| 【発明の名称】 |
アイシング防止器及びこれを備えた自動二輪車 |
| 【発明者】 |
【氏名】浦野 正一
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| 【要約】 |
【課題】吸入体積効率の劣化を抑制防止し、電力を消費することのないアイシング防止器及びこれを備えた自動二輪車を提供する。
【解決手段】吸気中の水分がキャブレタ内で凍結してエンジンの不調を招くのを防止するものであって、一端面が開口した外気導入ボディ1と、外気導入ボディ1の一端面を覆い、エアフィルタ7でろ過された清浄な空気をキャブレタに導く導出ボディ9とを備える。そして、外気導入ボディ1の他端面を熱伝導性に優れる冷却板2としてその外面には複数の放熱フィン11を並設し、冷却板2の内面には上下方向に伸びる多数の排水溝12を並設し、冷却板2の内面に結露した水滴を外気導入ボディ1の外部に多数の排水溝12とドレンホース6とを介して排水する。キャブレタの加熱や吸気温度の上昇ということがないので、吸気密度の低下を防止することができ、吸入体積効率を維持向上させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸気中の水分がキャブレタ内で凍結してエンジンの不調を招くのを防止するアイシング防止器であって、一端面が開口した外気導入ボディと、この外気導入ボディの一端面を覆い、エアフィルタでろ過された清浄な空気を上記キャブレタに導く導出ボディとを含み、上記外気導入ボディの少なくとも他端面を熱伝導性の冷却板としてその外面には放熱フィンを設け、該冷却板の内面に複数の溝を並べ設けてこの複数の溝を上下方向に伸ばし、該冷却板の内面に結露した水滴を上記外気導入ボディの外部に該複数の溝を介して排水するようにしたことを特徴とするアイシング防止器。 【請求項2】 フレームの後部にユニットスイング型のエンジンを懸架した自動二輪車であって、上記エンジンの伝動ケースに請求項1記載のアイシング防止器を取り付け、このアイシング防止器の放熱フィンを車体カバーの外部に露出させたことを特徴とする自動二輪車。 【請求項3】 上記放熱フィンを走行風と平行になるよう並べ設けた請求項2記載の自動二輪車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、冬期の低温多湿環境における吸気中の水分がキャブレタ内で凍結してエンジンの不調を招くのを防止するアイシング防止器及びこれを備えた自動二輪車に関するものである。 【0002】 【従来の技術】エンジンが不調の場合には様々な原因が考えられるが、その一つにアイシング(icing)があげられる。このアイシングは、外気温が低く、湿度が高い場合において、(1)キャブレタのベンチュリ部でガソリンが気化し、気化潜熱により吸気温度が低下する、(2)外気の湿度が高いため、吸気温度の低下により吸気中の水分が結露凍結することにより発生する。従来、アイシングを防ぐ場合には、図示しないが、(1)キャブレタに電気ヒータを取り付け、この電気ヒータでベンチュリ部を加熱して凍結を防止する方法、(2)外気がキャブレタに至る前に排気熱で吸気を暖め、吸気温度を高めてキャブレタに吸気させる方法のいずれかが採用されている。 【0003】なお、この種の先行技術文献として、実開昭63−57322号、実開平1−148053号、実公平6−39771号、実開平1−176720号公報等がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1)、(2)の方法では加熱や吸気温度の上昇により吸気密度が低下するので、吸入体積効率が劣化するという問題がある。また、(1)の方法では電気ヒータを使用するので、電力消費を伴わざるを得ない。 【0005】本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、吸入体積効率の劣化を抑制防止し、電力を消費することのないアイシング防止器及びこれを備えた自動二輪車を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明においては、上記課題を達成するため、吸気中の水分がキャブレタ内で凍結してエンジンの不調を招くのを防止するものであって、一端面が開口した外気導入ボディと、この外気導入ボディの一端面を覆い、エアフィルタでろ過された清浄な空気を上記キャブレタに導く導出ボディとを含み、上記外気導入ボディの少なくとも他端面を熱伝導性の冷却板としてその外面には放熱フィンを設け、該冷却板の内面に複数の溝を並べ設けてこの複数の溝を上下方向に伸ばし、該冷却板の内面に結露した水滴を上記外気導入ボディの外部に該複数の溝を介して排水するようにしたことを特徴としている。 【0007】請求項2記載の発明においては、上記課題を達成するため、フレームの後部にユニットスイング型のエンジンを懸架したものであって、上記エンジンの伝動ケースに請求項1記載のアイシング防止器を取り付け、このアイシング防止器の放熱フィンを車体カバーの外部に露出させたことを特徴としている。なお、上記放熱フィンを走行風と平行になるよう並べ設けると良い。 【0008】ここで、特許請求の範囲におけるアイシング防止器は、主にオンロードやスクータ等の自動二輪車に設置される。但し、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば各種の四輪自動車、船外機、汎用エンジン、芝刈機、ボート、又は水上バイク等に設置されるものでも良い。 【0009】請求項1又は2記載の発明によれば、流体である外気は、外気導入ボディ内に流れて冷却板の内面に接触する。この冷却板は、放熱フィンが外気に接触するので、内面の温度が外気の温度よりも低くなっている。このような冷却板の内面に外気が接触すると、外気中の水分が結露して水滴となり、この水滴は、複数の溝に受け流されて外気導入ボディから外部に排除される。このようにして湿度の低下した外気は外気導入ボディからエアフィルタに流れて清浄な空気となり、この清浄な空気は導出ボディを通過してキャブレタに流れ、これにより、自動二輪車、四輪自動車、船外機、汎用エンジン、芝刈機、ボート、又は水上バイクのアイシングが防止される。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して請求項1記載の発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態におけるエアクリーナであるアイシング防止器は、図1及び図2に示すように、クリーナダスト室として機能する外気導入ボディ1と、この外気導入ボディ1にエンドレスのシール8を介して着脱自在に覆着され、エアフィルタ7でろ過された清浄な空気をキャブレタに導く導出ボディ9とを備え、外気導入ボディ1を構成する冷却板2の露出した外面に熱交換面積を大きくする複数の放熱フィン11を、冷却板2の内面には表面積を拡大させる多数の排水溝12をそれぞれ一体的に並設するようにしている。 【0011】外気導入ボディ1は、アルミニウム等の延性や熱伝導性に優れた材料を使用して正面略半楕円の箱形に成形され、一端面が開口形成されるとともに、他端面が熱伝導性に優れた冷却板2とされており、一端面には同形の仕切板3が着脱自在に嵌合される。外気導入ボディ1の内部下方には、吸入口に流入した外気を導入する拡径のインレットチューブ5が折り返して挿着され、かつドレンホース6が挿着されている。仕切板3は、各種の鋼板や合成樹脂等からなり、略半楕円の流通口4が斜め上方に貫通して成形されている。 【0012】エアフィルタ7は、ウレタンフォーム等を用いて略半楕円のスポンジ状に成形され、オイルの滲み込んだ状態で隣接する仕切板3の流通口4を通過した外気を清浄な空気にろ過するよう機能する。導出ボディ9は、合成樹脂等を使用してエアフィルタ7を被包するよう正面略半楕円の箱形に成形され、一端面が開口形成されてクリーンサイド室として機能する。外気導入ボディ1の内部下方には、図示しないキャブレタに清浄な空気を導出するアウトレットチューブ10が拡径に挿着されている。さらに、多数の排水溝12は、縦溝である各排水溝12が細く上下方向に伸ばして凹み成形されており、冷却板2の内面に接触して結露した水滴を下方のドレンホース6に導くよう立樋として作用する。 【0013】上記構成において、矢印で示す外気は、吸入口からインレットチューブ5を通過して外気導入ボディ1に流入し、冷却板2の内面に接触する。この際、外気導入ボディ1とエアフィルタ7との間に仕切板3が介在するので、インレットチューブ5を通過した直後の外気がエアフィルタ7に接触することがない。また、冷却板2は、放熱フィン11が外気に接触するので、内面温度が外気温よりも低くなっている。このような冷却板2の内面に外気が接触すると、外気中の水分が結露し、周囲の露が集まって水滴となる。そして、冷却板2の内面に結露付着した水滴は、刻設された多数の細い排水溝12に案内されて外気導入ボディ1の下部に溜まり、ドレンホース6から外気導入ボディ1の外部に排水される。 【0014】以上の原理により外気は、キャブレタへの吸入前の段階で湿度が低下し、外気導入ボディ1から仕切板3の上方の流通口4を介してエアフィルタ7に流入し、異物が除去されて清浄な空気となる。この清浄な空気は、導出ボディ9のアウトレットチューブ10を通過してキャブレタに流入し、アイシングが防止される。 【0015】上記構成によれば、キャブレタの加熱や吸気温度の上昇ということがないので、吸気密度の低下をきわめて有効に防止することができ、吸入体積効率を維持向上させることができる。また、電気ヒータを使用しないので、回路素子等の部品点数の増加や電力消費もない。また、冷却板2の内面左右方向に多数の排水溝12を並設して凹凸構造とし、冷却板2の表面積を拡大させているので、水滴を実に円滑、かつ容易に落下させることができるとともに、連続的な多量の排水が大いに期待できる。さらに、外気導入ボディ1とエアフィルタ7との間に仕切板3が介在するので、エアフィルタ7に水が付着するのを有効に防止することが可能になる。 【0016】次に、図3ないし図5は請求項2記載の発明の好ましい実施形態を示すもので、この場合には、スクータからなる自動二輪車のフレームの後部下方にユニットスイング型のエンジン36をショックアブソーバ37を介し揺動可能に懸架し、この後輪38を駆動するエンジン36の伝動ケース39に上記構成のアイシング防止器を装着し、このアイシング防止器の複数の放熱フィン11を矢印で示す走行風と平行となるよう並設するとともに、この複数の放熱フィン11を車体カバー25の外部に露出させるようにしている。 【0017】自動二輪車はアンダボーンタイプのフレームを備え、このフレームは、前部に操舵可能なフロントフォーク20が、略中央部にシート23で開閉されるトランク24が、後部上方には図示しないフューエルタンク及びオイルタンクがそれぞれ配設されており、車体カバー25で被覆されている。フロントフォーク20は、下部に前輪21が軸支され、上部にはハンドル22が装着されている。また、車体カバー25は、ヘッドランプカバー26、ハンドルリヤカバー27、フロントレッグシールド28、レッグシールドカバー29、レッグシールドラック30、ロアーレッグシールド31、リヤーレッグシールド32、左右一対のロアーサイドカバー33、フレームアッパカバー34、及びリッド35等から構成されている。 【0018】上記構成において、外気は、図示しない吸入口からインレットチューブ5を流通して外気導入ボディ1に流入し、冷却板2の内面に接触する。外気導入ボディ1とエアフィルタ7とを仕切板3が区画するので、インレットチューブ5を流通した直後の外気がエアフィルタ7に接触することがない。また、冷却板2は、露出した複数の放熱フィン11の間を走行風が流通するので、内面温度が外気温よりも低くなる。このような冷却板2の内面に外気が接触すると、外気中の水分が結露し、周囲の露が集まって水滴となる。冷却板2の内面に結露付着した水滴は、多数の細い排水溝12を流下して外気導入ボディ1の下部に集められ、ドレンホース6から外気導入ボディ1、換言すれば、エアクリーナの外部に排水される。 【0019】以上により外気は、キャブレタへの吸入前の段階で湿度が低下し、外気導入ボディ1から仕切板3の上方の流通口4を介してエアフィルタ7に流入し、異物が除去されて清浄な空気となる。この清浄な空気は、導出ボディ9のアウトレットチューブ10を流通してキャブレタに流入し、冬期の低温多湿環境における自動二輪車のアイシングが防止される。本実施形態においても、上記実施形態と同様の作用効果が期待できるのは明らかである。 【0020】なお、上記実施形態では外気導入ボディ1、仕切板3、エアフィルタ7、シール8、及び導出ボディ9を略半楕円形としたが、必要に応じて矩形や多角形等の他形状に形成することもできる。また、外気導入ボディ1の他端面を冷却板2としたが、他端面だけではなく、周壁の一部又は全部等をも冷却板2としても良い。また、外気導入ボディ1を各種の合成樹脂(例えば、ABS、PP、PVC、PE、ポリアミド、変性PPE、AS等)を使用して筒形に成形し、開口した他端面にアルミニウム等からなる別体の冷却板2を嵌着しても良い。また、仕切板3の上部に単数複数の流通口4を開け設けても良い。さらに、波目状に折り畳まれたろ紙や不燃布からなるエアフィルタ7を使用することも可能である。さらにまた、各排水溝12からなる溝の断面は半円でも、角形等でも良い。 【0021】 【発明の効果】以上のように請求項1又は2記載の発明によれば、吸入体積効率の劣化を抑制あるいは防止し、しかも、アイシングの防止に電力を消費することがないという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002082 【氏名又は名称】スズキ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月19日(2000.1.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100112335 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 英介 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−200768(P2001−200768A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月27日(2001.7.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−10463(P2000−10463) |
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