| 【発明の名称】 |
定置式ガスエンジン |
| 【発明者】 |
【氏名】迫田 茂穂
【氏名】神近 拓朗
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| 【要約】 |
【課題】NOx吸蔵還元触媒を備えたガスエンジンにおいて、回転数変動や燃費の悪化を伴うことなく、NOx吸蔵還元触媒の再生のために燃料をリッチ化することができる定置式ガスエンジンを提供する。
【解決手段】空気取入れ口117aと燃焼室161とを連通する吸気通路111にベンチュリ部118aを設け、該ベンチュリ部にガス燃料供給通路162を接続し、このガス燃料供給通路162にメイン燃料制御弁123aおよび減圧弁122を設け、この減圧弁122の上流側のガス燃料供給通路162から分岐して前記ベンチュリ部118aの下流側の吸気通路111に接続する燃料分岐通路163を設け、該燃料分岐通路163に燃料補正制御弁123bを設け、前記燃焼室161に連通する排気通路112にNOx吸蔵還元触媒170を設け、このNOx吸蔵還元触媒170の下流側の排気通路112にNOx濃度を検出するNOxセンサ1kを設け、このNOxセンサ1kの検出濃度に応じて前記燃料補正制御弁の開度を制御する制御装置を備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】空気取入れ口と燃焼室とを連通する吸気通路にベンチュリ部を設け、該ベンチュリ部にガス燃料供給通路を接続し、このガス燃料供給通路にメイン燃料制御弁および減圧弁を設け、この減圧弁の上流側のガス燃料供給通路から分岐して前記ベンチュリ部の下流側の吸気通路に接続する燃料分岐通路を設け、該燃料分岐通路に燃料補正制御弁を設け、前記燃焼室に連通する排気通路にNOx吸蔵還元触媒を設け、このNOx吸蔵還元触媒の下流側の排気通路にNOx濃度を検出するNOxセンサを設け、このNOxセンサの検出濃度に応じて前記燃料補正制御弁の開度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする定置式ガスエンジン。 【請求項2】前記制御装置は、NOxの検出濃度が大きくなる程、前記燃料補正制御弁の開度を大きくするように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の定置式ガスエンジン。 【請求項3】エンジン回転数センサを備え、前記ベンチュリ部の下流側にスロットルを備え、該スロットルの開度調整手段を備え、前記制御装置は、前記スロットルの開度が小さいとき又はエンジン回転数が低回転のときに、前記分岐通路の燃料補正制御弁を開とすることを特徴とする請求項1に記載の定置式ガスエンジン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は定置式ガスエンジンに関し、特にNOx吸蔵還元触媒を備えたガスエンジンに関するものである。 【0002】 【従来の技術】天然ガスおよび石油精製ガスを燃料とするガスエンジンヒートポンプやコージェネレーションによる発電装置あるいはガス充填装置等において、定置式のガスエンジンが用いられている。この定置式ガスエンジンにおいては、ガス燃料を吸気通路上に設けた気化器や混合器のベンチュリに吐出し、その下流側のスロットル弁の開度調整により負荷に応じた混合気を燃焼室に供給する。ガス燃料吐出部に連通する燃料供給通路には燃料制御弁が設けられ、燃料ガスの供給量が調整され空燃比が制御される。このようなガスエンジンは、冷媒を循環させる圧縮機とともに用いてガスヒートポンプ式の空調装置を構成したり、ガス燃料を圧縮してガスタンク等に充填する圧縮機とともに用いてガス充填装置を構成する。 【0003】このような定置式ガスエンジンは、装置側の要求により定まる目標回転数で運転され、定置式であるため回転数変動が装置側に及ぼす影響が大きく、したがって回転数変動を極力抑えて安定した運転を維持する必要がある。 【0004】一方、このような定置式ガスエンジンにおいて、排気ガス中の有害物質であるNOxを浄化するための一手段として、希薄燃焼運転可能とするとともに排気系統にNOx吸蔵還元触媒(吸収分解触媒)を設けたガスエンジンが用いられている。 【0005】このNOx吸蔵還元触媒は、例えばアルミナ(Al2O3)を担体として、この担体上に例えば、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属やバリウム(Ba)、カルシウム(Ca)等のアルカリ土類あるいはランタン(La)、イットリウム(Y)等の希土類から選ばれた少なくとも1種類と、例えば白金(Pt)あるいは白金(Pt)とロジウム(Rh)等の貴金属とを担持したものである。 【0006】このようなNOx吸蔵還元触媒は、空燃比リーンの酸化雰囲気中でNOxを吸収し、空燃比リッチの還元雰囲気中で排気ガス中のHCやCO等の還元剤により還元されてN2として放出される。空燃比リーンの状態が長期間続くと、このNOx吸蔵還元触媒は飽和してNOxを吸収しなくなるので、NOx吸収量が触媒のNOx吸収飽和容量に近づくと空燃比リッチ状態として、触媒を還元して吸収したNOxを放出させ、触媒の再生を図る必要がある。 【0007】このようなNOx吸蔵還元触媒を備えたエンジンとして、自動車用エンジンの排気通路にHCエミッションの悪化を伴うことなく、加速フィーリングを向上させた内燃機関の排気浄化装置が公開されている(特許第2757698号)。この特許公報記載の排気浄化装置は、車両の加速時に燃料噴射弁より加速増量燃料を噴射して空燃比をリッチ化し、排気を還元雰囲気として触媒の再生に利用している。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特許公報記載の技術は、燃料噴射弁を用いた自動車エンジンの加速時のフィーリングの向上を図るものであり、これを単に定置式エンジンに適用することはできない。特に定置式エンジンでは、回転数変動を十分に抑える必要があり、また希薄燃焼運転としてNOx低減や燃費の向上を図った場合に、触媒再生のために空燃比をリッチ化したときに回転数変動とともに燃費の悪化を抑える必要がある。 【0009】本発明は上記従来技術を考慮したものであって、NOx吸蔵還元触媒を備えたガスエンジンにおいて、回転数変動や燃費の悪化を伴うことなく、NOx吸蔵還元触媒の再生のために燃料をリッチ化することができる定置式ガスエンジンの提供を目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明では、空気取入れ口と燃焼室とを連通する吸気通路にベンチュリ部を設け、該ベンチュリ部にガス燃料供給通路を接続し、このガス燃料供給通路にメイン燃料制御弁および減圧弁を設け、この減圧弁の上流側のガス燃料供給通路から分岐して前記ベンチュリ部の下流側の吸気通路に接続する燃料分岐通路を設け、該燃料分岐通路に燃料補正制御弁を設け、前記燃焼室に連通する排気通路にNOx吸蔵還元触媒を設け、このNOx吸蔵還元触媒の下流側の排気通路にNOx濃度を検出するNOxセンサを設け、このNOxセンサの検出濃度に応じて前記燃料補正制御弁の開度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする定置式ガスエンジンを提供する。 【0011】この構成によれば、制御装置により燃料分岐通路に設けた燃料補正制御弁の開度を制御することにより、トルク特性曲線上、触媒によるNOx吸収時のリーン状態の空燃比におけるトルクと同じトルクが得られるリッチ状態の空燃比となるように吸気通路内に燃料を供給し、これにより、トルク変動を抑えるとともに回転数変動を抑えることができる。このとき、ガス燃料供給通路のメイン燃料制御弁によりシステム側の要求負荷に応じた回転数を得るための燃料供給を行って一定回転を維持した状態で、この燃料供給通路の減圧弁上流側の高圧ガス燃料を燃料分岐通路からベンチュリ下流側の吸気負圧が大きい吸気通路内に供給するため、大きな圧力差によりガス燃料が瞬時に供給され短時間で触媒再生に必要なリッチ雰囲気として燃費の悪化を抑えることができる。 【0012】好ましい構成例においては、前記制御装置は、NOxの検出濃度が大きくなる程、前記燃料補正制御弁の開度を大きくするように構成されたことを特徴としている。 【0013】この構成によれば、排気通路の吸蔵還元触媒の下流側でNOx濃度を検出し、制御装置はこの濃度が所定値以上のとき触媒の吸収能力が不十分と判断するとともに、濃度が大きい程吸収能力が低下しているため還元雰囲気とするためのガス燃料の供給量を多くして確実な還元再生作用を達成する。 【0014】さらに好ましい構成例では、エンジン回転数センサを備え、前記ベンチュリ部の下流側にスロットルを備え、該スロットルの開度調整手段を備え、前記制御装置は、前記スロットルの開度が小さいとき又はエンジン回転数が低回転のときに、前記分岐通路の燃料補正制御弁を開とすることを特徴としている。 【0015】この構成によれば、スロットル開度が小またはエンジン回転数が小で吸気負圧が大きいときに分岐通路から燃料を供給することにより、微小燃料を瞬時に確実に制御して吸気通路内に供給することができ燃費の悪化や回転数変動を確実に抑えることができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明が適用されるガスエンジンヒートポンプ式空調システムの構成図である。この空調システムは、室外ユニット60と複数の室内ユニット61(図は1台のみ示す)からなり、室外ユニット60内にガスエンジン1が設けられ、このガスエンジン1により駆動されるヒートポンプ冷媒サイクル2が室外ユニット60および室外ユニット61間にわたって構成される。 【0017】ガスエンジン1は、エアクリーナ3に接続された吸気通路4を有し、この吸気通路4上にミキサー5が設けられる。ミキサー5のガス混合部の下流側にはスロットル弁6が備り、吸気口18から取入れられ、エアクリーナ3を通して供給される外気とガス燃料との混合気量を調整する。このミキサー5のガス混合部に燃料供給管7が接続され混合気を形成する。燃料供給管7上には、ミキサー5に供給するガス燃料流量を調整するためのガス燃料制御弁8(メイン燃料制御弁)およびガス圧を大気圧に調整するゼロガバナ9が設けられ、開閉弁10を介して燃料ガスタンク(図示しない)に接続される。このガス燃料制御弁8が後述のように、CPUによってフィードバック制御される。 【0018】本実施の形態では、この燃料供給管7のゼロガバナ9の上流側とミキサー5の下流側の吸気通路4を連通する燃料分岐通路(後述の図2で詳述する)が設けられ、この燃料分岐通路上に燃料補正制御弁を設けて後述のように触媒の再生処理を行う。 【0019】ガスエンジン1の排気側には排気管12が備る。この排気管12上に排気ガス触媒13(本実施形態ではNOx吸蔵還元触媒)および排気ガス熱交換器14が備り、さらにその下流側にサイレンサ15およびドレンセパレータ16が備り、排気ガスは排気出口17から放出される。ドレンセパレータ16とサイレンサ15および排気ガス熱交換器14は、中和器19に接続され、酸性ドレン水を中和してドレン出口20から外部に排出する。 【0020】ガスエンジン1の底部のオイルパン21にはオイルタンク22が接続されオイル供給ポンプ23によりオイルが供給される。オイルは図示しないオイルポンプによりエンジン内を循環する。11はブローバイガス中のオイルを分離するオイルセパレータである。 【0021】このガスエンジン1のクランク軸(図示しない)には、クラッチ24を介して2台のコンプレッサ25が接続される。各コンプレッサ25には、脱フロンガス等からなる冷媒が循環する冷媒入口管27および冷媒出口管28が接続される。コンプレッサ周辺の冷媒入口管27および冷媒出口管28には、配管をコンパクトに配設し且つストレスや振動を吸収するために可撓管26が介装される。冷媒出口管28側にはオイルセパレータ29が装着され、その下流側で四方弁30に接続される。オイルセパレータ29は、圧縮冷媒ガスからオイルおよび液体冷媒を分離して、これを戻し管33を通してアキュムレータ35に戻す。四方弁30は、4つのポートa,b,c,dを有し、冷暖房時に各ポート間の接続が切換えられる。 【0022】暖房時には、図示したように、ポートaとポートbが接続され、ポートcとポートdが接続される。これにより、コンプレッサ25から出た圧縮冷媒ガスが室内熱交換器31を通って凝縮され、室内に凝縮熱を放出して暖房する。凝縮された冷媒は膨張弁52を通って減圧され、HIC51を介して室外熱交換器32を通って蒸発する。蒸発した冷媒は四方弁30のポートc,dを通過してプレート熱交換器34またはバイパス管45を介してアキュムレータ35に入る。アキュムレータ35に並列してサブアキュムレータ46が設けられる。アキュムレータ35の冷媒はキャピラリチューブ48,49,50および絞り47等を介して冷媒入口管27よりコンプレッサ25に吸引される。 【0023】なお、80は四方弁30から室内熱交換器31を経て膨張弁52に到るまでの冷媒配管であり、81は膨張弁52からHIC51を経てサブクール用室外熱交換器32aに到るまでの冷媒配管、82はサブクール用室外熱交換器32aから分流し室外熱交換器32を経て合流し四方弁30に到るまでの冷媒配管であり、83は冷媒配管81の途中部から開時電子膨張弁として機能する開閉弁83a及びHIC51を経て冷媒配管81の途中部までのバイパス配管である。 【0024】冷房時には、四方弁30のポートaとポートcが接続され、ポートbとポートdが接続される。これにより、圧縮冷媒ガスはポートa,cを通って暖房時と逆に先に室外熱交換器32で凝縮され、膨張弁52を通り室内熱交換器31で蒸発して室内を冷房する。その後四方弁30のポートb,dを通ってアキュムレータ35に戻る。 【0025】なおサブクール用室外熱交換器32aは、並列配置される3つの室外熱交換器32で凝縮し液化した冷媒をさらに過冷却するための凝縮器として機能する。 【0026】上記冷媒配管上でHIC51は、COP(冷凍機成績係数)を向上させるための圧損低減用の熱交換器である。すなわち、冷房運転中室外側の要求負荷が小さく高圧の冷媒をバイパス配管83を通して低圧側となる冷媒配管80にバイパスされる時、開閉弁83aが開且つ所望の絞り開度となり、この開閉弁83aで減圧し低温低圧となった冷媒をHIC51で高圧高温の液冷媒と熱交換させることにより、高圧側についてさらに過冷却(サブクール)する一方、低圧側では冷媒の蒸発を助けるように機能する。 【0027】また、プレート熱交換器34は、アキュムレータ35内に導入される冷媒をその配管途中で高温のエンジン冷却水により加熱するためのものである。このプレート熱交換器34にはバイパス管45が設けられ、冷房時の圧損を低減してCOPを向上させる。 【0028】ガスエンジン1には、冷却水系39が備り、冷却水ポンプ40により冷却水が循環する。冷却水ポンプ40により送られた冷却水は、排気熱交換器14を通り、第2ポンプ41によりエンジンの冷却ジャケット(図示しない)に送られる。エンジンからの出口側の冷却水配管上にサーモスタット42が設けられ、暖機運転時等に冷却水をバイパスさせる。冷却水系39はエンジン出口側の配管上にリニア三方弁43が備り、その下流側にラジエータ36が室外熱交換器32に並列して備る。ラジエータ36にはリカバリータンク38が接続される。リニア三方弁43により、冷房時は冷却水をラジエータ36側に流してファン37により放熱させ、暖房時には分岐管44を通してプレート熱交換器34側に流し、冷媒を加熱することにより高温冷却水を冷却する。ラジエータ36側とプレート熱交換器34側への分岐量を調整して制御することもできる。 【0029】図2は、上記図1の空調システム等に適用される定置式ガスエンジンの要部構成図である。このガスエンジン100は、クランク軸103に連接されたピストン106を有し、ピストン上面の燃焼室161に臨んで吸気バルブ115および排気バルブ116が設けられる。これらの吸・排気バルブにはそれぞれ吸気側および排気側のVVT1h,1iが設けられる。これらのVVT1h,1iは、バルブ位相を変更する油圧弁であり、低速側の安定性や高速側の出力改善のために用いられる。クランク軸103は電磁クラッチ5aを介して負荷2A(圧縮機)と連結される。 【0030】燃焼室161には、エアクリーナ117を通して空気取入れ口117aと連通する吸気通路111が接続される。吸気通路111の途中に、気化器(またはミキサー)118が設けられ、その下流側にスロットル119が設けられる。気化器118のベンチュリ118aに燃料供給通路162の端部が接続され燃料吐出口を形成する。燃料供給通路162は燃料ガスボンベ113に連通し、その途中に、ガス燃料の供給元となる2つの電磁開閉弁121と、燃料ガスの圧力をほぼ大気圧にするゼロガバナ(減圧弁)122と、ガス燃料供給量を調整するメイン燃料制御弁123aが設けられる。 【0031】ゼロガバナ122の上流側の燃料供給通路162に圧力センサ130が設けられるとともに、燃料分岐通路163が分岐して吸気通路111のスロットル119の下流側と連通させる。この燃料分岐通路163にはこの分岐通路を介して供給されるガス燃料を制御するためのリニア式デューティソレノイドバルブ(またはオン/オフバルブ)からなる燃料補正制御弁123bが設けられる。 【0032】燃料供給通路162上の電磁開閉弁121やメイン燃料制御弁123aおよび燃料分岐通路163上の燃料補正制御弁123bは、運転制御プログラムや各種演算用のマップ等を備えたマイコン等からなる制御装置160に接続され、後述のように駆動制御される。 【0033】燃焼室161に連通する排気通路112に、NOx吸蔵還元触媒170が設けられその下流側に水を媒体とする排気熱交換器127が設けられる。128は冷却水温センサであり、制御装置160に接続され、排気熱交換器127への水量調整等によりエンジンの冷却水温を制御してオーバーヒートの防止等を図る。 【0034】吸蔵還元触媒170は、排気熱交換器127の前に取付けられ、縦置き構造としてエンジン停止時等に排気ガス内の凝結水の溜まりを防止する。172は触媒放熱用のウォータジャケットであり排気熱交換器127の冷却水路に連通する。このウォータジャケット172の冷却水路上には制御装置160に接続された触媒冷却水制御弁171が設けられ冷却水量が制御される。173は触媒ヒータであり、冷寒始動時等において触媒活性化温度を調節する。1mは触媒温度監視用の温度センサである。 【0035】制御装置は、温度センサ1mからの触媒温度検出値に基づいて触媒が異常高温にならないように冷却水制御弁171を制御してウォータジャケット172の冷却水量を調整するとともに、冷寒時等に触媒活性化温度になりにくい場合には触媒ヒータ173を駆動して活性化温度を保つ。 【0036】排気通路112の吸蔵還元触媒170の上流側には、第1NOxセンサ1jが装着され、また吸蔵還元触媒170の直前には前記触媒温度監視用の温度センサ1mが装着される。吸蔵還元触媒170の下流側の排気通路112には第2NOxセンサ1kが装着される。各NOxセンサはNOxとともにO2を検出可能であり、酸素濃度センサとしても使用される。 【0037】第1NOxセンサ1jは、触媒を通過する前の排気ガス中の酸素濃度を検出してA/F制御に用いる。第2NOxセンサ1kは、触媒通過後の排気ガス中のNOx濃度を検出して吸蔵還元制御に使用するとともに、酸素濃度を検出して第1NOxセンサによる酸素濃度検出のキャリブレーションに用いられる。 【0038】なお、これらの第1および第2のNOxセンサ1j,1kにより検出したNOx濃度の差により吸蔵還元触媒170によるNOx吸収量を算出することも可能である。 【0039】10aは排気側カム軸センサであり、排気バルブ116の位相を検出する。また、10bは吸気側カム軸センサであり、吸気バルブ115の位相を検出するとともに回転数の算出に用いられる。124は点火プラグ、125は点火ユニット、126は点火コイルである。 【0040】以下上記構成の定置式ガスエンジンの駆動制御方法についてガスヒートポンプ(GHP)式空調システムに適用した例について説明する。 【0041】GHPシステムの全体的な運転は図3に示すフローチャート(詳細は後述)により行われ、その際空調運転において目標回転数が決定される。この目標回転数によりエンジンは図4に示されるフローチャート(詳細は後述)により運転が行われる。 【0042】まずスロットルの演算が行われるが、スロットルの動作開度は図5のフローチャート(詳細は後述)に示すように、要求回転数とエンジン実回転数の偏差および変位(偏差の微分値)から、マップ演算によりエンジンレベルが算出され、そのレベルに応じたフローで開閉度が決定される。 【0043】次に燃料制御弁の演算を行うが、この燃料制御弁の動作開度は図6のフローチャート(詳細は後述)に示すように、触媒制御に異常がない場合には、図8のマップから目標となる酸素濃度を3次元補間により算出し、この目標値とO2センサ(本実施形態ではNOxセンサを用いる)から求められる実酸素濃度の偏差および変位を図9,10に示すファジー演算および図13に示すエンジンレベル補正値から燃料制御弁動作補正量を決定する。 【0044】触媒制御に異常がある場合には、図16に示すように予めNOx排出値が例えば100ppmとなるように設定された応急運転開度マップから燃料制御弁基本開度を3次元補間演算で算出し、これに図13で示されるエンジンレベル補正値に応じた燃料制御弁動作補正量を加算し動作開度を決定する。 【0045】次に点火時期の演算を行うが、この点火の要求時期は図6のフローチャート(詳細は後述)に示すように、図15のマップから3次元補間により算出しエンジンレベルにより求められる補正値を加算して決定する。なお、燃料制御弁および点火時期マップのブースト軸データはスロットル開度をパラメータとしてもよい。 【0046】上記エンジン駆動制御運転において、吸蔵還元触媒170(図2)は図7のフローチャート(詳細は後述)に示すように、吸蔵運転と還元運転を繰り返すように運転制御される。 【0047】すなわち、まず燃料補正制御弁基本開度Fhbを図17のマップよりデューティ比として算出する。これは、この燃料補正制御弁が還元作用にのみ使用されるのではなく、極く低回転の運転を行う際に、メインの燃料制御弁だけでは最小微小流量が確保できないため、メインの燃料制御弁開度が0の場合にはこのマップに従って燃料補正制御弁からの流量を必要とするからである。 【0048】次に、現在の制御状態が吸蔵運転か還元運転かを判別する。吸蔵運転の場合には、燃料補正制御弁の基本開度はFhbのみで、図19のマップで3次元補間演算された還元最大時間に到達するか、または図21の最大許容NOx値マップで3次元補間演算された最大許容NOxをNOxセンサが検出するまで運転される。 【0049】この運転を終了すると、還元運転に移行する。還元運転においては、図20に示すように、予め理論空燃比以上のリッチ状態で現在運転中のトルクと同じトルクが得られるように設定された燃料補正制御弁の還元開度マップを3次元補間演算し、この開度とFhbを加算した開度で運転する。すなわち、図26のトルク特性曲線に示すように、空燃比λ1のリーン状態で希薄燃焼運転をしている吸蔵運転状態から、リッチ側でこの運転状態のトルクと同じトルクとなる空燃比λ2の状態とすることによりトルク変動を起こすことなく還元雰囲気が得られる。これにより、吸蔵還元のサイクルを繰り返してもトルクが同じになるため、大きな回転変動を起こすことなく触媒再生ができ、長期にわたって安定したNOx除去機能を維持することができる。 【0050】上記還元運転は、NOxセンサにより検出されたNOx値が図22に示す最大還元NOx値マップを3次元補間演算した値を下回るまで行われるが、これに要する時間が図19に示されるマップの時間を越えた場合、触媒が物理的に破損したか、NOxセンサが故障したと判断し、異常フラグをセットする。このフラグは次回エンジンが起動するまでクリアされることはない。このフラグがセットされている間は、燃料制御弁は前述の動作を行い、触媒制御は中止されユーザに警告を発するとともに応急運転を行っていることを知らせる。 【0051】本実施形態では、燃料補正開度が学習される。この補正開度の学習は、還元運転の開始と同時にエンジン回転数の最大ふき上がり量Rmaxと、ふき上がるのに要する時間tを計測して行う。これを還元運転終了の際に、図23,24,25に示すファジー演算ルールに従って補正出力値を算出する。このとき、エンジン回転数のふき上がり状態は図27に示すとおりであり、図のRmaxやΔRR等に基づいて補正出力値を算出する。この補正出力値を図20に示す燃料補正制御弁開度マップの現在位置にあるデータに加算し、そのマップデータを書換える。これを繰り返すことにより、リッチ直後にふき上がりすぎていた回転数が徐々にふき上がらなくなり、より安定したエンジン運転が実現できる。 【0052】以下、図3〜図7の運転制御フローチャートについて詳細に説明する。図3は、システム全体の運転動作を示すフローチャートであり、運転動作フローの各ステップでの処理動作は以下のとおりである。 S1:ブレーカ(あるいはメインスイッチ)等を介して電源に接続された状態で、マイコン、GHP(ガスヒートポンプ)通信系、各センサおよびアクチュエータ等の初期設定を行う。 S2:リモコンが押されたかをチェックする。リモコンのONによりシステム内各機器に電源が供給され動作が開始する。 【0053】S3:2つの電磁開閉弁121(図2)のうち一方をONにし、換気ファンを駆動してエンジンルームのパージを例えば30秒行う。なお、この際、スロットルと燃料制御弁モータ(メイン燃料制御弁123a)は原点出しの動作も行い、0点合せをした上で初期設定開度に動作させる。また、点火時期は初期要求点火時期を設定しておく。 S4:前記電磁開閉弁121のうち他方をONにし、点火電源をONにした上でセルモータを動作させる。 【0054】S5:エンジン回転数の検出データからエンジン回転数が起動完了回転数を上回るかをチェックすることによりエンジン起動を判別する。 S6:エンジンが起動するとセルモータをOFFにする。なお、この時点以降、後述のフローチャートに示すエンジンの各種制御が開始される。 S7:初期化運転をクラッチ接続前に行う。この初期化運転は、バルブ等にカーボンが蓄積することを防ぐため及び触媒を完全に還元浄化するために、理論空燃比で高回転運転を約40秒程度行うものである。 【0055】S8:電磁クラッチ5a(図2)をON(接続)してエンジン100と圧縮機2Aとを接続する。この際、スロットルおよび燃料制御弁モータはクラッチ接続補正運転を行う。これは、クラッチ接続の際の急激な負荷変動に伴うエンジン回転数の落込みを防止するためのオフセット動作を行う運転である。。このオフセット動作の制御量は、スロットルおよび燃料制御弁についてそれぞれ冷媒高圧に補正係数を掛け合せたものである。 【0056】S9:エンジンを後述のフローチャートにしたがって通常に運転する。 S10:空調制御を行うと同時にエンジン目標回転数を算出する。この場合、冷房モードについては冷媒低圧の目標が例えば4kgf/m2(1kgf/m2≒9.8Pa)になるように目標回転数の設定を行い、暖房モードについては冷媒高圧の目標が例えば20kgf/m2になるように目標回転数の設定を行う。なお、両モードにおいて、室内温度とリモコン設定温度との変位差や変位量は補正値になる。 【0057】S11:リモコンOFFや設定室温に達したときのサーモOFFあるいはセンサその他の異常等によるエンジン停止要求があるか否かをチェックする。 S12:エンジン停止要求があった場合に、触媒を完全に還元浄化するために理論空燃比でクラッチOFF回転運転を約3秒程度行った後クラッチをOFFにする。 S13:エンジン停止処理として、点火をカットし、スロットルおよび燃料制御弁開度をエンジン停止開度に動作させる。なお、異常による停止の場合には、異常表示を行い、対策が行われるまでは次の起動へは移行されない。 【0058】S14〜S19:エンジンの起動失敗処理である。すなわち、まずセルモータが所定の停止時間(連続操作できる時間、例えば7秒)に達したかをチェックし(ステップS14)、停止時間に達しても起動してなければ再起動操作の回数を1つ増加し(ステップS15)、この再起動操作回数を所定値(例えば5回)と比較し(ステップS16)、所定値以上であれば起動失敗異常表示を行い(ステップS17)、所定値未満であれば再起動待ち処理を行い(ステップS18)、パージ処理(ステップS9)に戻る。 【0059】図4はエンジン制御のフローチャートである。各ステップの動作は以下のとおりである。 S1:エンジン起動以降のエンジン制御サブルーチンを開始する。 S2:カム軸センサ10a,10b(図2)からの信号があるかをチェックする。 S3:カムの位置をクランク基準点とし、クランク角をクリアする。 S4:後述のスロットル制御を行うためのスロットル要求開度を図12および図13のマップを用いて算出する。このスロットル要求開度Trefは、Tref=To+∫f(ΔR,ΔR’,Δt)dtTo:スロットル初期値f(ΔR,ΔR’,Δt):マップ算出される要求動作量で表わされる。 【0060】S5:後述の燃料制御弁(メイン燃料制御弁123a)の制御を行うための燃料制御弁要求開度を算出する。 S6:後述の点火時期制御を行うための点火要求時期を算出する。 S7:クランク位置を検出するクランクセンサ9a(図2)からの信号があるかをチェックする。この信号は、クランク軸のリングギヤを検出することにより動作角度を検出する。 S8:クランク角度を加算する。 【0061】S9:上記ステップS8で算出したクランク角度が各気筒の要求点火時期かをチェックする。 S10:クランク角が要求点火時期であれば点火を出力する。 S11:スロットルモータ動作時間が経過したかをチェックする。この時間はCPU(制御装置160)のタイマーにより検出される。 S12:スロットルモータを単位ステップ動作する。ただし、目標に達している場合には動作しない。 【0062】S13:燃料制御弁モータの動作時間が経過したかをチェックする。この時間はCPU(制御装置160)のタイマーにより検出される。 S14:燃料制御弁モータを単位ステップ動作する。ただし、目標に合致している場合には動作しない。 S15:後述の吸蔵還元触媒のサブルーチン制御を行う。 【0063】図5はスロットル制御サブルーチンのフローチャートであり、各ステップの動作は以下のとおりである。 S1:カム軸信号入力の際コールされるサブルーチンを開始する。 S2:このGHPシステムの目標回転数Rrを算出する。 S3:カム軸信号時間から回転数Reを算出する。 S4:エンジン回転数の偏差ΔRを算出する。 ΔR=Re−Rr【0064】S5:エンジン回転数の変位ΔR’を算出する。 ΔR’=ΔR/dtS6:ΔR,ΔR’を入力とした3次元面補間演算を実行してエンジンレベルLを算出する。エンジンレベルは図12のマップから求める。 S7:算出したエンジンレベルLから図13のレベル−動作量変換マップに基づいてスロットル動作量Tcを算出する。 S8:アクチュエータに対しスロットル要求動作信号を出力する。 S9:サブルーチンを終了する。 【0065】図6は燃料制御および点火制御のフローチャートであり、各ステップの動作は以下のとおりである。 S1:吸気側のカム軸信号入力の際コールされるサブルーチンを開始する。 S2:触媒制御において異常があるかをチェックする。 S3:エンジン回転数およびブースト(吸気負圧)に基づいて、図8の3次元マップから目標酸素濃度Orを算出する。 S4:O2およびNOxを検出するセンサ(第1NOxセンサ1j)より現在の酸素濃度値Oeを算出する。 【0066】S5:酸素濃度偏差ΔOを算出する。 ΔO=Oe−OrS6:酸素濃度変位ΔO’を算出する。 ΔO’=ΔO/dtS7:図9のメンバシップ関数および図10のルールに基づいて、ΔOおよびΔO’を入力としてファジー演算を実行し、図11のマップを用いて燃料制御弁123aの開度Ftを算出する。 S8:エンジンレベルより燃料補正量Fcを算出する。この補正量は図13のマップから求める。 【0067】S9:燃料制御弁の動作量Tを算出する。 S10:燃料制御弁のアクチュエータに対し要求動作量Tの信号を発する。 S11:エンジン回転数とブーストから図15のマップに基づいて基本点火時期Itを算出する。 S12:エンジンレベルより点火時期補正値Icを算出する。この補正値Icは図13のマップから求める。 【0068】S13:点火時期Iを算出する。 S14:点火コイルに対し点火時期要求動作信号を出力する。 S15:触媒制御に異常がある場合に、燃料制御弁開度を応急開度として図16のマップにより要求開度が算出される。 S16:サブルーチンを終了する。 【0069】図7は、燃料補正制御弁123bの運転動作を示すフローチャートであり、各ステップの動作は以下のとおりである。 S1:図17のマップを用いて燃料補正制御弁123bの基本開度Fhbを算出する。 S2:NOxセンサ(触媒後流側の第2NOxセンサ1k(図2))による検出出力から現在のNOx排出濃度Nrを算出する。 S3:触媒動作モードを判別する。モード値=0は吸蔵運転中であり、非0値は還元運転中を示す。 S4:NOx排出濃度の最大値を表わす最大許容NOx値Nqを、図21のマップを用いてエンジン回転数とブーストからなる3次元マップ演算により算出する。 【0070】S5:現在のNOx排出濃度が最大許容NOx値を上回っていないかをチェックする。上回っていたら吸蔵運転を終了する。 S6:タイマカウンタを減算する。 S7:吸蔵完了時間を経過したかをチェックする。吸蔵運転は、図18で示されるマップ解の時間上限値を持つ。これはセンサの破損などにより現在のNOx排出濃度が求められなくなった際の応急措置制御となる。 S8:還元時間を図19のマップから算出する。 【0071】S9:吸蔵完了の手続として触媒動作モードを1にセットする。 S10:図20のマップから還元運転に要する燃料補正制御弁の開度Fhrを算出する。 S11:基本開度Fhb(ステップS1で算出)と還元開度Fhr(ステップS10で算出)とに基づいて、出力Fh←Fhb+Fhrとして燃料補正制御弁を動作させる。 S12:還元運転中の場合、還元タイマカウンタを減算する。 【0072】S13:還元運転の最大時間が経過したかをチェックする。還元運転は、図19で示されるマップ解の時間上限値を持つ。これはセンサの破損などにより現在のNOx排出濃度が求められなくなった際の応急措置制御となる。この際エラーチェックを行う。 S14:還元運転でのNOx排出濃度の最大値を表わす最大許容NOx値Nfを、図22のマップからエンジン回転数とブーストからなる3次元マップ演算により算出する。 【0073】S15:現在のNOx排出濃度が最大許容NOx値を上回っていないかをチェックする。上回っていたら還元運転を終了する。 S16:触媒異常フラグおよび異常カウンタをクリアする。 S17:還元完了の手続として触媒動作モードを0にセットする。 S18:図19のマップから吸蔵運転に要する燃料補正制御弁の開度を算出するとともに吸蔵運転のタイマカウンタをセットする。 【0074】S19:燃料補正制御弁を出力Fh←Fhb(ステップS1で算出)として動作させる。 S20:還元最大時間を経過した場合、異常カウンタを加算する。 S21:異常カウンタが16回以上最大時間を上回ったかをチェックする。16回以上であれば触媒は破損と判断する。 S22:触媒破損の場合に触媒異常フラグをセットする。 【0075】 【発明の効果】以上説明したように、本発明では、制御装置により燃料分岐通路に設けた燃料補正制御弁の開度を制御することにより、トルク特性曲線上、触媒によるNOx吸収時のリーン状態の空燃比におけるトルクと同じトルクが得られるリッチ状態の空燃比となるように吸気通路内に燃料を供給し、これにより、トルク変動を抑えるとともに回転数変動を抑えることができる。このとき、ガス燃料供給通路のメイン燃料制御弁によりシステム側の要求負荷に応じた回転数を得るための燃料供給を行って一定回転を維持した状態で、この燃料供給通路の減圧弁上流側の高圧ガス燃料を燃料分岐通路からベンチュリ下流側の吸気負圧が大きい吸気通路内に供給するため、大きな圧力差によりガス燃料が瞬時に供給され短時間で触媒再生に必要なリッチ雰囲気として燃費の悪化を抑えることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000010076 【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月17日(2000.1.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100284 【弁理士】 【氏名又は名称】荒井 潤
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| 【公開番号】 |
特開2001−200760(P2001−200760A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月27日(2001.7.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−8412(P2000−8412) |
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