| 【発明の名称】 |
エンジンの燃料噴射弁及び燃料噴射システム |
| 【発明者】 |
【氏名】野木 利治
【氏名】大須賀 稔
【氏名】大山 宜茂
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| 【要約】 |
【課題】少ない空気量で燃料の効率の良い微粒化を図ることにある。さらに、燃料圧力の制御性が良いエアーアシスト型燃料噴射弁、及び燃料供給量が制御が安定な燃料噴射システムを提供することにある。
【解決手段】燃料噴射オリフィス9の出口に空気と燃料を混合する空気燃料混合室11Bを備え、供給燃料の圧力が吸気管の絞弁20の上下流の中間圧に応じて調整されるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料噴射オリフィスの出口に空気と燃料を混合する空気燃料混合室を備え、供給燃料の圧力が吸気管の絞弁の上下流の中間圧に応じて調整されていることを特徴とする燃料噴射弁。 【請求項2】 燃料噴射オリフィスの出口に空気と燃料を混合する空気燃料混合室を備え、供給燃料の圧力が当該空気燃料混合室の圧力に近似した圧力に調整されていることを特徴とする燃料噴射弁。 【請求項3】 エアーアシスト型燃料噴射弁を備え、吸気管の絞弁の上下流の中間圧に応じて前記エアーアシスト型燃料噴射弁の供給燃料の圧力を制御することを特徴とする燃料噴射システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はエンジンの燃料噴射弁及び燃料噴射システムに係り、更に詳細には噴射燃料の微粒化を図るための技術に関する。 【0002】 【従来の技術】エンジンの燃料噴射弁から噴射される燃料は、微粒化されるほど空気との混合を良くし、空燃比の精度向上ひいては運転性、排気浄化性の向上につながる。そのため、従来より、例えば特開昭57−110769号公報に開示されるように、噴射ノズルの周囲に吸気通路の空気の一部をエアバイパス通路を介して導く環状隙間を形成し、この環状隙間から出る空気流を噴射燃料に衝突させたり、特開昭64−24161号公報に開示されるように、噴射燃料を旋回させると共にこの噴射燃料に旋回方向が噴射燃料と逆方向の空気流を衝突させたりしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように噴射された旋回燃料に空気流を衝突させて微粒化させる場合、従来は微粒化用空気を少なくする点について充分な配慮がなされていない。 【0004】すなわち、微粒化用空気が多い場合には、燃料の粒径を小さくすることができるが、実際のエンジンに適用する場合には、微粒化用空気が多すぎると、シリンダ内の空気と燃料との比を最適にすることはできず、排気浄化性、運転性が悪化する。特に、アイドル運転時のように燃料量が少ない場合には相対的に微粒化用空気が過多になる傾向がある。 【0005】本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目的は、少ない空気量で燃料の効率の良い微粒化を図ることにある。さらに、燃料圧力の制御性が良いエアーアシスト型燃料噴射弁、及び燃料供給量が制御が安定な燃料噴射システムを提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、基本的には、次のように構成する。 【0007】すなわち、燃料噴射オリフィスの出口に空気と燃料を混合する空気燃料混合室を備え、供給燃料の圧力が吸気管の絞弁の上下流の中間圧に応じて調整されるようにした。 【0008】また、上記したようなエアーアシスト型燃料噴射弁を備え、吸気管の絞弁の上下流の中間圧に応じて前記エアーアシスト型燃料噴射弁の供給燃料の圧力を制御するようにした燃料噴射システムを提案する。その具体的一例は、図15の実施例に示してある。 【0009】 【実施例】図1は本発明の第1実施例を示す要部断面図、図2はその縦断面図である。 【0010】図2において、1は電磁式の燃料噴射弁で、本体内部には、電磁コイル2、固定コア3、ボール弁(計量弁)4付きプランジャ5、戻しばね6、燃料旋回子7等が組み込まれる。ボール弁4は電磁コイル2の非通電時には、ばね6の力により燃料旋回子7の下流に設けた弁シート8に圧接して閉弁状態となる。電磁コイル2の通電時には、コア3,ヨーク10,プランジャ5が磁気回路を形成してプランジャ5と共にボール弁4が磁気吸引され弁シート8から離れて開弁状態となる。 【0011】燃料旋回子7は図4に示すように駒形のチップで形成され、その下面には燃料に旋回力を付与するための燃料通路溝7Aが4つ配設してある。溝7Aは燃料をチップ側壁からチップ中央の燃料旋回用オリフィス7Bに導く通路構造を呈し、かつ各溝7Aは燃料旋回用オリフィス7Bの中心に対してオフセット配置され、実施例では溝7Aが燃料旋回用オリフィス7Bの周面とほゞ接線関係を保つよう配設される。このようにして開弁時には、溝7Aから出た加圧燃料が図4に示すように燃料旋回用オリフィス7Bの壁面に沿った旋回流となって、その下流に設けた計量オリフィス9を通して、次にのべる空気旋回用オリフィス11Bに噴射される。 【0012】空気旋回用オリフィス11Bは、図4に示すように駒形チップ(空気旋回子)11の中央に形成され、ボール弁4下流で計量オリフィス(燃料噴射オリフィス)9の直ぐ下に隣接するようにして配設される。空気旋回子11は、図3(イ),図4に示すようにその上面に空気に旋回力を付与するための空気通路溝11Aが4つ配設してある。各溝11Aは空気をチップ側壁からチップ中央の空気旋回用オリフィス11Bに導く通路構造を呈し、各空気通路溝11Aが空気旋回用オリフィス11B中央に対してオフセット配置される。空気通路溝11Aは空気旋回用オリフィス11Bの内周とほゞ接線関係を保つよう配設され、この溝11Aの配置構造は、空気旋回流の方向が上記の燃料旋回流と反対となるよう設定してある。空気旋回用オリフィス11Bは、図3(ロ)に示すように、その下部11B´が円錐状に絞り形成される。 【0013】燃料旋回子7,空気旋回子11の材質としてステンレスを用いる。燃料として、アルコールを用いる場合は、計量弁4,燃料旋回用オリフィス7B,空気旋回用オリフィス11B,燃料・空気混合促進用オリフィス14のうち燃料と接触する部分をニッケルめっきなどで耐腐食処理をする。空気旋回用オリフィス11Bは、機械加工、ダイキャスト、金属粉末の焼結、エッチング処理などで形成する。また、セラミック或いはシリコンを材質としたマイクロマシニングにより加工成形してもよい。 【0014】燃料噴射弁1の本体下部に空気旋回用オリフィス11の周囲を囲むようしてカバー12が装着される。カバー12内壁と空気旋回子11外壁及び燃料噴射弁の本体下部外壁との間に環状の通路13が形成される。カバー12には空気導通管16の一端16´が取付けられ、この空気導通管16の他端は、例えば吸気管の絞り弁上流に接続され、吸気管の空気の一部が例えば絞り弁上,下流の差圧を利用して環状空気通路13ひいては空気旋回子11に空気が導入され、差圧が所定圧以下になった場合には、空気ポンプを用いて供給する等の手段が講じられている。 【0015】空気旋回子11はこのカバー12と燃料噴射弁1の本体下部との間に介在するよう配置され、空気旋回用オリフィス11Bの上部が計量オリフィス9の出口に接し、11Bの下部11B´がカバー12に設けた燃料・空気混合促進用のオリフィス14に接する。燃料・空気混合促進用のオリフィス14は空気旋回用オリフィス11Bの最も絞った部分と同径の細径としてある。燃料・空気混合促進用のオリフィス14の下流には、オリフィス14よりも大径の燃料噴霧出口15が形成してある。カバー12は、燃料噴射弁本体に圧入またはメタルフローで固定してある。 【0016】本実施例によれば、開弁時には、燃料は燃料旋回用オリフィス7Bにて旋回しながら計量オリフィス9を通り、空気旋回用オリフィス11Bに薄い液膜状になって噴出する。この場合、燃料は計量オリフィス9の上流で旋回力が加えられているので、計量オリフィス下流で燃料に旋回力を加える方式のものと較べて圧力損失が少なく、その分、噴出速度を大きくできる。 【0017】一方、空気旋回用オリフィス11Bでは、既述したように旋回燃料と逆方向に旋回する空気旋回流が生じており、また、その空気旋回用の空気通路溝11Aの出口が計量オリフィス9の出口近くに配置してあるので、計量オリフィス9から噴射された旋回燃料が直ちに空気旋回流と合流し、且つ燃料と空気の旋回方向は逆であるので、空気と燃料の相対速度を大きくしつつ微粒化させる。ついで、この微粒化された燃料と空気は空気旋回用オリフィス11よりも細く絞った混合促進用オリフィス14を通るので、微粒化燃料と空気とが逃げる場なく効率良く混合し、その後出口15を介して混合された燃料が吸気管内に噴霧される。 【0018】本実施例によれば、上記の作用により少ない空気によって効率の良い燃料と空気との混合を良好に行い、ひいては燃料の微粒化向上を図り得る。また、噴射燃料を適度に減速させて、噴射燃料がそのいきおいで吸気管壁に付着するといった事態を有効に抑制することができる。 【0019】図5に微粒化用空気量Qaと噴霧の粒径との関係を示し、本実施例のように空気旋回式と混合促進用オリフィスとを組合せたものは、単なる空気旋回式や空気衝突式のものに較べ少ない空気量で微粒化を図り得る結果が得られた。 【0020】図6は上記図5の実験データを得るのに使用した従来の空気衝突式の燃料噴射弁の一例で、既述の実施例と同一符号は同一或いは共通する要素を示す。従来の空気衝突式の場合は、図6に示すように空気を旋回させておらず、小さなオリフィス又はスリットから空気をまっすぐ噴射燃料に衝突させていた。このため、小さなオリフィス60から空気を噴出させないと、燃料に均等に空気を衝突させることができず、大きな粒子が発生した。また、小さなオリフィスから空気を噴出させると、空気の汚れや、排気還流、水分の凍結によって、オリフィスがつまりやすく、信頼性が低い。さらに、噴霧速度が大きく、微粒化した噴霧が吸気管内に付着してしまう問題があった。 【0021】図7に空気流の旋回方向を変えた場合の微粒化用空気流量Qaと噴霧粒径の関係を示す。微粒化用空気量を大きくすると粒径が小さくなるが、空気の旋回方向を燃料に対して逆方向にすると順方向の場合よりも少ない空気で微粒化が可能である。 【0022】図8に燃料旋回の効果に関するデータを示す。燃料に旋回を加えない場合、燃料が充分微粒化せず、粒径が大きい。ピントル式のように弁の先端に突出させた円錐部に燃料を衝突させて薄膜にすると、空気がないときでも微粒化するが、空気との相対速度が小さいため、粒径が大きい。また、旋回を加えたときには、計量オリフィスの下流で旋回すると燃料の圧力損失が大きいため、燃料旋回方向と逆方向の旋回空気流を後で合流させても、その粒径は本実施例にように燃料を上流旋回させた方式の場合に較べて粒径が大きい。すなわち、計量オリフィスの上流で燃料に旋回を加え、計量オリフィスの下流で逆方向の空気旋回流を合流させた場合が最も燃料の粒径を小さくできた。 【0023】図9にレーザで噴霧の粒径を微細計測したときの粒径の径方向分布を示す。空気衝突式では、空気の当たる外側のみ微粒化が行われ、中央部には大きな粒子が存在する。本実施例における空気旋回式では、空気と燃料が充分に衝突するので、中央部にも大きな粒子が存在せず、ほゞ満遍なく良好な微粒化状態とすることができる。 【0024】図10に本実施例における空気旋回用オリフィス11Bの出口径の寸法(図3に示すφdで、燃料・空気混合促進用オリフィス14の径でもある)を変えた場合の微粒化用空気流量Qaと噴霧粒径との関係を示す。φdをノズルAでは3mm、ノズルBでは2.5mm、ノズルCでは2mmとした。オリフィス14の寸法dを小さくすると、空気と燃料の混合が促進され、少ない空気で微粒化が可能である。 【0025】図11に上記のように空気旋回用オリフィス11Bの出口径φdを変えた場合の噴射パルス幅と燃料流量の関係を示す。上記のようにノズルA、ノズルB、ノズルCではそのオリフィス14の径は少ない空気流量で燃料の微粒化を図る要素となるが、ノズルCのようにφdを小さくすると、微粒化用空気の圧力が大きくなるほど燃料噴射量が少なくなる。これは、微粒化用空気圧力が大きくなると、燃料出口部の圧力が大きくなり、燃料の供給圧力との差が小さくなるためである。なお、図11に示す△Paは供給空気圧力Paと吸気管内圧力Pbとの差である。ノズルCのような場合には、燃料圧力レギュレータの基準圧力として、吸気管内圧力を用いず、微粒化用空気圧力または燃料出口部圧力を用いると上記問題が改善できる。 【0026】図12に供給空気圧力Paと噴霧粒径との関係を示す。空気旋回用オリフィス11Bの面積を大きくすると微粒化用空気量が多くなり、少ない圧力で微粒化が可能である。このため、空気ポンプを用いる場合、低い圧力しか供給できない構造では、空気旋回用オリフィスの面積を大きくすればよい。 【0027】図13に上記実施例の燃料噴射弁における微粒化用空気の供給方式の一例を示す。 【0028】図13では、燃料噴射弁1は吸気管40の各マニホールドごとに配置され、エアクリーナ18,エアフローメータ19の下流で、絞り弁20の上流から共通導管16´,空気分配器17及び各燃料噴射弁に接続された分岐配管16を介して微粒化用空気が空気旋回用オリフィス11Bに導入される。 【0029】吸気管の絞り弁20下流の圧力は、絞り弁20での圧力損失、吸気管内の通路損失、エンジンの吸い込みにより絞り弁上流よりも低いために、その差圧△Paにより空気が燃料噴射弁1に流れる。また、絞り弁全開時には差圧△Paが小さいので、空気ポンプ21を設けてもよい。 【0030】この場合、空気旋回用オリフィス11Bで空気の速度を大きくするため、吸気管内との差圧を0.5気圧以上にするのが好ましい。また、全ての噴射弁1の空気旋回用オリフィスの総面積よりも、空気分配器17への共通の空気導管16´を大きくする。また、空気分配器17からの分岐配管16を1つあたりの噴射弁1の空気旋回用オリフィス11Bの面積より大きくする。このようにしないと、通路の途中で空気の流れが絞られてしまい。空気旋回用オリフィス11Bで高速の空気流を形成できない。 【0031】図14に燃料微粒化用空気供給系の別の例を示す。本例も図13の空気供給系同様にエアクリーナ18,エアフローメータ19の下流で絞り弁20上流で空気を取り込み、共通配管16´,ポンプ21,空気分配器17,分岐配管16を介して空気を燃料噴射弁1の空気旋回用オリフィス11Bに導くが、空気分配器17中の圧力を一定に保つため、空気圧レギュレータ22を空気分配器17に取付ける。 【0032】これにより、微粒化用空気の圧力を一定に保つことができるので、燃料の微粒化を常に安定して行うことができる。また、万一、空気旋回用オリフィス11Bに至る通路系(例えば溝11A)に目づまりした場合でも圧力分配器17の圧力が異常に上がりすぎることを防止する。 【0033】図15に燃料微粒化用空気供給系及び燃料供給系の別の例を示す。本実施例も微粒化用空気は、エアクリーナ18,エアフローメータ19の下流で絞り弁20上流から取り込まれ、共通配管16´,ポンプ21,空気分配器17,分岐配管16を介して燃料噴射弁1の空気旋回用オリフィス11Bに導かれる。さらに、燃料供給系は次のように構成される。 【0034】すなわち、燃料は燃料供給配管24に設けた燃料ポンプ25により加圧され、この燃料圧力が燃料圧力レギュレータ26で燃料噴出部(空気旋回用オリフィス11B)の圧力Pxに対応して補正される。 【0035】燃料圧力レギュレータ26は、図16に示すように、本体内部にチェック弁27付きダイアフラム28,ばね29が内装され、作動室26A側に圧力導管23を介して絞り弁20下流の圧力及び空気分配器17内の供給空気圧力Paが導かれる。燃料噴出部11Bの圧力Pxは、次式で表されるように、吸気管内に圧力Pbと微粒化用空気の供給圧力Paの両方に依存するので、【0036】 【数1】Px=X・Pa+Y・PbX,Yは重み係数である。 【0037】すなわち、本実施例では、燃料噴射オリフィスの出口に空気と燃料を混合する空気燃料混合室11Bを備え、供給燃料の圧力が吸気管の絞弁の上下流の中間圧に応じて調整されるようにしてある。 【0038】そして、Pxに対して所定の差圧を保つよう燃料圧力レギュレータ26が作動する。また、このレギュレータ26の作動室26AにPa,Pbを導く各導管23にはそれぞれ絞り23a,23bが入れて、燃料流量が吸気管内の圧力と微粒化用空気の圧力に依存しないように調整したものである。 【0039】図17は本発明の第2実施例に係る要部断面図である。 【0040】本実施例の燃料噴射弁1は、エンジンの各気筒に吸気弁が複数(例えば2個)配設されるタイプのものに適用するものである。噴射弁の駆動機構は上記各実施例のものと同様で、計量オリフィス9上流に燃料旋回子7を配設する。計量オリフィス下流の空気旋回子(チップ)11に形成される空気旋回用オリフィス11Bはストレートで、その下流に噴射燃料を分配させる分岐用チップ30が配設してある。この分岐用チップ30には、各吸気弁対応の分岐オリフィス30A,30Bが形成される。 【0041】本実施例では、空気旋回用オリフィス11Bの下部で燃料と空気が混合するが、さらに分岐オリフィス30A,30Bがオリフィス11Bより細く絞ったことで、この分岐オリフィスで微粒化燃料と空気の混合が促進され、その結果、より一層の微粒化促進が図られる。この分岐オリフィス30A,30Bが空気・燃料の混合促進用オリフィスを兼用する。 【0042】分岐オリフィス30A,30Bはその入口が接してもよいが、これらの入口の一部が重なり合ってもよい。 【0043】図18に分岐オリフィス30A,30Bのオリフィス径Dと噴霧粒径との関係を示す。空気量が少ない場合、寸法Dが大きいほど粒径が小さくなる。これは、噴霧が分岐部に付着しないで噴出するためである。空気が少ないときは、燃料噴射弁の燃料旋回による微粒化に依存するので、分岐部に燃料が付着しない方がよい。一方、空気量が多いときには、寸法Dが小さいほど空気と燃料が充分混合され、微粒化がよい。以上を考慮して、適宜の寸法Dを設定する。 【0044】同様に、分岐オリフィスの長さlを長くすると、空気の少ないときに噴霧の粒径が大きくなり、空気が多いときに粒径が小さくなる。図19に分岐オリフィスの径Dと噴霧角θ1の関係を示す。Dが大きくなると、噴霧角θ1が大きくなる。また、分岐オリフィスの長さlが2mm以下では、空気を導入すると噴霧角が大きくなりすぎ、2つの方向に噴霧を形成することができない。このためlを2mm以上とする必要がある。この点は、空気微粒化で2つ以上の方向に噴霧を形成する上で重要である。この噴射弁では、D=2.5mm,l=4mm程度がよい。 【0045】図20に上記実施例の噴霧の状況を示す。噴霧は2つの方向に形成される。2つの噴霧の方向θは、分岐オリフィスの角度により任意に変えることができる。 【0046】図21に本発明の第3実施例を示す。 【0047】本実施例と図17の第2実施例との異なる点は、計量オリフィス9の直ぐ下の下流に燃料分岐用チップ(第1の分岐オリフィス)32を配設し、その下に空気旋回子と燃料分岐を兼ねるチップ33を配設したことにある。チップ33には、第2の分岐オリフィス33A,33Bが配設され、図22に示すようにその上面(図22の(イ)では右側)に分岐オリフィス33A,33Bに対してオフセット配置された空気通路溝34を配設してある。空気通路溝34は、環状空気通路13からの空気を導入し、分岐オリフィス33A,33Bに空気旋回流を発生させる。2つの噴霧を形成する望ましい寸法として、D=2mm,l=5mmである。 【0048】本実施例では、旋回燃料は燃料分岐用チップ32で分岐された後、分岐オリフィス33A,33Bにて旋回空気流と衝突するが、この分岐オリフィス33A,33Bが微粒化燃料と空気を効率良く混合させる。 【0049】図23に燃料分岐用チップ32の他の態様を示す。 【0050】本実施例では、2つの分岐用オリフィス32A,32Bと、これらのオリフィスをつなぐスリット32Cよりなる。燃料旋回子7により旋回力を付与された燃料は、計量オリフィス9から噴出するが、上記構成をなす燃料分岐用チップ32によって旋回流を損失なく2つの噴霧に導くことができる。このため、空気をこの燃料とは逆方向に旋回させると、空気と燃料の相対的な旋回速度が大きくなり、少ない空気で微粒化が可能である。 【0051】図24に上記した燃料分岐用チップ32と空気旋回子兼燃料分岐用チップ33との配置関係を示す。燃料が旋回しているため、燃料分岐用チップ32の各オリフィス32A,32Bから噴出する燃料の方向は、スリット32Cの方向とは一致せず、θ3だけ角度がずれる。以上を配慮して、本実施例では、損失なく燃料をオリフィス33A,33Bに導くため角度θ3だけオリフィス33A,33Bをずらしてある。 【0052】図25に図17に用いた燃料分岐用チップ30の他の形状を示す。燃料計量オリフィス9からの燃料を旋回の損失なく2つの方向に分けるため、燃料分岐用チップ30の分岐オリフィス30A,30Bを、旋回燃料の進行方向に合わせてその出口をそれぞれ角度をθ3だけオフセットしたものである。これによって、旋回された燃料をその損失をほとんどなくして分岐するので、特に空気量の少ないときでも噴霧の粒径を小さくできる。 【0053】図26に図21における空気旋回用オリフィス33の他の形状を示す。燃料分岐用チップ32からの燃料を旋回の損失なく2つに分けるため、燃料分岐・空気旋回用オリフィス33の各オリフィス33A,33Bを旋回燃料の進行方向に合わせてその出口をそれぞれ角度をθ3だけずらしたものである。この場合にも、旋回された燃料が損失なく2つに分岐されるので、特に空気量の少ないときでも噴霧の粒径を小さくできる利点がある。 【0054】 【発明の効果】本発明によれば、少ない空気量で燃料の効率の良い微粒化を図ることができ、さらに、燃料圧力の制御性が良いエアーアシスト型燃料噴射弁、及び燃料供給量が制御が安定な燃料噴射システムを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成3年11月14日(1991.11.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068504 【弁理士】 【氏名又は名称】小川 勝男 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−65433(P2001−65433A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願2000−235284(P2000−235284) |
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