トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの




【発明の名称】 2サイクルエンジンのエアクリーナ装置及びこれに用いられる回転式開閉弁
【発明者】 【氏名】上野山 和之

【要約】 【課題】2サイクルエンジンにおいて、簡単かつコンパクトで、低コストの構造で以って、始動時において濃混合比の混合気を燃焼室に供給可能とするとともに高い負圧を得る。また、簡単かつコンパクトな構造で、操作性が向上されたチョーク弁等の開閉弁を提供する。

【解決手段】エアクリーナからの掃気用空気を掃気通路に供給する空気供給路と、気化器で生成された混合気を前記クランク室に供給する混合気供給路とを備えた2サイクルエンジンにおいて、前記エアクリーナは、空気供給路に連通される第1の空気通路と、気化器の空気入口に接続され混合気生成用の空気を該気化器に供給する第2の空気通路とが並設され、該第1及び第2の空気通路を開閉するチョーク弁を備えたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダ側部に設けられた掃気ポートとクランク室とを連通する掃気通路と、該掃気通路の途中に接続されてエアクリーナからの掃気用空気を該掃気通路に供給する空気供給路と、気化器で生成された混合気を前記クランク室に供給する混合気供給路とを備えた2サイクルエンジンにおいて、前記エアクリーナは、前記空気供給路に連通される第1の空気通路と、前記気化器の空気入口に接続され前記混合気生成用の空気を該気化器に供給する第2の空気通路とが並設されてなり、前記エアクリーナの第1の空気通路及び第2の空気通路を開閉するチョーク弁を備えたことを特徴とする2サイクルエンジンのエアクリーナ装置。
【請求項2】 前記チョーク弁は、回転により前記第1の空気通路及び第2の空気通路の入口開口部を夫々開閉する回転式の弁体と、該弁体を回転操作するための回転つまみとを備えてなることを特徴とする請求項1記載の2サイクルエンジンのエアクリーナ装置。
【請求項3】 前記チョーク弁は、前記弁体が前記エアクリーナのケース部に回転自在に嵌合されるとともに、その先端面が前記第1の空気通路及び第2の空気通路の入口開口部に夫々着脱されるシート面に形成されてなり、前記弁体の軸部外周には、前記エアクリーナ内部の流体シールをなすとともに、弾力により前記弁体のシート面を前記入口開口部に押し付ける弾性体からなるシールリングが嵌挿されてなることを特徴とする請求項2記載の2サイクルエンジンのエアクリーナ装置。
【請求項4】 前記エアクリーナのケース部には、その外面に突設されたストッパ用突起が形成され、前記チョーク弁の回転つまみが前記シールリングの弾力に抗して前記突起を乗り越えて回転し前記シールリングの弾力により復元されて前記ケース部外面の前記突起の無い部位に係止可能に構成されてなることを特徴とする請求項3記載の2サイクルエンジンのエアクリーナ装置。
【請求項5】 前記エアクリーナのケース部には、その内面にテーパ面を有する突起が形成され、前記チョーク弁の回転つまみが該突起に乗り上げたとき前記弁体のシート面を第1の空気通路あるいは第2の空気通路の入口開口部に押しつけるように構成されてなることを特徴とする請求項3記載の2サイクルエンジンのエアクリーナ装置。
【請求項6】 回転により、ケースに回転自在に嵌合されて該ケースに設けられた2つの通路を夫々開閉する回転式の弁体と、該弁体を回転操作するための回転つまみとを備え、前記弁体の先端面が前記2つの通路の入口開口部に夫々着脱されるシート面に形成され、前記弁体の軸部外周には、前記ケース内部の流体シールをなすとともに、弾力により前記弁体のシート面を前記入口開口部に押し付ける弾性体からなるシールリングが嵌挿されてなることを特徴とする回転式開閉弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掃気ポートとクランク室とを連通する掃気通路の途中に接続されてエアクリーナからの掃気用空気を該掃気通路に供給する空気供給路と、気化器で生成された混合気を前記クランク室に供給する混合気供給路とを備えた2サイクルエンジンにおけるエアクリーナ装置及び該エアクリーナのチョーク弁に用いられる回転式開閉弁に関する。
【0002】
【従来の技術】層状掃気2サイクルエンジンにおいては、シリンダ側部に設けられた掃気ポートとクランク室とを連通する掃気通路と、該掃気通路の途中に接続されてエアクリーナからの掃気用空気を該掃気通路に供給する空気供給路と、気化器で生成された混合気を前記クランク室に供給する混合気供給路とを備え、該掃気ポートから燃焼室への混合気の供給に先立って、前記エアクリーナで濾過された先導空気を前記空気供給路、掃気通路及び掃気ポートを経て燃焼室に導入して掃気作用を行い、掃気効率及び燃焼効率を高めている。
【0003】かかる層状掃気2サイクルエンジンとして、特開平9−125966号、特開平10−252565号等の発明が提供されている。特開平9−125966号の発明においては、2つのエアクリーナを設け、一方のエアクリーナの出口を気化器を通して混合気供給路に接続し、他方のエアクリーナの出口を空気制御弁を介して先導空気を掃気通路に供給する空気供給路に接続している。
【0004】また、特開平10−252565号の発明においては、気化器からの混合気をクランク室に供給する混合気供給路と、先導空気を掃気通路に供給する空気供給路とを並設し、エアクリーナの空気出口に気化器の空気入口及び空気供給路の入口を直接接続している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる層状掃気2サイクルエンジンにおいては、始動時には、空気供給路を通る空気量を制限するとともに負圧を上げ、混合気供給路からクランク室および掃気通路を経て燃焼室に供給される混合気量を増加せしめて濃混合比とすることにより、始動性を向上せしめることが要求される。
【0006】しかるに、特開平9−125966号の発明においては、始動時に空気制御弁を閉じて空気供給路を遮断し、気化器側の空気通路を開いて該気化器から混合気供給路に供給される混合気を増加せしめて濃混合比とすることは可能であるが、エアクリーナを2台装備する必要があり、構造が複雑かつ大型化し、装置コストも高くなるという問題点を有している。
【0007】また、特開平10−252565号の発明においては、エアクリーナの空気出口に気化器の空気入口及び空気供給路の入口を直接接続しているため、始動時にエアクリーナの出口段階で、先導空気側つまり前記空気供給路側に流れる空気を完全に遮断することが困難となる。このため、かかる発明においては濃混合比の混合気を燃焼室に供給することができず、また高い負圧も得られ難いため、始動性の低下が避けられない、という問題点を抱えている。
【0008】さらに、前記のような従来技術にあっては、エンジンの始動時に空気供給路を閉じるチョーク弁は、一般に揺動式のチョーク弁を弁軸廻りに回転させているため、該エンジンを刈払機等の作業機に連結して作業を行う際等において、該チョーク弁の操作レバーがリコイルスタータによる始動操作の障害になり、また、操作レバーの揺動半径が大きく操作し難い等の、操作性の低下をもたらす。
【0009】本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、2サイクルエンジンにおいて、簡単かつコンパクトで、低コストの構造で以って、始動時において濃混合比の混合気を燃焼室に供給可能とするとともに高い負圧を得ることにより、始動性を向上することを第1の目的とする。
【0010】また、本発明の他の目的は、簡単かつコンパクトな構造で、操作性が向上されたチョーク弁等の開閉弁を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、シリンダ側部に設けられた掃気ポートとクランク室とを連通する掃気通路と、該掃気通路の途中に接続されてエアクリーナからの掃気用空気を該掃気通路に供給する空気供給路と、気化器で生成された混合気を前記クランク室に供給する混合気供給路とを備えた2サイクルエンジンにおいて、前記エアクリーナは、前記空気供給路に連通される第1の空気通路と、前記気化器の空気入口に接続され前記混合気生成用の空気を該気化器に供給する第2の空気通路とが並設されてなり、前記エアクリーナの第1の空気通路及び第2の空気通路を開閉するチョーク弁を備えたことを特徴とする2サイクルエンジンのエアクリーナ装置を提案する。
【0012】請求項2〜6記載の発明は、前記発明に係るチョーク弁の具体的構成に係り、請求項2の発明は、請求項1において、前記チョーク弁は、回転により前記第1の空気通路及び第2の空気通路の入口開口部を夫々開閉する回転式の弁体と、該弁体を回転操作するための回転つまみとを備えてなることを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項2において、前記チョーク弁は、前記弁体が前記エアクリーナのケース部に回転自在に嵌合されるとともに、その先端面が前記第1の空気通路及び第2の空気通路の入口開口部に夫々着脱されるシート面に形成されてなり、前記弁体の軸部外周には、前記エアクリーナ内部の流体シールをなすとともに、弾力により前記弁体のシート面を前記入口開口部に押し付ける弾性体からなるシールリングが嵌挿されてなることを特徴とする。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項3において、前記エアクリーナのケース部には、その外面に突設されたストッパ用突起が形成され、前記チョーク弁の回転つまみが前記シールリングの弾力に抗して前記突起を乗り越えて回転し前記シールリングの弾力により復元されて前記ケース部外面の前記突起の無い部位に係止可能に構成されてなることを特徴とする。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項3において、 前記エアクリーナのケース部には、その内面にテーパ面を有する突起が形成され、前記チョーク弁の回転つまみが該突起に乗り上げたとき前記弁体のシート面を第1の空気通路あるいは第2の空気通路の入口開口部に押しつけるように構成されてなることを特徴とする。
【0016】かかる発明によれば、エンジンの始動時には、チョーク弁の回転つまみを回転操作して回転式の弁体を回転させることにより、気化器の空気入口に接続されるエアクリーナの第2の空気通路を全閉としチョークホールのみの開孔とするとともに、先導空気供給用の空気供給路に接続されるエアクリーナ第1の空気通路を全閉として、エンジンを始動する。かかる操作により、エアクリーナからの空気は前記チョークホールで絞られている第2の空気通路を通って気化器に供給され、該気化器において混合気が形成され、該混合気はクランク室、掃気通路、及び掃気ポートを経て、燃焼室内に供給される。
【0017】この際において、エアクリーナの第1の空気通路は前記チョーク弁により、全閉されているので、先導空気の燃焼室内への供給は遮断され気化器からの混合気のみが供給されることとなり、濃混合比の混合気を燃焼室内に充填することができる。これにより、エンジンの始動性が向上する。
【0018】また、前記チョーク弁は、請求項3記載の発明のように、回転式の弁体のシート面が前記2つの空気通路の入口開口部に夫々着脱されるように形成されるとともに、弁体の軸部外周に嵌挿されているOリング等のシールリングの弾力により該シート面を前記入口開口部に押し付けているため、該チョーク弁により先導空気側の空気通路の入口開口部は確実に閉鎖されて、前記のような濃混合比の混合気形成作用が維持されるとともに、高い負圧を保持できる。
【0019】また、請求項3及び4記載の発明のように、前記のようなシールリングを設けるとともに、エアクリーナのケース部の外面にストッパ用突起が突設されているため、前記チョーク弁の始動位置から通常運転位置への回転による前記2つの空気通路の切り換え操作時に、該チョーク弁の回転つまみを前記シールリングの弾力に抗して前記突起を容易に乗り越えて回転させることができ、適度な摩擦力が付加されてチョーク弁の操作感が向上するとともに、該チョーク弁を放せば、前記シールリングの弾力及び前記突起のストッパ機能により該チョーク弁をケース部外面の突起の無い部位に、自動的にかつ戻りが阻止されて係止することができ、高い操作性が得られる。
【0020】また、前記チョーク弁を始動位置方向に回転させる際には、請求項5記載のように、エアクリーナのケース部内面にテーパ面を有する突起が形成されているため、該チョーク弁の回転つまみが該突起に乗り上げると、弁体自体の撓みによって発生する弾力により弁体のシート面を先導空気用空気通路の入口開口部に押しつけるので、該シート面のシール性が向上し、かかる面からも始動性の向上が得られる。
【0021】請求項6記載の発明は、請求項1〜5記載の発明におけるチョーク弁に適用される回転式開閉弁の発明に係るもので、回転により、ケースに回転自在に嵌合されて該ケースに設けられた2つの通路を夫々開閉する回転式の弁体と、該弁体を回転操作するための回転つまみとを備え、前記弁体の先端面が前記2つの通路の入口開口部に夫々着脱されるシート面に形成され、前記弁体の軸部外周には、前記ケース内部の流体シールをなすとともに、弾力により前記弁体のシート面を前記入口開口部に押し付ける弾性体からなるシールリングが嵌挿されてなることを特徴とする回転式開閉弁にある。
【0022】かかる構成からなる回転式開閉弁は、前記のようなエンジンのエアクリーナ用チョーク弁に限られることなく、回転つまみを回転操作して回転式の弁体を回転させ、2つの流体通路の開閉を切り替えるようにした開閉弁に広く適用できる。。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その他相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0024】図1は本発明の実施形態に係る2サイクルエンジンのエアクリーナ装置及び吸気装置の構造を示すクランク軸心に直角な断面図、図2は図1のA矢視図、図3は図1のB―B矢視図、図4は図2のC−C矢視図、図5はエアクリーナカバー及びチョーク弁の断面図(図1のZ部詳細図)、図6は図5のD−D矢視図,図7は図6のEーE断面図である。
【0025】図1に示される本発明が適用される2サイクルエンジンは、次のように構成されている。2はシリンダ、5はクランクケースであり、該シリンダ2とクランクケース5とはその締付面にて、複数のボルトによりガスケット05を介して締め付けられている。4はピストン、3はコネクテイングロッド、8は点火プラグ、13は排気ポート、25は燃焼室である。
【0026】9は前記シリンダ2の側部に開口された掃気ポート、5aは前記クランクケース5内に形成されたクランク室である。また、12は気化器、30は該気化器と前記シリンダ2との間に介装されたインシュレータである。15は混合気供給路で、前記気化器12のスロットル通路からインシュレータ30の内部及びシリンダ2の内部を経て前記クランク室5aに連通可能となっている。10は空気供給路で、前記気化器12の空気通路からインシュレータ30の内部及び逆止弁16を経て、掃気通路及び前記掃気ポート9に連通可能となっている。該逆止弁16は前記掃気通路側の負圧により開閉するリード弁である。以上の構成は従来の2サイクルエンジンと同様である。
【0027】本発明においては、エアクリーナ装置及びこれに用いられるチョーク弁を改良している。即ち、100はエアクリーナであり、次のように構成されている。101はクリーナケースであり、図示しないボルトにより前記気化器12に固着されている。102はクリーナカバーで、複数のボルト109により前記クリーナケース101に固着され、その内部にはクリーナエレメント108が装填されている。
【0028】前記クリーナケース101には2つの空気通路、即ち第1空気通路106及び第2空気通路107が並設されている。該第1空気通路106は、前記逆止弁16を有する空気供給路10に接続され、第2空気通路107は前記混合気供給路15に接続されている。120は前記第1空気通路106及び第2空気通路107の開閉を切り替えるチョーク弁で、次のように構成されている。
【0029】図1〜7において、104は第1弁体104aと第2弁体104bからなる回転式の弁体であり、前記クリーナカバー102の略中央部に穿孔された孔内に回転可能に嵌合されて、前記第1空気通路106及び第2空気通路107の入口開口部を第1弁体104aと第2弁体104bとにより夫々開閉するようになっている。103は前記弁体104を回転操作するための回転つまみで、該弁体104の端部に固定されている。第2弁体104bにはチョークホール150が形成されている。また、第1弁体104aと第2弁体104bの反エンジン側には、突出片151、152が一体に形成されている。
【0030】前記弁体104の先端面は、前記第1空気通路106及び第2空気通路107の入口開口部に夫々着脱される平面からなるシート面110に形成されており、該弁体104のシート面110は、図1に示すように、該該弁体104の回転により前記第1空気通路106及び第2空気通路107の入口開口部を完全に塞ぎ得るような外形形状に形成されている。
【0031】105は前記弁体104の軸部外周に嵌挿されたOリングで、前記クリーナカバー102の内面113と前記弁体104の軸部の段差部122との間に、該弁体104の軸方向に圧縮可能に挟持されて、エアクリーナ100内部の流体シールをなすとともに、その弾力により前記弁体104のシート面110を前記第1空気通路106及び第2空気通路107の入口開口部に押し付けている。
【0032】図2に示すように、前記弁体104と一体になっている回転つまみ103は、同図に示す始動位置から時計方向に約90°回転させると通常運転位置となるように設定されている。123は前記クリーナカバー102の外面に突設されたストッパ用突起であり、図2〜3に示すように、前記回転つまみ103を前記始動位置から通常運転位置まで回転させる途中で、該回転つまみ103の端面が前記Oリング105の弾力に抗して前記突起123を乗り越えて回転し、弁体104の突出片151、152を図6に示すストッパ片153、154に夫々当接して停止し、前記Oリング105の弾力により乗り越え前の状態に復元されて、前記クリーナカバー102の外面の前記突起123の無い部位に係止可能に構成されている。
【0033】また、図6〜7に示すように、前記クリーナカバー102の内面にはテーパ面112を有する突起111が形成されている。該突起111は、前記回転つまみ103を図2に示す始動位置に置いたとき、該回転つまみ103の端面が該突起111のテーパ面112に乗り上げて、前記弁体104のシート面110を前記第1空気通路106の入口開口部に押し付けて、該第1空気通路106を完全に閉じるように構成されている。
【0034】かかる構成からなる2サイクルエンジンのエアクリーナ装置において、エンジンの始動時には、チョーク弁120の回転つまみ103を、図2に示す始動位置(チョーク位置)に回転操作し、該回転つまみ103に固定された回転式の弁体104を回転させることにより、気化器12の空気入口及び前記混合気供給路15に接続される前記第2空気通路107を全閉とするとともに(但しチョークホール150の小孔だけは開となっている)、先導空気供給用の空気供給路10に接続される前記第1空気通路106を全閉として、エンジンを始動する。
【0035】かかるチョーク弁120の操作により、エアクリーナ100のクリーナエレメント108にて濾過された空気はチョークホール150を介して前記第2空気通路107に入り、該第2空気通路107から、これに接続される気化器12のメインノズル側に供給される。そして、該気化器12において空気中での燃料の霧化により混合気が形成され、該混合気は混合気供給路15からクランク室5a、掃気通路及び掃気ポート9を経て、燃焼室25内に供給され着火燃焼することにより、エンジンが始動する。
【0036】かかる始動時において、エアクリーナ100の第1空気通路106は前記チョーク弁120の弁体104により全閉されているので、該第1空気通路106及び空気供給路10を通っての先導空気の燃焼室内への供給は遮断され、チョークホール150で絞られ前記第2空気通路107を通った空気により気化器12にて生成された混合気のみが供給されることとなる。これにより、濃混合比の混合気を燃焼室25内に充填することができ、エンジンの始動性が向上する。
【0037】また、前記チョーク弁120は、回転式の弁体104のシート面110が前記2つの空気通路106、107の入口開口部に夫々着脱されるように形成されるとともに、前記クリーナカバー102の内面113と弁体104の軸部の段差部122との間に該弁体104の軸方向に圧縮可能に挟持されてエアクリーナ100内部の流体シールをなしているOリング105の弾力により前記弁体104のシート面110を前記第1空気通路106及び第2空気通路107の入口開口部に押し付けているため、該チョーク弁120により先導空気側の第1空気通路106の入口開口部は確実に閉鎖されて、前記のような濃混合比の混合気形成作用が維持されるとともに、高い負圧を保持できる。
【0038】また、前記Oリング105を設けるとともに、前記クリーナカバー102の外面にストッパ用の突起123が突設されているため、前記チョーク弁120の始動位置から通常運転位置への回転による前記2つの空気通路106、107の切り換え操作時に、前記回転つまみ103を始動位置から通常運転位置まで回転させる途中で、該回転つまみ103の端面が前記Oリング105の弾力に抗して前記突起123を乗り越えて回転させることができ、適度な摩擦力が付加されてチョーク弁120の操作感が向上するとともに、該回転つまみ103を放せば、前記Oリング105の弾力及び前記突起123のストッパ機能により、該チョーク弁120をクリーナカバー102の外面の突起の無い部位に、自動的にかつ戻りが阻止されて係止することができる。
【0039】また、前記チョーク弁120を、図2に示すように始動位置方向に回転させる際には、前記クリーナカバー102の内面113にテーパ面112を有する突起111が形成されているため、回転つまみ103を始動位置に置いたとき、該回転つまみ103の端面が該突起111のテーパ面112に乗り上げて、前記弁体104のシート面110を前記第1空気通路106の入口開口部に押し付ける。これにより、該弁体104のシート面110のシール性が向上し、前記第1空気通路106を完全に閉じることができる。
【0040】尚、かかる構成からなる回転式のチョーク弁120は、前記のようなエアクリーナ用チョーク弁に限られることなく、回転つまみ103を回転操作して回転式の弁体104を回転させ、2つの流体通路の開閉を切り替えるようにした開閉弁に広く適用できる。
【0041】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、始動時においては、エアクリーナの第1の空気通路は前記チョーク弁により確実に全閉されているので、先導空気の燃焼室内への供給は遮断されて気化器からの混合気のみが供給されることとなり、濃混合比の混合気を燃焼室内に充填することができる。これにより、エンジンの始動性が向上する。
【0042】また、前記チョーク弁は、請求項3記載の発明のように、回転式の弁体のシート面が前記2つの空気通路の入口開口部に夫々着脱されるように形成されるとともに、弁体の軸部外周に嵌挿されているOリング等のシールリングの弾力により該シート面を前記入口開口部に押し付けているため、該チョーク弁により先導空気側の空気通路の入口開口部は確実に閉鎖されて、前記のような濃混合比の混合気形成作用が維持されるとともに、高い負圧を保持できる。
【0043】また、請求項3及び4記載の発明のように、前記シールリングを設けるとともに、エアクリーナのケース部の外面にストッパ用突起が突設されているため、前記チョーク弁の始動位置から通常運転位置への回転による前記2つの空気通路の切り換え操作時に、該チョーク弁の回転つまみを前記シールリングの弾力に抗して前記突起を容易に乗り越えて回転させることができ、適度な摩擦力が付加されてチョーク弁の操作感が向上するとともに、該チョーク弁を放せば、前記シールリングの弾力及び前記突起のストッパ機能により該チョーク弁をケース部外面の突起の無い部位に、自動的にかつ戻りが阻止されて係止することができ、操作性が向上する。
【0044】また、前記チョーク弁を始動位置方向に回転させる際には、請求項5記載のように、エアクリーナのケース部内面にテーパ面を有する突起が形成されているため、該チョーク弁の回転つまみが該突起に乗り上げると、弁体自体の撓みによって発生する弾力により弁体のシート面を先導空気用空気通路の入口開口部に押しつけるので、該シート面のシール性が向上し、かかる面からも始動性の向上が得られる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成11年12月27日(1999.12.27)
【代理人】 【識別番号】100083024
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌久 (外1名)
【公開番号】 特開2001−182617(P2001−182617A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−371683