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【発明の名称】 蒸発燃料処理装置
【発明者】 【氏名】板倉 裕二

【氏名】尾崎 克則

【要約】 【課題】蒸発燃料及び燃料成分が大気に拡散してしまうのを確実に抑制することのできる蒸発燃料処理装置の提供を図る。

【解決手段】制御弁2をキャニスタ1内に配置してあるため、燃料成分が、キャニスタ1に接続される配管等を接続するホース、継ぎ手部分等から透過するのを防止でき、万一、制御弁2のケース体2Aを透過しても、該燃料成分はキャニスタ1内に拡散するにとどまり、該キャニスタ1に充填される吸着剤によって、吸着保持されるので、大気中に燃料成分が拡散するのを抑制することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関の燃料タンク内で発生した蒸発燃料を一時的に蓄えるための吸着剤を収容したキャニスタと、前記燃料タンク内が所定圧以上になると、蒸発燃料を前記キャニスタに供給するように制御する制御弁とを備えた構造であって、前記制御弁をキャニスタ内に配置したことを特徴とする蒸発燃料処理装置。
【請求項2】 前記制御弁を、内燃機関の吸気系に連通するキャニスタのパージ室に配置したことを特徴とする請求項1に記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項3】 前記制御弁のケース体とキャニスタのケース体とを樹脂材により一体に形成したことを特徴とする請求項1,2の何れかに記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項4】 前記キャニスタは、そのケース体と一体に形成されて該ケース体内の一側部にドレーン室とパージ室とを隔成する隔壁を備え、蒸発燃料または清浄空気の流通経路がケース体内でU字状となるUターンフロー構造に構成されている一方、制御弁は、パージ室内に前記隔壁と一体に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項5】 前記制御弁は、燃料タンクに連通した第1エバポ通路とキャニスタに連通した第2エバポ通路とが連通したエバポ室と、大気開放口を介して大気に連通した大気圧室と、これらエバポ室と大気圧室とを隔成し、かつ、第2エバポ通路を直接開閉するダイヤフラムとを備え、前記大気圧室の大気開放口をドレーン室側に開口したことを特徴とする請求項4に記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項6】 前記大気開放口を、キャニスタのドレーン室に面した吸着剤層内に開放したことを特徴とする請求項5に記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項7】 前記大気開放口に配管を接続し、該配管の開放端をドレーン室に面した吸着剤に向けて配設したことを特徴とする請求項5,6の何れかに記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項8】 前記制御弁は、ドレーン室側に充填した吸着剤層上面よりも下方位置に設定されていることを特徴とする請求項4〜7の何れかに記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項9】 前記キャニスタを燃料タンク内に配設したことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の蒸発燃料処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料タンク内の蒸発燃料が大気中に放出されるのを防止する蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の蒸発燃料処理装置としては、図7に示すように、燃料タンク3と蒸発燃料を一時的に蓄えるキャニスタ1とを備え、これら燃料タンク3とキャニスタ1とを連通するエバポ通路6に制御弁2を設けたものが知られている(実用新案登録公報2541778号参照)。
【0003】この制御弁2としては、図8に示すようなダイヤフラム式の制御弁が用いられている。
【0004】この制御弁2は、燃料タンク3に連通した第1エバポ通路6aとキャニスタ1に連通した第2エバポ通路6bとが連通したエバポ室27と、大気開放口25を介して大気に連通した大気圧室26と、これらエバポ室27と大気圧室26とを隔成し、かつ、第2エバポ通路6bを直接開閉するダイヤフラム23と、このダイヤフラム23を閉弁側に付勢するスプリング24とを備えている。
【0005】また、第2エバポ通路6bには、燃料タンク3内の負圧値に応じて該第2エバポ通路6bとエバポ室27とを連通・遮断する負圧バルブ30を設けてある。
【0006】すなわち、この制御弁2は、燃料タンク3内に蒸発燃料が発生して該燃料タンク3内の圧力が高まって、エバポ室27が所定圧以上となると、ダイヤフラム23がその図中上部にあたる大気圧室26の大気圧及びスプリング24による圧力に抗して大気圧室26側(図中上方)に移動して第2エバポ通路6bを開放し、また、外気の影響などで燃料タンク3が冷却され該燃料タンク3内が負圧となると、前記負圧バルブ30が開いて第2エバポ通路6bとエバポ室27とを連通させる。
【0007】従って、前記蒸発燃料処理装置においては、燃料タンク3内で蒸発燃料が発生して該燃料タンク内の圧力が、所定の圧力を超えると、制御弁2のダイヤフラム23の開弁作用により、燃料タンク3内に発生した蒸発燃料がキャニスタ1に流入し、該キャニスタ1内に充填した活性炭等の吸着剤によって吸着保持して、該キャニスタ1に一時的に蓄えられる。
【0008】そして、図外の内燃機関が作動すると、このキャニスタ1に蓄えられていた蒸発燃料が吸気通路9の負圧により、ドレーン通路7から吸入される外気(清浄空気)と共に吸引され、パージ通路5から吸気通路9を経て内燃機関の気筒内に送られる。
【0009】また、外気の影響などで燃料タンク3が冷却され該燃料タンク3内が負圧となると前記制御弁2の負圧バルブ30が開き、キャニスタ1に蓄えられていた蒸発燃料は、燃料タンク3に戻される。
【0010】このようにして制御弁2により、燃料タンク3内を一定圧力に保持させると共に、該燃料タンク3内に発生した蒸発燃料の大気への放出抑制作用が行われる。
【0011】図7中、8は機関運転条件に応じて開度を調節するパージコントロールバルブを示している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の制御弁2のケース体2Aや、ダイヤフラム23等は樹脂材で形成されているのが一般的であるが、最近では、燃料成分(HC−ハイドロカーボン、等)は、この制御弁2のケース体2Aやダイヤフラム23を形成する樹脂等を微量ではあるが透過するおそれがあることが分かってきた。
【0013】つまり、前記従来の構造によれば、制御弁2は、キャニスタ1と燃料タンク3との間を連通するエバポ通路6の途中に設けてあるため、エバポ通路6と制御弁2とを接続するホース、継ぎ手部分等から蒸発燃料が透過したり、あるいは、制御弁2の内部に高濃度の蒸発燃料が充満すると、これら制御弁2のケース体2Aやダイヤフラム23を透過して、蒸発燃料中に含まれる燃料成分が微量ではあるが大気中に漏れだしてしまうおそれがある。
【0014】特に近年では環境等への配慮から大気中に蒸発燃料や燃料成分が拡散するのを極力抑制しようとする要求が高まってきている折から、微量ではあっても、このような燃料成分の大気拡散防止を徹底する必要がある。
【0015】従って、このような不具合を防止するためには、これら制御弁2のケース体2Aやダイヤフラム23等を形成する樹脂素材を耐燃料透過性、耐燃料浸透性を有する素材で形成する等の対策を講じる必要があるが、それではコスト的に不利になってしまうという新たな問題が生じる。
【0016】そこで、本発明は燃料成分が大気に拡散してしまうのを確実に抑制することのできる蒸発燃料処理装置を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあっては、内燃機関の燃料タンク内で発生した蒸発燃料を一時的に蓄えるための吸着剤を収容したキャニスタと、前記燃料タンク内が所定圧以上になると、蒸発燃料を前記キャニスタに供給するように制御する制御弁とを備えた構造であって、前記制御弁をキャニスタ内に配置したことを特徴としている。
【0018】請求項2の発明にあっては、請求項1に記載の制御弁を、内燃機関の吸気系に連通するキャニスタのパージ室に配置したことを特徴としている。
【0019】請求項3の発明にあっては、請求項1,2に記載の制御弁のケース体とキャニスタのケース体とを樹脂材により一体に形成したことを特徴としている。
【0020】請求項4の発明にあっては、請求項3に記載のキャニスタは、そのケース体と一体に形成されて該ケース体内の一側部にドレーン室とパージ室とを隔成する隔壁を備え、蒸発燃料または清浄空気の流通経路がケース体内でU字状となるUターンフロー構造に構成されている一方、制御弁は、パージ室内に前記隔壁と一体に形成されていることを特徴としている。
【0021】請求項5の発明にあっては、請求項4に記載の制御弁は、燃料タンクに連通した第1エバポ通路とキャニスタに連通した第2エバポ通路とが連通したエバポ室と、大気開放口を介して大気に連通した大気圧室と、これらエバポ室と大気圧室とを隔成し、かつ、第2エバポ通路を直接開閉するダイヤフラムとを備え、前記大気圧室の大気開放口をドレーン室側に開口したことを特徴としている。
【0022】請求項6の発明にあっては、請求項5に記載の大気開放口を、キャニスタのドレーン室に面した吸着剤層内に開放したことを特徴としている。
【0023】請求項7の発明にあっては、請求項5,6に記載の大気開放口に配管を接続し、該配管の開放端をドレーン室に面した吸着剤に向けて配設したことを特徴としている。
【0024】請求項8の発明にあっては、請求項4〜7に記載の制御弁は、ドレーン室側に充填した吸着剤層上面よりも下方位置に設定されていることを特徴としている。
【0025】請求項9の発明にあっては、請求項1〜8に記載のキャニスタを燃料タンク内に配設したことを特徴としている。
【0026】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、制御弁をキャニスタ内に配置してあるため、燃料成分が、制御弁に配管等を接続するホース、継ぎ手部分等から透過するのを防止でき、万一、制御弁のケース体を透過しても、該燃料成分はキャニスタ内に拡散するにとどまり、該キャニスタに充填される吸着剤によって、吸着保持されるので、大気中に燃料成分が拡散するのを抑制することができる。
【0027】請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、前記制御弁を、内燃機関の吸気系に連通するキャニスタのパージ室に配置してあるため、該パージ室はキャニスタの大気開放部から遠く隔った所に配置してあるので、万一、燃料成分が、制御弁のケース体を透過しても、大気中に燃料成分が拡散するのを抑制することができる。
【0028】請求項3に記載の発明によれば、請求項1,2の効果に加えて、前記制御弁のケース体とキャニスタのケース体とを樹脂材により一体に形成してあるため、部品点数を削減しコスト的に有利に得ることができるのに加え、該制御弁とキャニスタとの間を接続する配管等を省略することができるので、これら配管等を接続するホース、継ぎ手部分等から大気中への燃料成分が透過、拡散することがなくなる。
【0029】請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加えて、前記キャニスタは、そのケース体と一体に形成されて該ケース体内の一側部にドレーン室とパージ室とを隔成する隔壁を備え、蒸発燃料または清浄空気の流通経路がケース体内でU字状となるUターンフロー構造に構成されている一方、制御弁は、パージ室内に前記隔壁と一体に形成されているため、ケース体内での流通経路を長くすることができ、吸着剤への蒸発燃料の吸着効率を高めることができる。
【0030】請求項5に記載の発明によれば、請求項4の効果に加えて、前記制御弁は、燃料タンクに連通した第1エバポ通路とキャニスタに連通した第2エバポ通路とが連通したエバポ室と、大気開放口を介して大気に連通した大気圧室と、これらエバポ室と大気圧室とを隔成し、かつ、第2エバポ通路を直接開閉するダイヤフラムとを備え、前記大気圧室の大気開放口をドレーン室側に開口してあるため、万一、燃料成分が制御弁のダイヤフラムを透過して大気開放口から漏れたとしても、該燃料成分はキャニスタ内に拡散するにとどまり、該キャニスタに収容される吸着剤によって吸着保持されるので、大気中に蒸発燃料が拡散するのを抑制することができる。
【0031】請求項6に記載の発明によれば、請求項5の効果に加えて、前記大気開放口を、キャニスタのドレーン室に面した吸着剤層内に開放してあるため、万一、燃料成分が制御弁であるダイヤフラムを透過して大気開放口から漏れたとしても、該燃料成分はドレーン室に面した吸着剤層によって、確実に吸着保持することができる。
【0032】請求項7に記載の発明によれば、請求項5,6の効果に加えて、前記大気開放口に配管を接続し、該配管の開放端をドレーン室に面した吸着剤に向けて配設してあるため、万一、燃料成分が制御弁であるダイヤフラムを透過して大気開放口から漏れたとしても、該燃料成分はドレーン室に面した吸着剤層によって、確実に吸着保持することができる。
【0033】請求項8の発明によれば、請求項4〜7の効果に加えて、前記制御弁は、ドレーン室側に充填した吸着剤層上面よりも下方位置に設定されているため、万一、燃料成分が制御弁と一体に形成されているキャニスタの隔壁を透過しても、該燃料成分はドレーン室側に充填した吸着剤によって、確実に吸着保持することができる。
【0034】請求項9に記載の発明によれば、請求項1〜8の効果に加えて、前記キャニスタを燃料タンク内に配設してあるため、該キャニスタに接続される配管等を接続するホース、継ぎ手部分等から大気中への燃料成分が透過、拡散するのを防止することができるのに加え、万一、燃料成分がキャニスタのケース体を透過した場合でも、問題となることはない。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用した自動車の内燃機関の蒸発燃料処理装置の基本システムを示している。
【0036】1は燃料タンク3内で発生した蒸発燃料を一時的に蓄えるためのキャニスタを示している。
【0037】2は前記燃料タンク3内が所定圧以上になると、蒸発燃料を前記キャニスタ1に供給するように制御する制御弁を示しており、該制御弁2は該キャニスタ1内に配置してある。
【0038】5は一端が内燃機関の吸気通路9の絞り弁10の下流に連通したパージ通路を示している。
【0039】6はキャニスタ1の上壁に接続したエバポ通路で、内燃機関の停止時等にこのエバポ通路6を介して燃料タンク3内に発生した蒸発燃料をキャニスタ1に導いて吸着保持させるようにしてある。
【0040】7は一端を大気に開放したドレーン通路であり、8はパージ通路5の途中に設けたパージコントロールバルブで、機関運転条件により開度を調整して、内燃機関の吸気通路9に送るパージガスを調整している。
【0041】このような基本システムにより、燃料タンク3内で蒸発燃料が発生して、所定の圧力を超えると、制御弁2によりキャニスタ1に蒸発燃料が流入し、該キャニスタ1に一時的に蓄えられるようにしてある。
【0042】そして、図外の内燃機関が作動すると、このキャニスタ1に蓄えられていた蒸発燃料が吸気通路9の負圧により、大気と連通しているドレーン通路7から吸入される外気(清浄空気)と共に吸引され、パージ通路5から吸気通路9を経て内燃機関の気筒内に送られる。
【0043】また、外気の影響などで燃料タンク3が冷却されて該燃料タンク3内が負圧となると前記制御弁2の負圧バルブ30により、キャニスタ1に蓄えられている蒸発燃料を、燃料タンク3に戻す。
【0044】また図1中、4は、図外の制御バルブによって燃料給油時にのみキャニスタ1と燃料タンク3とを連通し、燃料タンク3内の空気抜きとしての働きをするベント通路を示しており、この例では、このように該ベント通路4をキャニスタ1に接続することによって、燃料給油時に燃料タンク3内の空気に含まれる燃料成分をキャニスタ1を介すことにより、該キャニスタ1で吸着保持して、燃料成分の大気への拡散を抑制するようにしている。
【0045】図2に前記キャニスタ1および制御弁2の具体的構造を示す。
【0046】前記キャニスタ1のケース体1Aは、樹脂材により形成されていて、このケース体1Aの内部には、上壁から下壁近くに亘って隔壁11を一体に形成してある。また、このケース体1A内には上壁から所要の間隔をおいてパンチングメタル等から成る透孔板19,22を設けてあると共に、下壁から所要の間隔をおいて、例えば隔壁11の下端位置に、同じくパンチングメタル等から成る透孔板20,21を設けて、これら対向する透孔板19,20、22,21の間に活性炭等の吸着剤15,16を充填して吸着剤収容室としてある。
【0047】前記透孔板22および隔壁11によって仕切られたケース体1Aの上部空間の一側には、例えば該ケース体1Aの上壁に、ドレーン通路7を接続するドレーンコネクタ7aを突設して、該上部空間の一側をドレーン室14としてある。一方、該ケース体1Aの上部空間の他側には、例えば該ケース体1Aの上壁に、パージ通路5を接続するパージコネクタ5aを設けて、該上部空間の他側をパージ室12としてある。また、前述の透孔板20,21によって仕切られた該ケース体1Aの下部空間は前記吸着剤収容室を介して前記ドレーン室14とパージ室12とを連通する連通室13としてある。
【0048】すなわち、この実施形態では、ドレーン通路7を介してドレーン室14に吸入された外気(清浄空気)を、該ドレーン室14側の吸着剤16を通過させると共に、連通室13,パージ室12側の吸着剤15を経てパージ室12に吸出させたいわゆるUターンフロー式のキャニスタを構成している。
【0049】また、前記上部側の透孔板19,22はスプリング17,18で押圧付勢され吸着剤15,16を安定保持している。
【0050】一方、前記制御弁2は樹脂材により、キャニスタ1のパージ室12内に前記隔壁11と一体に形成してある。
【0051】この制御弁2は、燃料タンク3に連通した第1エバポ通路6aとキャニスタ1に連通した第2エバポ通路6bとが連通したエバポ室27と、大気開放口25を介して大気に連通した大気圧室26と、これらエバポ室27と大気圧室26とを隔成し、かつ、第2エバポ通路6bを直接開閉するダイヤフラム23と、このダイヤフラム23を閉弁側に付勢するスプリング24とを備えており、さらに、前記大気開放口25をドレーン室14側に開口してある。
【0052】また、第2エバポ通路6bには、燃料タンク3内の負圧値に応じて該第2エバポ通路6bとエバポ室27とを連通・遮断する負圧バルブ30を設けてある。
【0053】以上の実施形態の構造によれば、制御弁2をキャニスタ1内に配置してあるため、燃料成分が、透過するのを防止でき、万一、ケース体2Aを透過しても、該燃料成分はキャニスタ1内に拡散するにとどまり、該キャニスタ1に充填される吸着剤によって、吸着保持されるので、大気中に燃料成分が拡散するのを抑制することができる。
【0054】特にこの実施形態によれば、この制御弁2を、内燃機関の吸気通路9に連通するキャニスタ1のパージ室12に配置してあるため、該パージ室12はキャニスタ1の大気開放部であるドレーンコネクタ7aから遠く隔った所に配置してあるので、前述のように、万一、燃料成分が、ケース体2Aを透過しても、大気中に燃料成分が拡散するのを抑制することができる。
【0055】しかも、前記制御弁2のケース体2Aとキャニスタ1のケース体1Aとを樹脂材により一体に形成してあるため、部品点数を削減しコスト的に有利に得ることができるのに加え、該制御弁2とキャニスタ1との間を接続する配管等を省略することができるので、これら配管等を接続するホース、継ぎ手部分等から大気中への燃料成分が透過、拡散することがなくなる。
【0056】さらに、前記キャニスタ1は、そのケース体1Aと一体に形成されて該ケース体1A内の一側部にドレーン室14とパージ室12とを隔成する隔壁11を備え、蒸発燃料または清浄空気の流通経路がケース体1A内でU字状となるUターンフロー構造に構成されているため、ケース体2A内での流通経路を長くすることができ、吸着剤への蒸発燃料の吸着効率を高めることができる。
【0057】また、前記制御弁2は、燃料タンク3に連通した第1エバポ通路6aとキャニスタ1に連通した第2エバポ通路6bとが連通したエバポ室27と、大気開放口25を介して大気に連通した大気圧室26と、これらエバポ室27と大気圧室26とを隔成し、かつ、第2エバポ通路6aを直接開閉するダイヤフラム23とを備え、前記大気圧室26の大気開放口25をドレーン室14側に開口してあるため、万一、燃料成分が制御弁のダイヤフラム23を透過して大気開放口25から漏れたとしても、該燃料成分はキャニスタ1内に拡散するにとどまり、該キャニスタ1に収容される吸着剤16によって吸着保持されるので、大気中に蒸発燃料が拡散するのを抑制することができる。
【0058】図3は、本発明の第2実施形態を示すもので、この実施形態にあっては、前記第1実施形態における大気開放口25の大気開放形態の異なる例を示している。
【0059】すなわち、大気開放口25をドレーン室14側の吸着剤16層内に開放するよう設けてある。
【0060】従って、この第2実施形態の構造によれば、前記第1実施形態の効果に加えて、万一、エバポ室27側の燃料成分がダイヤフラム23を透過して大気圧室26に侵入し、大気開放口25から漏れたとしても、該燃料成分はドレーン室14側の吸着剤16によって、確実に吸着保持することができるので、大気中に燃料成分が拡散するのを抑制することができる。
【0061】図4は、本発明の第3実施形態を示している。この第3実施形態は、前記第1実施形態における制御弁2の大気開放口に配管29を接続し、この配管29の開放端25をドレーン室14側に充填した吸着剤16に向けて配管したもので、特にこの実施形態では前記開放端25を吸着剤16層内に没入配置してある。
【0062】従って、この第3実施形態の構造によれば、前記第1実施形態の効果に加えて、万一、エバポ室27側の燃料成分がダイヤフラム23を透過して大気圧室26に侵入したとしても、配管29によって吸着剤16層内に導出するので、燃料成分を該吸着剤16によって確実に吸着保持させることができる。
【0063】図5は、本発明の第4実施形態を示すもので、この第4実施形態にあっては、前記第1〜3実施形態における、制御弁2の配設向きを異ならせた例を示している。
【0064】すなわち、制御弁2を、エバポ室27と大気圧室26とを上下になるように隔壁11と一体に形成してある。
【0065】また、ドレーン室14側に充填した吸着剤16の高さを、該制御弁2の形成位置よりも上方に設定して、制御弁2を吸着剤16の上面よりも下方位置になるようにしてある一方、制御弁2の大気圧室26の大気開放口25を隔壁11に貫通成形して、前記吸着剤16層内に開放している。
【0066】従って、この第4実施形態の構造によれば、前記第1〜3実施形態の効果に加えて、万一、燃料成分が制御弁2と一体に形成されているキャニスタ1の隔壁11の制御弁2配設位置から透過しても、該燃料成分はドレーン室14側に充填した吸着剤16によって、確実に吸着保持することができる。
【0067】なお、前記第1〜4実施形態では、制御弁2のケース体2Aを、樹脂材で形成した例を示したが、ケース体2Aに金属製のものを用いてもよく、この場合は、該制御弁2に接続する配管等を接続するホース、継ぎ手部分等から大気中への燃料成分が透過、拡散するのを抑制することができる。
【0068】図6は、本発明の第5実施形態を示すもので、この第5実施形態にあっては、前記第1〜4実施形態における、キャニスタ1の配設位置を異ならせた例を示している。
【0069】すなわち、このキャニスタ1は燃料系の部品であることから、エンジンルーム内や、車両の床下等に配設されるのが一般的であり、前記第1〜4実施形態では、図1の基本システム図に示すように、キャニスタ1を燃料タンク3と吸気通路9との間に設けた例を示したが、この実施形態では前記第1〜4実施形態におけるキャニスタ1を燃料タンク3内に配置してある。
【0070】従って、この第5実施形態の構造によれば、前記第1〜4実施形態の効果に加えて、該キャニスタ1は燃料タンク3内に配設してあるため、キャニスタ1に接続される配管等4,5,6を接続するホース、継ぎ手部分等から大気中への燃料成分が透過、拡散するの防止することができる。
【0071】しかも、キャニスタ1のケース体1Aが樹脂材によって形成してある場合、この樹脂製のケース体1Aを、万一、燃料成分が透過しても、大気中への燃料成分が透過、拡散することはない。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成11年10月15日(1999.10.15)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2001−115906(P2001−115906A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−294413