| 【発明の名称】 |
内燃機関用燃料噴射ノズル |
| 【発明者】 |
【氏名】絹田 精鎮
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| 【要約】 |
【課題】燃料噴射ノズルの外表面や燃料噴射孔内面に固体浮遊物が付着し難くし、付着しても容易に脱落させることが可能な燃料噴射ノズルの提供を目的とする。
【解決手段】内燃機関の燃焼過程で発生する個体浮遊物を含む燃料燃焼後のガスに曝される燃料噴射面3aと、全ての燃料噴射孔3c…の内面とに、撥水性の被膜層5を形成して燃料噴射ノズル3とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関用の燃料を微粒化して噴霧するために用いる内燃機関用燃料噴射ノズルにおいて、少なくとも、内燃機関の燃焼過程で発生する個体浮遊物を含む燃料燃焼後のガスに曝される外表面と、全ての燃料噴射孔の内面とに、撥水性の被膜層を備えることを特徴とする内燃機関用燃料噴射ノズル。 【請求項2】 撥水性の被膜層は、フッ素系樹脂を共析させた金属を被覆して形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用燃料噴射ノズル。 【請求項3】 撥水性の被膜層は、硫黄化合物を共析させた金属を被覆して形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用燃料噴射ノズル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ガソリンエンジン,ディーゼルエンジンに代表される内燃機関の燃料噴射用ノズルに関し、特に、燃料燃焼時に発生する固体浮遊物がノズル周辺部やノズル噴射孔内に付着することを抑止できる構造を採用した点に技術的特徴を有するものである。 【0002】 【従来の技術】ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関では、燃焼過程で固体浮遊物(主に、カーボン)が発生し、この固体浮遊物がシリンダの内面、給気弁、排気弁、点火プラグ、燃料噴射ノズル(インジェクターノズル)等に付着することが知られている。そして、シリンダの内面に付着した固体浮遊物は、燃料の燃焼熱による再燃焼で気化し、燃焼ガスと共に排気管から排出されたり、シリンダ内面に噴霧されるオイルによって表面から脱落したりする。なお、シリンダ内に残った未燃焼の固体浮遊物は、燃焼熱と燃焼により発生した気流の力で排気管から排出されるし、シリンダ内面や他の部位に付着してしまった固体浮遊物も、この強い気流の力で付着面から脱落して排気管から排出されるので、シリンダの内面、給気弁、排気弁、点火プラグ等に付着した固体浮遊物が大きな問題となることはない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料噴射ノズルにおいては、ノズル表面が燃料の通過による冷却効果によって気化成分の結露が生じ易く、固体浮遊物が付着し易く剥がれ難い状態となってしまう。そして、燃料噴射ノズルの噴射孔内面に付着物が貯まって目詰まりすると、燃料の均一な噴霧が行えなくなるので、到底望ましい状態ではない。しかも、ノズルの外表面に付着物が存在した場合でも、高圧で噴射孔から吹き出した燃料を飛散させる気流が乱れてしまうことから、燃料の均一な噴霧を期せなくなる。 【0004】このように、従来の燃料噴射ノズルでは、外表面や噴射孔内面に付着した付着物が除去できないために、空気と燃料の混合比(空燃比)が適正に保たれず、燃焼不良が発生してしまい、燃費効率が悪くなると共に廃棄有害物質が増えて大変危険である。よって、従来の内燃機関、特に固体浮遊物生成物質を多く含む燃料を使用しているディーゼルエンジンを搭載した自動車では、定期整備時にインジェクターの交換が標準的な作業手順として組み込まれている程である。 【0005】なお、燃料噴射ノズルは、燃料の微細化のために高圧で燃料を噴射するため、燃料噴射圧力によってある程度の付着物は除去できるものの、完全に除去することはできない。また、燃料噴射ノズルの表面を鏡面加工することで付着物のアンカー効果を低減させて、付着物を剥がれ易くする構造も提案されているが、高精度の鏡面加工が必要とされる上に、経年による表面劣化が生ずると付着物の除去機能を有効に発揮できないという問題もある。 【0006】そこで、本発明は、燃料噴射ノズルの外表面や燃料噴射孔内面に固体浮遊物が付着し難くし、付着しても容易に脱落させることが可能な燃料噴射ノズルの提供を目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、内燃機関用の燃料を微粒化して噴霧するために用いる内燃機関用燃料噴射ノズル(3)において、少なくとも、内燃機関の燃焼過程で発生する個体浮遊物を含む燃料燃焼後のガスに曝される外表面(例えば、燃料噴射面3a)と、全ての燃料噴射孔(3c)の内面とに、撥水性の被膜層(5)を備えることを特徴とする。 【0008】また、請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の内燃機関用燃料噴射ノズルにおいて、撥水性の被膜層が、フッ素系樹脂を共析させた金属を被覆して形成したものであることを特徴とする。 【0009】また、請求項3に係る発明は、上記請求項1に記載の内燃機関用燃料噴射ノズルにおいて、撥水性の被膜層が、硫黄化合物を共析させた金属を被覆して形成したものであることを特徴とする。 【0010】 【発明の実施の形態】次に、添付図面に基づいて、本発明に係る内燃機関用燃料噴射ノズルの実施形態を説明する。 【0011】図1は、内燃機関の一例たるエンジン1の概略断面を示すもので、例えば、シリンダ内の燃焼室1aにインジェクター2で燃料を直接噴霧する直噴式である。そして、上記インジェクタ2の先端に取り付けられた燃料噴射ノズル3は、燃焼室1aに直接臨む状態となっていることから、燃焼過程で発生する個体浮遊物を含む燃料燃焼後のガスに曝される。 【0012】上記燃焼室1aに臨む燃料噴射ノズル3は、図2に示すように、ほぼ円形の燃料噴射面3aの外縁部から傾斜状の側壁部3bに連なる円盤状としてある。また、燃料噴射面3aの適所には多数の燃料噴射孔3c…を適宜に設け、内側面3dから高圧で供給された燃料が燃料噴射孔3cから微細な粒滴状となって燃焼室1aへ噴射される。なお、燃料噴射のズル3の外周適所には、半円状の第1切欠部3dと直線状の第2切欠部3eとを形成するものとし、これら第1,第2切欠部3d,3eが燃料噴射ノズル3の中心を通る直線上に位置することを避けて(図2においては、燃料噴霧ノズル3の中心と第1,第2切欠部3d,3eのなす角度をほぼ120゜にして)形成する。斯くすれば、第1切欠部3dと第2切欠部3eの形成位置の関係に基づいて燃料噴射ノズル3の表裏が区別し易くなり、組立時における取付ミスを効果的に防止できる。 【0013】而して、この燃料噴射ノズル3は、図3に示す如く、基材4の外表面に撥水性の被膜層5を形成したものとし、被膜層5の作用により、燃料噴射面3aおよび燃料噴射孔内面3fの表面張力が大となって、燃焼ガスに含まれる固体浮遊物が付着することを効果的に抑止できると共に、付着してしまった固体浮遊物も容易に剥離させることが可能となる。したがって、燃料噴射ノズル3の燃料噴射面3aや燃料噴射孔3c内面に付着した固体浮遊物により空燃比が不適正となることに起因して燃焼不良が発生することを効果的に防止でき、燃費効率の向上と廃棄有害物質の減少を期待できる。 【0014】なお、本実施形態においては、燃料噴射面3aの全面と燃料噴射孔内面3fに撥水性の被膜層5を形成するものとしたが、例えば、側壁部3bや内側面3gにも撥水性の被膜層5を形成するようにしても良い。 【0015】上記のような撥水性の被膜層5は、基材4に対してコンポジットメッキ(サテンメッキ)を施すことで形成できる。 【0016】例えば、フッ素系樹脂の撥水性を利用した被膜層5を形成する場合は、アディティブ法,エッチング法,プレス法,ドリリング法,レーザ法等により燃料噴射孔3cとなる孔を形成した基材4を、フッ素系樹脂を含有したコンポジットメッキ液に浸漬することで、基材4の表面に金属と樹脂とを共析させ、基材4の表面に撥水性の被膜層5を形成する。このように、金属とフッ素系樹脂とを共析させることにより形成した被膜層5は、高い耐熱性(300℃程度)を有するので、250℃程度にまで上がる内燃機関の系内温度にも十分耐えることができ、継続的使用に十分耐えられる。なお、コンポジットメッキ液に使うフッ素系樹脂は、1μm以下の粉体を用いることが望ましい。フッ素系樹脂の粒径が大きいと、それだけ燃料噴射孔3c内面の膜厚が厚くなるため、孔寸法を製品公差内に止め難いからである。 【0017】また、硫黄化合物の撥水性を利用した被膜層5を形成する場合も同様に、アディティブ法,エッチング法,プレス法,ドリリング法,レーザ法等により燃料噴射孔3cとなる孔を形成した基材4を、硫黄化合物を含有したコンポジットメッキ液に浸漬することで、基材4の表面に金属と硫黄化合物とを共析させ、基材4の表面に撥水性の被膜層5を形成すれば良い。 【0018】さらに、燃料噴射ノズル3の成型に用いるエラストマー樹脂型の表面を活性化させた状態で、フッ素系樹脂を含有したコンポジットメッキ液に浸漬して金属と樹脂を規定の厚さまで析出させることにより、被覆層5と同じ素材で燃料噴射ノズル3を形成するようにしても良い。また、コンポジットメッキ液を節約するために、金属と樹脂を数マイクロメータ程度の厚さまで析出させた後に、基材となる物質をメッキすることで、規定の厚さの燃料噴射ノズル3を形成するようにしても良い。 【0019】なお、メッキ加工工程で用いる添加物質の種類や量、メッキ条件の制御に応じて、被膜層5の撥水性や耐熱性を変化させることができ、これらは特に限定されるものではない。とにかく、内燃機関の燃焼過程で発生する個体浮遊物を含む燃料燃焼後のガスに曝される外表面と、全ての燃料噴射孔の内面とに、撥水性の被膜層を形成して、固体浮遊物の付着抑制と付着してしまった固体浮遊物の離脱を用意にする機能が実現されれば、如何様な方法によって被膜層を形成しても構わない。 【0020】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る内燃機関用燃料噴射ノズルによれば、内燃機関の燃焼過程で発生する個体浮遊物を含む燃料燃焼後のガスに曝される外表面と、全ての燃料噴射孔の内面を撥水性の被膜層で覆うこととしたので、ノズルの外表面および燃料噴射孔内面の表面張力が大となって、燃焼ガスに含まれる固体浮遊物がノズルの外表面および燃料噴射孔内面に付着することを効果的に抑止できると共に、付着してしまった固体浮遊物も容易に剥離させることが可能となる。 【0021】したがって、燃料噴射ノズルの外表面や燃料噴射孔内面に付着した固体浮遊物により空燃比が不適正となることに起因して燃焼不良が発生することを効果的に防止でき、燃費効率の向上と廃棄有害物質の減少を期待できる。 【0022】また、請求項2に係る内燃機関用燃料噴射ノズルの如く、フッ素系樹脂を共析させた金属を被覆して撥水層を形成した場合と、請求項3に係る内燃機関用燃料噴射ノズルの如く、硫黄化合物を共析させた金属を被覆して撥水層を形成した場合には、表面耐熱性が300℃程度にまで高くなるので、単純にフッ素系樹脂や硫黄化合物を塗布した場合とは異なり、250℃程度にまで上がる内燃機関の系内温度にも十分耐えることができ、継続的使用に十分耐えられる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】396026710 【氏名又は名称】株式会社オプトニクス精密
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| 【出願日】 |
平成11年12月27日(1999.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100061642 【弁理士】 【氏名又は名称】福田 武通 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−182642(P2001−182642A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−369128 |
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