| 【発明の名称】 |
エバポパージシステムの診断装置および圧力センサ |
| 【発明者】 |
【氏名】八巻 眞仁
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| 【要約】 |
【課題】大気圧の変動の影響を受けにくい高精度なエバポパージシステムの診断装置を提供すること【解決手段】燃料タンク12を含むエバポ系は、リーク診断時において、大気圧とは異なる圧力状態に変圧した上で密閉される。相対圧センサ23の基準圧導入側23aには基準圧が導入されているとともに、検出圧導入側23bにはエバポ系内の圧力が導入される。相対圧センサ23の基準圧導入側23aを大気に開放する大気導入通路29には、相対圧センサ用ソレノイドバルブ21が介装されている。制御ユニット11は、リーク診断時において、ソレノイドバルブ21を閉状態に設定し、基準圧を一定値にホールドした上で、相対圧センサ23により検出された相対力の変化に基づき、エバポ系のリークの有無を判定する
【解決手段】燃料タンク12を含むエバポ系は、リーク診断時において、大気圧とは異なる圧力状態に変圧した上で密閉される。相対圧センサ23の基準圧導入側23aには基準圧が導入されているとともに、検出圧導入側23bにはエバポ系内の圧力が導入される。相対圧センサ23の基準圧導入側23aを大気に開放する大気導入通路29には、相対圧センサ用ソレノイドバルブ21が介装されている。制御ユニット11は、リーク診断時において、ソレノイドバルブ21を閉状態に設定し、基準圧を一定値にホールドした上で、相対圧センサ23により検出された相対力の変化に基づき、エバポ系のリークの有無を判定する |
【特許請求の範囲】
【請求項1】エバポパージシステムの診断装置において、リーク診断時において、燃料タンクを含むエバポ系を、大気圧とは異なる圧力状態に変圧した上で密閉する密閉手段と、基準圧導入側には基準圧が導入され、かつ、検出圧導入側には前記エバポ系内の圧力が導入される相対圧センサと、前記基準圧導入側に設けられたバルブと、リーク診断時において、前記バルブを閉状態に設定する制御手段と、前記相対圧センサにより検出された圧力の変化に基づいて、前記エバポ系のリークの有無を判定する判定手段とを有することを特徴とするエバポパージシステムの診断装置。 【請求項2】圧力センサにおいて、基準圧導入側には基準圧が導入され、かつ、検出圧導入側には検出対象となる空間の圧力が導入される相対圧センサと、前記基準圧導入側を大気に開放する通路に介装されたバルブとを有することを特徴とする圧力センサ。 【請求項3】前記相対圧センサによって前記検出圧導入側に導入された圧力を検出する場合、前記バルブを閉状態に設定することにより、前記基準圧導入側に導入される基準圧をホールドすることを特徴とする請求項2に記載された圧力センサ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エバポパージシステムの診断装置および圧力センサに係り、特に、燃料タンクを含むエバポ系のリーク診断装置、およびリーク診断に用いるのに適した圧力センサに関する。 【0002】 【従来の技術】燃料タンク内で蒸発した燃料が大気へ放出されるのを防止するため、エバポパージシステムを備えた内燃機関が広く用いられている。このシステムにおいて、燃料タンク内の蒸発燃料(エバポ)は、キャニスタの内部に充填された吸着剤に一時的に吸着される。そして、この吸着されたエバポは、所定の運転条件下で、パージ通路を介して内燃機関の吸気系へ放出される。ところが、何らかの原因で、エバポパージシステム内の通路が破損または破裂した場合、エバポが大気中に放出されてしまう。そこで、一般に、燃料タンクを含むエバポ系のリーク診断が行われる。 【0003】このリーク診断を行う場合、まず、リーク診断の対象となるエバポ系内を、吸気負圧を利用して負圧状態に設定した上で、或いは、ポンプ等を用いて正圧状態に設定した上で密閉する。そして、エバポ系の圧力(システム内圧)の変化をモニタリングすることにより、リークの有無を判定する。その際、システム内圧を検出する圧力センサとして相対圧センサを用いた場合、大気圧の変動によって誤判定が生じてしまうといった問題がある。相対圧センサは、検出対象圧力と基準圧である大気圧との差圧、すなわち、相対圧を検出するセンサである。したがって、大気圧自体が変動した場合、システム内圧が一定であったとしても相対圧が変化してしまうため、この変化とリークに起因した圧力変化とを区別することができない。このような大気圧の変動は、車速の変化(ラム圧の変化)または坂道走行時における気圧変化等によって生じる。 【0004】この点に関して、例えば、特開平6−17715号公報には、大気圧センサを用いて大気圧変化の影響による誤診断を防止する技術が開示されている。すなわち、エバポ系内から燃料タンクまでのシステム内力を検出するとともに、この検出圧力の変化量を判定値と比較することで故障の有無を判定する。その際、大気圧センサにより大気圧を検出し、検出された大気圧に応じて、検出圧力の値と判定値とを補正している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術のような大気圧センサを用いる場合、リーク診断における検出精度上の要求から、大気圧センサには1000pa以下の微少な大気圧変化を検出できる程に高い分解能が必要とされる。また、低地走行/高地走行を含めた様々な走行条件に対応するために、大気圧センサの検出レンジは広範である必要がある。しかしながら、現実には、このような分解能および検出レンジの双方を満足し得るほど高精度な大気圧センサを安価に製造することは容易ではない。 【0006】そこで、本発明の目的は、大気圧の変動の影響を受けにくい高精度なエバポパージシステムの診断装置を提供することである。 【0007】また、本発明の別の目的は、大気圧の変動の影響を受けにくく、かつ、広範な検出レンジにおいて圧力を高い精度で検出可能な圧力センサを提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するために、第1の発明は、エバポパージシステムの診断装置において、リーク診断時において、燃料タンクを含むエバポ系を、大気圧とは異なる圧力状態に変圧した上で密閉する密閉手段と、基準圧導入側には基準圧が導入され、かつ、検出圧導入側にはエバポ系内の圧力が導入される相対圧センサと、基準圧導入側に設けられたバルブと、リーク診断時において、バルブを閉状態に設定する制御手段と、相対圧センサにより検出された圧力の変化に基づいて、エバポ系のリークの有無を判定する判定手段とを有するエバポパージシステムの診断装置を提供する。 【0009】第2の発明は、圧力センサにおいて、基準圧導入側には基準圧が導入され、かつ、検出圧導入側には検出対象となる空間の圧力が導入される相対圧センサと、基準圧導入側を大気に開放する通路に介装されたバルブとを有する圧力センサを提供する。 【0010】また、第2の発明において、相対圧センサによって検出圧導入側に導入された圧力を検出する場合、バルブを閉状態に設定することにより、基準圧導入側に導入される基準圧をホールドすることが好ましい。 【0011】 【発明の実施の形態】図1は、本実施形態に係るシステム構成図である。エアクリーナ2により大気中の塵埃等が除去された空気は、電動スロットルバルブ4の開度に応じて、その流量が制御される。このスロットルバルブ4は、エアクリーナ2とエアチャンバ3との間の吸気通路に介装されており、電動モータによってスロットル開度が設定される。マイクロコンピュータ等で構成された制御ユニット11(以下「ECU」という)は、エンジン回転数、エンジン要求負荷に相当するアクセルペダルの踏み込み量等に基づいてスロットル開度を算出し、それに応じた制御信号を電動モータに対して出力する。スロットル開度によって流量が制御された吸入空気は、エアチャンバ3、インテークマニホールド5を流れ、インジェクタ6から噴射された燃料(ガソリン)と混合される。インジェクタ6は、インテークマニホールド5内に一部が突出するように配置され、エンジン1の気筒毎に設けられている。各インジェクタ6には、燃料タンク12と連通した燃料配管13を介して、調圧された燃料が供給される。インテークマニホールド5の内部において形成された混合気は、吸気バルブ7の開弁によってエンジン1の燃焼室に流入する。そして、点火プラグ8で混合気を着火し、混合気を燃焼させることで、エンジン1の駆動力が発生する。ECU11は、図示しないアクセル開度センサ等を含む各種センサからのセンサ信号に基づいて、インジェクタ6の燃料噴射量、その噴射タイミング、および点火プラグ8の点火タイミングを制御する。燃焼後のガスは、排気バルブ9の開弁によって燃焼室から排気通路10へと排出される。 【0012】燃料タンク12の内部において発生したエバポは、エバポパージシステムを介して、吸気系のエアチャンバ3に放出される。具体的には、燃料タンク12は、その上部に設けられたエバポ通路14を介して、キャニスタ15と連通している。燃料タンク12内のエバポは、キャニスタ15の内部に充填された活性炭等の吸着剤に吸着されるとともに、燃料成分(特に炭化水素(HC)等)を含まない気体のみが、新気導入通路16を介して、大気中に放出される。なお、新気導入通路16には、ECU11によって開閉制御される大気開放ソレノイドバルブ17が介装されている。リーク診断時を除く通常のバルブ制御時において、このソレノイドバルブ17は開状態に設定される。 【0013】また、エバポ通路14には、燃料タンク12の内部圧力(タンク内圧)を調整するための調圧ソレノイドバルブ22が介装されている。このソレノイドバルブ22はメカニカルな調圧機構を有している。すなわち、燃料タンク12内で生じたエバポによって、タンク内圧が設定圧以上に上昇した場合は、メカニカルな機構によって開弁する。これにより、発生したエバポは、燃料タンク12とキャニスタ15との圧力差によりキャニスタ15に向かって流れ、タンク内圧の過度の上昇が抑制される。逆に、燃料タンク12が冷却されてその内部が負圧状態になった場合は、ソレノイドバルブ22は負圧の程度に応じてリニアに開弁する。これにより、燃料タンク12内の負圧が過度に深くなることを防ぎ、燃料タンク12の変形や破損を防止する。また、上述した圧力状態に拘わらず、ECU11から制御信号に応じて電磁ソレノイドを作動させることで、ソレノイドバルブ22を強制的に開弁する。リーク診断時を除く通常バルブ制御時において、ソレノイドバルブ22は、このバルブ22に導入される圧力状態に応じて、メカニカルな動作により開閉する(バルブ22が有する電磁ソレノイドは非作動)。 【0014】一方、キャニスタ15と吸気系のエアチャンバ3とを連通するパージ通路18中には、チャンバ19が形成されているとともに、その下流にはキャニスタパージ制御バルブ20が介装されている。キャニスタパージ制御バルブ20(以下「CPCバルブ」という」)は、ECU11から出力された制御信号のデューティ比によって開度が設定されるデューティソレノイドバルブであり、その開度によってパージ量が調整される。通常バルブ制御時において、CPCバルブ22の開度は運転状態に応じて制御される。また、CPCバルブ20の上流側に設けられたチャンバ19は、CPCバルブ20の開閉によって発生する気流音や脈動音を消音するために設けられている。 【0015】燃料タンク12の上部には、相対圧センサ23が取り付けられている。相対圧センサ23は、基準圧(大気圧)を基準とした燃料タンク12の内部における相対圧PSを検出するセンサである。このセンサ23は、基準圧が導入される基準圧導入側23aとタンク内圧(上述したシステム内圧に相当)が導入される検出圧導入側23bとを仕切るダイヤフラム23cと、ダイヤフラム23cの変位を検出する歪みゲージとを有する。基準圧とタンク内圧との差圧に応じてダイヤフラム23cが変位し、歪みゲージはその変位量に応じた電圧を出力する。この出力電圧と上記の差圧とは一対一の関係にあるから、出力電圧と相対圧との対応関係を実験やシミュレーション等を通じて求め、これをマップとしてECU11内のROMに格納しておく。これにより、相対圧センサ23の出力電圧から、燃料タンク12の相対圧PSを算出することができる。なお、出力電圧と相対圧との関係式から相対圧PSを算出するようにしてもよい。 【0016】また、相対圧センサ23の基準圧導入側23aへ大気を導入する大気導入通路29中には、ECU11によって開閉制御される相対圧センサ用ソレノイドバルブ21が介装されている。このソレノイドバルブ21が開弁している状態において、基準圧導入側23aの基準圧は大気圧となる。通常バルブ制御時において、このソレノイドバルブ21は開状態に設定される。 【0017】ECU11は、ROMに格納された制御プログラムに従って燃焼制御を行うとともに、上述したエバポパージシステムにおける燃料タンク12を含むエバポ系のリーク診断を行う。このリーク診断を行う上で重要なセンサとしては、相対圧センサ23と各センサ24〜28が挙げられる。燃料レベルセンサ24は、燃料タンク12内に取り付けられており、蓄えられた燃料の残量レベルLを検出するセンサである。燃料温度センサ25は、燃料温度TEMPを検出するセンサであり、車速センサ26は、車速υを検出するセンサである。また、エンジン回転数センサ27は、エンジン回転数Neを検出するセンサであり、吸気圧センサ28は、スロットルバルブ4下流の吸気圧Pin(例えば、エアチャンバ3内の吸気負圧)を検出するセンサである。 【0018】図2は、本実施形態に係るリーク診断ルーチンを示したフローチャートである。ECU11は、この診断ルーチンを所定の間隔(例えば10ms)で繰り返し実行する。まず、ステップ1において、診断実行フラグFPFMが「0」であるか否かが判断される。診断実行フラグFPFMは、エンジン始動時におけるイニシャルルーチンに従い初期的には「0」に設定されており、リーク診断が適切に完了した場合のみ「1」にセットされる(ステップ11)。そして、このフラグFPFMに「1」がセットされた後は、エンジンを停止するまで、その状態が維持される。 【0019】ステップ1において肯定判定された場合、すなわちはリーク診断が未だ完了していない場合は、以下のすべての診断実行条件を具備するか否かが判断される(ステップ2)。 【0020】[診断実行条件] (1)燃料タンク内の燃料揺れが小さいこと燃料タンク12内の燃料が大きく揺れている状況では、タンク内圧が大きく変動するため、リーク診断における誤判定の可能性が生じる。そこで、燃料レベルセンサ24を用いて燃料タンク12内の燃料揺れを特定する。燃料揺れは、燃料レベルセンサ24により検出された燃料量Lの単位時間当たりの変化量ΔLから推定することができる。すなわち、この変化量ΔLが適切に設定された判定値よりも大きい場合は、燃料揺れが大きいものと判断して、リーク診断の実行を許可しない。 (2)燃料温度がある程度低いこと燃料温度が高いとエバポの発生量が多くなるため、エバポ系内におけるリークの有無を区別しにくくなる。そこで、燃料温度センサ25を用いて燃料温度TEMPを検出し、燃料温度TEMPが適切に設定された判定値よりも大きい場合はリーク診断の実行を許可しない。 (3)吸気負圧がある程度深いことキャニスタ15内に吸着されたエバポは、キャニスタ15内の圧力と吸気圧との差圧を利用して吸気系にパージされる。吸気負圧が浅い場合は、CPCバルブ20を開弁しても、エバポが吸気通路内に流入しにくくなるため、エバポ系における負圧状態の確保が困難になる。そこで、吸気圧センサ28を用いて吸気圧Pinを検出し、吸気負圧が適切に設定された判定値よりも浅い場合はリーク診断の実行を許可しない。 【0021】なお、上記(1)〜(3)の基本条件に加えて、エンジン回転数Neや車速υが所定値よりも大きいことを条件としてもよい(例えば、Ne≧1500rpm、υ≧70km/h)。これらの条件は、走行状態が比較的安定した高速走行時にリーク診断を行うようにするものである。 【0022】リーク診断が既に終了している場合、またはすべての診断実行条件が成立しない場合は、ステップ1またはステップ2における否定判定からステップ17に進み、下記の通常バルブ制御が実行される。 【0023】 [通常バルブ制御] 大気開放ソレノイドバルブ17 開 CPCバルブ20 運転状態に応じて開閉 相対圧センサ用ソレノイドバルブ21 開 調圧ソレノイドバルブ22 メカニカルな機構により開閉【0024】一方、ステップ2において肯定判定された場合、すなわち、リーク診断が未完了で、かつ、診断実行条件が成立した場合は、ステップ3以降の手順に進み、エバポ系のリーク診断が行われる。以下、図3のタイミングチャートを参照して、リーク診断の実行手順を説明する。リーク診断は、その開始タイミングをt0とし、エバポ発生量の推定(その期間t0〜t1)、エバポ系への負圧導入(その期間t1〜t2)、そして、システム内圧変化検出(その期間t2〜t3)の順に進行する。 【0025】まず、ステップ3において、大気開放ソレノイドバルブ17と相対圧センサ用ソレノイドバルブ21とを閉弁するとともに、電磁ソレノイドによって調圧ソレノイドバルブ22を強制的に開弁する。本実施形態におけるリーク診断の対象は、燃料タンク12を含むエバポ系(エバポ通路14、キャニスタ15、CPCバルブ20とキャニスタ15とを連通するパージ通路18等)である。 【0026】エバポ発生量推定期間t0〜t1における本診断ルーチンの各サイクルでは、ステップ4での肯定判定を経て、ステップ12以降の手順が実行される。すなわち、まず、CPCバルブ20を閉弁し(ステップ12)、その後に、エバポ発生量推定期間t0〜t1における相対圧PS(相対圧センサ23により検出)の変化量ΔP1が算出される(ステップ13)。上述したように、相対圧センサ23の基準圧導入側23aに設けられたソレノイドバルブ21は閉弁している。したがって、相対圧センサ23の基準圧は、このバルブ21を閉弁したタイミングt0における大気圧P0に実質的にホールドされる。したがって、相対圧PSの変化量ΔP1は、大気圧の変動の影響を受けることなく、燃料タンク12内で生じるエバポの発生量のみに依存する。相対圧PSは、エバポの発生量が多いほど経時的に上昇していく。そこで、この期間t0〜t1における最小値PSminと最大値PSmaxとの差に基づき相対圧変化量ΔP1をエバポの発生量と見なすことができる。なお、後述するように、この変化量ΔP1はリーク量を推定する際の補正値として用いられる。 【0027】エバポ発生量推定期間t0〜t1に続く負圧導入期間t1〜t2における各サイクルでは、ステップ5での肯定判定を経てステップ14の手順が実行される。このステップ14において閉弁していたCPCバルブ20が開弁されるため、吸気負圧によって、燃料タンク12を含むエバポ系の相対圧PSが急激に減少していく(すなわちエバポ系内の負圧が深くなっていく)。そして、相対圧PSが所定圧に到達した時点t2で、エバポ系内への負圧導入を終了する。 【0028】負圧導入期間t1〜t2に続くシステム内圧変化検出期間t2〜t3における各サイクルでは、ステップ6での肯定判定を経てステップ15以降の手順が実行される。まず、ステップ15において開弁していたCPCバルブ20が再び閉弁される。そして、続くステップ16において、システム内圧変化検出期間t2〜t3における相対圧PSの変化量ΔP2が算出される。上述したように、ソレノイドバルブ21を閉弁しているため、相対圧センサ23の基準圧は圧力P0にホールドされたままである。したがって、相対圧変化量ΔP2は、燃料タンク12内におけるエバポの発生量とエバポ系のリーク量とに依存する。相対圧変化量ΔP2は、期間t2〜t3における最小値PSminと最大値PSmaxとの差に基づき算出される。 【0029】システム内圧検出期間t2〜t3が終了すると、それに続くサイクルにおけるステップ6での否定判定を経て、ステップ7に進む。このステップ7では、既に算出された2つの相対圧変化量ΔP1,ΔP2との差から、燃料タンク12を含むエバポ系のリーク量LEAKが推定される。上述したように、相対圧変化量ΔP2は、エバポ系におけるリークの影響だけでなく、発生したエバポの影響も受けている。そこで、この変化量ΔP2から、エバポの発生のみ起因した変化量ΔP1に重み係数k(kの値は燃料タンク容量等によって決定される)を乗じた値を減算する。これにより、エバポ系のリーク量に相当する圧力変化量をLEAKとして求めることができる。この値LEAKが大きいほどエバポ系内のリーク量が多いということになる。 【0030】そして、ステップ7に続くステップ8において、リーク量LEAKが所定の判定しきい値Pth(例えば300pa)以下であるか否かが判断される。このステップ8において肯定判定された場合、すなわち、リークが少ないと判定された場合は「正常」(ステップ9)、否定判定された場合は「異常」との判定結果を得る(ステップ10)。そして、ステップ9,10に続くステップ11において、診断実行フラグFPFMが「0」から「1」に変更される。なお、ここでは詳述しないが、リーク診断結果は、ECU11のバックアップRAMにストアされるリークNGフラグに反映され(例えば、リークNGフラグ=0のとき正常、1のとき異常)、ECU11の図示しない外部接続コネクタに携帯型故障診断装置(シリアルモニタ)を接続し、リークNGフラグの値を読み出すことでリーク診断結果を知ることができる。また、リーク異常判定時は、インストルメントパネルに配設されECU11の出力ポートに接続された警報ランプを点灯することでドライバーに異常を報知する。シリアルモニタによる故障診断結果(トラブルデータ)の読み出しや警報ランプについては、本出願人による特公平7−76730号公報に詳述されているので、必要があれば参照されたい。 【0031】このように、本実施形態に係るリーク診断では、まず、大気開放ソレノイドバルブ17と相対圧センサ用ソレノイドバルブ21とを閉弁するとともに、調圧ソレノイドバルブ22を開弁とキャニスタパージ制御バルブ20とを開弁する。これにより、燃料タンク12を含むエバポ系(診断系)を、大気圧と異なる圧力状態(本実施形態では負圧状態)に変圧する。つぎに、キャニスタパージ制御バルブ20を閉弁して診断系を密閉する。そして、密閉された診断系の相対圧PSの変化量をモニタリングしている。その際、相対圧用ソレノイドバルブ21が閉弁状態にあるため、リーク診断期間中、相対圧センサ23の基準圧導入側23aの基準圧は、バルブ21の閉弁直後における大気圧にホールドされる。したがって、リーク診断中に大気圧変動が生じた場合であっても、相対圧センサ23の基準圧は一定圧にホールドされるため、大気圧変動の影響を受けることなくエバポ系内の相対圧変化をモニタリングすることができる。その結果、大気圧変動に起因したリーク判定の信頼性の低下を有効に防止することができる。 【0032】例えば、平坦路を走行している車両が登坂路を上がっていく走行状態を考えた場合、図3に示したように、大気圧PAは登坂路を上がり始めることで徐々に減少していく。相対圧センサ用ソレノイドバルブ21を設けない場合、相対圧センサ23には大気圧PAが直接導入されるため、このセンサ23の基準圧検知側圧力PABも、一点鎖線dで示したように大気圧PAと同様に減少していく。したがって、相対圧PSは、一点鎖線bで示したように、圧力PABの影響を受けて変動する。その結果、エバポ系のリーク量は正常な範囲であるにも拘わらず、リーク量LEAK(ΔP2'−k・ΔP1')が判定値Pthを越えてしまい、「異常」と判定をしてしまうるケースが起こり得る。 【0033】これに対して、本実施形態の係るリーク診断では、相対圧センサ用ソレノイドバルブ21を閉じた状態で相対圧PSを検出している。相対圧センサ23の基準圧PABは、バルブ21を閉弁することにより一定圧P0にホールドされるため(実線c参照)、大気圧PAの変動の影響をほとんど受けずに相対圧PSを検出することができる(実線a参照)。その結果、エバポ系のリーク診断を行う場合、大気圧PAの変動に起因した誤判定を有効に抑制することができる。また、外気圧や車速等に関するリーク診断可能条件が緩和されるため、診断の実効性が向上するとともに、診断精度の向上を図ることができる。 【0034】さらに、大気圧センサにより大気圧を直接計測しなくとも、相対圧センサ23のみで適切なリーク診断を行うことが可能となる。上述したように、高い分解能と広い検出レンジとの双方を兼ね備えた大気圧センサを安価に入手することは容易ではない。そのため、すべての走行条件(特に高低差による大気圧の変動レンジ)において、大気圧センサによって微少な大気圧変化を検出することは困難である。これに対して、本発明では、リーク診断時において、相対圧センサ23の基準圧側のバルブ21を閉じることで基準圧をホールドしている。これにより、大気圧変動の影響を排除できるので、大気圧センサにより大気圧の状態を直接検出しなくとも、適切なリーク診断を行うことが可能となる。 【0035】なお、上述した実施形態では、リーク診断時における診断系(すなわち燃料タンクを含むエバポ系)の圧力を、吸気負圧を利用して負圧状態に設定する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばポンプによる加圧で診断系を正圧状態に設定してもよい。このように、本発明に係るエバポパージシステムの診断装置は、診断系の圧力状態を大気圧とは異なる圧力に変圧した上で密閉し、密閉状態における圧力変化をモニタリングするシステムに広く適用することが可能である。 【0036】また、上述した形態においては、相対圧センサ23と相対圧センサ用ソレノイドバルブ21とを大気導入通路29を介して連通しているが、両者を一体化してもよい。この場合、相対圧センサ23内の通路(基準圧導入側を大気に開放する通路)に相対圧センサ用ソレノイドバルブ21を一体的に介装する。これにより、大気導入通路29を別体で設ける必要がなくなるため、大気圧変化による大気導入通路29の拡張・収縮の影響を排除でき、より高精度な圧力検出を行うことができる。 【0037】さらに、相対圧センサ23と相対圧センサ用ソレノイドバルブ21とを連通する大気導入通路29中に、大気圧変化に対して燃料タンク12と実質的に同じ割合で拡張・収縮する副室(ダンパ)を設けてもよい。大気圧変化による燃料タンク12の容積の変動に伴い、エバポ系内の圧力が変化することがある。そこで、相対圧センサ23の基準圧導入側23aに上記のような副室を設ければ、検出圧導入側23bの圧力変化と同様に基準圧導入側23aの基準圧も変化することから、燃料タンク12の容積の変動が相殺され、より精度の高いリーク診断を行うことができる。 【0038】なお、上述した相対圧センサを、リーク診断時におけるタンク内圧変化をモニタリングするための圧力センサとして用いることは最も好ましい一例ではあるものの、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明に係る圧力センサを用いれば、大気圧の変動による影響を受けずに、広範な検出レンジにおいて、検出対象となる空間の圧力(相対圧)を精度よく検出することができる。本発明に係る圧力センサは、そのような要求がある検出環境に広く適用することが可能である。 【0039】 【発明の効果】このように本発明によれば、相対圧センサの基準圧導入側にバルブを設け、このバルブを閉じた状態で検出対象空間(燃料タンクを含むエバポ系)の相対圧の検出を行う。これにより、大気圧の変動の影響を受けることのない信頼性の高い相対圧を検出することができる。また、このようにして検出された相対圧に基づいて、エバポパージシステムのリーク診断を行えば、リーク診断の信頼性の向上を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005348 【氏名又は名称】富士重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月27日(1999.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101982 【弁理士】 【氏名又は名称】久米川 正光
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| 【公開番号】 |
特開2001−182629(P2001−182629A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−368703 |
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