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【発明の名称】 内燃機関用燃料噴射弁
【発明者】 【氏名】土屋 富久

【要約】 【課題】噴孔の形状に応じた断面扇形の噴霧形状を得ることができ、よって噴霧の微粒化を促進することができる内燃機関用燃料噴射弁を提供する。

【解決手段】弁体11内にニードル弁15が往復動可能に配設され、弁体11の先端部にはニードル弁15が離着座する弁座14と、弁座14よりも先端側に半球状のサック部12が形成されている。サック部12にはスリット状に開口され、そのスリット長が弁体11の先端部の外部側に向けて広がる断面扇形状の噴孔13が形成されている。ニードル弁15には同ニードル弁の開弁時において弁座14とのシート部17よりも先端部側にほぼサック部12の中心Oに向かう案内面19が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒状をなす弁体と、同弁体内に往復動可能に設けられたニードル弁と、前記弁体の先端部に形成され前記ニードル弁が離着座する弁座と、前記弁体において前記弁座よりも前記弁体の先端側にほぼ半球状に形成され前記ニードル弁の離座に伴って燃料通路に連通するサック部と、前記サック部にスリット状に開口され、そのスリット長が前記弁体の先端部の外部側に向けて広がる断面扇形状の噴孔とを備え、前記サック部内の燃料を前記ニードル弁の往復動作に基づいて前記噴孔から噴射するようにした内燃機関用燃料噴射弁において、前記ニードル弁は同ニードル弁の開弁時において前記弁座とのシート部よりも先端部側に前記サック部のほぼ中心に向かう案内面を備える内燃機関用燃料噴射弁。
【請求項2】 筒状をなす弁体と、同弁体内に往復動可能に設けられたニードル弁と、前記弁体の先端部に形成され前記ニードル弁が離着座する弁座と、前記弁体において前記弁座よりも前記弁体の先端側にほぼ半球状に形成され前記ニードル弁の離座に伴って燃料通路に連通するサック部と、前記サック部にスリット状に開口され、そのスリット長が前記弁体の先端部の外部側に向けて広がる断面扇形状の噴孔とを備え、前記サック部内の燃料を前記ニードル弁の往復動作に基づいて前記噴孔から噴射するようにした内燃機関用燃料噴射弁において、前記弁座は前記ニードル弁とのシート部よりも先端部側に前記サック部のほぼ中心に向かう案内面を備える内燃機関用燃料噴射弁。
【請求項3】 筒状をなす弁体と、同弁体内に往復動可能に設けられたニードル弁と、前記弁体の先端部に形成され前記ニードル弁が離着座する弁座と、前記弁体において前記弁座よりも前記弁体の先端側にほぼ半球状に形成され前記ニードル弁の離座に伴って燃料通路に連通するサック部と、前記サック部にスリット状に開口され、そのスリット長が前記弁体の先端部の外部側に向けて広がる断面扇形状の噴孔とを備え、前記サック部内の燃料を前記ニードル弁の往復動作に基づいて前記噴孔から噴射するようにした内燃機関用燃料噴射弁において、前記ニードル弁は同ニードル弁の開弁時において前記弁座とのシート部よりも先端部側に前記サック部のほぼ中心に向かう案内面を備え、前記弁座は前記ニードル弁とのシート部よりも先端部側に前記サック部のほぼ中心に向かう案内面を備える内燃機関用燃料噴射弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に燃料を噴射供給するための燃料噴射弁に係り、詳しくはスリット状の噴孔を備えた内燃機関用燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に設けられた燃料噴射弁はその先端部に形成された噴孔から吸気通路内部或いは燃焼室内部に向けて燃料を噴射する。このように燃料噴射弁から噴射される燃料の噴霧特性、即ち噴霧形状、噴霧貫徹力、噴霧の均一性や微粒化度等々は噴孔形状によって大きく変化する。従って、噴孔形状を調整することにより上記噴霧特性の改善を図ることが可能である。噴霧特性の改善を図るために、例えば、特開平9−126095号公報や特開平9−158736号公報に記載される燃料噴射弁が提案されている。この燃料噴射弁の噴孔は弁体の先端部にスリット状に開口され、そのスリット長が弁体の先端部の外部側に向かって広がる断面扇形状をなす。この燃料噴射弁において、噴孔は弁体の先端部に形成されたサック部に開口するとともに、噴孔は弁体の軸線に対して所定の角度を持って形成されている。弁体内にはニードル弁が往復動可能に収容され、ニードル弁が弁座から離れると、燃料通路からサック部内に流れ込んだ燃料が噴孔から噴射される。そして、こうして噴射された燃料は機関ピストンの頂面を利用して点火プラグ周りに集められ、同点火プラグによって点火される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公報に記載された燃料噴射弁では、サック内圧力(燃料通路内の燃料圧力からニードル弁と弁座とのシート部での圧力損失を引いた圧力)や、ニードル弁の開弁時における燃料通路からサック部内への燃料流れを有効に利用しているとはいえず、燃料噴霧が所望する扁平扇形状にならず、微粒化(気化)の促進を図ることができないという問題があった。
【0004】本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、噴孔の形状に応じた断面扇形の噴霧形状を得ることができ、よって噴霧の微粒化(気化)を促進することができる内燃機関用燃料噴射弁を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための手段及びその作用効果について以下に記載する。請求項1に記載の発明は、筒状をなす弁体と、同弁体内に往復動可能に設けられたニードル弁と、前記弁体の先端部に形成され前記ニードル弁が離着座する弁座と、前記弁体において前記弁座よりも前記弁体の先端側にほぼ半球状に形成され前記ニードル弁の離座に伴って燃料通路に連通するサック部と、前記サック部にスリット状に開口され、そのスリット長が前記弁体の先端部の外部側に向けて広がる断面扇形状の噴孔とを備え、前記サック部内の燃料を前記ニードル弁の往復動作に基づいて前記噴孔から噴射するようにした内燃機関用燃料噴射弁において、前記ニードル弁は同ニードル弁の開弁時において前記弁座とのシート部よりも先端部側に前記サック部のほぼ中心に向かう案内面を備えることを要旨とする。
【0006】上記構成によれば、ニードル弁が開弁してサック部が燃料通路に連通すると、燃料通路からサック部に供給される燃料の一部はニードル弁の案内面に従ってサック部のほぼ中心に導かれ、サック部の中心部の圧力が高くなる。サック部の中心部の圧力が高くなると、サック部の中心から径方向に作用する圧力が高くなるため、噴孔の形状に応じた断面扇形の噴霧形状を確実に得ることができ、よって噴霧の微粒化(気化)を促進することができる。
【0007】請求項2に記載の発明は、筒状をなす弁体と、同弁体内に往復動可能に設けられたニードル弁と、前記弁体の先端部に形成され前記ニードル弁が離着座する弁座と、前記弁体において前記弁座よりも前記弁体の先端側にほぼ半球状に形成され前記ニードル弁の離座に伴って燃料通路に連通するサック部と、前記サック部にスリット状に開口され、そのスリット長が前記弁体の先端部の外部側に向けて広がる断面扇形状の噴孔とを備え、前記サック部内の燃料を前記ニードル弁の往復動作に基づいて前記噴孔から噴射するようにした内燃機関用燃料噴射弁において、前記弁座は前記ニードル弁とのシート部よりも先端部側に前記サック部のほぼ中心に向かう案内面を備えることを要旨とする。
【0008】上記構成によれば、ニードル弁が開弁してサック部が燃料通路に連通すると、燃料通路からサック部に供給される燃料の一部は弁座の案内面に従ってサック部のほぼ中心に導かれ、サック部の中心部の圧力が高くなる。サック部の中心部の圧力が高くなると、サック部の中心から径方向に作用する圧力が高くなるため、噴孔の形状に応じた断面扇形の噴霧形状を確実に得ることができ、よって噴霧の微粒化(気化)を促進することができる。
【0009】請求項3に記載の発明は、筒状をなす弁体と、同弁体内に往復動可能に設けられたニードル弁と、前記弁体の先端部に形成され前記ニードル弁が離着座する弁座と、前記弁体において前記弁座よりも前記弁体の先端側にほぼ半球状に形成され前記ニードル弁の離座に伴って燃料通路に連通するサック部と、前記サック部にスリット状に開口され、そのスリット長が前記弁体の先端部の外部側に向けて広がる断面扇形状の噴孔とを備え、前記サック部内の燃料を前記ニードル弁の往復動作に基づいて前記噴孔から噴射するようにした内燃機関用燃料噴射弁において、前記ニードル弁は同ニードル弁の開弁時において前記弁座とのシート部よりも先端部側に前記サック部のほぼ中心に向かう案内面を備え、前記弁座は前記ニードル弁とのシート部よりも先端部側に前記サック部のほぼ中心に向かう案内面を備えることを要旨とする。
【0010】上記構成によれば、ニードル弁が開弁してサック部が燃料通路に連通すると、燃料通路からサック部に供給される燃料はニードル弁の案内面に従ってサック部のほぼ中心に導かれるとともに、弁座の案内面に従ってサック部のほぼ中心に導かれ、サック部の中心部の圧力が高くなる。サック部の中心部の圧力が高くなると、サック部の中心から径方向に作用する圧力が高くなるため、噴孔の形状に応じた断面扇形の噴霧形状をより確実に得ることができ、よって噴霧の微粒化(気化)を促進することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本発明を筒内噴射式内燃機関用の燃料噴射弁に適用した第1実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
【0012】図1は、この燃料噴射弁の先端部分の断面構造を示し、図2は図1の2−2線に沿った断面構造を示している。これら各図に示されるように、燃料噴射弁10は、その内部に燃料が供給される筒状をなす弁体11、同弁体11の中心軸線Cに沿って往復動可能なニードル弁15、弁体11の先端部に形成されたサック部12、同サック部12に開口された噴孔13等を備えて構成される。
【0013】上記サック部12は弁体11の中心軸線C上にある点Oを中心とした略半球状に形成されている。弁体11の内周面とニードル弁15の外周面との間には、このサック部12内に燃料を供給するための燃料通路20が形成されており、同通路20は図示しないデリバリパイプに接続されている。また、弁体11の内壁にはニードル弁15の先端部16が離着座可能な弁座14が上記燃料通路20とサック部12との間に位置して形成されている。なお、弁座14の案内面14aは前記サック部12の中心Oよりも内部側に向かうように形成されている。従って、ニードル弁15の先端部16が離座するとサック部12が燃料通路20と連通される。
【0014】ニードル弁15の先端部16には前記弁座14に当接するシート部17が形成されている。ニードル弁15の先端部16にはシート部17よりも先端部側に円錐状部18が形成され、その外表面がニードル弁15の開弁時において前記サック部12の中心Oに向かう案内面19となっている。すなわち、図1,2に示すようにニードル弁15の閉弁時において円錐状部18の先端位置はサック部12の中心Oよりも内部側に位置する。図3に示すようにニードル弁15の開弁時において円錐状部18の先端位置はほぼサック部12の中心Oに位置し、案内面19は前記サック部12の中心Oに向かうこととなる。
【0015】噴孔13は、燃料の通過する部分の断面形状が長方形を呈したスリット状の孔であり、図1に示されるように、前記サック部12の中心Oを基準にして弁体11の中心軸線Cに対して所定角度だけ傾斜した方向に沿って形成されている。因みに、このように噴孔13の形成方向を傾斜させることで、同噴孔13から噴射される燃料を機関ピストン(図示略)の頂面で跳ね返らせ、点火プラグ(図示略)の近傍に集めることが可能になる。
【0016】また、噴孔13は、そのスリット長W(図2参照)がサック部12側から外部側に向けて徐々に長くなるように形成されている。このようにスリット長Wが設定されることにより、噴孔13は、その形成方向に沿った断面形状が略扇形状となっている。
【0017】更に、噴孔13は、図2に示す断面において、サック部12側の開口部(以下、「入口部」という)21の周縁と外部側の開口部(以下、「出口部」という)22の周縁とを結ぶ直線L1,L2が、サック部12の中心Oで交わるように、上記入口部21及び出口部22がそれぞれ形成されている。因みに、サック部12から噴孔13に流れ込む燃料の量は、入口部21の開口面積によって決定される。
【0018】以上説明した本実施形態の燃料噴射弁10において、図3に示すように、ニードル弁15のシート部17が弁座14から離れると、燃料通路20とサック部12とが連通され、サック部12には燃料通路20から燃料が供給される。その結果、サック部12内の燃料圧力が上昇する。燃料通路20からサック部12に供給される燃料の一部はニードル弁15の案内面19に従ってほぼサック部12の中心Oに導かれるため、サック部12の中心Oの圧力が最も高くなる。そして、サック部12の中心から径方向に作用する圧力が高くなるため、サック部12内の燃料は噴孔13の形状に応じた断面扇形の噴霧形状にて機関燃焼室(図示略)内に噴射される。この結果、噴霧の微粒化(気化)が促進されるようになる。
【0019】一方、ニードル弁15の先端部16が弁座14に着座すると、燃料通路20とサック部12との連通が遮断され、同サック部12内の燃料圧力が低下して燃料噴射も停止される。
【0020】以上詳述したように、この実施形態にかかる燃料噴射弁10によれば、以下に示すような優れた効果がある。
・ 噴孔13の形状に応じた断面扇形の噴霧形状を確実に得ることができ、よって噴霧の微粒化(気化)を促進することができる。
【0021】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態を図4に従って説明する。なお、重複説明を避けるため、図2において説明したものと同じ要素については、同じ参照番号が付されている。また、前述した第1実施形態の燃料噴射弁10との相違点を中心に説明する。
【0022】図4は、本実施形態の燃料噴射弁25の噴孔13付近における断面構造を示す。本実施形態において、燃料噴射弁25のニードル弁26の先端部27には前記弁座14に当接するシート部28が形成されている。ニードル弁26の先端部27にはシート部28よりも先端部側に円錐台部29が形成されている。図4に二点鎖線で示すようにニードル弁26の閉弁時においても円錐台部29の先端位置はサック部12の中心Oよりも外部側に位置するが、実線で示すニードル弁26の開弁時において円錐台部29の外周面が前記サック部12の中心Oに向かう案内面30となっている。
【0023】燃料噴射弁25のその他の構成は前記燃料噴射弁10と同様である。以上説明した本実施形態の燃料噴射弁25において、図4に実線で示すように、ニードル弁26のシート部28が弁座14から離れると、燃料通路20とサック部12とが連通され、サック部12には燃料通路20から燃料が供給される。その結果、サック部12内の燃料圧力が上昇する。燃料通路20からサック部12に供給される燃料の一部はニードル弁26の案内面30に従ってほぼサック部12の中心Oに導かれるため、サック部12の中心Oの圧力が最も高くなる。そして、サック部12の中心から径方向に作用する圧力が高くなるため、サック部12内の燃料は噴孔13の形状に応じた断面扇形の噴霧形状にて機関燃焼室(図示略)内に噴射される。この結果、噴霧の微粒化(気化)が促進されるようになる。
【0024】以上詳述したように、この実施形態にかかる燃料噴射弁25によれば、以下に示すような優れた効果がある。
・ 噴孔13の形状に応じた断面扇形の噴霧形状を確実に得ることができ、よって噴霧の微粒化(気化)を促進することができる。
【0025】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施形態を図5に従って説明する。なお、重複説明を避けるため、図2において説明したものと同じ要素については、同じ参照番号が付されている。また、前述した第1実施形態の燃料噴射弁10との相違点を中心に説明する。
【0026】図5は、本実施形態の燃料噴射弁35の噴孔13付近における断面構造を示す。本実施形態において、燃料噴射弁35の弁体11の内壁にはニードル弁15の先端部16が離着座可能な弁座36が燃料通路20とサック部12との間に位置して形成されている。弁座36にはニードル弁15とのシート部よりも先端部側にほぼサック部12の中心Oに向かう案内面37が形成されている。
【0027】なお、本実施形態において、ニードル弁15の円錐状部18の先端位置は同ニードル弁15の閉弁状態においてもサック部12の中心Oよりも外部側に位置している。
【0028】燃料噴射弁35のその他の構成は前記燃料噴射弁10と同様である。以上説明した本実施形態の燃料噴射弁35において、図5に二点鎖線で示すように、ニードル弁15のシート部17が弁座36から離れると、燃料通路20とサック部12とが連通され、サック部12には燃料通路20から燃料が供給される。その結果、サック部12内の燃料圧力が上昇する。燃料通路20からサック部12に供給される燃料の一部は弁座36に連続する案内面37に従ってほぼサック部12の中心Oに導かれるため、サック部12の中心Oの圧力が最も高くなる。そして、サック部12の中心から径方向に作用する圧力が高くなるため、サック部12内の燃料は噴孔13の形状に応じた断面扇形の噴霧形状にて機関燃焼室(図示略)内に噴射される。この結果、噴霧の微粒化(気化)が促進されるようになる。
【0029】以上詳述したように、この実施形態にかかる燃料噴射弁35によれば、以下に示すような優れた効果がある。
・ 噴孔13の形状に応じた断面扇形の噴霧形状を確実に得ることができ、よって噴霧の微粒化(気化)を促進することができる。
【0030】(第4実施形態)次に、本発明の第4実施形態を図6,7に従って説明する。なお、重複説明を避けるため、図5において説明したものと同じ要素については、同じ参照番号が付されている。また、前述した第3実施形態の燃料噴射弁35との相違点を中心に説明する。
【0031】図6は、本実施形態の燃料噴射弁40の噴孔13付近における断面構造を示す。本実施形態において、燃料噴射弁40の弁体11の内壁にはニードル弁41の先端部42が離着座可能な弁座36が燃料通路20とサック部12との間に位置して形成されている。弁座36にはニードル弁41とのシート部よりも先端部側にほぼサック部12の中心Oに向かう案内面37が形成されている。
【0032】ニードル弁41の先端部42には前記弁座36に当接するシート部43が形成されている。ニードル弁41の先端部42にはシート部43よりも先端部側に円錐状部44が形成され、その円錐状部44は中間部において括れている。円錐状部44の外表面は外に凹となっており、ニードル弁41の開弁時において前記サック部12の中心Oに向かう案内面45となっている。すなわち、図6に示すようにニードル弁41の閉弁時において円錐状部44の先端位置はサック部12の中心Oよりも内部側に位置する。図7に示すようにニードル弁41の開弁時において円錐状部44の先端位置はほぼサック部12の中心Oに位置し、案内面45は前記サック部12の中心Oに向かうこととなる。
【0033】燃料噴射弁40のその他の構成は前記燃料噴射弁35と同様である。以上説明した本実施形態の燃料噴射弁40において、図7に示すように、ニードル弁41のシート部43が弁座36から離れると、燃料通路20とサック部12とが連通され、サック部12には燃料通路20から燃料が供給される。その結果、サック部12内の燃料圧力が上昇する。燃料通路20からサック部12に供給される燃料はニードル弁41の案内面45に従ってほぼサック部12の中心Oに導かれるとともに、弁座36に連続する案内面37に従ってほぼサック部12の中心Oに導かれるため、サック部12の中心Oの圧力が最も高くなる。そして、サック部12の中心から径方向に作用する圧力が高くなるため、サック部12内の燃料は噴孔13の形状に応じた断面扇形の噴霧形状にて機関燃焼室(図示略)内に噴射される。この結果、噴霧の微粒化(気化)が促進されるようになる。
【0034】以上詳述したように、この実施形態にかかる燃料噴射弁40によれば、以下に示すような優れた効果がある。
・ 噴孔13の形状に応じた断面扇形の噴霧形状をより確実に得ることができ、よって噴霧の微粒化(気化)を促進することができる。
【0035】なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
(イ) 上記第1実施形態において、ニードル弁15の閉弁時における円錐状部18の先端位置は、図2に二点鎖線で示すように、サック部12の中心Oよりもサック部12の内部側になるように設定してもよい。この場合にも、第1実施形態とほぼ同様の作用及び効果を得ることができる。
【0036】(ロ) 上記第4実施形態において、ニードル弁41の閉弁時における円錐状部44の先端位置は、図6に二点鎖線で示すように、サック部12の中心Oよりもサック部12の内部側になるように設定してもよい。この場合にも、第4実施形態とほぼ同様の作用及び効果を得ることができる。
【0037】(ハ) 上記第4実施形態において、ニードル弁41の円錐状部44の先端を図7の二点鎖線の位置にて省略して円錐台状に形成してもよい。この場合にも、第4実施形態とほぼ同様の作用及び効果を得ることができる。
【0038】・ 上記第1〜第4実施形態及び上記(イ)、(ロ)、(ハ)では、噴孔13を図1に示される位置(弁体11の中心軸線Cに対して所定角度傾斜する位置)に設けたが、この位置は適宜、その位置を変更することができる。例えば、噴孔13を上記中心軸線Cに沿って形成するようにしてもよい。
【0039】・ 上記第1〜第4実施形態及び上記(イ)、(ロ)、(ハ)では、噴孔13の入口部21の周縁と出口部22の周縁とを結ぶ直線L1,L2がサック部12の中心Oで交わるように設定したが、直線L1,L2の交点位置はサック部12の中心Oに規定されるものではなく適宜、その位置を変更することができる。例えば、噴孔13の入口部21の周縁と出口部22の周縁とを結ぶ直線L1,L2がサック部12の中心Oよりも外部側で交わるようにしてもよい。
【0040】次に、上記各実施形態から把握できる他の技術的思想を、以下に記載する。
(1) 請求項1及び3のいずれかに記載の内燃機関用燃料噴射弁において、前記ニードル弁の先端部が円錐状に形成され、その先端位置が同ニードル弁の開弁時には前記サック部のほぼ中心に位置するように設定されている内燃機関用燃料噴射弁。
【0041】(2) 請求項1、請求項3及び上記(1)のいずれかに記載の内燃機関用燃料噴射弁において、前記噴孔は前記サック部のほぼ中心を基準にして形成されている内燃機関用燃料噴射弁。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成11年8月27日(1999.8.27)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
【公開番号】 特開2001−65431(P2001−65431A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−241819