| 【発明の名称】 |
内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体 |
| 【発明者】 |
【氏名】村松 完昭
【氏名】鈴木 多喜夫
【氏名】浅井 利通
【氏名】藤森 誠
【氏名】佐久間 義弘
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| 【要約】 |
【課題】耐圧強度を向上することのできる内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体を提供する。
【解決手段】樹脂製インテークマニホールドの樹脂部材を構成するマニホールド本体は、4つのピース(20,21他)に分割形成されており、各ピースを振動溶着によって貼り合わせ接合することで一体に形成されている。サージタンク15の周壁を構成する第1及び第2ピース20,21は、その周囲の分割面26,27に加え、それら分割面26,27からオフセットされた部位に設けられた更なる接合面33,35においても貼り合わせ接合されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】内燃機関の吸気系に設けられてその内部に中空部を擁する中空構造体を構成する樹脂部材を複数のピースに分割し、それらピースをその周囲の分割面を接合面として貼り合わせ接合することで形成されてなる内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体において、前記ピースには、その分割面からオフセットした部位に更なる接合面が形成されてなることを特徴とする内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体。 【請求項2】内燃機関の吸気系に設けられてその内部に中空部を擁する中空構造体を構成する樹脂部材を複数のピースに分割し、それらピースをその周囲の分割面を接合面として貼り合わせ接合することで形成されてなる内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体において、前記ピースには、その周囲の分割面よりもピース内側の部分に更なる接合面が形成されてなることを特徴とする内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体。 【請求項3】請求項2に記載の内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体において、前記更なる接合面は、前記ピース周囲の分割面の接合面からピース内側に向けて延伸されてなることを特徴とする内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂部材によって構成されると共に、内燃機関の吸気系に設けられてその内部に中空部を擁する、例えばインテークマニホールドやサージタンク、或いはレゾネータなどのような内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】内燃機関の吸気系には、吸気通路を流過する吸気が導入される中空部をその内部に擁する、例えばインテークマニホールドやサージタンク、レゾネータなどの中空構造体が設けられている。また従来より、こうした内燃機関吸気系の中空構造体として、中空構造体の軽量化や生産性の向上を図るべく、樹脂部材によって構成された樹脂製中空構造体が用いられている。 【0003】そして、例えば特開平8−4607号公報や特開平8−252864号公報にみられるように、インテークマニホールド及びそれと一体とされたサージタンクを構成する樹脂部材を複数のピースに分割し、それらピース周囲の分割面を接合面として振動溶着などによって貼り合わせ接合することで形成された樹脂製サージタンク一体型インテークマニホールドが知られている。 【0004】このように、各ピースをその周囲の分割面で貼り合わせ接合して形成するようにすれば、内部に中空部を擁する上記の樹脂製サージタンク一体型インテークマニホールドのような樹脂製中空構造体であれ、容易に製造することができるようになる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ただし、このように形成された樹脂製中空構造体では、以下に述べるように、必要とされるだけの十分な耐圧強度を確保することが困難であった。 【0006】このような内燃機関吸気系の中空構造体では、機関運転中にバックファイア等によってその中空部の内圧が一時的に高圧となり、中空部の周壁が膨張するように変形することがある。このため、内燃機関吸気系の中空構造体には、バックファイア時の内圧上昇にも耐え得るだけの十分に高い耐圧強度を確保する必要がある。 【0007】特に、気筒に近い部位に設けられるサージタンクにあっては、バックファイアに伴う内圧上昇が顕著であるため、必要とされる耐圧強度も自ずと高くなる。ところが、上記のように各ピース周囲の分割面のみを接合面として貼り合わせ接合しただけでは、こうした圧力上昇によって各ピースの変形が生じると、その周囲の接合部分に応力が集中してしまい、ピース間の接合強度が不足するおそれがある。このため、上記の如く形成された樹脂製中空構造体では、バックファイア時のような大きな内圧上昇にも耐え得るだけの十分な耐圧強度を確保することが困難であった。 【0008】本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、耐圧強度を向上することのできる内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。請求項1に記載の発明は、内燃機関の吸気系に設けられてその内部に中空部を擁する中空構造体を構成する樹脂部材を複数のピースに分割し、それらピースをその周囲の分割面を接合面として貼り合わせ接合することで形成されてなる内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体において、前記ピースに、その分割面からオフセットした部位に更なる接合面を形成するようにしている。 【0010】この請求項1に記載の構成では、複数のピースを貼り合わせ接合することで、その内部に中空部を擁して内燃機関の吸気系に設けられる樹脂製中空構造体を形成する。この貼り合わせ接合に際して、ピース同士は、それらピースの分割面を接合面として貼り合わせ接合されるばかりか、その分割面からオフセットされた部位に形成された更なる接合面においても貼り合わせ接合されるようになる。 【0011】この結果、その更なる接合面の分だけピース間の貼り合わせ接合部分の面積は増大し、それらピースはより強固に貼り合わせ接合されるようになる。しかも、接合面とされたピース周囲の分割面と上記更なる接合面とはオフセットされた部位に設けられているため、バックファイアなどのよる中空部の内圧上昇に伴うピースの変形によって、ピース間の接合部分にかかるモーメントが分散されるようになり、接合部分にかかる応力が低減されるようになる。 【0012】したがって、この請求項1に記載の発明によれば、内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体の耐圧強度を向上することができるようになる。また、請求項2に記載の発明は、内燃機関の吸気系に設けられてその内部に中空部を擁する中空構造体を構成する樹脂部材を複数のピースに分割し、それらピースをその周囲の分割面を接合面として貼り合わせ接合することで形成されてなる内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体において、前記ピースに、その周囲の分割面よりもピース内側の部分に更なる接合面を形成するようにしている。 【0013】この請求項2に記載の構成では、ピース間の貼り合わせ接合に際して、それらピースの分割面を接合面として貼り合わせ接合されるばかりか、更にその周囲の分割面よりもピース内側に形成された更なる接合面においても貼り合わせ接合されるようになる。 【0014】この結果、その更なる接合面の分だけピース間の貼り合わせ接合部分の面積は増大し、それらピースはより強固に貼り合わされるようになる。しかも、中空部の内圧上昇時にピースに作用する圧力が、ピース内側の更なる接合面が形成された部分においても支持されるようになり、ピースの変形をより好適に抑制することができるようになる。 【0015】したがって、この請求項2に記載の発明によれば、内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体の耐圧強度を向上することができるようになる。また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体において、前記更なる接合面を、前記ピース周囲の分割面の接合面からピース内側に向けて延伸するようにしている。 【0016】この請求項3に記載の構成では、ピース内側に設けられる更なる接合面がピース周囲の分割面の接合面から延伸され、一体に形成されている。このため、貼り合わせ接合にあたり必要とされる接合面間の面圧や接合面間の微小相対変位などを、ピース周囲の分割面の接合面に付与すると同時に、ピース内側の更なる接合面にも付与することができるようになる。このため、直接にはピース内側の更なる接合面間に面圧や微小相対変位を付与することが困難な場合であれ、それら更なる接合面間を容易に貼り合わせ接合することができるようになる。 【0017】したがって、この請求項3に記載の発明によれば、耐圧強度を向上することのできる内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体をより容易に製造することができるようになる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体を具体化した一実施形態について、図を参照して詳細に説明する。 【0019】本実施形態は、内燃機関のサージタンクとインテークマニホールドとを樹脂部材により一体に形成した樹脂製サージタンク一体型インテークマニホールド(以下、単に「樹脂製インテークマニホールド」という)について、本発明にかかる内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体を適用したものである。 【0020】この樹脂製インテークマニホールドは、その内部に中空部を擁する中空構造をなしている。そしてその内部には、所定容量を有したサージタンク、同サージタンクと内燃機関の各吸気ポートとを連通すべく複数に分枝された分枝管(インテークマニホールド)、及び負圧式アクチュエータを作動させるための負圧を蓄圧すべく設けられた蓄圧室などの複数の中空部が区画形成されている。 【0021】ちなみに本実施形態の樹脂製インテークマニホールドは、直列4気筒型内燃機関に適用されるものであり、各気筒の2つの吸気ポートに接続すべく、8本の分枝管を備えている。 【0022】まず、この樹脂製インテークマニホールドを構成する樹脂部材であるマニホールド本体10の構造を、図1〜図4に基づき説明する。図1は、マニホールド本体10の側面構造を示している。 【0023】この図1に示すように、マニホールド本体10にはその側方に突き出る態様で、吸入管11が設けられている。その吸入管11の先端には、機関吸気系のスロットルボディ(図示略)と連結するためのスロットル側フランジ11aが設けられている。そのフランジ11aには、マニホールド本体10の内部に連通する吸入口11bが設けられている。また、マニホールド本体10の上部には、内燃機関の吸気ポートと連結するためのポート側フランジ12が形成されている。 【0024】一方、マニホールド本体10の前方を覆う前面カバー13の外周面には、同マニホールド本体10を補強するための複数のリブ14が形成されている。また、図2は、このマニホールド本体10の側部断面構造を示している。 【0025】この図2に示すように、マニホールド本体10は中空構造をなしており、その内部には、サージタンク15、分枝管16、蓄圧室17などの中空部が区画形成されている。 【0026】上記スロットル側フランジ11aの吸入口11bは、サージタンク15に連通している。サージタンク15は、上記のように所定容量を有したタンクであり、上記前面カバー13とマニホールド本体10の内部に設けられた隔壁18との間に区画形成されている。 【0027】このサージタンク15の下部には、各分枝管16と連通する開口部19が形成されている。各分枝管16は、このサージタンク15下部の開口部19よりマニホールド本体10の後部を周り込み、上方に向かって延びて、上記ポート側フランジ12に接続されている。 【0028】こうして、スロットル側フランジ11aの吸入口11bからサージタンク15へと流入した吸気は、同タンク15下部に設けられた各開口部19を通じて各分枝管16に分配供給されるようになる。 【0029】また、サージタンク15の後方側周壁をなす隔壁18と分枝管16との間には、蓄圧室17が区画形成されている。この蓄圧室17は、上記のように負圧を蓄圧するために設けられている。 【0030】図3は、マニホールド本体10前部の分解構造を示している。同図3に示すように、マニホールド本体10は、主に4つのピース20〜23に分割形成されている。これら各ピース20〜23は各々、射出成形などによって形成された合成樹脂材からなっている。 【0031】まず、第1ピース20は主に、上記吸入管11及び前面カバー13を構成する。また、第1ピース20にあって上記各分枝管16の開口部19及びその上流部をなす下部24は、断面波形状に形成されている。 【0032】一方、第2ピース21は、主に上記隔壁18を構成する。また、第2ピース21の下部25は断面波形状に形成されており、同じく断面波形状に形成された上記第1ピース20の下部24と組み合わせることで、上記分枝管16の開口部19及びその上流部が形成される。 【0033】更に、第3ピース22は主に、上記吸気ポート側フランジ12及び各分枝管16の外壁の一部を構成する。この第3ピース22にあって上記各分枝管16の外壁の一部をなす部分は、断面波形状に形成されている。 【0034】そして第4ピース23は、主に上記分枝管16の外壁の残りの一部を構成する。この第4ピース23は断面波形状に形成されており、上記第3ピース22と組み合わせて上記各分枝管16の中流部から下流部を構成する複数の管路が形成される。 【0035】そして、これら4つのピース20〜23を振動溶着によってそれぞれ貼り合わせ接合し、一体とすることで、マニホールド本体10が形成される。ちなみに本実施形態では、次のようにしてマニホールド本体10が組み付けられている。 【0036】すなわち、まず、(Ia)主にマニホールド本体10のサージタンク15をなす部分を形成すべく、上記第1及び第2ピース20,21を貼り合わせ接合する。また、それと共に、(Ib)主にマニホールド本体の分枝管16をなす部分を形成すべく、上記第3及び第4ピース22,23を貼り合わせ接合する。そしてその後、(II)それら接合された第1及び第2ピース20,21と第3及び第4ピース22,23とを更に貼り合わせ接合する。こうして、樹脂製インテークマニホールドの樹脂部材を構成するマニホールド本体10が、一体に組み付けられる。 【0037】続いて、本実施形態の内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体について、その各ピース20〜23の貼り合わせ接合態様の詳細について、図3〜図6に基づき、詳細に説明する。 【0038】図3に示すように、各ピース20〜23は、それらの周囲の分割面26〜31を接合面として振動溶着によって貼り合わせ接合されている。例えば、第3ピース22と第4ピース23との貼り合わせ接合は、それらの周囲の分割面30と分割面31とを接合面とし、両面30,31を突き合わせて振動溶着することで行われる。 【0039】ただし、第1ピース20と第2ピース21との貼り合わせ接合、及び第2ピース21と第3ピース22との貼り合わせ接合については、以下に説明するように、上記のような各ピース20〜22の周囲の分割面26〜29に加え、「更なる接合面」を設けることで、マニホールド本体10の耐圧強度を向上するようにしている。 【0040】まず、第1ピース20と第2ピース21との貼り合わせ接合については、それらピース20,21の周囲の分割面26,27からオフセットされた位置に更なる接合面が設けられている。 【0041】図4は、これら第1及び第2ピース20,21の側部部分断面構造を模式的に示しており、同図(a)は貼り合わせ接合前の態様を、同図(b)は貼り合わせ接合後の態様をそれぞれ模式的に示している。また、図5は、それら両ピース20,21の平面部分断面構造を模式的に示している。 【0042】これら図4及び図5に示すように、第1ピース20の前面カバー13の上面には、一部下方に向けて窪んだ凹部32が形成されている。この第1ピース20においては、その凹部32のマニホールド本体10後方側に、上記「更なる接合面」33が設けられている。 【0043】一方、第2ピース21には、その隔壁18からマニホールド本体10の前方側に向けて分割面27に対して垂直方向に突出した凸部34が形成されている。この第2ピース21においては、その凸部34のマニホールド本体10の前方側端面35が上記「更なる接合面」とされている。 【0044】これら両「更なる接合面」33,35は、上記各ピース20,21の周囲の分割面26,27を突き合わせた際に、互いに当接するように形成されている。そして、上記分断面26,27間と共に、これら「更なる接合面」33,35間も振動溶着して貼り合わせ接合することで、第1及び第2のピース20,21はそれら周囲の分割面26,27に加え、その分割面26,27からオフセットされた部位においても、貼り合わせ接合されるようになる。 【0045】更に本実施形態では、これら「更なる接合面」33,35による貼り合わせ接合部分は、ボルト36によって締結され、より強固に接合されている。この結果、両ピース20,21の貼り合わせ接合部分の面積が増大すると共に、バックファイアなどのよるサージタンク15の内圧上昇による両ピース20,21の変形時に接合面にかかるモーメントが分散されるようになり、貼り合わせ接合部にかかる応力が低減されるようになる。また、前面カバー13が「更なる接合面」33,35による接合部分によって支持することで、その変形が抑制されることによっても、貼り合わせ接合部分に作用する応力を低減することができるようになる。 【0046】他方、第2及び第3ピース21,22の貼り合わせ接合については、それら両ピース21,22の周囲の分割面28,29に加え、その分割面28,29よりも各ピース21,22の内側の部分に「更なる接合面」が設けられている。 【0047】図6(a)は第2ピース21の後面構造を、図6(b)は第3ピース22の正面構造をそれぞれ模式的に示している。同図(a)及び(b)に示すように、第2及び第3ピース21,22の両側部には、それぞれ各ピース21,22の周囲の分割面28,29からそれらピース21,22の内側に延伸されるように「更なる接合面」37,38が形成されている。そして、各ピース21,22の周囲の分割面28,29を接合面として振動溶着によって貼り合わせ接合すると同時に、これら「更なる接合面」37,38も貼り合わせ接合することで、両ピース21,22はその周囲の分割面28,29に加え、各ピース21,22の内側の部分においても貼り合わせ接合されるようになる。 【0048】この結果、貼り合わせ接合部分の面積が増大すると共に、バックファイアなどによるサージタンク15の内圧上昇時に圧力の作用する隔壁18を、「更なる接合面」37,38が形成された部分によって、その背後より支持することができるようになり、その変形をより好適に抑制することができるようになる。 【0049】しかも、本実施形態では、こうした「更なる接合面」37,38は、各ピース21,22の周囲の分割面28,29から延伸されているため、それら分割面28,29と共に「更なる接合面」37,38間も同時に振動溶着することができるようになる。 【0050】以上説明した本実施形態の内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体によれば、以下の効果を得られるようになる。 (1)本実施形態では、マニホールド本体10においてサージタンク15の周壁を構成する第1ピース20及び第2ピース21が、各ピース20,21周囲の分割面26,27に加え、それら分割面26,27からオフセットした部位に「更なる接合面」33,35を接合面として貼り合わせ接合されている。そのため、「更なる接合面」33,35の分だけ両ピース20,21同士の貼り合わせ接合部分の面積が増大すると共に、バックファイアなどのよるサージタンク15の内圧上昇による各ピース20,21の変形に際して、それらピース20,21間の接合部分にかかるモーメントを分散して、接合部にかかる応力を低減することができるようになる。したがって、樹脂製インテークマニホールドにあってその樹脂部材を構成するマニホールド本体10の耐圧強度を向上することができるようになる。 【0051】(2)本実施形態では、第2ピース21及び第3ピース22が、それらピース21,22周囲の分割面28,29に加え、その分割面28,29よりも各ピース21,22の内側に設けられた「更なる接合面」37,38を接合面として貼り合わせ接合されている。そのため、両ピース21,22間の貼り合わせ接合部分の面積が増大すると共に、サージタンク15の内圧上昇時に隔壁18に作用する圧力を、その「更なる接合面」37,38による接合部分においても支持することができるようになりピース21,22の変形をより好適に抑制することができるようになる。したがって、樹脂製インテークマニホールドにあってその樹脂部材を構成するマニホールド本体10の耐圧強度を向上することができるようになる。 【0052】(3)また、本実施形態では、第2及び第3ピース21,22の内側に設けられる上記「更なる接合面」37,38を、それらピース21,22周囲の分割面28,29からその内側に向けて延伸するようにしている。このため、両ピース21,22の振動溶着にあたり必要とされる接合面間の面圧や接合面間の微小相対変位などを、ピース21,22周囲の分割面28,29の接合面間に付与すると同時に、「更なる接合面」37,38にも付与することができるようになる。このため、直接には「更なる接合面」37,38間に面圧や微小相対変位を付与することが困難な場合であれ、容易に振動溶着によって貼り合わせ接合することができるようになる。したがって、耐圧強度を向上することのできる樹脂製インテークマニホールドをより容易に製造することができるようになる。 【0053】以上説明した本実施形態の内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体は、次のように変更することもできる。 ・上記実施形態では、第1ピース20及び第2ピース21においてそれら周囲の分割面26,27からオフセットされた部位に形成された「更なる接合面」33,35による接合部分を、ボルト36によって更に締結するようにしているが、単にそれら「更なる接合面」33,35間を貼り合わせ接合しただけでも、耐圧強度の向上を図ることはできる。 【0054】・上記実施形態では、樹脂製インテークマニホールドを構成する樹脂部材であるマニホールド本体10を4つのピース20〜23に分割形成するようにしているが、マニホールド本体10の分割形成の態様は任意であり、少なくとも2つ以上のピースに分割され、それらピース周囲の分割面を接合面として貼り合わせ接合さていれば、上記各「更なる接合面」33,35,36,37と同様の接合面を更に設けることで、同様に耐圧強度の強化を図ることはできる。 【0055】・上記実施形態では、第2ピース21及び第3ピース22において、それらピース21,22の内側に形成された「更なる接合面」37,38を、各ピース21,22周囲の分割面28,29からピース内側に向けて延伸するようにしている。ただし、貼り合わせ接合が可能であれば、これら「更なる接合面」37,38を周囲の分割面28,29とは分離して設けるようにしてよい。 【0056】・上記実施形態では、第1ピース20及び第2ピース21にそれら周囲の分割面26,27からオフセットされた部位に「更なる接合面」33,35を設け、第2ピース21及び第3ピース22にそれら周囲の分割面28,29よりも各ピース21,22の内側の部分に「更なる接合面」37,38を設けるようにしている。こうした「更なる接合面」33,35,37,38は、これらサージタンク15内の圧力を直接受ける各ピース20〜22の貼り合わせ接合のために設けることでより効果的に耐圧強度の向上を図ることができるものの、他のピース間の貼り合わせ接合のために設けても、耐圧強度の向上を図ることはできる。 【0057】・上記実施形態では、樹脂製インテークマニホールドに、ピース周囲の分割面からオフセットされた部位に形成された「更なる接合面」33,35と、ピース周囲の分割面からそのピース内側に形成された「更なる接合面」36,37との両方を設ける構成としているが、いずれか一方のみを設ける構成としてもよい。 【0058】・上記実施形態では、各ピース20〜23を振動溶着によって貼り合わせ接合するようにしているが、スピニング溶着、熱板溶着、或いは接着剤を用いた接着などの他の手段によって貼り合わせ接合するようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。 【0059】・上記実施形態では、上記各「更なる接合面」を用いた耐圧強度の強化構造をサージタンクとインテークマニホールド(分枝管)とが一体に形成されたサージタンク一体型樹脂製インテークマニホールドに適用した場合を説明した。こうした耐圧強度の強化構造は、バックファイアによる内圧上昇が顕著な樹脂製サージタンク或いはそのサージタンク一体型樹脂製インテークマニホールドへの適用がより効果的であるものの、例えば単体の樹脂製サージタンクや樹脂製レゾネータなどの他の内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体にも適用することができる。要は、内燃機関の吸気系に設けられてその内部に中空部を擁する樹脂製中空構造体を構成する樹脂部材を複数のピースに分割し、それらピースをその周囲の分割面を接合面として貼り合わせ接合することで形成されてなる内燃機関吸気系の樹脂製中空構造体であれば、各ピースの貼り合わせ接合のために上記各「更なる接合面」を設けるようにすることで、その耐圧強度の向上を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社 【識別番号】000116574 【氏名又は名称】愛三工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月19日(1999.10.19) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−115912(P2001−115912A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−296658 |
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