トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの




【発明の名称】 電磁式燃料噴射弁
【発明者】 【氏名】田原 敏広

【要約】 【課題】電磁式燃料噴射弁において,簡単な構成により,コスト増を招くことなく弁体の閉弁応答性を高める。

【解決手段】コイル24の励磁時,弁体19の開弁限界を規定すべく互いに当接する固定ストッパ面41及び可動ストッパ面42を,非磁性体の摺動案内筒20及び可動コア16にそれぞれ設け,弁体19の開弁限界時でも,固定コア17及び可動コア16の対向面45,46間に所定間隙B−Aを残存させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前端に燃料出口(13)及びそれに連なる弁座(12a)を有すると共に,内部を燃料入口(34a)に連通する弁ハウジング(10)と,この弁ハウジング(10)に収容されて前記弁座(12a)に着座する閉弁方向にばね付勢される弁体(19)と,この弁体(19)の後端に結合されて前記弁ハウジング(10)に軸方向移動自在に収容される可動コア(16)と,この可動コア(16)の後端面(46)に前端面(45)を対向させて配置される固定コア(17)と,この固定コア(17)及び前記弁ハウジング(10)間を連結して,内周面で前記可動コア(16)を摺動自在に案内する非磁性体の摺動案内筒(20)と,前記固定コア(17)を囲繞するように配設されるコイル(24)とを備え,前記コイル(24)の励磁時,前記固定及び可動コア(17,16)間に生ずる吸引力より前記弁体(19)を開弁するようにした電磁式燃料噴射弁において,前記コイル(24)の励磁時,弁体(19)の開弁限界を規定すべく互いに当接する固定ストッパ面(41)及び可動ストッパ面(42)を前記摺動案内筒(20)及び可動コア(16)にそれぞれ設け,前記弁体(19)の開弁限界時でも,前記固定及び可動コア(17,16)の対向面(45,46)間に所定間隙(B−A)が残存するようにしたことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。
【請求項2】 請求項1記載の電磁式燃料噴射弁において,前記摺動案内筒(20)の前端面を前記弁ハウジング(10)の内周面内方へ張り出して前記固定ストッパ面(41)となす一方,前記可動コア(16)を前記摺動案内筒(20)の内周面に摺動可能に嵌合する小径部(16a)と,前記弁ハウジング(10)内に収容される大径部(16b)とで構成して,その小径部(16a)及び大径部(16b)間の環状段部を前記可動ストッパ面(42)としたことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。
【請求項3】 請求項1又は2記載の電磁式燃料噴射弁において,前記可動コア(16)の小径部(16a)及び可動ストッパ面(42)間の隅に環状溝(43)を形成したことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。
【請求項4】 請求項1〜3に何れかに記載の電磁式燃料噴射弁において,前記固定ストッパ面(41)及び可動ストッパ面(42)の少なくとも一方に硬化層(44)を形成したことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。
【請求項5】 請求項4記載の電磁式燃料噴射弁において,前記硬化層(44)をショットピーニング処理により形成したことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。
【請求項6】 請求項4記載の電磁式燃料噴射弁において,前記硬化層(44)をクロムメッキ処理により形成したことを特徴とする,電磁式燃料噴射弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,主として内燃機関の燃料供給系に使用される電磁式燃料噴射弁に関し,特に,前端に燃料出口及びそれに連なる弁座を有すると共に,内部を燃料入口に連通する弁ハウジングと,この弁ハウジングに収容されて前記弁座に着座する閉弁方向にばね付勢される弁体と,この弁体の後端に結合されて前記弁ハウジングに軸方向移動自在に収容される可動コアと,この可動コアの後端面に前端面を対向させて配置される固定コアと,この固定コア及び前記弁ハウジング間を連結して,内周面で前記可動コアを摺動自在に案内する非磁性体の摺動案内筒と,前記固定コアを囲繞するように配設されるコイルとを備え,前記コイルの励磁時,前記固定及び可動コア間に生ずる吸引力より前記弁体を開弁するようにした電磁式燃料噴射弁の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝる電磁式燃料噴射弁は,例えば特開平10−299603号公報に開示されているように,既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のものでは,コイルを励磁したとき,弁体の開弁限界を,可動コアの後端面を固定コアの前端面に当接させることにより規定している。こうしたものでは,コイルを励磁状態から消磁したとき,固定及び可動コア間の大きな残留磁気により可動コアの戻り,即ち弁体の閉弁に多少とも遅れが生ずる。従来,この遅れを極力回避するために,固定及び可動コアの両当接面の少なくとも一方に,非磁性のクロムメッキを施してマグネットキラー層を形成することが行われている。
【0004】しかしながら,このマグネットキラー層の厚さは,弁体の閉弁応答性に大きく影響するものであるから,常に高精度をもって均一に形成しなければならないが,そのための工程管理を厳しく行い,また管理し切れない場合には,マグネットキラー層の厚みを調整するための後加工を行う必要があり,これらによってコスト増を招くことになる。
【0005】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,簡単な構成により,コスト増を招くことなく,弁体に良好な閉弁応答性を付与し得るようにした,前記電磁式燃料噴射弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために,本発明は,前端に燃料出口及びそれに連なる弁座を有すると共に,内部を燃料入口に連通する弁ハウジングと,この弁ハウジングに収容されて前記弁座に着座する閉弁方向にばね付勢される弁体と,この弁体の後端に結合されて前記弁ハウジングに軸方向移動自在に収容される可動コアと,この可動コアの後端面に前端面を対向させて配置される固定コアと,この固定コア及び前記弁ハウジング間を連結して,内周面で前記可動コアを摺動自在に案内する非磁性体の摺動案内筒と,前記固定コアを囲繞するように配設されるコイルとを備え,前記コイルの励磁時,前記固定及び可動コア間に生ずる吸引力より前記弁体を開弁するようにした電磁式燃料噴射弁において,前記コイルの励磁時,弁体の開弁限界を規定すべく互いに当接する固定ストッパ面及び可動ストッパ面を前記摺動案内筒及び可動コアにそれぞれ設け,前記弁体の開弁限界時でも,前記固定及び可動コアの対向面間に所定間隙が残存するようにしたことを第1の特徴とする。
【0007】この第1の特徴によれば,コイルの励磁時,弁体の開弁限界が可動コアの可動ストッパ面と摺動案内筒の固定ストッパ面との当接により規定されると共に,固定及び可動コアの対向面間には所定間隙が残存するので,その状態からコイルを消磁したときは,固定及び可動コア間の残留磁気は極めて少なく,閉弁方向にばね付勢される弁体の閉弁応答性を高めることができる。しかも,弁体の開弁時,固定及び可動コア間に残存させる間隙は,摺動案内筒の軸方向寸法を管理することにより,量産時,常に容易に一定値とすることができるから,弁体の閉弁応答性の安定化とコストの低減を共に図ることができる。
【0008】また本発明は,上記特徴に加えて,前記摺動案内筒の前端面を前記弁ハウジングの内周面内方へ張り出して前記固定ストッパ面となす一方,前記可動コアを前記摺動案内筒の内周面に摺動可能に嵌合する小径部と,前記弁ハウジング内に収容される大径部とで構成して,その小径部及び大径部間の環状段部を前記可動ストッパ面としたことを第2の特徴とする。
【0009】この第2の特徴によれば,極めて簡単な構成により固定及び可動ストッパ面を得ることができて,コストの低減を更に図ることができる。
【0010】さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記可動コアの小径部及び可動ストッパ面間の隅に環状溝を形成したことを第3の特徴とする。
【0011】この第3の特徴によれば,可動コアの小径部及び可動ストッパ面間の隅に干渉されることなく,可動ストッパ面を固定ストッパ面に的確に当接させて,弁体の開弁限界を正確に規定することができる。
【0012】さらにまた本発明は,第1〜第3の何れかの特徴に加えて,前記固定ストッパ面及び可動ストッパ面の少なくとも一方に硬化層を形成したことを第4の特徴とする。
【0013】この第4の特徴によれば,ストッパ面の耐摩耗性を向上させることができ,しかもその硬化層の厚さは,固定及び可動コア間の残留磁気に影響しないので,厳しい寸法管理や後加工が不要であり,コスト増を招くこともない。
【0014】さらにまた本発明は,第4の特徴に加えて,前記硬化層をショットピーニング処理により形成したことを第5の特徴とする。
【0015】この第5の特徴によれば,前記硬化層を比較的安価に得ることができる。
【0016】さらにまた本発明は,第4の特徴に加えて,前記硬化層をクロムメッキ処理により形成したことを第6の特徴とする。
【0017】この第6の特徴によれば,比較的硬度の高い硬化層を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0019】図1は本発明に係る内燃機関用電磁式燃料噴射弁の縦断面図,図2は図1の要部拡大図(閉弁状態),図3は図2に対応した開弁作用説明図である。
【0020】先ず,図1及び図2において,内燃機関用電磁式燃料噴射弁Iの弁ハウジング10は,円筒状の弁ハウジング本体11(磁性体)と,この弁ハウジング本体11の前端部内周面に嵌合して溶接される有底円筒状の弁座部材12とから構成され,弁座部材12は,その前端面に開口する燃料出口13と,その後縁に連なる円錐状の弁座12aとを有する。弁座部材12の前端面には,上記燃料出口13と連通する複数(図示例では一対)の燃料噴孔14を有する鋼板製のインジェクタプレート15が全周溶接される。
【0021】弁ハウジング本体11には可動コア16が収容され,その前端に一体に突設された弁杆18に上記弁座12aに着座し得る球状の弁体19が溶接される。
【0022】弁ハウジング本体11の後端面には摺動案内筒20が突き当てゝ全周溶接され,この摺動案内筒20の内周面に形成された環状突起20aによって上記可動コア16が摺動自在に支承される。摺動案内筒20は非磁性金属,例えばステンレス鋼製である。
【0023】また摺動案内筒20の後端面には,固定コア17が突き当てゝ全周溶接され,この固定コア17の前端面45に対して,可動コア16は,その後端面46を対向させている。
【0024】弁ハウジング本体11の後端部外周面には,段付き円筒状のコイルハウジング21(磁性体)の小径部21aが嵌合して溶接される。このコイルハウジング21には,弁ハウジング10の後端部,摺動案内筒20及び可動コア16を囲繞するコイル組立体22が収納される。コイル組立体22は,ボビン23と,これに巻装されるコイル24とからなっている。コイルハウジング21,コイル組立体22及び固定コア17は合成樹脂製の被覆体25内に埋封され,この被覆体25の前端には,前記弁ハウジング本体11の外周から半径方向に立ち上がる段部26と,この段部26の外周縁から後方に向かって大径となるテーパ面27が形成される。またこの被覆体25の中間部には,前記コイル24に連なる接続端子28を備えたカプラ29が一体に連設される。
【0025】固定コア17は,可動コア16の通孔30を介して弁ハウジング10内と連通する中空部31を有しており,その中空部31に,可動コア16を閉弁方向,即ち弁座12aへの着座方向に付勢するコイル状の弁ばね32と,この弁ばね32の後端を支承するパイプ状のリテーナ33とが収容される。
【0026】その際,可動コア16の後端面には,弁ばね32の前端部を受容する位置決め凹部16cが形成される。また弁ばね32のセット荷重は,リテーナ33の中空部31への圧入深さによって調整される。
【0027】固定コア17の後端には,パイプ状のリテーナ33を介して固定コア17の中空部31に連通する燃料入口34aを持つ入口筒34が一体に連設され,その燃料入口34aに燃料フィルタ35が装着される。
【0028】前記摺動案内筒20の内径D1は,弁ハウジング本体11の内径D2より小さく設定され,これによって摺動案内筒20の下端面には,弁ハウジング本体11の内周面より内方へ張り出した環状の固定ストッパ面41は形成される。
【0029】一方,可動コア16は,摺動案内筒20内周面の環状突起20aに摺動自在に嵌合する小径部16aと,弁ハウジング本体11の内周に緩く嵌合する大径部16bとで構成され,その小径部16a及び大径部16b間の環状段部は,弁体19の開弁限界を規定すべく上記固定ストッパ面41に当接する可動ストッパ面42に形成される。その際,固定及び可動ストッパ面41,42の何れか一方又は両方に,ショットピーニングやクロムメッキ処理による硬化層44が形成される。
【0030】さらに,この可動ストッパ面42及び小径部16a間の隅には環状溝43が設けられる。
【0031】弁体19が弁座12aに着座した閉弁状態において,固定及び可動ストッパ面41,42間の間隙Aは,固定コア17の前端面45と可動コア16の後端面46との間隙Bより小さく設定される。したがって,固定及び可動ストッパ面41,42相互の当接により弁体19の開弁限界が規定されたときでも,固定コア17の前端面45と可動コア16の後端面46との間には,B−Aの所定間隙(図3参照)が残存するようになっている。
【0032】前記被覆体25の段部26から前方に露出した弁ハウジング本体11の外周には,上記段部26に当接する合成樹脂製のシール位置決め環37が嵌合される。また前記弁座部材12の前端部に合成樹脂製のキャップ39が弾力的に嵌着され,このキャップ39とシール位置決め環37との間においてOリング38が弁座部材12の外周に装着され,このOリング38は,図示しない吸気マニホールドの燃料噴射弁取付け孔の内周面に密接するようになっている。
【0033】キャップ39は,前記燃料噴孔14からの燃料噴射を妨げないように開口部39aを前面に有する。
【0034】電磁式燃料噴射弁Iの入口筒34の外周には,図示しない燃料分配管の内周面に密接するOリング40が装着される。
【0035】次に,この実施例の作用について説明する。
【0036】図2に示すように,コイル24を消磁した状態では,弁ばね32の付勢力で可動コア16及び弁体19が前方に押圧され,弁体19を弁座12aに着座させている。したがって,燃料フィルタ35及び入口筒34を通して弁ハウジング1内に供給された高圧燃料は,弁ハウジング1内に保持される。
【0037】コイル24を通電により励磁すると,それにより生ずる磁束が固定コア17,コイルハウジング21,弁ハウジング10及び可動コア16を順次走り,その磁力により可動コア16が弁体19を伴って固定コア17に吸引され,弁座12aが開放されるので,弁ハウジング10内の高圧燃料が燃料出口13を出て,燃料噴孔14から吸気弁6に向かって噴射される。
【0038】このとき,図3に示すように,弁体19の開弁限界は,可動コア16の可動ストッパ面42が,固定コア17及び弁ハウジング本体11間を連結する非磁性体の摺動案内筒20の固定ストッパ面41に当接することにより規定され,固定及び可動コア16の対向面45,46間には,所定間隙B−Aが残存する。
【0039】したがって,コイル24を再び消磁したときには,固定及び可動コア17,16間の残留磁気は極めて少なくなり,可動コア16は弁ばね32の付勢力をもって即座に前進して,弁体19を当初の閉弁状態に復帰させることができ,閉弁応答性の向上に寄与し得る。しかも,弁体19の開弁時,固定及び可動コア17,16間に残存させる所定間隙B−Aは,摺動案内筒20の軸方向寸法を管理することにより,量産時,常に容易に一定値とすることができ,弁体19の閉弁応答性の安定化とコストの低減を同時に図ることができる。
【0040】また,前記固定ストッパ面41は,摺動案内筒20の内径D1を弁ハウジング本体11の内径D2より小さく設定して,弁ハウジング本体11の内周面より内方へ張り出した摺動案内筒20の下端面により構成され,可動ストッパ面42は,可動コア16を構成する小径部16a及び大径部16b間の環状段部により構成されるので,それらの構成が極めて簡単であり,コストの低減を更に図ることができる。
【0041】さらに,可動コア16の小径部16a及び可動ストッパ面42間の隅には環状溝43が設けられるので,可動コア16の小径部16a及び可動ストッパ面42間の隅に干渉されることなく,可動ストッパ面42を固定ストッパ面41に的確に当接させて,弁体19の開弁限界を正確に規定することができる。
【0042】さらにまた,固定及び可動ストッパ面41,42の何れか一方又は両方に硬化層44が形成されるので,該ストッパ面の耐摩耗性を向上させることができ,しかもその硬化層44の厚さは,固定及び可動コア17,16間の残留磁気に影響しないので,厳しい寸法管理や後加工が不要であり,コスト増を招くこともない。
【0043】前記硬化層44がショットピーニング処理により形成される場合には,その処理コストを比較的低く抑えることができ,またクロムメッキ処理により形成される場合には,比較的硬度の高い硬化層44を得ることができる。
【0044】尚,固定及び可動ストッパ面41,42の一方に硬化層44を形成する場合には,可動ストッパ面42,即ち磁性体の可動コア16側に形成する方が耐久上有効である。また硬化層44の厚さは15μm程度とすることが,コスト及び耐久性の両方を満足する上で有効である。
【0045】本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれば,前端に燃料出口及びそれに連なる弁座を有すると共に,内部を燃料入口に連通する弁ハウジングと,この弁ハウジングに収容されて前記弁座に着座する閉弁方向にばね付勢される弁体と,この弁体の後端に結合されて前記弁ハウジングに軸方向移動自在に収容される可動コアと,この可動コアの後端面に前端面を対向させて配置される固定コアと,この固定コア及び前記弁ハウジング間を連結して,内周面で前記可動コアを摺動自在に案内する非磁性体の摺動案内筒と,前記固定コアを囲繞するように配設されるコイルとを備え,前記コイルの励磁時,前記固定及び可動コア間に生ずる吸引力より前記弁体を開弁するようにした電磁式燃料噴射弁において,前記コイルの励磁時,弁体の開弁限界を規定すべく互いに当接する固定ストッパ面及び可動ストッパ面を前記摺動案内筒及び可動コアにそれぞれ設け,前記弁体の開弁限界時でも,前記固定及び可動コアの対向面間に所定間隙が残存するようにしたので,コイルを励磁状態から消磁したとき,固定及び可動コア間の残留磁気を減少させ得て,閉弁方向にばね付勢される弁体の閉弁応答性を高めることができる。しかも,弁体の開弁時,固定及び可動コア間に残存させる間隙は,摺動案内筒の軸方向寸法を管理することにより,量産時,常に容易に一定値とすることができるから,弁体の閉弁応答性の安定化とコストの低減を共に図ることができる。
【0047】また本発明の第2の特徴によれば,前記摺動案内筒の前端面を前記弁ハウジングの内周面内方へ張り出して前記固定ストッパ面となす一方,前記可動コアを前記摺動案内筒の内周面に摺動可能に嵌合する小径部と,前記弁ハウジング内に収容される大径部とで構成して,その小径部及び大径部間の環状段部を前記可動ストッパ面としたので,極めて簡単な構成により固定及び可動ストッパ面を得ることができて,コストの低減を更に図ることができる。
【0048】さらに本発明の第3の特徴によれば,前記可動コアの小径部及び可動ストッパ面間の隅に環状溝を形成したので,可動コアの小径部及び可動ストッパ面間の隅に干渉されることなく,可動ストッパ面を固定ストッパ面に的確に当接させて,弁体の開弁限界を正確に規定することができる。
【0049】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,前記固定ストッパ面及び可動ストッパ面の少なくとも一方に硬化層を形成したので,ストッパ面の耐摩耗性を向上させることができ,しかもその硬化層の厚さは,固定及び可動コア間の残留磁気に影響しないので,厳しい寸法管理や後加工の必要がないから,コスト増を招くこともない。
【0050】さらにまた本発明の第5の特徴によれば,前記硬化層をショットピーニング処理により形成したので,硬化層を比較的安価に得ることができる。
【0051】さらにまた本発明の第6の特徴によれば,前記硬化層をクロムメッキ処理により形成したので,比較的硬度の高い硬化層を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000141901
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン
【出願日】 平成11年10月13日(1999.10.13)
【代理人】 【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
【公開番号】 特開2001−115923(P2001−115923A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−291518