| 【発明の名称】 |
気化器の燃料調整機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】大金 伸一
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| 【要約】 |
【課題】気化器本体の燃料通路に対する先端ニードルの変化、特に先端ニードルの偏心による燃料量への悪影響をなくした気化器の燃料調整機構を得る。
【解決手段】気化器本体2に円筒部24と軸孔23と出口通路21とを同軸に設ける。円筒部24に圧入したナツト35に調整ねじ36を螺合する。針弁部30の軸部33を軸孔23に嵌合支持し、針弁部30の先端ニードル31を出口通路21へ嵌挿する。軸孔23の針弁部30の軸部33と先端ニードル31との間に弁室22を区画する。針弁部30の基端フランジ33aと軸孔23の基端壁24aとの間に介装したばね34の力により、基端フランジ33aを調整ねじ36の先端に当接させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】気化器本体の軸孔に支持される燃料調整針弁について、燃料調整針弁の針弁部と、該針弁部を軸方向にのみ移動させる調整ねじとを別体に構成したことを特徴とする気化器の燃料調整機構。 【請求項2】気化器本体に前記軸孔と出口通路とを同軸に設け、前記針弁部の軸部を前記軸孔に嵌合支持し、前記針弁部の先端ニードルを前記出口通路へ嵌挿し、前記軸孔の前記針弁部の軸部と先端ニードルとの間に弁室を区画した、請求項1に記載の気化器の燃料調整機構。 【請求項3】気化器本体に円筒部と軸孔と出口通路とを同軸に設け、前記円筒部に圧入したナツトに前記調整ねじを螺合し、前記針弁部の軸部を前記軸孔に嵌合支持し、前記針弁部の先端ニードルを前記出口通路へ嵌挿し、前記軸孔の前記針弁部の軸部と先端ニードルとの間に弁室を区画し、前記針弁部の基端フランジと前記軸孔の基端壁との間に介装したばねの力により、前記基端フランジを前記調整ねじの先端に当接したことを特徴とする気化器の燃料調整機構。 【請求項4】前記円筒部に合成樹脂からなる弁ハウジングを圧入し、該弁ハウジングに前記軸孔と前記出口通路とを同軸に設けた、請求項2,3に記載の気化器の燃料調整機構。 【請求項5】前記ばねの一端を支持する前記軸孔の基端壁を、前記軸孔の中心軸線に対し傾斜させた、請求項3,4に記載の気化器の燃料調整機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は気化器の燃料調整機構、詳しくは燃料調整針弁の先端ニードルの偏心による燃料量の変化を少なくした気化器の燃料調整機構に関するものである。 【0002】 【従来の技術】特開平11−50914号公報、特開平11−182349号公報、特許第2919359号公報などに開示される気化器の燃料調整機構では、先端ニードルの燃料出口通路に対する偏心を抑えることにより燃料量の変化を抑止する構造になつているが、燃料量を調整するには、燃料調整針弁を螺動させながら先端ニードルを軸方向に移動する構造であるので、先端ニードルが出口通路に対し常に同心性を維持する必要があり、高い同心性度を得るには気化器本体の燃料調整針弁を支持する軸孔や出口通路、さらには燃料調整針弁の軸部や先端ニードルに高度の加工精度が要求される。つまり、加工精度が低いと、機関運転者が燃料量を加減するために燃料調整針弁を螺動させた時、出口通路に対する先端ニードルの姿勢に変化が生じ、燃料調整針弁の回動量に対する燃料量の関係が直線的でなくなり、適正な燃料量を得ることが難しくなる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上述の問題に鑑み、気化器本体の燃料通路(通路孔)に対する先端ニードルの姿勢変化、特に先端ニードルの偏心による燃料量への悪影響をなくした気化器の燃料調整機構を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の構成は気化器本体の軸孔に支持される燃料調整針弁について、燃料調整針弁の針弁部と、該針弁部を軸方向にのみ移動させる調整ねじとを別体に構成したことを特徴とする。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明では既存の燃料調整機構よりも高精度の燃料量調整を実現するために、先端ニードルが回転しないよう、先端ニードルの調整を行う回転部(調整ねじ部)を別体構造とし、先端ニードルの偏心による燃料量(流量)の変化を少なくする。 【0006】先端ニードルを戻すためのばねが接する面を傾斜させ、先端ニードルを常に所定方向へ片寄せておき、先端ニードルと気化器本体の燃料通路とのガタによる先端ニードルの振れを抑える。 【0007】本発明によれば、燃料調整針弁の先端ニードルを有する針弁部と、先端ニードルの出口通路への突出量を加減する調整ねじとが別体になつており、調整ねじを回動すると針弁部は出口通路に沿つて回転することなく軸方向に移動するだけである。出口通路と先端ニードルとの隙間の関係が例えば先端ニードルが出口通路に対して偏心状態または傾斜状態にあつても、先端ニードルは回転しないので、先端ニードルの出口通路への突出量に応じてほぼ燃料量が少くなる特性が得られる。 【0008】 【実施例】図1に示すように、気化器本体2は紙面と垂直な方向に貫通する吸気路3を備えており、気化器本体2の下面15に膜を挟んで壁体を結合し、膜の上側に定圧燃料室13が、膜の下側に大気室がそれぞれ区画される。気化器本体2の下面15から下方へ突出する位置決めピン14は、壁体の位置決め孔へ嵌合される。定圧燃料室13から吸気路3へ延びる通孔12に通路部材10が嵌合される。通路部材10には環状溝8と径方向の通路9と軸方向の通路7とが形成され、通路7の上端が逆止弁6を経て燃料噴孔4に連通される。逆止弁6は通孔12へ係止した抜止め環5により脱落を阻止される。 【0009】燃料調整針弁Aは気化器本体2から側方へ突出する突壁2aの円筒部に装着される。燃料調整針弁Aは針弁部30と調整ねじ36と調整ねじ36の燃料量増方向への調整を阻止するキヤツプ39とを備えている。キヤツプ39は調整ねじ36の頭部37にセレーシヨン嵌合される。気化器本体2には突壁2aの端壁面から順次内方へ内径が小さくなる円筒部26、内空部25、円筒部24、軸孔23、出口通路21が形成される。一方、針弁部30には基端フランジ33aから順次内方へ外径が小さくなる軸部33、ステム32、先端ニードル31が形成される。フランジ33aと円筒部24の端壁24aとの間にコイルばね34が介装される。軸部33は軸孔23へ嵌合され、かつ軸孔23とステム32との間に弁室22が区画される。弁室22は入口通路16を経て定圧燃料室13へ連通される。弁室22から出口通路21へ流れる燃料量は、先端ニードル31が弁室22から出口通路21へ突出する長さにより調整される。すなわち、燃料量は出口通路21と先端ニードル31との間の隙間の流体抵抗により決まる。 【0010】針弁部30を調整するために、円筒部24の開口端部には合成樹脂からなるナツト35が嵌合固定され、ナツト35のねじ孔35aに調整ねじ36が螺合され、調整ねじ36の半球状の先端がフランジ33aへ当接される。好ましくは、ナツト35には円孔を設け、調整ねじ36が円孔にねじ溝を切り込みながら螺合されるように構成する。調整ねじ36の頭部37は内空部25へ収容され、燃料量を設定値から燃料量増方向への回動を阻止するキヤツプ39が頭部37にセレーシヨン嵌合されるようになつている。 【0011】キヤツプ39の外周面に軸方向に間隔を存して3つの突起(または環状の突条)40,41,42が形成されている。内空部25を閉鎖する蓋板38が円筒部26へ固く取り外すことができないように嵌合される。蓋板38にはキヤツプ39を挿通する孔が設けられ、該孔の開口縁部に突起40と係合可能の突条26aが設けられる。 【0012】図1において、キヤツプ39の基端部開口から工具(ドライバ)を頭部37の工具溝37aへ係合して調整ねじ36を螺動すれば、調整ねじ36の先端により針弁部30がばね34の力に抗して左方へ押され、先端ニードル31の出口通路21への突出量が調整される。定圧燃料室13から入口通路16を経て弁室22へ入つた燃料は、先端ニードル31と出口通路21の隙間を経て環状溝8、通路9、通路7、逆止弁6を押し開いて、燃料噴孔4から吸気路3へ吸引される。 【0013】気化器製造者の調整作業が終つたところで、キヤツプ39を内空部25へ図示の状態に押し込み、突条41が突条26aを乗り超えた状態で機関製造者へ納入される。機関製造者は気化器を機関へ取り付けた後、機関を実際に運転しながら微細な燃料量の調整を行う。調整作業が終つたところで、キヤツプ39を内空部25へ完全に押し込めば、セレーシヨン孔43が頭部37へ嵌合され、調整ねじ36とキヤツプ39は一体化される。この時、キヤツプ39は燃料調整位置から燃料量増方向へは回転できないが、燃料量減方向へは回動できるようになつている。このような構造については、本発明の要旨には直接関係しないので説明を省略する。 【0014】本発明によれば、燃料調整針弁Aの先端ニードル31を有する針弁部30と、先端ニードル31の出口通路21への突出量を加減する調整ねじ36とが別体になつており、調整ねじ36を回動すると、針弁部30は出口通路21に沿つて回転することなく、軸方向に移動するだけである。したがつて、出口通路21と先端ニードル31との隙間の関係、例えば先端ニードル31が出口通路21に対して偏心状態または傾斜状態にあつても先端ニードル31は回転しないので、先端ニードル31の出口通路21への突出量にほぼ比例した燃料量が得られる。 【0015】図2に示す実施例では、気化器本体2に軸孔23と弁室22と出口通路21を直接加工する代りに、円筒部24の内端部へ好ましくは合成樹脂からなる弁ハウジング50を圧入嵌合し、弁ハウジング50に形成した軸孔23へ針弁部30の軸部33を嵌合し、制振性を高めるようにするようにしたものであり、他の構成については図1のものと同様である。 【0016】図3に示す実施例では、弁ハウジング50の基端壁24aを、円筒部24の中心軸線に対して垂直でなく、幾分傾斜させたものである。これにより、基端面24bとフランジ33aの間に介装されるコイルばね34が針弁部30に及ぼす力が周方向に均等でなくなる。すなわち、針弁部30の先端ニードル31を出口通路21に対して傾けるような力が働き、先端ニードル31の先端が出口通路21の内周面に点接触するような状態に維持されるので、燃料量の調整時、針弁部30がこの姿勢を保ちながら軸方向に移動し、調整ねじ36の調整作用に対し安定した燃料量を加減することができる。つまり、針弁部30の軸方向移動量に対する燃料量の線形変化が得られる。 【0017】 【発明の効果】本発明は上述のように、気化器本体の軸孔に支持される燃料調整針弁について、燃料調整針弁の針弁部と、該針弁部を軸方向にのみ移動させる調整ねじとを別体に構成したので、調整ねじが回転螺動しても先端ニードルは単に軸方向に移動するだけであるので、通路孔に対する先端ニードルの姿勢変化、特に先端ニードルの偏心による悪影響を除去することができる。 【0018】針弁部の軸部の軸方向中央部が気化器本体の軸孔へ嵌合支持されているので、気化器本体が機関から振動を受けても、先端ニードルが出口通路に対して傾いたりするなどの先端ニードルの振れが抑えられ、先端ニードルの偏心による燃料量の変化を抑えることができる。 【0019】気化器本体の孔加工や燃料調整針弁の同心精度を厳しく規制する必要がないので、加工精度の管理負担が軽減される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390008877 【氏名又は名称】株式会社日本ウォルブロー
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| 【出願日】 |
平成12年1月31日(2000.1.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075889 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 俊夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−214807(P2001−214807A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月10日(2001.8.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−21548(P2000−21548) |
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