| 【発明の名称】 |
筒内燃料噴射式エンジン |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 雅彦
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| 【要約】 |
【課題】高圧燃料配管内の脈動を低減させ正確な空燃比制御を行う。
【解決手段】高圧燃料ポンプ32により昇圧された高圧燃料を高圧燃料配管を介してインジェクタ13に供給する筒内燃料噴射式エンジンにおいて、前記高圧燃料配管の一部に収縮性を有する高圧ホース49、76を接続した構成。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】高圧燃料ポンプにより昇圧された高圧燃料を高圧燃料配管を介してインジェクタに供給する筒内燃料噴射式エンジンにおいて、前記高圧燃料配管の一部に収縮性を有する高圧ホースを接続したことを特徴とする筒内燃料噴射式エンジン。 【請求項2】前記高圧燃料配管の行き止まり部に高圧ホースを接続したことを特徴とする請求項1記載の筒内燃料噴射式エンジン。 【請求項3】前記インジェクタを取り付ける燃料供給レールと高圧燃料ポンプの間に高圧ホースを接続したことを特徴とする請求項1記載の筒内燃料噴射式エンジン。 【請求項4】前記高圧ホースは、弾性材からなる内管と、該内管の外周に積層された樹脂繊維層と、該樹脂繊維層の外周に積層された保護層とからなることを特徴とする請求項1ないし3記載の筒内燃料噴射式エンジン。 【請求項5】前記エンジンはクランク軸が縦置きで複数の気筒がVバンクをなすように2列に配設され、前記燃料供給レールは各列のシリンダヘッドに固定されており、前記燃料供給レールの少なくとも一方の下部に高圧ホースを接続したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の筒内燃料噴射式エンジン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、筒内燃料噴射式エンジンにおいて高圧燃料の脈動を防止する技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】従来、例えば、特開平11−182282号公報に示すように、燃焼後の排気の空燃比を検出する空燃比センサを設け、目標空燃比になるように気筒内噴射する燃料噴射量をフィードバック制御し、これによりエンジン性能や排ガス特性、燃費の向上を図るようにした筒内燃料噴射式エンジンが知られている。このエンジンにおいては、高圧ポンプにて燃料を加圧した状態を作り出し、インジェクタの開弁時間を制御することにより、燃料噴射量を計算している。一方、高圧ポンプやインジェクタは、それ自身が作動する際、燃料中に脈動を発生させ、燃料噴射量の精度を低下させることから、極力、脈動の発生を小さくすることが望まれている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、エンジンの直噴化の進展に伴い燃料圧力が増大し、高圧燃料配管の金属化が進んだために、脈動振幅は大きく且つ減衰しにくくなり、脈動に伴う燃料噴射量の精度への影響が顕著に現れるようになった。具体的な不具合としては、インジェクタの開弁遅れによる噴射タイミングのズレ、実噴射量の低下などであり、その結果、的確な空燃比制御ができなくなるという問題を有している。 【0004】特に、船外機などのクランク軸が縦方向に配設されたエンジンにおいては、特開平11−182282号公報に示すように、クランク軸の回転により高圧燃料ポンプを駆動させる関係上、高圧燃料ポンプや高圧圧力調整弁は、燃料配管である燃料供給レールの上方に配置しているが、燃料供給レールの下端が燃料脈動の反射端となり脈動が大きくなるため、燃料供給レールの下端に近いインジェクタほど、配管内の燃料脈動の影響を受けることになる。一方、燃料噴射量は、燃料圧力が一定であることを前提にして通電時間にて燃料噴射量の計算を行って空燃比制御を行っているが、燃料圧力が変動すると燃料噴射量も変動し正確な空燃比制御ができず、燃焼の悪化につながるという問題が生じる。 【0005】本発明は、上記従来の問題、課題を解決するものであって、高圧燃料配管内の脈動を低減させ正確な空燃比制御を行うことができる筒内燃料噴射式エンジンを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、高圧燃料ポンプにより昇圧された高圧燃料を高圧燃料配管を介してインジェクタに供給する筒内燃料噴射式エンジンにおいて、前記高圧燃料配管の一部に収縮性を有する高圧ホースを接続したことを特徴とし、請求項2記載の発明は、請求項1において、前記高圧燃料配管の行き止まり部に高圧ホースを接続したことを特徴とし、請求項3記載の発明は、請求項1において、前記インジェクタを取り付ける燃料供給レールと高圧燃料ポンプの間に高圧ホースを接続したことを特徴とし、請求項4記載の発明は、請求項1〜3において、前記高圧ホースは、弾性材からなる内管と、該内管の外周に積層された樹脂繊維層と、該樹脂繊維層の外周に積層された保護層とからなることを特徴とし、請求項5記載の発明は、請求項1において、前記エンジンはクランク軸が縦置きで複数の気筒がVバンクをなすように2列に配設され、前記燃料供給レールは各列のシリンダヘッドに固定されており、前記燃料供給レールの少なくとも一方の下部に高圧ホースを接続したことを特徴とする。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の筒内燃料噴射式エンジンの1実施形態を示す船外機の模式図であり、図(A)はエンジンの平面図、図(B)は図(A)のB−B線に沿う縦断面図、図(C)は船外機の側面図、図(D)は燃料供給系の構成図である。 【0008】1は船外機であり、クランク軸10が縦置き状態で搭載されるエンジン2と、エンジン2の下端面に接続されエンジン2を支持するガイドエキゾースト部3と、ガイドエキゾースト部3の下端面に接続されるアッパケース4、ロアケース5及びプロペラ6からなる。上記エンジン2は、筒内噴射式V型6気筒2サイクルエンジンであり、6つの気筒#1〜#6が平面視でVバンクをなすように横置き状態で且つ縦方向に2列に配設されたシリンダボディ7に、シリンダヘッド8が連結、固定されている。アッパケース4内にはエンジンにより駆動される冷却水ポンプ18が設けられ、ロアケース5に形成された冷却水取入口5aから冷却水を図示矢印に示す如く、エンジン2内を循環させ、プロペラ6近傍から排出するようにしている。 【0009】上記各気筒#1〜#6内には、ピストン11が摺動自在に嵌合配置され、各ピストン11はクランク軸10に連結されている。シリンダヘッド8には、磁力で開閉作動されるソレノイド開閉式のインジェクタ(燃料噴射弁)13及び点火プラグ14が装着されている。各気筒#1〜#6は、それぞれ掃気ポート(図示せず)によりクランク室12に連通され、また、気筒#1〜#6には排気ポート15が接続されている。図1(B)の左バンクの排気ポート15は左集合排気通路16に、右バンクの排気ポート15は右集合排気通路17に合流されている。エンジン2のクランク室12には、吸気マニホールドから分岐する吸気通路19が接続されており、該吸気通路19には、逆流防止用のリード弁20が配設され、また、リード弁20の下流側には、エンジン内にオイルを供給し潤滑するためのオイルポンプ21が配設され、リード弁20の上流側には、吸気量を調節するためのスロットル弁22が配設されている。 【0010】図1(D)に示すように、船体側に設置されている燃料タンク23内の燃料は、手動式の第1の低圧燃料ポンプ25により燃料フィルタ26を経て船外機側の第2の低圧燃料ポンプ27に送られる。この第2の低圧燃料ポンプ27は、エンジン2のクランク室12のパルス圧により駆動されるダイヤフラム式ポンプであり、燃料を、気液分離機能を有する燃料タンクであるベーパーセパレータタンク29に送る。ベーパーセパレータタンク29内には、電動モータにより駆動される燃料予圧ポンプ30が配設されており、燃料を加圧し予圧配管31を経て高圧燃料ポンプ32に送る。高圧燃料ポンプ32の吐出側は、右バンクの気筒#1、#3、#5と左バンクの気筒#2、#4、#6に沿ってそれぞれ縦方向に配設された燃料供給レール33a、33bに高圧ホース49を介して接続されるとともに、高圧圧力調整弁35および燃料冷却器36、戻り配管37を介してベーパーセパレータタンク29に接続されている。また、予圧配管31とベーパーセパレータタンク29間には予圧圧力調整弁39が設けられている。高圧燃料ポンプ32は、ポンプ駆動ユニット40により駆動される。このポンプ駆動ユニット40はベルト41を介してクランク軸10に連結されている。 【0011】エンジン潤滑用のオイルポンプ21は、クランク軸10の回転により駆動されるポンプであり、船体側に設置されたサブタンク50からエンジン側に配設されたメインタンク51を経て吸気通路19内にオイルを供給する。また、メインタンク51のオイルは、フィルタ52、プリミックス用オイルポンプ53、チェック弁54を介してベーパーセパレータタンク29に供給するように構成されている。プリミックス用オイルポンプ53は、電磁ソレノイドで駆動する方式のものや電動モータにより駆動するタイプのポンプを採用する。 【0012】ECU(電子制御装置)42には、エンジン2の運転状態や船外機1の状態を示す各種センサからの検出信号が入力される。例えば、クランク軸10の回転角(回転数)を検出するエンジン回転数センサ43、吸気通路19内の温度を検出する吸気温センサ44、スロットル弁22の開度を検出するスロットル開度センサ45、最上段の気筒#1内の空燃比を検出するに空燃比センサ46、高圧燃料配管34内の圧力を検出する燃圧センサ47、エンジンの冷却水温度を検出する冷却水温センサ48、燃料フィルタ26で分離した水の量を検出する水検出センサ55、排気圧力を検出する排圧センサ38、オイルタンク51のオイル量を検出するオイルレベルセンサ56、外気温度センサ57、エンジンの姿勢を検出するトリムセンサ28等の検出信号が入力される。ECU42は、これら各センサの検出信号を制御マップに基づき演算処理し、制御信号をインジェクタ13、点火プラグ14、予圧燃料ポンプ30、プリミックス用オイルポンプ53に伝送する。 【0013】上記構成からなるエンジンの作用について説明する。ベーパーセパレータタンク29内の燃料は、燃料予圧ポンプ30により例えば3〜10kg/cm2程度に予圧され、加圧された燃料は、高圧燃料ポンプ32により50〜100kg/cm2程度若しくはそれ以上に加圧され、加圧された高圧燃料は、圧力調整弁35にて設定圧を越える余剰燃料がベーパーセパレータタンク29に戻され、必要な高圧燃料分のみを燃料供給レール33に供給し、各気筒#1〜#6に装着したインジェクタ13に供給される。オイルポンプ21は、クランク軸10の回転により駆動され、オイルをサブタンク50、メインタンク51から吸気通路19内に供給しエンジン内部を潤滑する。 【0014】図2は、図1の船外機の平面図である。なお、以下の説明では前述の図と同一の構成には同一番号を付けて説明を省略する場合がある。クランク軸10にはフライホイール73が固定され、その上部すなわちクランク軸10の上端に駆動プーリ60が取り付けられ、また、ポンプ駆動ユニット40の回動軸61には従動プーリ62が設けられ、駆動プーリ60と従動プーリ62には駆動ベルト41が張設されている。ポンプ駆動ユニット40にはボルト59により高圧燃料ポンプ32が取り付けられている。これによりクランク軸10の回転が駆動ベルト41を介して回動軸61に伝達され、高圧燃料ポンプ32を駆動するようにしている。 【0015】シリンダボディ7には取付用ステー63が固定され、ポンプ駆動ユニット40は、取付用ステー63及びシリンダボディ7に3本のボルト64、65、66により取り付けられている。また、燃料供給レール33a、33bおよび燃料噴射弁13は、シリンダヘッド8にボルトにより固定され、燃料噴射弁13は燃料供給レール33a、33bに接続されている。また、高圧燃料ポンプ32は燃料給排ユニット67を有し、燃料給排ユニット67の2つの出口と左右の燃料供給レール33a、33bはそれぞれコネクタ69および高圧ホース49により接続されている。なお、図中、1aはエンジンカバー、70はスタータモータ、71はベルトテンショナー、72はサイレンサ、75はスロットルボディである。 【0016】図3は図2でY方向から見た図、図4は図3の平面図である。燃料給排ユニット67と圧力調整弁35は、ジョイント74、高圧燃料通路75を介して接続されている。また、燃料給排ユニット67は接続具69、耐炎性を有するチューブ90を巻いた高圧ホース49を介して左右一対の燃料供給レール33a、33bに接続されている。そして、一方の燃料供給レール33bの下部の行き止まり部には、高圧ホース76が接続具77を介して接続されている。なお、高圧ホース76は他方の燃料供給レール33aの下部に設けてもよいし、両方の燃料供給レールに設けてもよい。 【0017】図3において、燃料供給レール33a、33bには、切欠部91が形成されており、切欠部91は、インジェクタ13の固定金具79をボルト92にて締結する際の工具逃げで良好な組み付け性が確保される。また、搬送時等組立前に燃料供給レール33a、33bからインジェクタ13が抜け落ちないように、図4に示す如くクリップ93が設けられており、このクリップ93はインジェクタ13の回り止め(位置決め)も兼ねており、インジェクタ13の脱着性が良好にできるようになっている。さらに、クリップ93に一体成形されたラック状の部分93aは、各インジェクタ13のリード線をクランプするためのもので、リード線引っ掛けによる損傷を防止している。 【0018】図5は、前記高圧ホース49、76を示し、図5(A)は側面図、図5(B)は断面図である。高圧ホース49は、ゴムまたは樹脂等の弾性材からなる内管49aと、内管49aの外周に積層されたを覆う弾性を有する樹脂繊維層49bと、樹脂繊維層49bの外周に積層されたゴム製の保護層49cとからなっている。この高圧ホースは、適度な収縮性を有し且つ強度的に優れるため、高圧燃料の脈動をホース自身が収縮することで大幅に低減させることができる。図6は実験結果を示し、左側の燃料供給レール33bでの#2、#4、#6気筒側のインジェクタの脈動巾が、従来(上段)の場合と比べて本発明(下段)の場合には大幅に低下することが判った。 【0019】図7は、本発明の他の実施形態を示し図3と同様の図である。図3の実施形態は、高圧ホース76を一方の燃料供給レール33bから水平方向に延設しているが、本実施形態においては、燃料供給レール33bの内側に垂直方向に延設した例を示している。 【0020】以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、船外機に適用した例について述べているが、自動車にも適用可能である。また、2サイクルエンジン限定されるものではなく、4サイクルエンジンにも適用可能である。さらに、V型エンジンに限定されるものではなく、直列型エンジンにも無論適用可能である。 【0021】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項1〜4記載の発明によれば、金属配管を多用した高圧燃料配管を使用しても、燃圧脈動を低減することができ、燃料噴射量を高精度で制御することができ、正確な空燃比制御を行うことができ、請求項5記載の発明によれば、クランク軸が縦置きで複数の気筒がVバンクをなすように2列に配設されエンジンに好適に採用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000176213 【氏名又は名称】三信工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年8月24日(1999.8.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092509 【弁理士】 【氏名又は名称】白井 博樹 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−65426(P2001−65426A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願平11−236461 |
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