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【発明の名称】 分配型燃料噴射ポンプ
【発明者】 【氏名】新宮 健次

【要約】 【課題】従来の分配型燃料噴射ポンプにおいては、該分配型燃料噴射の組立後には噴射率制御機構を構成するアキュムレートピストンの開弁圧や、該噴射率制御機構のアキュムレート量は一定に固定されて調節することができなかったので、精度の良いパイロット噴射を行うことができなかった。

【解決手段】燃料噴射ポンプ1の噴射率制御機構31に、噴射率制御機構31のアキュムレート量、即ちピストンストロークSt、及び該アキュムレートピストン32の開弁圧を、分配型燃料噴射ポンプ1の運転中に外部から調整可能に構成した調整機構を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アキュムレートピストンを用いた噴射率制御機構を具備する燃料噴射ポンプにおいて、該噴射率制御機構に、噴射率制御機構のアキュムレート量、及び該アキュムレートピストンの開弁圧を、分配型燃料噴射ポンプの運転中に外部から調整可能に構成した調整機構を設けたことを特徴とする分配型燃料噴射ポンプ。
【請求項2】 アキュムレートピストンを用いた噴射率制御機構を具備する燃料噴射ポンプにおいて、該噴射率制御機構に、噴射率制御機構のアキュムレート量を、分配型燃料噴射ポンプの運転中に外部から調整可能に構成した調整機構を設けたことを特徴とする分配型燃料噴射ポンプ。
【請求項3】 アキュムレートピストンを用いた噴射率制御機構を具備する燃料噴射ポンプにおいて、該噴射率制御機構に、アキュムレートピストンの開弁圧を、分配型燃料噴射ポンプの運転中に外部から調整可能に構成した調整機構を設けたことを特徴とする分配型燃料噴射ポンプ。
【請求項4】 前記噴射率制御機構の排出通路を、分配型燃料噴射ポンプに設けた圧力脈動減衰用ピストン下流側のオーバーフロー通路に接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の分配型燃料噴射ポンプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アキュムレートピストンを用いた噴射率制御機構を具備する分配型燃料噴射ポンプの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ディーゼルエンジンにおいては、プランジャの往復移動により分配軸に圧送される燃料を、分配軸により複数の吐出弁へ送出し、各吐出弁から燃料噴射ノズルへ圧送する分配型燃料噴射ポンプが用いられている。また、ディーゼルエンジンでは、排気のエミッション規制によるNOxの低減や騒音低減が望まれており、これらの対策として、燃料の主噴射の前にパイロット噴射を行い初期噴射率を制御して、燃焼による急激な圧力上昇を低く抑える技術が知られている。そして、このような初期噴射率制御機構としては、アキュムレートピストンが用いられたものがあり、パイロット噴射等の燃料噴射を行うタイミングは油圧タイマーにより制御されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の噴射率制御機構においては、分配型燃料分配ポンプを一旦組み立てた後には、アキュムレートピストンの開弁圧や、該噴射率制御機構のアキュムレート量は一定に固定されていて調節することができなかった。従って、異なる回転数での使用等といったエンジンの用途や、該エンジンの仕様に応じてパイロット噴射の噴射量や燃料噴射のタイミングを調整することができず、精度の良いパイロット噴射を行うことができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、請求項1においては、アキュムレートピストンを用いた噴射率制御機構を具備する燃料噴射ポンプにおいて、該噴射率制御機構に、噴射率制御機構のアキュムレート量、及び該アキュムレートピストンの開弁圧を、分配型燃料噴射ポンプの運転中に外部から調整可能に構成した調整機構を設けた。
【0005】また、請求項2においては、アキュムレートピストンを用いた噴射率制御機構を具備する燃料噴射ポンプにおいて、該噴射率制御機構に、噴射率制御機構のアキュムレート量を、分配型燃料噴射ポンプの運転中に外部から調整可能に構成した調整機構を設けた。
【0006】また、請求項3においては、アキュムレートピストンを用いた噴射率制御機構を具備する燃料噴射ポンプにおいて、該噴射率制御機構に、アキュムレートピストンの開弁圧を、分配型燃料噴射ポンプの運転中に外部から調整可能に構成した調整機構を設けた。
【0007】また、請求項4においては、前記噴射率制御機構の排出通路を、分配型燃料噴射ポンプに設けた圧力脈動減衰用ピストン下流側のオーバーフロー通路に接続した。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の分配型燃料噴射ポンプを示す概略図、図2は同じく分配型燃料噴射ポンプを示す側面断面図、図3は同じく正面図、図4はアキュムレートピストンの開弁圧とパイロット噴射量との関係を示す図、図5はアキュムレートピストンのピストンストロークと燃料噴射タイミングとの関係を示す図、図6はエンジン回転数と燃料噴射状態との関係を示す図、図7は噴射率制御機構を示す側面断面図、図8は噴射率制御機構の別実施例を示す側面断面図、図9は噴射率制御機構の第三の実施例を示す側面断面図である。
【0009】まず、本発明の分配型燃料噴射ポンプ1の全体構成について説明する。図1乃至図3に示す分配型燃料噴射ポンプ1においては、下部に回転自在に支持されたカム軸4が横設され、該カム軸4にはカム5が固設されて、該カム5とカム軸4とは一体的に回転するように構成されている。カム5の上方には、プランジャ7が配設され、該プランジャ7の下端にはタペット11が付設されている。プランジャ7及びタペット11はスプリング18により下方へ付勢され、該タペット11がカム5に当接している。そして、カム5の回転によりプランジャ7が上下移動するように構成しており、分配型燃料噴射ポンプ1のハウジング内には燃料ギャラリが形成されている。
【0010】また、前記プランジャ7の側方には、該ブランジャ7と平行に分配軸10が配設されており、該分配軸10は、ベベルギア19を介してカム軸4と連動連結されている。そして、分配軸10の下方には、該分配軸10の同軸上に送油ポンプを配設して、分配軸10とカム軸4とを連動連結している。
【0011】前記送油ポンプ等により、燃料タンク17内の燃料を、燃料配管13を通じて燃料ギャラリ内へ圧送された後、前記プランジャ7の上昇によって、燃料圧送通路21を通じて分配軸10へ圧送される。該分配軸10へ圧送された燃料は、該分配軸10と送出弁8とを接続する燃料分配通路24を通じて複数の送出弁8へ供給される。該送出弁28に供給された燃料は、噴射ノズル9へ圧送されて噴射される。
【0012】また、本分配型燃料噴射ポンプ1においては、圧力脈動減衰用ピストン27を設けており、該圧力脈動減衰用ピストン27の下流側は、オーバーフロー通路14を通じて燃料タンク17に連通している。さらに、燃料の前記プランジャ7の上方に噴射率制御機構31を付設し、燃料の主噴射の前にパイロット噴射を行い初期噴射率を制御するように構成して、燃焼による急激な圧力上昇を低く抑えるようにしている。
【0013】図1に示すように、噴射率制御機構31は、受圧室34、該受圧室34内に摺動自在に嵌装されるアキュムレートピストン32、及び該アキュムレートピストン32をプランジャ7側へ付勢するバネ33等により構成されている。受圧室34は、通路35によりプランジャ7上方のプランジャ室7aと連通されており、該通路35は、プランジャ7側へ付勢されるアキュムレートピストン32により閉じられている。アキュムレートピストン32の受圧室34内での摺動可能範囲は、ピストンストロークStに設定され、前記アキュムレートピストン32の径Dは通路35の径dよりも大きく形成されている。
【0014】このように構成される噴射率制御機構31の作用について説明する。まず、送油ポンプの燃料圧送に伴いプランジャ室7aの圧力が上昇して、噴射ノズル9の開弁圧を超えると、パイロット噴射としての燃料噴射が行われる。その直後、通路35を閉じていたアキュムレートピストン32が、プランジャ室7a内の圧力により、バネ33の付勢力に抗して反プランジャ7側に移動し開弁する。
【0015】通路35の径dよりもアキュムレートピストン32の径Dの方が大きいため、開弁すると、アキュムレートピストン32の受圧面積が増加して、該アキュムレートピストン32は反プランジャ7方向へ急速に移動するようになり、プランジャ室7a内の燃料が急速に受圧室34内に流入する。これにより、プランジャ室7aの室圧が急激に低下し、燃料噴射が一旦停止される。その後、送油ポンプの燃料圧送により、再びプランジャ室7aの室圧が上昇して、メイン噴射が行われることとなる。
【0016】また、本噴射率制御機構31においては、アキュムレートピストン32よりも下流側に設けられる排出通路25を、前記圧力脈動減衰用ピストン27の下流側に設けられるオーバーフロー通路14に接続して、該アキュムレートピストン32にかかる圧力脈動を軽減し、パイロット噴射量や、パイロット噴射とメイン噴射との間隔や、燃料噴射タイミング等、噴射率特性の安定化を図っている。
【0017】尚、噴射率制御機構31におけるアキュムレートピストン32の開弁圧はバネ33によるアキュムレートピストン32の付勢力により変化し、噴射率制御機構31のアキュムレート量はアキュムレートピストン32のピストンストロークStの大きさにより変化することとなる。
【0018】例えば、図4に示すように、アキュムレートピストン32の開弁圧P1 ・P2・P3 ・P4 ・P5 を、最も小さい開弁圧P1 から開弁圧P5 まで順に大きくしていくと、メイン噴射IMの前に噴射されるパイロット噴射IPの噴射時間t1が開弁圧の増加に伴って長くなる、即ち、パイロット噴射IPの噴射量が増加していくことがわかる。
【0019】また、図5に示すように、噴射率制御機構31のアキュムレート量、即ちアキュムレートピストン32のピストンストロークSt1 ・St2 ・St3 ・St4・St5 を、最も小さいピストンストロークSt1 から順にピストンストロークSt5 まで大きくしていくと、パイロット噴射IPに対するメイン噴射IMの噴射時期が除々に遅れ、噴射パターンとしてはパイロット噴射IPとメイン噴射IMとの間隔t2が次第に大きくなっていくことがわかる。
【0020】さらに、図6に示すように、エンジン回転数N1 ・N2 ・N3 を低速域のエンジン回転数N1 から順にエンジン回転数N3 まで大きくしていくと、エンジン回転数の上昇に伴ってパイロット噴射IPとメイン噴射IMとが連続的に連なることがわかる。
【0021】このように、アキュムレートピストン32の開弁圧や噴射率制御機構31のアキュムレート量によって、パイロット噴射の噴射量や燃料噴射のタイミングが変化するため、分配型燃料噴射ポンプ1の組立時には、エンジンにとって最適な開弁圧やアキュムレート量となるように噴射率制御機構31の調整を行う必要がある。しかし、エンジンが様々な回転数で使用される場合や、多仕様に構成される汎用エンジン等の場合には、精度良くパイロット噴射を行うためには、さらに、組立後の調整や、エンジン又は分配型燃料噴射ポンプ1の運転を行いながらの調整を行う必要がある。
【0022】そこで、本分配型燃料噴射ポンプ1においては、噴射率制御機構31のアキュムレート量及びアキュムレートピストン32の開弁圧の調整を、組立後やエンジン又は分配型燃料噴射ポンプ1の運転途中においても外部から可能とする調整機構を設けている。
【0023】例えば、図7に示すように、分配型燃料噴射ポンプ1のハウジングに取り付けられる噴射率制御機構31の本体38に取付ボルト39が嵌装され、該取付ボルト39の上端部に開弁圧調整ボルト37が螺装されている。該開弁圧調整ボルト37とアキュムレートピストン32との間に、該アキュムレートピストン32をプランジャ7方向へ付勢するバネ33が介装されている。また、開弁圧調整ボルト37には、ピストンストローク調整ボルト36が螺装されており、該ピストンストローク調整ボルト36の下端とアキュムレートピストン32の上端との間にピストンストロークStとなる間隙が設けられている。即ち、アキュムレートピストン32がプランジャ室7aの圧力により開弁して上方に移動する際には、ピストンストロークSt分だけ上昇すると、該アキュムレートピストン32の上端がピストンストローク調整ボルト36の下端に当接して、それ以上の上昇移動を阻止されるのである。
【0024】このように構成された噴射率制御機構31において、アキュムレートピストン32の開弁圧を調整する場合は、開弁圧調整ボルト37を、取付ボルト39に対して外部から回転操作して上下移動させる。開弁圧調整ボルト37を上下移動することにより、該開弁圧調整ボルト37とアキュムレートピストン32との間に介装されるバネ33の圧縮度合いが変わって、該バネ33のアキュムレートピストン32に対する付勢力が変化し、該アキュムレートピストン32の開弁圧が調整される。そして、開弁圧調整ボルト37を回転操作してアキュムレートピストン32の開弁圧を調整した後は、開弁圧調整ボルト37が回転しないようにロックナット41によりロックする。
【0025】また、噴射率制御機構31のアキュムレート量を調整する際には、前記ピストンストローク調整ボルト36を、開弁圧調整ボルト37に対して外部から回転操作して上下移動させる。ピストンストローク調整ボルト36を上下移動することにより、該ピストンストローク調整ボルト36とアキュムレートピストン32との間隙が変わって、該アキュムレートピストン32のピストンストロークStが変化するため、アキュムレート量が調整される。
【0026】そして、ピストンストローク調整ボルト36を回転操作してアキュムレート量を調整した後は、ピストンストローク調整ボルト36が回転しないように、ロックナット42によりロックする。さらに、開弁圧調整ボルト37及びピストンストローク調整ボルト36をカバー部材40により覆うことにより、調整を終えた該開弁圧調整ボルト37及びピストンストローク調整ボルト36が回転操作されることを防止することが可能である。
【0027】以上の如く、開弁圧調整ボルト37を回転操作することでアキュムレートピストン32の開弁圧を調節することが可能であり、ピストンストローク調整ボルト36を回転操作することでアキュムレート量を調節することができる。そして、開弁圧調整ボルト37及びピストンストローク調整ボルト36は外部から操作可能に構成されているので、エンジン又は分配型燃料噴射ポンプ1を運転しながら微調整を行うことができ、さらに、噴射ノズル9からの噴射特性をモニターしながら微調整を行うことが可能となる。
【0028】これにより、アイドリング時等に少量噴射されるパイロット噴射量の微調整や、燃料噴射タイミング(パイロット噴射とメイン噴射との間隔)の微調整を、分配型燃料噴射ポンプ1の組立後にも、エンジンの用途や仕様に応じて行うことができる。そして、エンジンの用途や仕様に応じたパイロット噴射量や燃料噴射タイミングの調整を同じ構成部材で行うことができるので、少ない種類の構成部材で多くの仕様に対応することが可能となり、低コスト化を図ることができる。
【0029】また、噴射率制御機構31のアキュムレート量のみを外部から調節可能に構成することもできる。例えば、図8に示す噴射率制御機構31においては、本体38に嵌装される取付ボルト39の上端部にピストンストローク調整ボルト36が螺装されており、前記バネ33は該取付ボルト39とアキュムレートピストン32との間に介装されている。また、該ピストンストローク調整ボルト36の下端とアキュムレートピストン32の上端との間には、図7の場合と同様に、ピストンストロークStとなる間隙が設けられている。
【0030】このように構成された噴射率制御機構31において、噴射率制御機構31のアキュムレート量を調整する際には、ピストンストローク調整ボルト36を、取付ボルト39に対して外部から回転操作して上下移動させる。ピストンストローク調整ボルト36を上下移動することにより、該ピストンストローク調整ボルト36とアキュムレートピストン32との間隙が変わって、該アキュムレートピストン32のピストンストロークStが変化するため、アキュムレート量が調整される。
【0031】そして、ピストンストローク調整ボルト36を回転操作してアキュムレート量を調整した後は、ピストンストローク調整ボルト36が回転しないように、ロックナット42によりロックする。さらに、ピストンストローク調整ボルト36の上端部をカバー部材40により覆うことにより、調整を終えたピストンストローク調整ボルト36が回転操作されることを防止することが可能である。
【0032】以上の如く、ピストンストローク調整ボルト36を回転操作することでアキュムレート量を調節することができ、該ピストンストローク調整ボルト36は外部から操作可能に構成されているので、エンジン又は分配型燃料噴射ポンプ1を運転しながら微調整を行うことができ、さらに、噴射ノズル9からの噴射特性をモニターしながら微調整を行うことが可能となる。
【0033】これにより、アイドリング時等に少量噴射されるパイロット噴射とメイン噴射との間隔、即ち燃料噴射タイミングの微調整を、分配型燃料噴射ポンプ1の組立後にも、エンジンの用途や仕様に応じて行うことができる。そして、エンジンの用途や仕様に応じた燃料噴射タイミングの調整を同じ構成部材で行うことができるので、少ない種類の構成部材で多くの仕様に対応することが可能となり、低コスト化を図ることができる。また、エンジンの用途や仕様上、パイロット噴射量の調整は行う必要がなく、燃料噴射タイミングの調整のみ行えばよい場合には、構成部材が少ない本例の噴射率制御機構31を用いることで、図7の噴射率制御機構31を用いた場合よりも、さらに低コスト化を図ることができる。
【0034】また、噴射率制御機構31を、アキュムレートピストン32の開弁圧のみ、外部から調節可能に構成することもできる。例えば、図9に示す噴射率制御機構31においては、本体38に嵌装される取付ボルト39が嵌装され、該取付ボルト39の上端部に開弁圧調整ボルト37が螺装されている。該開弁圧調整ボルト37とアキュムレートピストン32との間に、該アキュムレートピストン32をプランジャ7方向へ付勢するバネ33が介装されている。
【0035】このように構成された噴射率制御機構31において、アキュムレートピストン32の開弁圧を調整する場合は、開弁圧調整ボルト37を、取付ボルト39に対して外部から回転操作して上下移動させる。開弁圧調整ボルト37を上下移動することにより、該開弁圧調整ボルト37とアキュムレートピストン32との間に介装されるバネ33の圧縮度合いが変わって、該バネ33のアキュムレートピストン32に対する付勢力が変化し、該アキュムレートピストン32の開弁圧が調整される。
【0036】そして、開弁圧調整ボルト37を回転操作してアキュムレートピストン32の開弁圧を調整した後は、開弁圧調整ボルト37が回転しないようにロックナット41によりロックする。さらに、開弁圧調整ボルト37をカバー部材40により覆うことにより、調整を終えた該開弁圧調整ボルト37が回転操作されることを防止することが可能である。
【0037】以上の如く、開弁圧調整ボルト37を回転操作することでアキュムレートピストン32の開弁圧を調節することが可能であり、該開弁圧調整ボルト37は外部から操作可能に構成されているので、エンジン又は分配型燃料噴射ポンプ1を運転しながら微調整を行うことができ、さらに、噴射ノズル9からの噴射特性をモニターしながら微調整を行うことが可能となる。
【0038】これにより、アイドリング時等に少量噴射されるパイロット噴射量の微調整を、分配型燃料噴射ポンプ1の組立後にも、エンジンの用途や仕様に応じて行うことができる。そして、エンジンの用途や仕様に応じたパイロット噴射量の調整を同じ構成部材で行うことができるので、少ない種類の構成部材で多くの仕様に対応することが可能となり、低コスト化を図ることができる。また、エンジンの用途や仕様上、燃料噴射タイミングの調整は行う必要がなく、パイロット噴射量の調整のみ行えばよい場合には、構成部材が少ない本例の噴射率制御機構31を用いることで、図7の噴射率制御機構31を用いた場合よりも、さらに低コスト化を図ることができる。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1記載の如く、噴射率制御機構に、噴射率制御機構のアキュムレート量、及び該アキュムレートピストンの開弁圧を、分配型燃料噴射ポンプの運転中に外部から調整可能に構成した調整機構を設けたので、エンジン又は分配型燃料噴射ポンプを運転しながら、該アキュムレート量及び開弁圧の微調整を行うことができ、さらに、噴射ノズルからの噴射特性をモニターしながらこれらの微調整を行うことが可能となる。これにより、アイドリング時等に少量噴射されるパイロット噴射量の微調整や、燃料噴射タイミング(パイロット噴射とメイン噴射との間隔)の微調整を、分配型燃料噴射ポンプの組立後にも、エンジンの用途や仕様に応じて行うことができる。そして、エンジンの用途や仕様に応じたパイロット噴射量や燃料噴射タイミングの調整を同じ構成部材で行うことができるので、少ない種類の構成部材で多くの仕様に対応することが可能となり、低コスト化を図ることができる。
【0040】更に、請求項2記載の如く、噴射率制御機構に、噴射率制御機構のアキュムレート量を、分配型燃料噴射ポンプの運転中に外部から調整可能に構成した調整機構を設けたので、エンジン又は分配型燃料噴射ポンプを運転しながらアキュムレート量の微調整を行うことができ、さらに、噴射ノズルからの噴射特性をモニターしながらの微調整を行うことが可能となる。これにより、アイドリング時等に少量噴射されるパイロット噴射とメイン噴射との間隔、即ち燃料噴射タイミングの微調整を、分配型燃料噴射ポンプの組立後にも、エンジンの用途や仕様に応じて行うことができる。そして、エンジンの用途や仕様に応じた燃料噴射タイミングの調整を同じ構成部材で行うことができるので、少ない種類の構成部材で多くの仕様に対応することが可能となり、低コスト化を図ることができる。また、エンジンの用途や仕様上、パイロット噴射量の調整は行う必要がなく、燃料噴射タイミングの調整のみ行えばよい場合には、構成部材が少ない本例の噴射率制御機構を用いることで、請求項1に記載の噴射率制御機構を用いた場合よりも、さらに低コスト化を図ることができる。
【0041】更に、請求項3記載の如く、噴射率制御機構に、アキュムレートピストンの開弁圧を、分配型燃料噴射ポンプの運転中に外部から調整可能に構成した調整機構を設けたので、エンジン又は分配型燃料噴射ポンプを運転しながら該開弁圧の微調整を行うことができ、さらに、噴射ノズルからの噴射特性をモニターしながらの微調整を行うことが可能となる。これにより、アイドリング時等に少量噴射されるパイロット噴射量の微調整を、分配型燃料噴射ポンプの組立後にも、エンジンの用途や仕様に応じて行うことができる。そして、エンジンの用途や仕様に応じたパイロット噴射量の調整を同じ構成部材で行うことができるので、少ない種類の構成部材で多くの仕様に対応することが可能となり、低コスト化を図ることができる。また、エンジンの用途や仕様上、燃料噴射タイミングの調整は行う必要がなく、パイロット噴射量の調整のみ行えばよい場合には、構成部材が少ない本例の噴射率制御機構31を用いることで、請求項1に記載の噴射率制御機構を用いた場合よりも、さらに低コスト化を図ることができる。
【0042】更に、請求項4記載の如く、前記噴射率制御機構の排出通路を、分配型燃料噴射ポンプに設けた圧力脈動減衰用ピストン下流側のオーバーフロー通路に接続したので、アキュムレートピストンにかかる圧力脈動を軽減し、パイロット噴射量や、パイロット噴射とメイン噴射との間隔や、燃料噴射タイミング等、噴射率特性の安定化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーディーゼル株式会社
【出願日】 平成11年10月14日(1999.10.14)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−115920(P2001−115920A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−291872