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【発明の名称】 吸気音低減ダクトを設けたボイラ
【発明者】 【氏名】高島 博史

【氏名】竹内 了治

【要約】 【課題】空気流入の障害となることなく、送風機が空気吸い込み時に発生する吸気音による騒音を低減する。

【解決手段】火炎を燃焼させる燃焼室、燃焼室内へ燃料を送り込む燃料供給経路、燃焼室内へ燃焼用空気を送り込む送風機を持ち、送風機の空気取り込み口では空気流によって吸気音が発生するボイラであって、送風機の空気取り込み口の空気流上流側に吸気音低減ダクトを設け、吸気音低減ダクトはダクト内空気の出口であるダクト出口開口部10と、ダクト内への空気の入口であるダクト入口開口部11を持った吸気音低減ダクト6を持ち、送風機の空気取り込み口をダクト出口開口部10に接続しておき、吸気音低減ダクト6は、ダクト入口開口部面積>吸気音低減ダクト流路断面積>ダクト出口開口部面積とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 火炎を燃焼させる燃焼室、燃焼室内へ燃料を送り込む燃料供給経路、燃焼室内へ燃焼用空気を送り込む送風機を持ち、送風機の空気取り込み口では空気流によって吸気音が発生するボイラであって、送風機の空気取り込み口の空気流上流側に吸気音低減ダクトを設け、吸気音低減ダクトはダクト内空気の出口であるダクト出口開口部と、ダクト内への空気の入口であるダクト入口開口部を持ち、送風機の空気取り込み口をダクト出口開口部に接続しており、吸気音低減ダクトはダクト入口開口部面積>吸気音低減ダクト流路断面積>ダクト出口開口部面積としたものであることを特徴とする吸気音低減ダクトを設けたボイラ。
【請求項2】 請求項1に記載の吸気音低減ダクトを設けたボイラにおいて、吸気音低減ダクトは、ダクト入口開口部とダクト出口開口部を同一平面上に設けたものであり、ダクト出口開口部は、吸気音低減ダクト内の空気流れ方向に対して垂直方向の径を空気流れ方向に対して平行方向の径よりも短くした形状とし、吸気音低減ダクト内のダクト出口開口部とダクト入口開口部の中心間を結ぶ線上であって、ダクト出口開口部の近くに、ダクト出口開口部の空気流れ方向に対して垂直方向の径よりも幅の広い遮へい板を設けたことを特徴とする吸気音低減ダクトを設けたボイラ。
【請求項3】 請求項2に記載の吸気音低減ダクトを設けたボイラにおいて、遮へい板のダクト出口開口部側の表面及び吸気音低減ダクトの内側表面に吸音材をはり付けたことを特徴とする吸気音低減ダクトを設けたボイラ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸気音低減ダクトを設けたボイラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボイラの運転を行うと、給水ポンプ等のモータ音、燃焼装置の燃焼音、燃焼用空気の吸気音や燃焼排ガスの排気音などの騒音が発生するため、騒音を低減する研究が行われている。最も一般的な騒音低減手段は、騒音発生部を遮へいして音が外部へ漏れることを防止することであり、騒音発生部を遮へいすることで騒音は大幅に低下する。しかし、送風機の空気取り込み口において、燃焼用空気を送るために周囲の空気を吸引する際に発生している吸気音の場合、吸気音発生部を遮へいしたのでは空気を取り込むことができなくなるため、遮へいするという手段は使用できなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、空気流入の障害となることなく、送風機が空気吸い込み時に発生する吸気音による騒音を低減することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】火炎を燃焼させる燃焼室、燃焼室内へ燃料を送り込む燃料供給経路、燃焼室内へ燃焼用空気を送り込む送風機を持ち、送風機の空気取り込み口では空気流によって吸気音が発生するボイラであって、送風機の空気取り込み口の空気流上流側に吸気音低減ダクトを設け、吸気音低減ダクトはダクト内空気の出口であるダクト出口開口部と、ダクト内への空気の入口であるダクト入口開口部を持った吸気音低減ダクトを持ち、送風機の空気取り込み口をダクト出口開口部に接続しており、吸気音低減ダクトは、ダクト入口開口部面積>吸気音低減ダクト流路断面積>ダクト出口開口部面積とする。
【0005】また、吸気音低減ダクトは、ダクト入口開口部とダクト出口開口部を同一平面上に設けたものであり、ダクト出口開口部は、吸気音低減ダクト内の空気流れ方向に対して垂直方向の径を空気流れ方向に対して平行方向の径よりも短くした形状とし、吸気音低減ダクト内のダクト出口開口部とダクト入口開口部の中心間を結ぶ線上であって、ダクト出口開口部の近くに、ダクト出口開口部の空気流れ方向に対して垂直方向の径よりも幅の広い遮へい板を設け、遮へい板のダクト出口開口部側の表面及び吸気音低減ダクトの内側表面に吸音材をはり付ける。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は一実施例での吸気音低減ダクト部分の透過斜視図、図2は図1の平面図、図3は本発明を実施しているボイラの概要を示した一部断面図である。ボイラは燃焼室1等を設けたボイラ本体3と、送風機2等の補機類を一体化したものであり、送風機2はボイラ本体3の上面に載せ置いている。また、火炎を発生させるバーナ(図示せず)もボイラ本体の上部に設けており、バーナには燃料を供給する燃料供給経路を設けておく。ボイラには側面と上面を覆うケーシング7を設けておき、ケーシング7の上面に載せ置くように吸気音低減ダクト6を設ける。
【0007】吸気音低減ダクト6は略直方体であり下面に2か所の開口部を設けておき、図の右側の開口部を吸気音低減ダクト内空気の出口であるダクト出口開口部10、左側の開口部を吸気音低減ダクト内への空気の入口であるダクト入口開口部11とする。吸気音低減ダクト6の2か所の開口部分に当たる所のケーシング7も穴を開けることで、吸気音低減ダクト6内とケーシング7内をつなげ、送風機2の空気取り込み口4は、ダクト出口開口部10に接続しておく。空気流路の面積は、ダクト入口開口部面積>吸気音低減ダクト流路断面積>ダクト出口開口部面積としておく。吸気音低減ダクト6の内面には吸音材5をはり付けておき、吸音材5による騒音の低減も併用する。
【0008】ダクト出口開口部10は吸気音低減ダクト6内の空気流れ方向に対して垂直方向の辺を短くした長方形とする。吸気音低減ダクト内のダクト出口開口部10とダクト入口開口部11を結ぶ線上に、ダクト出口開口部の短辺側の空気流をふさぐようにダクト出口開口部の短辺よりも幅の広い遮へい板8を設け、遮へい板8の表面には、吸音材5をはり付ける。吸気音低減ダクト内の遮へい板8は、ダクト出口開口部10のダクト入口開口部11に近い側の角部と、ダクト入口開口部11のダクト出口開口部10に近い側の角部を結ぶ台形状の空間の断面をふさぎ、ダクト出口開口部10からダクト入口開口部11が死角となるようにしておく。台形状の空間はダクト出口開口部10に近づくほど狭くなっており、遮へい板8の幅は、ダクト出口開口部10に近いほど狭くすることができる。遮へい板8はダクト出口開口部10の近くに設けることで、吸気音低減ダクト内流路幅の1/3よりも狭い部分のみをふさぐようにする。
【0009】ボイラの燃焼時には、燃焼室1内へ燃料と燃焼用空気が送り込まれる。燃焼用空気の供給は、送風機2を稼働することで行われ、送風機2の稼働を行うと、空気取り込み口4が接続されている吸気音低減ダクト6内の空気が送風機2によって燃焼室1内へ送り込まれる。吸気音低減ダクト6内の空気が吸引されると、その分ケーシング7内の空気がダクト入口開口部11を通して吸気音低減ダクト6内へ入り、吸気音低減ダクト6内をダクト出口開口部10の方向に流れる。
【0010】送風機2の稼働を行った場合、断面積の小さな空気取り込み口4に多量の空気が流れ込むため、空気取り込み口4を通過する空気の流速は速くなる。空気の流速を急激に上昇させると、空気取り込み口4部分で空気の流れによって吸気音(風切り音)が発生していたが、吸気音低減ダクト6を設け、流路面積をダクト入口開口部面積>吸気音低減ダクト流路断面積>ダクト出口開口部面積としているため、空気取り込み口4へ送られる空気の流速は空気取り込み口4までに段階的に上昇することとなり、空気取り込み口4部分で急激な流速の上昇は発生しなくなる。そのため空気取り込み口4で発生する吸気音を通常よりも低く抑えることができる。
【0011】また、吸気音低減ダクト6を設けることで吸気音を小さくすることができるが、空気取り込み口4での吸気音を完全になくすことはできず、吸気音は発生する。吸気音低減ダクト6内へ達した吸気音の内、ダクト出口開口部10からダクト入口開口部11の方向へ直線的に向かった吸気音は、遮へい板8に衝突するため、ダクト出口開口部10からダクト入口開口部11へ直接吸気音が達することが防がれる。遮へい板8のために吸気音低減ダクト6内での吸気音は、遮へい板8または吸気音低減ダクト内面に必ず衝突することとなり、遮へい板8の表面や吸気音低減ダクト6の内面には吸音材5をはり付けているため、吸音材5によって音のエネルギーが吸収され、吸気音は減衰する。吸気音低減ダクト6内へ入った吸気音は、吸音材5をはり付けている遮へい板8や吸気音低減ダクト6内面での反射・吸収を繰り返して減衰し、ダクト入口開口部11から出るころには吸気音は十分に減衰していることとなる。
【0012】ダクト出口開口部10は吸気音低減ダクト内の空気流れ方向に対して垂直な辺を短くした長方形としたことにより、吸気音低減ダクトの空気流路に比べて狭い遮へい板8で、ダクト出口開口部10から広がる音が直接ダクト入口開口部11に達することを防ぐことができる。遮へい板8でふさがれる吸気音低減ダクト6内の流路面積の幅は、吸気音低減ダクト6の1/3よりも狭いものであるため、吸気音低減ダクト内の空気の流れは、遮へい板8以外の部分を通してダクト出口開口部10へ向かうことができ、空気の流れを妨げることなく、騒音の発生を抑制することができる。
【0013】なお、空気取り込み口4で発生した吸気音の内、空気の流れと同方向に波及していた吸気音と、吸気音低減ダクト6内に入ったが遮へい板8によって反射して空気の流れと同方向に波及することになった吸気音は、空気取り込み口部分から燃焼室内に入り、燃焼室内は外部と遮断されている空間であるためにボイラ外へ漏れ出ることなく減衰し、煙突9から出ていくために問題とはならない。また、ダクト入口開口部11部分の開口部面積を十分に大きなものとし、空気の流れを緩やかにしておけばダクト入口開口部11では特に騒音は発生しない。
【0014】
【発明の効果】本発明を実施することにより、空気流入の障害となることなく燃焼用空気吸引時に発生する吸気音を低減し、発生した吸気音の減衰を行うことで、吸気音による騒音を低減することができる。
【出願人】 【識別番号】000130651
【氏名又は名称】株式会社サムソン
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
【出願日】 平成11年10月19日(1999.10.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−115914(P2001−115914A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−297278