| 【発明の名称】 |
エンジンの蒸発燃料パージ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊東 和栄
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| 【要約】 |
【課題】複数のシリンダバンクを有するエンジンにおける各バンク間の蒸発燃料のパージ分配率を均一化する。
【解決手段】燃料タンク26の上部から第1のパージ通路32を延出し、2ウェイバルブ33を介してキャニスタ34に連通すると共に、キャニスタ34から新気と蒸発燃料ガスとの混合気を導く第2のパージ通路35を延出し、このパージ通路35を、スロットル弁14の下流側で、スロットルチャンバ15から各バンク毎の吸気チャンバ7a,7bに連通する通路13a,13bへ分岐する分岐部13cの上流且つ略中央に開口する。これにより、エンジン1の各バンク間の蒸発燃料のパージ分配率を均一化して各バンク間の空燃比を均一化し、排気排気エミッションの改善、各バンク間の空燃比のバラツキに起因するサージ等による走行性悪化の防止、アイドル時のエンジン振動の減少を可能とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のシリンダバンクを有するエンジンの吸気系に、燃料タンクで発生する蒸発燃料をパージするエンジンの蒸発燃料パージ装置であって、上記蒸発燃料を導くパージ通路の上記吸気系における開口位置を、吸気通路が各バンクへ分岐する分岐部の前且つ略中央に配設することを特徴とするエンジンの蒸発燃料パージ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数のシリンダバンクを有するエンジンにおける各バンク間の蒸発燃料のパージ分配率を均一化するエンジンの蒸発燃料パージ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、エンジンを走行動力源とする自動車等の車両においては、大気汚染防止や省資源のため、エンジン制御上の様々な技術が採用されており、その一つに、燃料タンク内で発生する燃料の蒸発ガスが大気へ排出されないよう、蒸発燃料ガスをキャニスタ内の活性炭等に吸着させて一旦貯溜し、このキャニスタ内の蒸発燃料ガスを設定運転条件下で吸気通路からエンジンの燃焼室へ吸入させる、いわゆる蒸発燃料パージ装置がある。 【0003】例えば、特開平6−193520号公報には、燃料タンクとキャニスタのインレット側とを第1パージラインで接続すると共に、キャニスタのアウトレット側とパージソレノイドバルブのインレット側とを第2パージラインで接続し、更にパージソレノイドバルブのアウトレット側と吸気系としてのスロットルボディの下流側とを第3パージラインで接続することにより、燃料タンクの蒸発燃料をキャニスタに吸着し、蒸発燃料をパージソレノイドバルブを介して吸気系に導入する蒸発燃料供給装置(蒸発燃料パージ装置)が開示されており、また、特開平6−221233号公報には、燃料タンクに接続された第1パージラインと、吸気管のエンジン寄りの部分に設けられたサージタンクに接続された第2パージラインと、両パージライン間に介在されたキャニスタとから構成される蒸発燃料回収系統(蒸発燃料パージ装置)が開示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数のシリンダバンクを有するエンジンでは、蒸発燃料パージ装置の搭載上の条件や艤装上の制約等から、パージされた蒸発燃料が各バンクで不均一になる虞があり、先行技術のように、2つのバンクを有するエンジンの吸気系に連通するパージ通路の開口位置が片バンク側に片寄って接続されていると、パージ通路が開口する側のバンクに導入される蒸発燃料のパージ量が多くなり、相対的に空燃比がリッチ化する。このため、各バンク間の空燃比バラツキが生じ、この空燃比バラツキに起因して排気エミッションの悪化やサージ等による走行性の悪化を招く。 【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、複数のシリンダバンクを有するエンジンにおける各バンク間の蒸発燃料のパージ分配率を均一化し、各バンク間の空燃比バラツキを解消して各バンク間の空燃比を均一化するエンジンの蒸発燃料パージ装置を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、複数のシリンダバンクを有するエンジンの吸気系に、燃料タンクで発生する蒸発燃料をパージするエンジンの蒸発燃料パージ装置であって、上記蒸発燃料を導くパージ通路の上記吸気系における開口位置を、吸気通路が各バンクへ分岐する分岐部の前且つ略中央に配設することを特徴とする。 【0007】すなわち、請求項1記載の発明は、燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸気系に導くパージ通路を、複数のシリンダバンクを有するエンジンの吸気通路が各バンクへ分岐する分岐部の前且つ略中央で開口し、各バンク間の蒸発燃料のパージ分配率を均一化する。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の一形態に係わり、エンジン系の全体構成図である。 【0009】図1において、符号1はエンジンであり、本形態においては水平対向型6気筒エンジンを示す。このエンジン1のシリンダブロック2がクランクシャフトを中心として両側のバンクに2分割され、各バンクのシリンダヘッド3に、それぞれ吸気ポート4と排気ポート5とが形成されている。 【0010】各気筒の吸気ポート4にはインテークマニホルド6が連通され、各バンク毎の各気筒のインテークマニホルド6が集合して吸気チャンバ7a,7bに連通されている。更に、各バンク毎の吸気チャンバ7a,7bを連通する通路に、アクチュエータ9によって開閉駆動される可変吸気弁8が介装されている。 【0011】アクチュエータ9には、一方の吸気チャンバ7aにワンウェイバルブ10を介して連通される負圧タンク11が接続され、アクチュエータ9と負圧タンク11とを接続する通路に設けられた切換ソレノイド弁12を介して、アクチュエータ9に導入される作動圧力が負圧と大気圧とにエンジン運転領域に応じて切換えられる。 【0012】また、各バンクに対応する吸気チャンバ7a,7bからは、可変吸気弁8の両側の各位置から通路13a,13bが上流側に延出され、これらの通路13a,13bが集合し、アクセルペダルに連動するスロットル弁14が介装されたスロットルチャンバ15に連通されて吸入空気が各バンクへ均等に分配されるようになっている。スロットルチャンバ15の上流側にはエアチャンバ16を介して吸気管17が連通され、更に、吸気管17の上流側にエアクリーナ18が取り付けられ、エアクリーナ18に接続されるエアインテーク通路の中途に、チャンバ19が連通されている。 【0013】また、スロットルチャンバ15には、スロットル弁14をバイパスするバイパス通路20が接続されており、このバイパス通路20に、アイドル回転数を制御するアイドル制御装置を構成するアイドル制御弁(ISC弁)21が介装され、このISC弁21によってバイパス通路20の空気流量が調整される。 【0014】また、シリンダヘッド3の各気筒毎に、その放電電極部を燃焼室に露呈する点火プラグ22が取付けられており、インテークマニホルド6の各気筒の吸気ポート4の直上流に、エアアシストインジェクタ25が配設されている。エアアシストインジェクタ25には、燃料タンク26から延出される燃料供給路27を介して燃料が供給されると共に、ISC弁21から延出されるエアアシスト通路28を介して、低回転・低負荷域で噴射燃料の微粒化を促進するためのアシストエアが導入される。 【0015】燃料タンク26には、インタンク式の燃料ポンプ30が内設され、この燃料ポンプ30からの燃料が燃料供給路27を経てエアアシストインジェクタ25及びプレッシャレギュレータ31に圧送され、プレッシャレギュレータ31から燃料タンク26に余剰燃料がリターンされてエアアシストインジェクタ25への燃料供給系の燃料圧力が所定の圧力に調圧される。 【0016】更に、燃料タンク26内で発生した蒸発燃料を吸気系にパージするための蒸発燃料パージ装置として、燃料タンク26の上部から第1のパージ通路32が延出され、2ウェイバルブ33を介して活性炭等からなる吸着部を備えたキャニスタ34の上部に連通されている。キャニスタ34は、下部に大気に連通する新気導入口が設けられ、この新気導入口からの新気と吸着部に貯えられた蒸発燃料ガスとの混合気(エバポガス)を導く第2のパージ通路35が上部から延出されている。 【0017】第2のパージ通路35は、スロットル弁14の下流側で、スロットルチャンバ15から各バンク毎の吸気チャンバ7a,7bに連通する通路13a,13bへ分岐する分岐部13cの上流且つ略中央で吸気系に開口されている。また、第2のパージ通路35の中途には、蒸発燃料の吸入空気に対するパージ割合を制御するため、駆動信号のデューティ比に応じて弁開度が制御されるキャニスタパージコントロール(CPC)デューティソレノイド弁36が介装されており、更に、このCPCデューティソレノイド弁36の上流側に、CPCデューティソレノイド弁36の作動時に発生する気流音、脈動音を消音するためのチャンバ37が介装されている。 【0018】一方、エンジン1のシリンダヘッド3の各排気ポート5は、各バンク毎にシリンダヘッド3内で集合されて排気管38に連通され、各バンクの排気管38に、三元触媒を内蔵する触媒コンバータ39が介装されると共に、各バンクの排気管38の集合部に同じく三元触媒を内蔵する触媒コンバータ40が介装され、サイレンサ41を介してマフラ42に連通されている。 【0019】また、一方のバンクの排気管38からEGR(排気ガス還流)通路43が延出され、各バンク毎の吸気チャンバ7a,7bから延出される通路13a,13bに連通されている。EGR通路43の途中には、EGR量を調整するためのEGR弁44が介装されており、このEGR弁44の開度に応じて排気ガスの一部が吸気系に還流される。 【0020】また、エンジン1には、エンジン運転状態を検出するためのセンサ類が配設されている。すなわち、スロットルチャンバ15に介装されたスロットル弁14に、スロットル開度センサ50aとスロットル弁14の全閉でONするアイドルスイッチ50bとを内蔵したスロットルセンサ50が連設され、スロットル弁14の下流に、スロットル弁14下流の吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ51が配設されている。また、エアチャンバ16には、吸気温度を検出する吸気温センサ52が臨まされている。 【0021】更に、エンジン1のシリンダブロック2の各バンク毎に、それぞれノックセンサ53が取り付けられ、シリンダブロック2に形成される冷却水通路54に冷却水温センサ55が臨まされている。各バンクの排気管38の触媒コンバータ39上流側には、それぞれリニア空燃比センサ56が配設され、各バンクの排気管38の集合部に介装された触媒コンバータ40の下流側に、O2センサ57が配設されている。 【0022】また、エンジン1のクランクシャフトに軸着するクランクロータ58の外周にクランク角センサ59が対設され、更に、クランクシャフトに対して1/2回転するカムシャフトに連設するカムロータ60に気筒判別センサ61が対設されている。 【0023】以上のエンジン1は、図示しない電子制御装置によって電子的に制御される。すなわち、電子制御装置で各センサ・スイッチ類からの検出信号及びバッテリ電圧等を処理し、メモリに格納される各種データ、各種学習値データ、固定データ等に基づき、燃料噴射量、点火時期、目標アイドル回転数、蒸発燃料の目標パージ率、目標EGR率等を演算し、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御、蒸発燃料パージ制御、EGR制御等のエンジン制御を行う。 【0024】ここで、蒸発燃料パージ制御においては、キャニスタ34からのエバポガスを吸気系に導く第2のパージ通路35に介装したCPCデューティソレノイド弁36に対する駆動信号のデューティ比を可変してパージ量を制御しており、パージ実行時には、例えば、運転領域に応じて吸入空気量に対するパージ率が目標パージ率となるよう制御する。 【0025】その際、キャニスタ34からのエバポガスは、第2のパージ通路35の吸気系への開口部、すなわち、各バンク毎の吸気チャンバ7a,7bに連通する通路13a,13bへ分岐する分岐部13cの上流且つ略中央からパージされ、スロットル弁14を通過する吸入空気と共に分岐部13cから各バンク毎の通路13a,13bへ均等に流入する。 【0026】すなわち、第2のパージ通路35の吸気系への開口位置が、吸入空気を各バンクへ均等に分配するための通路13a,13bへの分岐部13cの上流且つ略中央に配設されているため、エバポガスのパージ量が2つのバンクのいずれか一方に片寄ることなく、各バンクに均等に分配される。 【0027】これにより、各バンク間のエバポガスの分配率が均一化して空燃比制御における各バンク間の空燃比バラツキが解消され、更には、各バンク間のエバポガスの分配率の相違に起因する各気筒間の空燃比のバラツキを解消することも可能となる。その結果、良好な空燃比制御性を得てCO,NOx,HC等の排気有害成分を減少し、排気エミッションを改善することができるばかりでなく、各バンク間の空燃比のバラツキに起因するサージ等による走行性悪化を防止し、アイドル時のエンジン振動を減少することが可能となる。 【0028】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸気系に導くパージ通路を、複数のシリンダバンクを有するエンジンの吸気通路が各バンクへ分岐する分岐部の前且つ略中央で開口するので、各バンク間の蒸発燃料のパージ分配率を均一化することができ、各バンク間の空燃比を均一化して排気エミッションを改善することができるばかりでなく、各バンク間の空燃比のバラツキに起因するサージ等による走行性悪化を防止し、アイドル時のエンジン振動を減少することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005348 【氏名又は名称】富士重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月18日(1999.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076233 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 進
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| 【公開番号】 |
特開2001−115904(P2001−115904A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−295861 |
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