】 |
平成12年2月3日(2000.2.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−214811(P2001−214811A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月10日(2001.8.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−26634(P2000−26634) |
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