| 【発明の名称】 |
内燃機関のキャニスタ |
| 【発明者】 |
【氏名】山藤 考弘
【氏名】板倉 裕二
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| 【要約】 |
【課題】キャニスタ容積や蓄熱剤等の増加を招くことなく、HC押出現象によるHC排出量を効果的に抑制する。
【解決手段】活性炭を含む吸着体12,13を充填した容器7の空気通路一端側7aにパージコネクタ(負圧作用部)8及びチャージコネクタ(蒸発燃料導入部)9を設けるとともに、他端側7bにドレインコネクタ(大気開放部)10を設ける。吸着体12,13の中で、大気開放側の吸着体13の比熱を相対的に大きく設定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 活性炭を含む吸着体を充填した容器の空気通路一端側に負圧作用部及び蒸発燃料導入部が設けられるとともに、上記容器の空気通路他端側に大気開放部が設けられ、上記蒸発燃料導入部より導入される蒸発燃料が上記吸着体へ吸着されるとともに、上記大気開放部から導入された大気が負圧作用部へ吸引される際に、上記吸着体へ吸着された蒸発燃料が脱離するように構成された内燃機関のキャニスタにおいて、上記吸着体の中で、少なくとも大気開放側の部分の比熱を相対的に大きくしたことを特徴とする内燃機関のキャニスタ。 【請求項2】 活性炭を含む吸着体を充填した容器の空気通路一端側に負圧作用部及び蒸発燃料導入部が設けられるとともに、上記容器の空気通路他端側に大気開放部が設けられ、上記蒸発燃料導入部より導入される蒸発燃料が上記吸着体へ吸着されるとともに、上記大気開放部から導入された大気が負圧作用部へ吸引される際に、上記吸着体へ吸着された蒸発燃料が脱離するように構成された内燃機関のキャニスタにおいて、上記吸着体の中で、大気開放側の部分にのみ、蓄熱剤又は相対的に比熱の大きい活性炭を混入したことを特徴とする内燃機関のキャニスタ。 【請求項3】 上記吸着体の中で、大気開放側の部分の空気通路断面積を相対的に小さく設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のキャニスタ。 【請求項4】 上記容器の内部の空気通路を略U字状に設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のキャニスタ。 【請求項5】 上記容器の内部を大容積室と小容積室とに区画する仕切壁を有し、上記小容積室を大気開放側に配置したことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のキャニスタ。 【請求項6】 上記吸着体が、相対的に比熱の大きい大気開放側の吸着体と、相対的に比熱の小さい反大気開放側の吸着体とに分割されており、かつ、両吸着体の間に、断熱層が介装されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関のキャニスタ。 【請求項7】 上記断熱層が、発泡セラミックを含む断熱フィルタであることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関のキャニスタ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両の自動車等の内燃機関に好適に用いられるキャニスタに関する。 【0002】 【従来の技術】ガソリンを燃料とする自動車等の内燃機関では、主に燃料タンク内の蒸発燃料(HC)が大気へ放出されることを抑制するために、キャニスタが用いられる。このキャニスタは、一般的に、活性炭を含む吸着体が充填された容器の一端側に蒸発燃料導入部及び負圧作用部が設けられるとともに、容器の他端側に大気開放部が設けられている。そして、蒸発燃料導入部より導入される蒸発燃料を活性炭により吸着するとともに、所定の運転条件下では、大気開放部よりキャニスタ内に大気を導入し、吸着体に吸着した蒸発燃料を脱離させ、この蒸発燃料を大気とともに機関の吸気系に吸引し、燃焼させるようになっている。 【0003】このような活性炭による蒸発燃料の吸着・脱離反応は発熱・吸熱反応であるため、吸着時には熱が発生して温度が高くなり、吸着能力が低下するとともに、脱離時には熱が奪われて温度が低くなり、脱離能力が低下する傾向にある。そこで従来より、吸着体の比熱を大きくすることにより、吸着・脱離反応に伴う活性炭の温度変化を抑制し、温度変化による吸着・脱離能力の低下を抑制させる技術が知られている。特開平10−339218号公報には、吸着体の比熱を大きくするために、活性炭に比して熱伝導率が大きくかつ熱容量の大きな蓄熱粒子を活性炭の表面に一様に付着させる技術が記載されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した蒸発燃料の脱離時には、吸着体に付着している蒸発燃料の全てが脱離するわけではなく、上記のような脱離時の温度低下による脱離性能の悪化の他、キャニスタ自体の経時劣化や運転状態等に応じて、多少の蒸発燃料が吸着体に残されたままとなる。特に、吸着体の中でも大気開放側の部分に蒸発燃料が付着されたまま残存していると、次回の吸着時に蒸発燃料導入部より蒸発ガスが導入された際に、所謂HC押出現象によって、その一部が大気開放部より押し出されてしまい、大気へ放出されるHC放出量が増加してしまう。この結果、キャニスタとして最も重要なキャニスタのHC放出量の低減能力が損なわれてしまう。 【0005】なお、吸着体の中でも反大気開放側に残存する蒸発燃料は、仮に次回の吸着時に脱離しても、その大部分が吸着体下流側つまり大気開放側の部分で吸着されるため、あまり問題とならない。つまり、上記HC押出現象によるHC放出量は、機関の吸気系へのHC脱離を行った後の吸着体の大気開放側の部分に残存するHC吸着濃度に大きく依存する。 【0006】そこで、HC吸着濃度を低減するために、キャニスタの容量を大きくしたり、あるいは上記公報のように吸着体全体に蓄熱剤を一様に付着させて比熱を大きくすることによりHC脱離性能を向上させることも考えられる。しかしながら、これらの手法では、HC押出現象によるHC放出量にあまり関係のない部分のHC脱離濃度をも向上させることとなり、その分、吸着体の大気開放側の部分のHC脱離性能を強化することができないため、HC押出現象によるHC放出量を効果的に抑制することはできず、むしろ、キャニスタ容積の増加や蓄熱剤の増加に伴う車両搭載性の低下やコストの増加等を招いてしまう。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、このような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明に係る内燃機関のキャニスタは、活性炭を含む吸着体を充填した容器の空気通路一端側に負圧作用部及び蒸発燃料導入部が設けられるとともに、上記容器の空気通路他端側に大気開放部が設けられ、上記蒸発燃料導入部より導入される蒸発燃料が上記吸着体へ吸着されるとともに、上記大気開放部から導入された大気が負圧作用部へ吸引される際に、上記吸着体へ吸着された蒸発燃料が脱離するように構成されている。 【0008】そして請求項1の発明は、上記吸着体の中で、少なくとも大気開放側の部分の比熱を相対的に大きくしたことを特徴としている。 【0009】また、請求項2の発明は、上記吸着体の中で、大気開放側の部分にのみ、蓄熱剤又は相対的に比熱の大きい活性炭を混入したことを特徴としている。 【0010】このような請求項1,2の構成によれば、吸着体における大気開放側の部分では、脱離反応に伴う温度変化が抑制され、その脱離能力が向上し、脱離時に脱離せずに残存する蒸発燃料の量(濃度)が低減される。この結果、上述したHC押出現象によるHC放出量を十分に抑制することができる。 【0011】また、特に請求項2の発明のように、吸着体における大気開放側の部分にのみ比熱を向上させるための蓄熱剤又は高比熱活性炭を適用し、HC押出現象によるHC放出量にあまり関係のない他の部分には蓄熱剤や高比熱活性炭を適用しないことで、所期のHC放出量低減効果を実現しつつ、蓄熱剤や高比熱活性炭の混入量を最小限に抑制することができる。この結果、キャニスタ容積の増加,車両等への搭載性の低下,及びコスト上昇等を最小限に抑制することができる。 【0012】一般的に、同じ容積の吸着体であれば、通路断面積が小さく通路長さが長い方が、通路断面積が大きく通路長さが短いものに比して、圧力損失が大きくなる反面、脱離性能が向上する。 【0013】そこで、好ましくは請求項3の発明のように、吸着体の中で、大気開放側の部分の空気通路断面積を、相対的に小さく設定する。これにより、大気開放側の部分の脱離性能を局所的に向上させることができ、上記HC押出現象によるHC放出量を更に効果的に抑制することができる。 【0014】このように容器内の通路断面積を変化させる場合、好ましくは請求項4の発明のように、上記容器の内部の空気通路を略U字状に設定する。これにより、容器内の通路断面積を変化させつつ、容器自体の形状を簡素な形状、例えば単純な円筒形や箱形等にすることが可能となる。 【0015】より具体的には請求項5の発明のように、上記容器の内部を大容積室と小容積室とに区画する仕切壁を有し、上記小容積室を大気開放側に配置すれば良い。 【0016】請求項6の発明では、上記吸着体が、相対的に比熱の大きい大気開放側の吸着体と、相対的に比熱の小さい反大気開放側の吸着体とに分割されており、かつ、両吸着体の間に、断熱層を介装させている。この断熱層により、比熱が大きく温度変化の大きい大気開放側の吸着体が、比熱の小さい反大気開放側の吸着体の温度変化の悪影響から保護される形となる。この結果、大気開放側における所期の脱離能力をより確実に得ることができる。 【0017】上記断熱層は、例えば請求項7の発明のように発泡セラミックを含む断熱フィルタである。 【0018】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、吸着体の中で大気開放側の部分の比熱を局所的に増加させることにより、キャニスタ容積や蓄熱剤等の増加を招くことなく、HC押出現象によるHC排出量を効果的に抑制することができる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0020】図1は、本発明の第1実施例に係るキャニスタC1を適用した内燃機関の蒸発燃料処理システムを示す構成図である。キャニスタC1は、活性炭を含む吸着体12,13が充填された容器7を主体としている。この容器7は、内部を空気が図1の上下方向に通流するように構成されており、この空気通路の一端側となる容器7の一方の壁部7aには、吸気負圧を容器7内へ作用させる負圧作用部としてのパージコネクタ8と、蒸発燃料が導入される蒸発燃料導入部としてのチャージコネクタ9と、が取り付けられている。パージコネクタ8は、パージ配管3によって吸気管1内のスロットル弁1aの下流側に接続されており、このパージ配管3の途中には、パージコントロールバルブ2が介装されている。また、チャージコネクタ9は、チャージ配管4によって燃料タンク6と接続されており、このチャージ配管4の途中には、燃料タンク6の内圧を調圧するチェックバルブ5が介装されている。一方、空気通路の他端側となる容器の他壁部7bには、大気開放部としてのドレインコネクタ10が取り付けられている。 【0021】例えば内燃機関が停止すると、高温高圧な燃料タンク6内の蒸気によりチェックバルブ5が開かれ、燃料タンク6内の蒸発ガスがチャージ配管4及びチャージコネクタ9を経由して容器7内に導入される。この蒸発ガスが容器7内を通過する際に、蒸発ガス内に含まれる蒸発燃料が吸着体12,13により一時的に吸着され、残りの空気がドレインコネクタ10から大気へ放出される。 【0022】次に内燃機関が運転を開始し、吸気管1内に吸気負圧が作用する状態となると、パージコントロールバルブ2が開き、容器7内に吸気負圧が作用する。この負圧により、大気がドレインコネクタ10から容器7内へ導入される。この大気が容器7内を通過する際に、吸着体12,13に付着した蒸発燃料が脱離され、大気とともにパージコネクタ8及びパージ配管3を通して吸気管1に供給され、最終的には燃焼室内で燃焼処理される。 【0023】なお、吸気系へ導入される蒸発燃料(ベーパー)の量及び時期は、パージコントロールバルブ2により適宜に制御される。このパージコントロールバルブ2は、吸気負圧により開く機械式のものであっても良く、また運転状態に応じて電気的に制御されるものであっても良い。 【0024】上記の容器7は、この実施例では円筒形,箱形等の簡素な中空形状をなしており、その内部には、上述した吸着体12,13の他、2枚のフィルタ11a,11b及び断熱フィルタ14が空気通路方向に積層された状態で、かつ、図外のバネ等により適宜に圧縮された状態で充填されている。 【0025】フィルタ11a,11bは、主に吸着体12,13に含まれる活性炭等の脱落を防止する機能を有しており、周知の不織布等により形成されている。断熱フィルタ14は、両吸着体12,13の間に介装され、後述するように、主に両吸着体12,13を互いに断熱する断熱層として用いられており、例えばフィルタ11に比して断熱性に優れた発泡セラミック等により形成されている。 【0026】吸着体12,13は、基本的には、蒸発燃料を所定の条件で吸着,脱離する粒状の活性炭が一様に分散して混入されており、例えば粒状の活性炭とバインダとを混合して練り合わせ、適宜の形状に成形した後適宜な熱処理等を経て製造される。 【0027】そして本実施例では、吸着体12,13の中で、ドレインコネクタ10側つまり大気開放側の吸着体13の比熱を、パージコネクタ8及びチャージコネクタ9側つまり反大気開放側の吸着体12の比熱に比して、相対的に大きく設定している。 【0028】具体的には、大気開放側の吸着体13には、比熱を大きくするために、例えば活性炭に比して比熱が大きく熱伝導性に優れた材料、つまりアルミナ,ガラス等の無機材及び鉄,銅,鉛等の金属材からなる微粒子状の蓄熱剤が分散して混入され、あるいは、反大気開放側の吸着体12に用いられる活性炭に比して相対的に比熱の大きい高比熱性の活性炭が用いられる。 【0029】この結果、相対的に比熱の大きい大気開放側の吸着体13では、脱離反応に伴う温度変化が抑制され、その脱離能力が向上し、吸気管1へのHCの脱離時に脱離せずに残存する蒸発燃料の量(濃度)が低減される。従って、上述したHC押出現象によるHC放出量を確実かつ有効に抑制することができる。 【0030】また、本実施例では、大気開放側の吸着体13にのみ、比熱を増加させるための蓄熱剤又は高比熱性の活性炭が混入されており、反大気開放側の吸着体12には、このような蓄熱剤又は高比熱活性炭が混入されていない。このため、所期のHC放出量低減効果を実現しつつ、蓄熱剤や高比熱活性炭の混入量を最小限に抑制することができる。この結果、キャニスタ容積の増加,車両等への搭載性の低下,及びコスト上昇等を最小限に抑制することができる。 【0031】更に、本実施例では、比熱の異なる両吸着体12,13間に、断熱性に優れた断熱フィルタ14を介装している。この断熱フィルタ14によって、比熱の大きい大気開放側の吸着体13が、比熱の小さい反大気開放側の吸着体12の脱離反応に伴う温度変化の悪影響から保護される。この結果、大気開放側の吸着体13の脱離反応に伴う温度変化を更に確実に抑制することができ、大気開放側の吸着体13の脱離能力をより確実に確保することができる。 【0032】仮に上記の吸着体13に混入される量の蓄熱剤又は高比熱活性炭を吸着体全体に一様に分散させた場合、全体としての脱離能力は若干向上するものの、本実施例に比して大気開放側の部分の脱離能力は低下し、HC押出量も増加してしまう。つまり本実施例では、大気開放側の吸着体13のみの比熱を大きく設定していることが重要であり、これにより、キャニスタ容積の増加等のデメリットを最小限に抑制しつつ、効果的にHC押出量を低減することができる。 【0033】図2,3は、キャニスタの他の実施例を示している。なお、これらのキャニスタは、基本的には上述した第1実施例のキャニスタと同じ構成及び作用を有しており、同じ構成部分には同一参照符号を付して重複する説明を適宜省略する。 【0034】図2に示す第2実施例のキャニスタC2では、脱離性能が要求される大気開放側の通路断面積を、反大気開放側の通路断面積よりも相対的に小さく設定している。つまり、反大気開放側のフィルタ11a,吸着体12,及び断熱フィルタ14が充填されるチャージ側(反大気開放側)の容器7cに比して、大気開放側の吸着体13A,フィルタ11bが充填されるドレイン側(大気開放側)の容器7dが相対的に小径に形成されている。 【0035】つまり、大気開放側の吸着体13Aでは、通路断面積を小さくすることに対応して、その通路長さが相対的に長く設定されている。上述したように、キャニスタ内の容積が同じであれば、キャニスタ内の通路長さが長いほど、脱離能力は向上するため、大気開放側の吸着体13Aにおける脱離性能を局所的に向上させることにより、より一層、吸気管1へのHC脱離後のドレイン側の残存HC吸着濃度を抑制することができる。 【0036】なお、空気通路が長くなると、圧力損失も増加する傾向にあるが、本実施例では、特に脱離能力が要求されるドレイン側の部分のみを小径としているため、圧力損失による能力低下はあまり問題とならない。 【0037】図3は、本発明の第3実施例に係るキャニスタC3を示している。この実施例では、キャニスタC3内部の空気通路が略U字状となるように設定されている。具体的には、容器7の内部は、仕切壁15によって相対的に容積の大きい大容積室16と相対的に容積の小さい小容積室17とに区画されており、大容積室16が反大気開放側(図3の右側)に配置され、小容積室17が大気開放側(図3の左側)に配置されている。つまり、通路出入口となる容器7の一壁部7aの中で、大容積室16に臨んだ右側部分にパージコネクタ8及びチャージコネクタ9が取り付けられ、小容積室17に臨んだ左側部分にドレインコネクタ10が取り付けられている。 【0038】大容積室16の内部には、反大気開放側のフィルタ11aと、相対的に比熱の小さい吸着体12の大部分12aと、が充填されている。小容積室17の内部には、大気開放側のフィルタ11bと、相対的に比熱の大きい吸着体13と、断熱フィルタ14と、相対的に比熱の小さい吸着体12の一部12bと、が充填されている。また、U字状通路の底部となる図3の下側部分には、吸着体12a,12bの開放端部を覆うようにフィルタ11cが設けられている。このフィルタ11cは、上記のフィルタ11a,11bと同様、主に吸着体からの活性炭等の脱落を防止する機能を有している。 【0039】このような本実施例によれば、上記第2実施例と同様、大気開放側の吸着体13では、通路断面積を相対的に小さくすることにより通路長さが相対的に長くなり、脱離能力が局所的に向上されることに加え、仕切壁15によりキャニスタC3内部通路を略U字状としているために、容器7自体を、第1実施例のキャニスタC1と同じように、円筒形,箱形等との簡素な形状とすることができ、車両搭載性の向上等を図ることができる。 【0040】図4は、キャニスタ内の空気通路方向に沿う吸着体のHC吸着濃度の分布を示す特性図で、左側がチャージ側(反大気開放側)を、右側がドレイン側(大気開放側)を表している。同図にも示すように、吸着体の活性炭に吸着される蒸発燃料(HC)のHC吸着濃度は、一般的に、蒸発燃料が導入されるチャージ側で相対的に高く、大気が導入されるドレイン側で相対的に低い傾向にある。 【0041】ここで、図4の実線L1は、上記第1〜3実施例のように吸着体の中でドレイン側に比熱の大きい吸着体を適用した実施例の特性を示している。なお、破線L2は、比熱を大きくした部分とそれ以外の部分との境界を示し、図1〜3の断熱フィルタ14の位置に対応している。一方、破線L3は、ドレイン側で特に比熱を大きくしていない場合、つまりドレイン側に蓄熱剤や高比熱活性炭を用いていない比較例に係る特性を示している。 【0042】図4からも明らかなように、本実施例の大気開放側の高比熱部では、脱離時にドレイン側でHC吸着濃度が局所的に低減されており(破線領域)、特にドレイン側端部では、比較例に比して(A−B)分のHC吸着濃度低減効果が得られている。 【0043】図5は、ドレイン側端部のHC吸着濃度(横軸)とHC押出量(縦軸)との関係を示している。同図に示すように、ドレイン側のHC吸着濃度が高くなるほど、HC押出量も増加する傾向にあり、本実施例では比較例に比してΔD分のHC押出量の低減効果が得られている。 【0044】以上のように本発明を具体的な実施例を挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、あらゆる変形,変更が可能である。例えば、上記実施例では、比熱の異なる吸着体12,13を断熱フィルタ14を挟んで積層した構成となっているが、これに限らず、例えば大気開放側へ向かうに従って徐々に比熱が大きくなるような吸着剤を用いることもできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月28日(1999.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062199 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−182631(P2001−182631A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−372877 |
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