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【発明の名称】 蒸発ガス処理機器の評価装置
【発明者】 【氏名】板倉 秀明

【氏名】太田 久喜

【氏名】加藤 直也

【氏名】兵道 義彦

【要約】 【課題】キャニスタ等の蒸発ガス処理機器を、簡易に制御性よく評価する装置を実現し、給油設備を用いずに、所望の流量の燃料蒸気を速やかにかつ連続的にキャニスタに供給可能とする。

【解決手段】燃料蒸気を発生する蒸気発生手段として、蒸気供給源となるガソリンGを収容し蒸気口13にてキャニスタに連通する半密閉の燃料タンク1と、燃料タンク1内のガソリンGにN2 を導入するガス導入ライン51を設ける。ガソリンGにN2 を導入すると、燃料タンク1内の飽和蒸気状態が崩れ、飽和状態に戻ろうとするためにガソリンGが蒸発する。この体積膨張分を蒸気口13から取り出すことで、N2 導入量に応じた所望の量の燃料蒸気をキャニスタ3に供給できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 蒸発ガス処理機器の浄化対象となる物質を含有する蒸気を発生する蒸気発生手段を備え、該蒸気発生手段で発生させた蒸気を上記蒸発ガス処理機器へ供給してその浄化性能を評価する装置であって、上記蒸気発生手段が、上記蒸気の供給源となる液体を収容するとともに上記蒸発ガス処理機器に連通する蒸気口を有する半密閉容器と、この半密閉容器内の上記液体に、該液体と化学反応しないガスを導入するガス導入手段を有し、上記ガスの導入とこれに伴う上記液体の蒸発による体積膨張分を、上記蒸気として上記蒸気口より上記蒸発ガス処理機器へ導出することを特徴とする蒸発ガス処理機器の評価装置。
【請求項2】 上記半密閉容器内の上記液体温度を調整する温調手段と、上記ガス導入手段により導入される上記ガスの流量を調整する流量調整手段を有する請求項1記載の蒸発ガス処理機器の評価装置。
【請求項3】 上記蒸発ガス処理機器と上記半密閉容器の上記蒸気口を連結する連通路の途中に、上記蒸気口より導出される上記蒸気と化学反応しないガスを導入することにより、上記蒸気中の上記物質濃度を調整する濃度調整手段を設けた請求項1または2記載の蒸発ガス処理機器の評価装置。
【請求項4】 上記蒸発ガス処理機器の大気連通口に、上記物質の濃度を検出する濃度検出手段を設けるとともに、該濃度検出手段により上記大気連通口からの上記物質の排出が検出された時に、上記蒸発ガス処理機器への上記蒸気の供給を停止する制御手段を設けた請求項1ないし3のいずれか記載の蒸発ガス処理機器の評価装置。
【請求項5】上記制御手段が、上記濃度検出手段の検出結果を基に上記大気連通口から排出される上記物質の量を積算し、該積算量が所定量以上となった時に、上記蒸発ガス処理機器への上記蒸気の供給を停止する請求項4記載の蒸発ガス処理機器の評価装置。
【請求項6】上記ガスの導入量が所定量となった時点で上記ガスの導入を停止する請求項1ないし3のいずれか記載の蒸発ガス処理機器の評価装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸発ガス処理機器に、浄化対象となる蒸気を供給して、その浄化性能を評価するための評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる蒸発ガス処理機器には、例えば、車両用のキャニスタがあり、車両放置時や給油時に燃料タンクで発生する燃料蒸気を処理している。キャニスタは、容器内に燃料蒸気の吸着材として活性炭を充填してなり、燃料タンクから放出される燃料蒸気を一時的に吸着保持して大気への放出を防止している。キャニスタに吸着した燃料蒸気は、エンジン作動時に導入される外気とともに吸気管に送られ、キャニスタが再生される。
【0003】近年、大気汚染物質の放出に関する規制が強化されており、1998年より米国にて給油時の燃料蒸気の大気放出を規制する、いわゆるORVR規制が施行されている。ORVR規制では、給油時に燃料タンク内空間に滞留している燃料蒸気を全てキャニスタで捕集する必要があり、このため、キャニスタの開発段階において燃料蒸気捕集能力の評価試験を繰り返し行う必要が生じている。
【0004】キャニスタの性能評価を行う場合、一般には、実機の燃料タンクに実際に給油して発生させた燃料蒸気をキャニスタに導入することに行っている。しかしながら、この方法では給油設備が必要であり、給油設備が設置された場所でしか試験ができない。また、複数の給油設備を設置すると、空間およびコスト面での制約がさらに大きくなることから、複数のキャニスタの評価を同時に行うことは現状では困難で、キャニスタの評価効率が悪いといった問題が生じていた。
【0005】そこで、実機の燃料タンクに給油するのと同様の条件で、浄化対象となる燃料蒸気を発生させ、キャニスタに供給することのできる評価用の装置を用いることが検討されている。このような評価装置としては、例えば、蒸気源となる液体燃料を半密閉容器内に収容し、燃料を昇温して蒸発させることにより、その膨張分をキャニスタに導出するもの、あるいは液体燃料を収容する半密閉容器内に、さらに液体燃料を注入し、容器内に滞留している燃料蒸気をキャニスタに導出するもの等が考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の装置において、容器から排出される燃料蒸気の流量は、燃料の昇温速度に依存するため、所望の流量が即座に得られない問題が生ずる。一方、後者の装置では、燃料蒸気の排出流量は液体燃料の注入速度に比例するため、注入速度を調整すれば所望の流量を得ることが可能である。ところが、燃料蒸気の排出量に限度があり、容器内が全て液体燃料で満たされた時点で燃料蒸気の供給ができなくなる問題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、蒸発ガス処理機器の評価のために、浄化対象となる蒸気を大がかりな設備を要さずに供給可能で、しかも、所望の流量の蒸気を速やかにかつ連続的に供給することができる、簡易で制御性に優れた蒸発ガス処理機器の評価装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1において、蒸発ガス処理機器の評価装置は、蒸発ガス処理機器の浄化対象となる蒸気を発生する蒸気発生手段を備える。上記蒸気発生手段は、上記蒸気の供給源となる液体を収容するとともに上記蒸発ガス処理機器に連通する蒸気口を有する半密閉容器と、この半密閉容器内の上記液体に、該液体と化学反応しないガスを導入するガス導入手段を有し、上記ガスの導入とこれに伴う上記液体の蒸発による体積膨張分を、上記蒸気として上記蒸気口より導出し、上記蒸発ガス処理機器に供給する。
【0009】上記半密閉容器内は、蒸気供給源となる上記液体が蒸発してほぼ飽和状態にある。ここに上記ガス導入手段から上記液体と化学反応しないガスを導入すると、この飽和蒸気状態が崩れる。この時、蒸気は飽和状態に戻ろうとするので、上記液体の蒸発が起こる。つまり、注入したガスとその際の上記液体の蒸発分だけ体積が膨張し、これに相当する体積の飽和蒸気が、上記蒸気口から上記容器外に排出されることになる。これを蒸発ガス処理機器へ導入する上記蒸気として利用すれば、大がかりな設備を要さず、上記ガス導入量に応じた量の蒸気を、速やかにかつ連続的に供給可能な評価装置が得られ、構成が簡易で制御性にも優れている。
【0010】請求項2の構成では、上記半密閉容器内の上記液体温度を調整する温調手段と、上記ガス導入手段により導入される上記ガスの流量を調整する流量調整手段を有する。
【0011】気体の状態方程式により、任意の温度における飽和蒸気中の蒸気のモル数とそれ以外のガスのモル数は一義的に決まる。つまり、上記液体の温度を制御すれば、注入ガスに対し蒸発する蒸気のモル数が分かるため、注入するガス量に対する上記蒸発ガス処理機器への蒸気導入量が把握できる。よって、上記温調手段で上記液体温度を、上記流量調整手段で上記液体に注入されるガス流量を制御することで、単位時間当たりの蒸気排出量を可変とすることができ、所望の流量の飽和蒸気を上記蒸発ガス処理機器へ導入することができる。
【0012】請求項3の構成では、上記蒸発ガス処理機器と上記半密閉容器の上記蒸気口を連結する連通路の途中に、上記蒸気口より導出される上記蒸気と化学反応しないガスを導入することにより、上記蒸気中の上記物質濃度を調整する濃度調整手段を設ける。
【0013】上記蒸発ガス処理機器へ至る上記連通路の途中に、上記蒸気と化学反応しないガスを導入すると、上記蒸発ガス処理機器へ流入する蒸気中の上記物質の濃度を可変とすることができる。これにより、飽和蒸気よりも濃度の低い蒸気が得られるので、上記蒸発ガス処理機器の幅広い評価が可能となる。
【0014】請求項4の構成では、上記蒸発ガス処理機器の大気連通口に、上記物質の濃度を検出する濃度検出手段を設けるとともに、該濃度検出手段により上記大気連通口からの上記物質の排出が検出された時に、上記蒸発ガス処理機器への上記蒸気の供給を停止する制御手段を設ける。
【0015】上記蒸発ガス処理機器の評価には、例えば、処理可能な上記蒸気の最大量を知ることが重要である。そこで、上記制御手段を設けて、上記濃度検出手段により上記大気連通口からの上記物質の排出が検出された時点、すなわち上記大気連通口からの上記物質の洩れが発生した時点で、自動的に上記蒸気の供給を停止する。これにより、性能限界の判定に際し、人為的誤差が生じるのを排除することができる。
【0016】請求項5の構成では、上記制御手段が、上記濃度検出手段の検出結果を基に上記大気連通口から排出される上記物質の量を積算し、該積算量が所定量以上となった時に、上記蒸発ガス処理機器への上記蒸気の供給を停止する。
【0017】上記蒸発ガス処理機器を評価する際には、性能限界の判定のみならず、性能限界を越えて所定量の物質が排出された状態等、種々の状態での評価が必要となることがある。そこで、上記制御手段にて、上記大気連通口から排出される上記物質の量を積算し、該積算量が所定量以上となった時に自動的に上記蒸気の供給を停止するようにすれば、性能限界を越えたほぼ同一状態の複数の上記蒸発ガス処理機器を容易に得ることができるので、性能解析等に有用である。
【0018】請求項6の構成では、上記ガスの導入量が所定量となった時点で上記ガスの導入を停止するものとする。
【0019】上記蒸発ガス処理機器の評価に際しては、性能限界の判定のみならず、性能限界前の種々の状態での評価が必要となることがある。そこで、上記ガス導入手段による上記ガスの導入量が所定量となった時に、上記ガスの供給を停止するようにすれば、性能限界前のほぼ同一状態の複数の上記蒸発ガス処理機器を容易に得ることができるので、性能解析等に有用である。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明を蒸発ガス処理機器としてのキャニスタの評価装置に適用した一実施の形態について説明する。図1において、1は半密閉容器である燃料タンクで、連通路2によって評価対象となるキャニスタ3に接続している。燃料タンク1内には蒸気の供給源となる液体としての燃料、例えばガソリンGが封入されており、燃料タンク1で発生する蒸気(以下、燃料蒸気という)が、上面に設けた蒸気口13から連通路2を通じてキャニスタ3に導入するようになしてある。
【0021】燃料タンク1内には、ガス導入手段として、略L字状に屈曲成形された複数の多孔管4が、上端部を除いてガソリンGに浸るように配設されている。各多孔管4は、ガソリンGに浸っている部分、ここでは先端から屈曲部までの直線部分にガス導入用の多数の貫通孔41を有している。多孔管4の上端部は、それぞれフランジ42を介して燃料タンク1外部に延びるガス導入ライン51に連結しており、ガス導入ライン51は端部(図の左端部)に図略の窒素ガス(N2 )ボンベに接続される接続部52を有している。これにより、ガソリンGと化学反応を生じないガスとしてN2 が、ガス導入ライン51および多孔管4を経て、燃料タンク1内のガソリンGに導入されて気泡を発生する。また、ガス導入ライン51の途中には、流量調整用の弁部材とガス流量を計測する流量計を内蔵し、その弁開度を制御手段であるコンピュータ6にて制御することにより、導入されるN2 の流量を調整する流量調整手段71が設けてある。
【0022】ここで、各多孔管4の貫通孔41は、図2に示すように、例えば、周面の4箇所において、長手方向の複数箇所にほぼ等間隔で形成される。貫通孔41は、発生する気泡がガソリンG内に留まる時間が長くなるように、できるだけ小径で(例えば、孔径0.5mm)かつ多数形成するのがよい(例えば、5mm間隔)。これにより、ガソリンG内を上昇する気泡の速度が遅くなり、N2 の導入とこれに伴うガソリンGの蒸発を良好にバランスさせて、燃料タンク1内を飽和蒸気状態に保つことができる。同様の理由で、貫通孔41が形成される多孔管4の先端直線部を、燃料タンク1の底部付近に配設するのがよく、気泡がガソリンG表面に達するまでの時間が長くなる。また、多孔管4の数は、図1では例えば2本としたが、これに限らず、燃料タンク1容量や形状等に応じて適宜設定される。一般に、多孔管4の数が多いほど気泡が発生するエリアが広くなり、ガソリンG全体で均等に気泡が発生するので好ましい。
【0023】キャニスタ3は、筒状ケース内に燃料蒸気の吸着材となる活性炭31を充填してなる。活性炭31は、両端面の近傍にそれぞれ配設される図略の多孔板間に保持されており、ケース両端部には、図のように空間が形成されて、燃料蒸気が活性炭31全体に均等に分配されるようにしてある。キャニスタ3の一方の端面(図の右端面)には、上記連通路2に接続する燃料ポート32が設けられ、他端面(図の左端面)には大気連通口たる大気ポート33が形成されている。大気ポート33は、キャニスタ3から排出されるガス内のガソリン濃度を計測する濃度検出手段としてのHC(炭化水素)濃度計8に接続しており、その出力信号はコンピュータ6に随時入力される。
【0024】上記連通路2の途中には、濃度調整手段として、流量調整手段72を備える濃度調整ライン53が連結されている。濃度調整ライン53は端部(図の左端部)に図略のN2 ボンベに接続される接続部54を有しており、流量調整手段72は流量調整用の弁部材とガス流量を計測する流量計を内蔵し、その弁開度はコンピュータ6にて制御される。これにより、キャニスタ3へ流入する燃料蒸気に所望量のN2 を混合してその濃度を調整することができる。
【0025】また、燃料タンク1内には、燃料温度をモニタする温度センサ11が設置されて、その出力信号がコンピュータ6に随時入力されるとともに、必要な燃料蒸気量に応じて燃料温度を調整する温調器12が配設されている。なお、多孔管4へのガス導入より前に、燃料タンク1からキャニスタ3へ燃料蒸気が洩れると評価の精度が低下するので、これを防止する手段を設けるのがよい。本実施の形態では、上記連通路2の途中に、三方弁21を設けてサブキャニスタ22を接続しており、通常は、三方弁21をサブキャニスタ22側に開いて、燃料タンク1の蒸気口13とキャニスタ3の連通が遮断されるようにしている。
【0026】以下に、本発明の作動について説明する。まず、ガス導入ライン51の接続部52、およびガス導入ライン53の接続部54に、それぞれN2 ボンベを接続する。流量調整手段71、72は非通電状態で閉弁状態となるようにしてあり、燃料タンク1およびキャニスタ3へのN2 流入はこの時点ではない。一方、温調器12に通電して燃料タンク1内のガソリン温度を予め所定温度となるように調整し、実際のガソリン温度を温度センサ11からの出力としてコンピュータ6に入力する。この時、半密閉の燃料タンク1内では、ガソリンGが蒸発してその温度における飽和蒸気状態にある。ここに、ガソリンGにN2 を注入すると、燃料タンク1内の飽和蒸気状態が崩れ、飽和状態に戻ろうとしてガソリンGの蒸発が起こる。
【0027】このN2 の導入量の設定方法について説明する。気体の状態方程式により、任意の温度Tにおける飽和蒸気中の燃料蒸気のモル数とそれ以外のガスのモル数は一義的に決まるため、燃料温度T1でのN2 導入量Qに対する蒸気発生量Mは、図3のような一次関数で表される。そこで、この関係に基づき、必要な蒸気発生量M1からN2 導入量Q1を決定し、このN2 導入量Q1をコンピュータ6に入力して、燃料蒸気を発生させるための制御を開始する。コンピュータ6は、流量調整手段71の弁を開くとともにその開度を調整して、燃料導入ライン51から多孔管4に流入するN2 を所定流量に制御する。同時に、連通路2に設けた三方弁21を切り換えて、燃料タンク1とキャニスタ3を連通させる。
【0028】多孔管4に流入したN2 は、多数の貫通孔41から気泡となってガソリンG中に放出され、この気泡によって、燃料タンク1内の飽和蒸気状態が崩れる。これに対し、燃料タンク1内の燃料蒸気は飽和状態に戻ろうとするので、ガソリンGの蒸発が促進される。これに伴い、燃料タンク1内の燃料蒸気が膨張し、その膨張分、すなわち注入したN2 とその際のガソリンGの蒸発分に相当する体積の飽和蒸気が、蒸気口13から排出されることになる。この時の蒸気発生量がM1であり、連通路2を経て評価用のキャニスタ3へ導入することになる。
【0029】従って、ガソリンGの温度TとN2 の導入量Qを制御することで、キャニスタ3へ所望の量の燃料蒸気を導入することができる。さらに、流量調整手段72の弁を開いて濃度調整ライン53からN2 を導入することで、飽和蒸気よりも濃度の低い燃料蒸気を得ることができる。そして、流量調整手段72にてその流量を調整することで、所望の濃度の燃料蒸気をキャニスタ3へ導入することができるので、キャニスタ3の幅広い評価が可能となる。
【0030】また、キャニスタ3の性能限界を調べる場合には、キャニスタ3の大気ポート33に接続したHC濃度計8にて、大気ポート33からの燃料蒸気の洩れを検知する。コンピュータ6は、検出されるHC濃度が所定値を越えたら燃料蒸気の洩れと判断して、流量計71、72へ閉弁信号を送り、三方弁21を切り換えて直ちにキャニスタ3への燃料蒸気の流入を停止する。これによりキャニスタ3に吸着可能な燃料蒸気量を知ることができる。また、評価試験方法によっては、性能限界後、任意量の蒸気が洩れ出た状態のキャニスタ3が要求される場合がある。この場合には、HC濃度計8からコンピュータ6に出力される信号を、重量換算して積算し、積算量が所定の洩れ量に達した時点で流量計71、72へ閉弁信号を送り、三方弁21を切り換えてキャニスタ3への燃料蒸気の流入を停止すればよい。同様に、性能限界前のキャニスタ3が必要な場合には、およそ予想される吸着可能量に達しないように、N2 導入量の積算量を設定し、これが所定量となった時点で流量計71、72へ閉弁信号を送り、三方弁21を切り換えてキャニスタ3への燃料蒸気の流入を停止すればよい。これにより、性能限界前の任意の状態のキャニスタ3を得ることができる。
【0031】以上のように、本発明装置によれば、給油設備を必要とせず、また、実際に燃料を給油することなく、簡易にキャニスタ3の給油時の性能評価を行うことができる。また、濃度調整ライン53を設けて飽和蒸気よりも燃料濃度の低い蒸気の生成を可能にしたので、給油試験に限らず、幅広いキャニスタ評価が可能である。
【0032】上記実施の形態では、ガソリンGにガスを導入するために多数の貫通孔41を有する多孔管4を用いたが、これに代えて、図4に示す多孔プレート43を用いることもできる。多孔プレート43は、内部を中空とした直方体形状のプレートで、燃料タンク1内に配置された時に上面となる面に多数の通孔44を形成してなる。この多孔プレート43を用いた装置構成によっても同様の効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社日本自動車部品総合研究所
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成11年8月30日(1999.8.30)
【代理人】 【識別番号】100067596
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬
【公開番号】 特開2001−65413(P2001−65413A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−242592