| 【発明の名称】 |
メカ駆動式燃料ポンプを含む燃料系のベーパー排出構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】久保田 賢一
【氏名】竹花 憲夫
【氏名】志知 亮
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| 【要約】 |
【課題】メカ駆動式燃料ポンプから吐出する燃料へのベーパー含有量を少なくする。
【解決手段】燃料通路32を形成したプランジャ式燃料ポンプ10の内部に、燃料通路32と逃し弁12を介して連絡する燃料逃し通路79を形成する。逃し弁12は燃料通路32の燃料圧が所定より高圧の時に燃料通路32と燃料逃し通路79とを連絡し、それより低い圧のときに遮断する。燃料逃し通路79は燃料戻し通路13を介して燃料タンク130と連絡する。燃料タンク130と燃料ポンプ10との間の燃料導入通路134の途中に、燃料ポンプ10より燃料吐出量の多い中間ポンプ11を備え、その中間ポンプ11からプランジャ式燃料ポンプ10へそれより多い燃料吐出量を導入する。燃料ポンプ10では余剰の燃料を燃料逃し通路79から燃料タンク130に戻すため、燃料ポンプ10に導入されたり或いはそこで発生したベーパーは、燃料タンク130に戻される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料タンクと内部に燃料通路を有するメカ駆動式燃料ポンプとを燃料導入通路で連絡し、前記メカ駆動式燃料ポンプから吐出した燃料を燃料吐出通路からエンジン側に向けて吐出するメカ駆動式燃料ポンプを含む燃料系において、前記燃料導入通路の途中に前記メカ駆動式燃料ポンプより燃料吐出量の多い中間ポンプを備え、前記メカ駆動式燃料ポンプの燃料通路にそのメカ駆動式燃料ポンプの外部に位置する燃料戻し通路を連絡し、前記燃料通路と前記燃料戻し通路との間に所定以上の燃料圧になった時にそれら燃料通路と燃料戻し通路とを連絡する逃し弁を備え、前記中間ポンプから前記メカ駆動式燃料ポンプの前記燃料通路に供給される燃料のうちの余剰燃料を前記燃料通路から前記燃料戻し通路へ逃すことを特徴とするメカ駆動式燃料ポンプを含む燃料系のベーパー排出構造。 【請求項2】 前記燃料戻し通路を前記燃料タンクと連結し、前記燃料通路から前記燃料戻し通路に逃される燃料を前記燃料タンクに導入することを特徴とする請求項1記載のメカ駆動式燃料ポンプを含む燃料系のベーパー排出構造。 【請求項3】 前記メカ駆動式燃料ポンプが、ポンプボディ内に備えられるシリンダと、そのシリンダに内に往復移動可能に備えられるものであって内部に前記燃料通路を形成したプランジャと、前記燃料通路を開閉させるための吸入弁並びに吐出弁と、前記ポンプボディ内に備えられるものであって前記シリンダに対して移動可能なプラグと、前記ポンプボディ内に備えられるものであってエンジンの駆動によって回転させられて前記プランジャを往復移動させて前記燃料通路内の燃料を移動させられるカム部材とを有し、前記逃し弁が、前記ポンプボディ内に備えられるものであって前記プラグを所定方向に付勢するスプリングと、前記プラグに形成されるものであって前記燃料通路と前記燃料吐出通路とを連絡する連絡通路と、前記プラグかそれに対向する位置に存在する前記シリンダまたはその開口部閉鎖部材に備えられるシールド手段とを有し、前記燃料通路内の燃料圧力が所定以下の場合には前記スプリングによって前記シールド手段を前記シリンダまたはその開口部閉鎖部材か前記プラグかに接触させて前記燃料通路と前記連絡通路との連絡位置と前記燃料戻し通路との連絡を遮断し、前記燃料通路内の燃料圧力が所定以上になった場合にはその燃料圧力が前記スプリングに抗して前記シールド手段を前記シリンダまたはその開口部閉鎖部材か前記プラグと接触しないようにして前記燃料通路と前記連絡通路との連絡位置と前記燃料戻し通路とを連絡するようにしたことを特徴とする請求項1記載のメカ駆動式燃料ポンプを含む燃料系のベーパー排出構造。 【請求項4】 前記ポンプボディを低い熱伝達率の樹脂で形成したことを特徴とする請求項3記載のメカ駆動式燃料ポンプを含む燃料系のベーパー排出構造。 【請求項5】 前記プラグを低い熱伝達率の樹脂で形成したことを特徴とする請求項3記載のメカ駆動式燃料ポンプを含む燃料系のベーパー排出構造。 【請求項6】 前記中間ポンプが、トップボディと、ボトムボディと、カバーと、前記トップボディと前記ボトムボディとによって挟持されるダイアフラムと、前記トップボディと前記カバーとで挟持されるメンブレンと、前記トップボディと前記ダイアフラムとによって形成されるポンプ室と、前記トップボディと前記メンブレンとによって形成される燃料吸入室並びに燃料吐出室と、前記トップボディに形成されるものであって前記ポンプ室と前記燃料吸入室とを連絡する流入連絡通路と、その流入連絡通路に備えられるチェックバルブと、前記トップボディに形成されるものであって前記ポンプ室と前記燃料吐出室とを連絡する吐出連絡通路と、その吐出連絡通路に備えられるチェックバルブとを有し、前記トップボディ,前記ボトムボディ及び前記カバーのうちの少なくとも一つを合成樹脂で形成したことを特徴とする請求項1乃至5記載のメカ駆動式燃料ポンプを含む燃料系のベーパー排出構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、メカ駆動式燃料ポンプを含む燃料系においてそのメカ駆動式燃料ポンプからベーパーを外部に排出するためのベーパー排出構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、二輪車等に使用する燃料ポンプとして、プランジャ式燃料ポンプが用いられている。ここで、従来の燃料ポンプを含む燃料系における燃料の流れを図9に示す。燃料タンク130とメカ駆動式燃料ポンプ132との間は燃料導入通路134を介して連絡しており、メカ駆動式燃料ポンプ132とプレッシャレギュレータ136との間は燃料吐出通路138を介して連絡している。プレッシャレギュレータ136は燃料レール140を経由してインジェクタ142と連絡している。プレッシャレギュレータ136は燃料戻し通路144を介して燃料タンク130と連絡している。燃料タンク130の燃料はメカ駆動式燃料ポンプ132に導入され、運転状況に応じてメカ駆動式燃料ポンプ132から燃料がプレッシャレギュレータ136と燃料レール140を経由してインジェクタ142に送られ、インジェクタ142からエンジン146に向けて燃料が吐出される。メカ駆動式燃料ポンプ132から送り出される燃料圧が高い時には、プレッシャレギュレータ136から燃料戻し通路144を介して燃料タンク130へ燃料が戻される。 【0003】メカ駆動式燃料ポンプ132の主なものとして、プランジャ式燃料ポンプがある。プランジャ式燃料ポンプにおいては、例えば特開平10−30575号や特開平10−30576号に示すように、ポンプボディ(ハウジング)の内部にシリンダを備え、そのシリンダ内に燃料通路を形成したプランジャと吸入弁と吐出弁とを備えている。ポンプボディ(ハウジング)の内部には更に、エンジンの回転に連動して回転するものであって前記プランジャと常に接触するカム部材を備えている。そのカム部材の回転によって、プランジャをシリンダ内で往復移動させ、ポンプ作用を行ってプレッシャレギュレータ(エンジン)に向けて燃料を吐出する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】メカ駆動式燃料ポンプには、エンジンからの動力が機械的手段を介して伝達されるため、ポンプの燃料吐出量は基本的にはエンジン回転数に比例する。特に2輪車の50〜125CCクラスにおいては、ポンプの最大燃料吐出量を所望の値である15L/H程度に設定した場合に、アイドリング状態では燃料吐出量が1L/H以下となってしまう。このように、従来のメカ駆動式燃料ポンプでは、アイドリング状態時には燃料吸入量が少なくなるため、高温環境下においては燃料温度が上がってベーパーが発生し易くなり、燃料の吐出不能となるおそれがあった。 【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、メカ駆動式燃料ポンプに導入する燃料の一部を燃料戻し通路を経て燃料タンクに戻すことによって、高温時に発生するベーパーを外部に排除して、メカ駆動式燃料ポンプから吐出する燃料へのベーパー含有量を少なくするようにしたメカ駆動式燃料ポンプを含む燃料系のベーパー排出構造を提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明のメカ駆動式燃料ポンプは、燃料タンクと内部に燃料通路を有するメカ駆動式燃料ポンプとを燃料導入通路で連絡し、前記メカ駆動式燃料ポンプから吐出した燃料を燃料吐出通路からエンジン側に向けて吐出するメカ駆動式燃料ポンプを含む燃料系において、前記燃料導入通路の途中に前記メカ駆動式燃料ポンプより燃料吐出量の多い中間ポンプを備え、前記メカ駆動式燃料ポンプの燃料通路にそのメカ駆動式燃料ポンプの外部に位置する燃料戻し通路を連絡し、前記燃料通路と前記燃料戻し通路との間に所定以上の燃料圧になった時にそれら燃料通路と燃料戻し通路とを連絡する逃し弁を備え、前記中間ポンプから前記メカ駆動式燃料ポンプの前記燃料通路に供給される燃料のうちの余剰燃料を前記燃料通路から前記燃料戻し通路へ逃すようにしたものである。 【0007】 【発明の実施の形態】次に本発明を図面に基づいて説明する。図1は本発明のプランジャ式燃料ポンプを含む燃料系の燃料の流れを示す構成図である。図1において図9と同一符号は同一部材を示す。本発明に用いるプランジャ式燃料ポンプ10はメカ駆動式燃料ポンプであるが、従来のメカ駆動式燃料ポンプ(プランジャ式燃料ポンプ)132とは構造が異なり、その内部に逃し弁12(その構成は後述する)を備えている。その他に、図1において図9と異なる箇所は、プランジャ式燃料ポンプ10と燃料タンク130とを連絡する燃料導入通路134の途中に、常温でしかも通常運転時にプランジャ式燃料ポンプ10より燃料吐出量の大きい中間ポンプ11を備えることと、一方をプランジャ式燃料ポンプ10の逃し弁12と連絡する燃料戻し通路13を設け、その燃料戻し通路13の他方ををプレッシャレギュレータ136と燃料タンク130とを連絡する燃料戻し通路144の途中に連絡することである。なお、燃料戻し通路13は燃料戻し通路144の途中と連絡するのに代えて、燃料タンク130と直接連絡するようにしても良い。あるいは、燃料戻し通路13は燃料タンク130と中間ポンプ11との間の燃料導入通路134の途中と連絡するようにしても良い。 【0008】図2は本発明のプランジャ式燃料ポンプの一実施形態を示す断面図で、図3は図2の要部分解断面図である。プランジャ式燃料ポンプ10のポンプボディ14は、例えばフェノール樹脂等の低熱伝達率の樹脂材を用いる。そのポンプボディ14の内部に、縦方向のシリンダ収容孔16と、そのシリンダ収容孔16の下位と連絡するカム室18とを形成する。シリンダ収容孔16の内壁には、相対的に下方に位置する径小の第一段差20と相対的に上方に位置する径大の第二段差22が形成されている。シリンダ収容孔16内にシリンダアッセンブリー24を挿入し、その挿入先端を第一段差20に当接させる。シリンダ収容孔16内にシリンダアッセンブリー24を装着した状態では、シリンダアッセンブリー24の上端はシリンダ収容孔16の内部に位置するようにする。シリンダアッセンブリー24の第一段差20に近い位置の外周にはポンプボディ14と接触するOリング26が備えられ、そのOリング26でシリンダ収容孔16とカム室18とを区画している。 【0009】シリンダアッセンブリー24は、前記Oリング26を外面に備えたシリンダ28と、そのシリンダ28の内部に摺動自在に備えられる一端閉鎖筒状のプランジャ30とを有し、プランジャ30の筒状の内部空間は燃料通路32となっている。シリンダ28の内部には、プランジャ30の燃料通路32の上部側開口部と連絡する位置に、吸入弁34並びに吸入弁用バルブ部材36と、吐出弁38並びに吐出弁用バルブ部材40とが順に上方に向けて備えられる。吸入弁34と吐出弁38の平面図を図5に示す。バルブ部材40はシリンダ28の上端を閉鎖する開口部閉鎖部材であって、例えばシリンダ28の開口部に圧入するものである。そのバルブ部材40には、プランジャ30の燃料通路32と連絡する燃料通路出口42が形成されている。 【0010】シリンダアッセンブリー24は更に、シリンダ28とプランジャ30の軸心方向に対して直角方向に貫通するピン44と、プランジャ30の筒状の内部空間(燃料通路32)に備えられて一端をピン44に接触し他端をプランジャ30の閉鎖面に接触するスプリング46を有している。ピン44はシリンダ28には固定されているが、プランジャ30には固定されていない。プランジャ30には、プランジャ30がピン44に対して所定の範囲で自由に軸方向に移動できるように長穴48が形成され、その長穴48にピン44が挿通されている。この長穴48は、プランジャ30の筒状部の内外を連絡するものである。 【0011】シリンダアッセンブリー24は、シリンダ28の内部にプランジャ30とピン44とスプリング46と吸入弁34と吸入弁用バルブ部材36と吐出弁38と吐出弁用バルブ部材40等を組み込んだものであり、これによってシリンダアッセンブリー24を単独な組立体とすることができる。このシリンダアッセンブリー24のうち、外部に露出する主な構成部材であるシリンダ28とプランジャ30とバルブ部材40等は金属材料で構成する。燃料通路32内の燃料が高圧になった場合には、その高圧燃料をシリンダアッセンブリー24内に収めて、ポンプボディ14に直接及ぼさないようにするためである。 【0012】ポンプボディ14のシリンダ収容孔16内にシリンダアッセンブリー24を装着する。シリンダアッセンブリー24をシリンダ収容孔16内に装着した状態では、Oリング26の位置よりやや上方の位置から上側においては、ポンプボディ14のシリンダ収容孔16の内壁とシリンダ28の外壁との間には隙間が形成される。ピン44を固定した位置のシリンダ28付近においては、幅狭隙間50が形成され、シリンダ28の上端付近においては、幅広隙間52が形成される。ポンプボディ14には、燃料導入通路134と連絡する燃料導入用のニップル54と前記燃料燃料戻し通路13と連絡する燃料戻し用のニップル56とが取り付けられ、それら燃料導入用のニップル54と燃料戻し用のニップル56の両方が前記幅狭隙間50と連絡している。なお、前述の説明において、燃料導入用ニップル54が幅狭隙間50と接続するとした(図2)が、燃料導入用のニップル54から導入される燃料は、例えば直接燃料通路32に導入するようにして、燃料導入用ニップル54から導入される燃料と、燃料戻し用のニップル56から排出される燃料とが混じることがないようにしても良い。 【0013】シリンダ28において、ピン44を固定した位置付近に、シリンダ28の内外を連絡する燃料導入通路58が形成される。この燃料導入通路58は、外側が燃料導入用のニップル54に近い位置となり、内側はプランジャ30に形成された長穴48に近い位置となるよう設定されている。即ち、燃料導入用のニップル54から導入される燃料は、幅狭隙間50から、シリンダ28の燃料導入通路58とプランジャ30の長穴48を経て、プランジャ30内に形成された燃料通路32に至る。図3に示すように、燃料通路32と幅狭隙間50とを連絡するように、シリンダ28とプランジャ30とを貫通する貫通穴59が燃料通路32の位置を中心として放射状に設けられている。即ち、燃料通路32内に導入された燃料の一部は、貫通穴59を経て幅狭隙間50に至るように設定されている。 【0014】カム室18の内部には、図示しないエンジンと直結する駆動軸60の先端が挿入され、その駆動軸60の先端にカム部材62が取り付けられている。このカム部材62の軸中心と駆動軸60の軸中心とは偏位しており、図2において駆動軸60の回転中心をPとし、カム部材62の回転中心をQとする。このカム部材62の上部表面にプランジャ30の閉鎖端面の下端が、スプリング46によって接触させられている。駆動軸60が回転すると、カム部材62に接触するプランジャ30はシリンダ28内を上下に往復移動する。このプランジャ30の上下の往復運動によって、プランジャ30の内部の燃料通路32に導入された燃料は、吸入弁34や吐出弁38の働きによって、燃料通路出口42を経てシリンダアッセンブリー24より外部へ吐出される。プランジャ30の往復運動による吸入弁34や吐出弁38の働きは従来既知の技術であるので、ここではその説明を省略する。シリンダアッセンブリー24の構成は、駆動軸60の回転によってプランジャ30が往復運動して、燃料をシリンダアッセンブリー24の外側に向けて吐出するものであれば、上述のものに限るものではない。 【0015】前記シリンダアッセンブリー24の上端を覆うように、プラグ64を幅広隙間52内に装着する。図3に示すように、プラグ64は、板状の基部66と、前記シリンダ28の外側に被せるもの(前記幅広隙間52内に装着するもの)であって基部66の片面側に一体に形成される相対的に径大の第一筒状部68と、その基部66の反対面側に一体に形成される相対的に径小の第二筒状部70とから成る。プラグ64はフェノール樹脂等の低熱伝達率の樹脂で形成するのが望ましい。板状の基部66の中央には、基部66を貫通する連絡通路72が形成される。即ち、この基部66に形成した連絡通路72は、第一筒状部68の内部空間と第二筒状部70の内部空間とを連絡する。また、基部66の第一筒状部68側の表面に、連絡通路72を囲むように、シールド部材であるOリング74が取り付けられる。Oリング74は、図2並びに図3においては基部66に取り付けたが、それに代えてシリンダアッセンブリー24のバルブ部材40(基部66に対向する面)に取り付けるようにしても良い。 【0016】第一筒状部68の自由先端付近の外側にはフランジ76が形成されており、そのフランジ76の外面にはOリング78が取り付けられている。フランジ76の肩に一端を接触するように、第一筒状部68の外側にスプリング80を備える。このスプリング80は、プラグ64を図2並びに図3で下方側に付勢させるものである。前述の逃し弁12は、プラグ64を所定方向に付勢させるスプリング80と、軸方向に移動可能なプラグ64と、プラグ64またはシリンダアッセンブリー24に取り付けられるOリング74とから成る。 【0017】プラグ64の第一筒状部68を幅広隙間52内に装着した状態(図2並びに図3)では、Oリング78がシリンダ収容孔16の内壁と接触し、ポンプボディ14のシリンダ収容孔16の内壁とプラグ64の外壁との間の燃料漏れをこのOリング78で防止する。プラグ64の第一筒状部68を幅広隙間52内に装着した状態(図2並びに図3)では、幅狭隙間50は中空筒状空間となる。この状態では更に、プラグ64の第一筒状部68の内壁とシリンダ28の外壁との間に燃料逃し通路79が形成される。この燃料逃し通路79は、一方を中空筒状空間である幅狭空間50と連絡し、他方を吐出用バルブ部材40の燃料通路出口42とプラグ64の連絡通路72との連絡箇所と連絡可能な状態となる。 【0018】図6に示すように、第二筒状部70を平面から見たその外壁形状は、小判形状または両側に平行線を有する楕円形状をしている。第二筒状部70に、第二筒状部70と嵌合する穴81を形成したプレート82を嵌合させる。このプレート82をポンプボディ14の上面に接触させて螺子84を用いて、プレート82をポンプボディ14に固定させる。プレート82をポンプボディ14に固定した状態では、プラグ64は、ポンプボディ14(プレート82)に対して回転しない状態に取り付けられる。 【0019】プレート82をポンプボディ14に固定させた状態が通常状態(図2や図3の状態)である。この通常状態において、第一筒状部68の外側に備えられたスプリング80は、フランジ76の肩部とプレート82の底面とによって圧縮された状態とされており、プラグ64にはスプリング80によって図2で下方への付勢する力が働く。このプリング80によるプラグ64への付勢力によって、プラグ64の基部66に取り付けたOリング74はシリンダアッセンブリー24の上面に接触し(図2並びに図3ではOリング74はバルブ部材40に接触しているが、シリンダ28に接触するようにしても良い)、前記燃料通路出口42と前記連絡通路72との連絡箇所から前記燃料逃し通路79への燃料漏れをOリング74で防止する。この通常状態において、プラグ64の基部66の上面67(第二筒状部70より外側にある位置)とプレート82の下面との間にクリアランスCがあるように設定する。即ち、プラグ64は、図2並びに図3においてクリアランスCの距離だけ上方に移動可能に設定する。また、図2並びに図3の状態からプラグ64がクリアランスCの距離だけ上方に移動して、基部66の上面とプレート82の下面とが接触した時(またはそれに近い状態の時)には、基部66に取り付けたOリング74はシリンダアッセンブリー24(バルブ部材40)の上面とは接触しないよう設定する。 【0020】プラグ64の第二筒状部70の内壁には、雌螺子部86が形成されている。吐出コネクタ88には外壁に雄螺子部90が形成されており、この吐出コネクタ88の雄螺子部90を第二筒状部70の雌螺子部86に螺合する。この吐出コネクタ88を第二筒状部70に螺合する際にパッキン91を挟む。吐出コネクタ88には吐出通路92が形成され、この吐出通路92は一方をプラグ64の連絡通路72と連絡し、他方を燃料吐出通路138を介してプレッシャレギュレータ136(図1)に連絡する。 【0021】ここで、燃料導入通路134の途中に備えられる中間ポンプ11の断面図を図7に示す。中間ポンプ11は、例えば従来既知のダイアフラム式燃料ポンプを使用する。ダイアフラム式燃料ポンプ(中間ポンプ)11は、トップボディ100とボトムボディ102とカバー104とを有し、トップボディ100とボトムボディ102とでダイアフラム106を挟持し、トップボディ100とカバー104とでメンブレン108を挟持する。これらトップボディ100とボトムボディ102とカバー104のうちの少なくとも一つを、例えばフェノール樹脂等の低熱伝達率の素材で形成する。望ましくは、トップボディ100とボトムボディ102とカバー104の全てを低熱伝達率の樹脂で形成する。メンブレン108とトップボディ100との間には、燃料タンク130側の燃料導入通路134と連絡する燃料吸入室110と、プランジャ式燃料ポンプ10側との燃料導入通路134と連絡する燃料吐出室112が形成される。メンブレン108とカバー104との間には、メンブレン108を挟んで燃料吸入室110と対向するダンパ室114と、メンブレン108を挟んで燃料吐出室112と対向するダンパ室116とが形成される。 【0022】ダイアフラム106とトップボディ100との間にはポンプ室118が形成され、ダイアフラム106とボトムボディ102との間にはパルス室120が形成される。ボトムボディ102にはパルス室120へ導入するためのパルス導入通路121が形成され、そのパルス導入通路121を経由してエンジンで発生するパルス圧がパルス室120内へ導入される。 【0023】トップボディ100には、燃料吸入室110とポンプ室118とを連絡する流入連絡通路122が形成されると共に、燃料吐出室112とポンプ室118とを連絡する吐出連絡通路124が形成される。流入連絡通路122には燃料吸入室110からポンプ室118へのみ燃料を移動させるためのチェックバルブ126が備えられ、吐出連絡通路124にはポンプ室118から燃料吐出室112へのみ燃料を移動させるためのチェックバルブ128が備えられている。 【0024】このダイアフラム式燃料ポンプ(中間ポンプ)11では、エンジンのクランク室(図示せず)に発生するパルス圧をパルス室120に導入することで、ダイアフラム106はポンプ室118側とパルス室120側とに交互にストローク移動する。このダイアフラム106のストローク作用によって、燃料タンクから燃料吸入室110に導入された燃料をポンプ室118から燃料吐出室112を経てプランジャ式燃料ポンプ10に吐出する。このダイアフラム式燃料ポンプ11からのプランジャ式燃料ポンプ10への燃料吐出量は、プランジャ式燃料ポンプ10からの燃料吐出量より多いものに設定する。なお、このポンプは従来既知のダイアフラム式ポンプであるが、ポンプはダイアフラム式ポンプに限るものではない。 【0025】以上のように構成されたプランジャ式燃料ポンプ10では、プランジャ30内の燃料通路32の圧力が所定の値以内の圧力である場合には、図2や図3に示すように、Oリング74はシリンダアッセンブリー24の上面(バルブ部材40)に接触した状態であり、プランジャ30の燃料通路32内の燃料はバルブ部材40の燃料通路出口42からプラグ64の連絡通路72を経て、吐出コネクタ88の吐出通路92に向けて吐出される。この場合には、燃料通路出口42と連絡通路72との間の連絡箇所から燃料逃し通路79へは、Oリング74によって連絡が遮断されて燃料が流れることはない。 【0026】プランジャ式燃料ポンプ10内において、燃料通路32内やそこから吐出通路92までの間にベーパーが発生して、その燃料圧が所定以上の高圧に達した場合には、その高圧はシリンダアッセンブリー24の上面とプラグ64と基部66の底面との間に入って、スプリング46に抗してプラグ64を図2並びに図3で上方に移動させ、プラグ64の基部66の上面67をプレート82の下面に接触させるようにする(図8)。この図8の状態では、基部66の下側に取り付けたOリング74はシリンダアッセンブリー24(バルブ部材40)の上面とは接触しなくなり、シリンダアッセンブリー24の上面(バルブ部材40)とプラグ64の基部66の下面との間のシールドが解消される。即ち、燃料通路32とプラグ64の連絡通路72との連絡位置と燃料逃し通路79とを連絡する。 【0027】本発明では、ダイアフラム式燃料ポンプ11から吐出される燃料量はプランジャ式燃料ポンプ10からの燃料吐出量より多くしてあるので、燃料導入用ニップル54からプランジャ式燃料ポンプ10に導入される燃料のうち、燃料通路32に導入されて吐出通路92に向かう燃料が必要燃料量となり、それ以外の燃料は余剰燃料となる。余剰燃料の一部としては、燃料通路32から貫通穴59を通過して幅狭隙間50に至り、幅狭隙間50から燃料吐出用ニップル56に至る。余剰燃料の他の一部は、燃料導入用ニップル54から環状の幅狭隙間50のみを経由して燃料吐出用ニップル56に至る。吐出用ニップル56に至った燃料は、燃料戻し通路13から燃料戻し通路144を経て、燃料タンク130へ戻される。一方、燃料通路32から吐出通路92に導入される必要吐出量の燃料は、インジェクタ142(プレッシャレギュレータ136)に向けて吐出される。 【0028】燃料通路12の内部やそこから吐出通路92までの間にベーパーが発生して、その間の燃料圧が所定以上の高圧に達した場合には、その高圧はシリンダアッセンブリー24の上面とプラグ64と基部66の底面との間に入って、スプリング46に抗してプラグ64を図2並びに図3で上方に移動させる。これによって、シリンダアッセンブリー24の上面(バルブ部材40)とプラグ64の基部66の下面との間のシールドが解消され、燃料通路32とプラグ64の連絡通路72との連絡位置と燃料逃し通路79とが連絡される。これによって、燃料通路32内に発生したベーパーの大半は、逃し弁12の働きによって燃料逃し通路79から幅広隙間52と幅狭空間50とを経て燃料吐出用ニップル56に至り、吐出用ニップル56から燃料戻し通路13を経て燃料タンク130に戻される。即ち、燃料通路32内にベーパーが発生しても、そのベーパーは逃し弁12の働きによって燃料吐出用ニップル56から燃料戻し通路13を経て燃料タンク130へ戻される。この結果、プランジャ式燃料ポンプ10の内部でのベーパーの発生を抑えることができる。 【0029】逃し弁12が開かない程度に燃料通路32等にベーパーが発生した場合には、ベーパーは余剰燃料としての燃料の流れに乗って、貫通穴59から幅狭隙間50を経由して燃料吐出用ニップル56に至り、余剰燃料と共に燃料戻し通路13から燃料タンク130に戻される。これによって、プランジャ式燃料ポンプ10に導入された燃料にベーパーが発生しても、そのベーパーの殆どが燃料吐出用ニップル56から燃料戻し通路13を経て外部へ排除することができる。燃料タンク130に戻される燃料は高温になっていても、燃料タンク130で冷やされ、プランジャ式燃料ポンプ10へは燃料タンク130で冷やされた燃料が供給される。これによって、プランジャ式燃料ポンプ10が高温環境にあるとしても、ベーパーの発生を抑えることができる。燃料通路32内に発生したベーパーを逃し弁12を介して外部へ逃すことによって、プランジャ式燃料ポンプ10の内部の燃料通路32等の燃料圧を高くしないようにする。このように、プランジャ式燃料ポンプ10内の燃料圧を高くしないようにできるので、ポンプボディ14やプラグ64等を、金属ではなく熱伝達率の低い合成樹脂で作ることができる。この結果、プランジャ式燃料ポンプ10の内部でのベーパーの発生を抑制することができる。 【0030】なお、図2,図3,図8及び前述の説明においては、シールド部材であるOリング74をプラグ64に取り付けた状態を示したが、それに代えてOリング74をシリンダアッセンブリー24(バルブ部材40かシリンダ28)に取り付けるようにしても良い。前記プランジャ式燃料ポンプ10の説明において、長手方向を縦方向として説明したが、長手方向を横方向にしても構わない。 【0031】 【発明の効果】以上のように、本発明に係わるメカ駆動式燃料ポンプを含む燃料系のベーパー排出構造によれば、メカ駆動式燃料ポンプの燃料吐出量より多くの燃料量を中間ポンプによってメカ駆動式燃料ポンプに導入して、メカ駆動式燃料ポンプから吐出燃料を吐出通路からエンジン側に吐出すると共に、余剰導入燃料を燃料戻し通路から外部に排出するようにしたものである。所定圧以下の燃料圧では、メカ駆動式燃料ポンプ内に発生するベーパーは余剰燃料と共に外部に排出し、所定以上の高圧では、メカ駆動式燃料ポンプ内部に発生したベーパーを逃し弁によって外部に排出することによって、メカ駆動式燃料ポンプから吐出される燃料からベーパーを大幅に減少させることができる。また、メカ駆動式燃料ポンプから外部に排出する余剰燃料を燃料タンクに戻すことによって、高温になった燃料は燃料タンクへ戻してそこで冷やすことができ、冷やした燃料を燃料タンクからメカ駆動式燃料ポンプに導入するので、メカ駆動式燃料ポンプにおけるベーパーの発生を抑制することができる。 【0032】本発明では、高温時にメカ駆動式燃料ポンプ内にベーパーが発生した場合でも、逃し弁によってベーパーを外部に排出するので、メカ駆動式燃料ポンプの内部圧力が非常に高くなるのを防止することができる。この結果、ポンプボディの素材を従来のような金属に代えて、低熱伝達率の樹脂材で形成することが可能となり、従来のものと比べて、メカ駆動式燃料ポンプ内での燃料温度の上昇を抑え、ベーパーの発生を抑えることができる。その上、中間ポンプにおいてもボディを低熱伝達率の樹脂材で構成すれば、メカ駆動式燃料ポンプに導入される燃料のベーパーを少なくすることもできる。更に、金属に代えて樹脂材で作ることにより、製造コストを削減することができる。本発明ではメカ駆動式燃料ポンプ自体に高圧燃料を外部に逃がす逃し弁を有しているので、従来必要としたプレッシャレギュレータを省略することも可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390035699 【氏名又は名称】株式会社ミクニアデック
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| 【出願日】 |
平成11年12月27日(1999.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084353 【弁理士】 【氏名又は名称】八嶋 敬市
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| 【公開番号】 |
特開2001−182636(P2001−182636A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−369234 |
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