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【発明の名称】 気化器の混合比調整装置
【発明者】 【氏名】荒木 悟

【要約】 【課題】調整弁の回転を制限するキャップに再調整を容易正確に行なわせる機能をもたせる。

【解決手段】調整弁11に装着されて腕片36がストッパ7に当たることにより一回転未満の再調整回転に制限するキャップ31に爪片37を突設し、この爪片37が凹凸条21の凸部で曲げられ凹部に復元嵌入する動作を繰返して回転することにより不連続な感触を与え、不用意な過回転をさせないとともに回転した角度を判らせて混合比再調整を容易且つ的確に行なわせるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料通路の有効面積を調整する手動の調整弁に装着されたキャップと、前記キャップに形成した腕片が当たって前記調整弁の一定以上の回転を阻止するストッパとからなる操作制限手段を具えた気化器の混合比調整装置において、前記キャップに設けられた爪片と、前記調整弁の中心軸線を中心とする円上に内向きに設けられた凹凸条とを有し、前記調整弁を回したとき前記爪片が前記凹凸条の凸部を抵抗を受けて通過し凹部に嵌装係合するようにされている、ことを特徴とする混合比調整装置。
【請求項2】 主燃料通路および低速燃料通路の有効面積を各別に調整する手動の調整弁に装着されたキャップと、前記キャップのそれぞれに形成した腕片が当たって前記調整弁の一定以上の回転を個別に阻止するストッパとからなる操作制限手段を具えた気化器の混合比調整装置において、前記キャップとのそれぞれに設けられた爪片と、前記調整弁のそれぞれの中心軸線を中心とする円上に内向きに設けられた凹凸条とを有し、前記調整弁を回したとき前記爪片が前記凹凸条の凸部を抵抗を受けて通過し凹部に嵌入係合するようにされている、ことを特徴とする混合比調整装置。
【請求項3】 前記キャップが合成樹脂で作られており前記腕片が前記凸部を弾性変形して通過する請求項1または2に記載した気化器の混合比調整装置。
【請求項4】 前記ストッパは気化器本体に設けられており、また凹凸条は前記気化器本体に形成した円形くぼみの内側周面に設けられている請求項1または2に記載した気化器の混合比調整装置。
【請求項5】 前記凹凸条は気化器本体に取り付けた環状部材の内側周面に設けられている請求項1または2に記載した気化器の混合比調整装置。
【請求項6】 前記環状部材が前記気化器本体に取り外し可能に取り付けられている請求項5に記載した気化器の混合比調整装置。
【請求項7】 前記主燃料通路の調整弁と低速燃料通路の調整弁とが互いに接近して平行に配置され、それらに装着した前記キャップの腕片が当たる前記ストッパが互いにもう一方のキャップである請求項2に記載した気化器の混合比調整装置。
【請求項8】 前記主燃料通路の調整弁と低速燃料通路の調整弁とが互いに接近して平行に配置され、それらに装着した前記キャップの爪片に対応する凹凸条が一つの長円形くぼみの向かい合った半円状部分に設けられている請求項2に記載した気化器の混合比調整装置。
【請求項9】 前記キャップの腕片は混合気濃化方向の回転を規制する第一腕片と混合気薄化方向の回転を規制する第二腕片とからなる請求項1,2または7に記載した気化器の混合比調整装置。
【請求項10】 前記キャップは前記調整弁に回転自由に保持される位置およびこれよりも深く嵌め込まれて一体回転するように保持される位置の二位置に装着されるものとされている請求項1または2に記載した気化器の混合比調整装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として携帯作業機械、小形車両などの動力源である汎用エンジンに燃料を供給する気化器に設けられる手動の混合比調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】汎用エンジン向けの気化器は取り扱う燃料が小流量であり、各部品の寸法や組付け位置の僅かな狂い、部品の品質の差異などがもたらす燃料流量の設定値からのずれによる混合比の高濃化や希薄化を無視することができない。
【0003】そのために、燃料通路に挿入されてその有効面積を無段階に変える針状の弁体と、気化器本体の内部にねじ込まれたねじ杆と、気化器本体の外部に露出してねじ杆を回すことにより弁体を前後動させる工具係合用の頭部とからなる調整弁を設け、気化器やエンジンの製造者または携帯作業機械や小形車両の製造者がこの調整弁を操作し最適の燃料流量に調整して出荷することが行なわれている。
【0004】前記の調整弁は頭部が露出しているために、使用の場所や条件の変化に対してエンジン性能を維持させるため、エンジンの一時的な不調を回復させるため、エンジン性能を更に向上させるため、などの目的で使用者が操作することがあり、混合気を過濃或いは過薄として排気規制適合範囲から外れるばかりか、出力を低下させる、エンジンを運転不能とする、などのトラブルの原因となる。
【0005】その対策として、製造者による調整済みの調整弁を排気規制適合範囲内で再調整可能とする操作制限手段がいくつか提案されている。即ち、特公昭47−42424号公報、米国特許第3,618,906号明細書には放射方向へ腕片を突設したキャップを調整弁の頭部に装着するとともに気化器本体を腕片が当たるストッパとして一回転以内の再調整しかできないようにしたもの、実開昭61−134555号公報、特開平6−317222号公報、米国特許第5,236,634号公報には、主燃料通路および低速燃料通路のそれぞれの調整弁を互いに接近させて平行に配置するとともに腕片が当たるストッパをもう一方の調整弁またはそのキャップとして一回転以内の再調整しかできないようにしたもの、がそれぞれ提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記の腕片付きキャップとストッパとからなる操作制限手段を具えた調整弁は、工具を頭部に係合して回すことにより一回転以内の回転をするものであり、ねじ杆の一ピッチ以下のストローク長で弁体が前後動する。その際、再調整する使用者は気化器本体のねじ孔とねじ杆の摩擦抵抗のみを受け、全体としてなめらかな感触で回転させるので、不用意に混合気を濃くする方向または薄くする方向へ腕片がストッパに当たるまで回してしまうことが多い。
【0007】このため、エンジン性能を却って低下させることがあり、腕片がストッパに当たっている位置から逆方向へ回して再々調整を試みても、再調整前の位置を記憶していないと目的の混合比が得られる位置に到達するのがきわめて困難となる。
【0008】本発明は操作制限手段によって限定される範囲内であっても最大限に回転させて再調整を失敗したり困難なものとすることが多い、という前記課題を解決するためになされたものであって、不用意に最大限まで回転させにくいとともにどの方向へどれだけ回したかを容易に知ることができ、従ってまた再調整前の位置も簡単に知ることができて容易に目的の混合比が得られる位置に再調整することができるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明は燃料通路の有効面積を調整する手動の調整弁に装着されたキャップと、このキャップに形成した腕片が当たって調整弁の一定以上の回転を阻止するストッパとからなる操作制限手段を具えた気化器の混合比調整装置について、キャップに爪片を設けるとともに調整弁の中心軸線を中心とする円上に内向きの凹凸条を設け、調整弁を回したとき爪片が凹凸条の凸部を抵抗を受けて通過し凹部に嵌入係合するようにした。
【0010】また、本発明は主燃料通路および低速燃料通路の有効面積を各別に調整する手動の調整弁に装着されたキャップと、このキャップのそれぞれに形成した腕片が当たって調整弁の一定以上の回転を個別に阻止するストッパとからなる操作制限手段を具えた気化器の混合比調整装置について、キャップのそれぞれに爪片を設けるとともに調整弁のそれぞれの中心軸線を中心とする円上に内向きの凹凸条を設け、調整弁を回したとき爪片が凹凸条の凸部を抵抗を受けて通過し凹部に嵌入係合するようにした。
【0011】使用者が再調整のため調整弁を回すと、爪片が凹凸の凸部を乗り越え凹部に嵌入する動作を繰り返すため「カチカチ」と不連続な感触を受ける。このため、凹部と凸部の周方向間隔を等間隔に形成することにより、「カチカチ」の回数によってどの方向へ何度回転させたかが判り、回転不足のため更に同方向へ回したり或いは過回転修正のため反対方向へ回す再々調整も容易に的確に行なうことができる。
【0012】爪片が凸部を乗り越えて凹部に嵌入する動作を確実に繰り返し、且つその都度たしかな感触を与えるためにはキャップを合成樹脂で作り爪片が弾性変形するようにすることが好適である。また、本発明の実施にあたってストッパを気化器本体に設けること、凹凸条を気化器本体に形成した円形くぼみまたは気化器本体に取り外し可能に取り付けた環状部材の内側周面に設けることが好ましい。更に、本発明を主燃料通路および低速燃料通路のそれぞれに調整弁が設けられているものについて実施する場合は、二つの調整弁を互いに接近させて平行に配置し、それぞれに装着したキャップの腕片が当たるストッパをもう一方のキャップとすること、或いは各キャップの爪片に対応する凹凸条を一つの長円形くぼみの向かい合った半円状部分に設けるのが好適である。
【0013】更にまた、本発明の実施にあたってキャップの腕片を混合気濃化方向の回転を規制する第一腕片と混合気薄化方向の回転を規制する第二腕片とからなるものとすること、或いはキャップを調整弁に回転自由に保持する位置と一体回転するように保持する位置の二位置に装着させることも好ましい形態である。
【0014】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1乃至図4は第一の実施の形態を示すものであって、気化器本体1の内部に形成されている燃料通路2の有効面積を調整する調整弁11は、燃料通路2に差込まれた針状の弁体12と、気化器本体1のねじ孔3にねじ込まれたねじ杆13と、気化器本体1の外部へ突出した軸部14およびその基端の工具係合用の頭部18とを有しており、軸部14は頭部18に隣接した環状の第一溝15とそれより先端側に少し離れた環状の第二溝16と更にそれより先端側に形成した平目状のローレットからなる回り止め部17とを有している。
【0015】気化器本体1のねじ孔3が開口している端面には環状突起5が突出形成され、その内側はねじ孔3、従って調整弁11の中心軸線を中心とする円形くぼみ6とされている。環状突起5の外側周縁部には円周方向に或る幅、一般には中心角30乃至40度の幅をもったストッパ7が突出形成されている。
【0016】また、円形くぼみ6の内側周面には、中心へ向かって円弧状に突出した凸部22の多数個とそれらの間の狭い谷幅とされた凹部23の多数個とを円周方向交互に形成してなる凹凸条21が設けられている。この凸部22と凹部23とは適宜の円周方向間隔で形成され、一般には中心角30度、従って一つの凸部22の中央とその両側の凹部23とは中心角15度ずつの間隔とされる。
【0017】キャップ31は一般に硬質合成樹脂で作られ、その筒状のキャップ本体32は調整弁11の軸部14および頭部18の外径よりも僅かに大きい内径の挿入孔33を基端側に有するとともに、回り止め部17の外径よりも少し小さい内径の係止孔34を先端側に有し、それらの間に軸部14および頭部18の外径よりも小径の環突起35が設けられている。このキャップ本体32の外側周縁部には円周方向に或る幅、一般には中心角30乃至50度の幅をもち外径がストッパ7の外径とほぼ等しい腕片36が突出形成されている。また、キャップ本体32の先端面には、腕片36と中心を挟んで反対側に位置させてキャップ本体32の中心軸線と平行な方向へ延びる爪片37が突出形成されている。この爪片37は断面二等辺三角形状の棒体であって、その頂部が凹部23に嵌入したとき両側面が両隣りの凸部22に接触係合するようになっており、中心方向へ向かい湾曲して凸部22を乗り越えて通過し、次の凹部23に自身の弾性力で復元して嵌入する。
【0018】このような構成の本実施の形態は、調整弁11をねじ孔3にねじ込んで燃料通路2の有効面積を標準的な値としてキャップ本体32を頭部18から軸部14にかぶせ、環突起35を基端側の第一溝15に嵌装する。この状態は図3に示されており、係止孔34は回り止め部17に食い込んでおらず、従ってキャップ31は調整弁11に回転自由に保持された仮装着状態である。
【0019】前記の仮装着までは気化器製造者が行なって出荷し、エンジン製造者はエンジンに実装して排気濃度を測定しながら調整弁11を回して燃料通路2の有効面積を調整し、排気規制適合範囲内に調整されたとき、キャップ31を押し込んで環突起35を第二溝16に嵌装するとともに係止孔34を回り止め部17に食い込ませて図1に示す本装着状態とする。このとき、腕片36はストッパ7の側面に充分な面積で接触する位置に前進する。
【0020】調整を終わったとき、キャップ31は任意の位相で本装着することができる。しかし、図1および図2に示すように腕片36をストッパ7の右側面に接触させた位相で本装着すると、図2で反時計方向即ち調整弁11を後退させて燃料通路2の有効面積を大きくする方向へ回すことが不可能であり、従って、使用者は混合気を薄くする方向へのみ再調整が可能である。このことは、混合気濃化側へ再調整して排気中のCOやHCを増加させるという不都合を回避するものである。
【0021】再調整は図2の状態から腕片36がストッパ7の左側面に接触するまでの範囲で行なうことが可能であり、調整弁11の回転可能範囲は前述の寸法に従うと270乃至300度である。そして、この間において前述の寸法に従うと爪片37は30度回転するたびに凹部23に嵌入係合し、従って調整弁11は30度刻みで燃料通路2の有効面積を調整する。この角度刻みの不連続調整では有効面積はごく僅かずつしか変化しないので、その間の領域を無視しても混合気を正確に所要混合比に再調整することができる。
【0022】尚、前記第一の実施の形態のものは請求項1,2,3,4,10に記載した発明に対応しており、主燃料通路および低速燃料通路のいずれかまたは両方に適用され、それらの調整弁11が離れて配置されているものに実施するのに適している。
【0023】図5乃至図7は本発明の第二の実施の形態を示すものであって、このものは主燃料通路2Hの有効面積を調整する調整弁11Hと低速燃料通路2Lの有効面積を調整する調整弁11Lとを互いに接近させて平行に配置している。これらの調整弁11H,11Lは針状の弁体12と、気化器本体1のねじ孔3H,3Lにねじ込まれたねじ杆13と、気化器本体1の外部へ突出した軸部14およびその基端の工具係合用の頭部18とを有し、軸部14には第一溝15,第二溝16,回り止め部17が設けられていて、前記第一の実施の形態に示したものと同じである。
【0024】気化器本体1の端面には長円形のくぼみ9が設けられており、その奥面に二つのねじ孔3H,3Lが開口しているとともに、硬質合成樹脂または金属で作られた長円形の環状部材25がくぼみ9に取り外し可能に且つ密に嵌め込まれている。
【0025】くぼみ9の長円形内側周面に相当する環状部材25の内側周面の向かい合った半円状部分には、中心へ向かって円弧状に突出した凸部22H,22Lの多数個とそれらの間の狭い谷幅とされた凹部23H,23Lの多数個とを円周方向交互に形成してなる凹凸条21H,21Lが設けられている。この凸部22H,22Lと凹部23H,23Lとは適宜の円周方向間隔で形成され、一般には中心角30度、従って一つの凸部22H,22Lの中央とその両側の凹部23H,23Lとは中心角15度ずつの間隔とされることは第一の実施の形態と同じである。
【0026】二つの調整弁11H,11Lのそれぞれに装着されるキャップ31H,31Lは一般に硬質合成樹脂で作られ、それらの筒状のキャップ本体32H,32Lは調整弁11H,11Lの軸部14および頭部18の外径よりも僅かに大きい内径の挿入孔33H,33Lを基端側に有するとともに、回り止め部17の外径よりも少し小さい内径の係止孔34H,34Lを先端側に有し、それらの間に軸部14および頭部18の外径よりも小径の環突起35H,35Lが設けられている。これらのキャップ本体32H,32Lの外側周面には、円周方向に或る幅をもちもう一方のキャップ本体32H,32Lの外側周面に接触する長さをもつ第一腕片38H,38Lおよび第二腕片39H,39Lが円周方向に所定の位相を有して突出形成されている。また、各キャップ本体32H,32Lの先端面には、それらの中心軸線と平行な方向へ延びる爪片37H,37Lが突出形成されている。
【0027】これらの爪片37H,37Lは断面二等片三角形状の棒体であって、頂部が凹部23H,23Lに嵌入したとき両側面が両隣の凸部22H,22Lに接触係合するようになっており、中心方向へ向かって湾曲して凸部22H,22Lを乗り越え通過し、次の凹部23H,23Lに自身の弾性力で復元して嵌入することは第一の実施の形態と同じである。
【0028】このような本実施の形態は、調整弁11H,11Lをねじ孔3H,3Lにねじ込んで主燃料通路2Hおよび低速燃料通路2Lの有効面積をそれぞれ標準的な値としてキャップ本体32H,32Lを頭部18から軸部14にかぶせ、環突起35H,35Lを第一溝15に嵌装する。このとき、係止孔34H,34Lは回り止め部17に食い込んでおらず、各キャップ31H,31Lは各調整弁11H,11Lに回転自由に保持された仮装着状態である。
【0029】前記の仮装着までは気化器製造者が行なって出荷し、エンジン製造者はエンジンに実装して排気濃度を測定しながら各調整弁11H,11Lを回して主燃料通路2Hおよび低速燃料通路2Lの有効面積を調整し、排気規制適合範囲内に調整されたとき各キャップ31H,31Lを押し込んで環突起35H,35Lを第二溝16に嵌装するとともに係合孔34H,34Lを回り止め部17に食い込ませて本装着状態とする。このとき、爪片37H,37Lは対応する凹凸条21H,21Lと接触係合するようになる。
【0030】調整を終わったとき、キャップ31H,31Lは任意の位相で本装着することができるが、この実施の形態では凹凸条21H,21Lがほぼ半円周長ずつ形成されているのでその全部を再調整に使用することが好ましい。そこで、各爪片37H,37Lを対応する凹凸条21H,21Lの端末の凹部23H,23Lに嵌入係合させた位相で第一腕片38H,38Lがもう一方のキャップ本体32H,32Lの側面に当たって爪片37H,37Lを凹凸条21H,21Lの存在しない領域に移動させる方向の回転を阻止するように爪片37H,37Lと第一腕片38H,38Lとの位相関係を設定した。
【0031】図示形態では、図6,図7に示したように反時計方向即ち調整弁11H,11Lを後退させて主燃料通路2Hおよび低速燃料通路2Lの有効面積を大きくする方向へ回すことを不可能としている。従って、使用者は混合気を薄くする方向へのみ再調整が可能であり、混合気濃化側へ再調整して排気中のCOやHCを増加させるという不都合を回避することができる。
【0032】再調整は図6,図7の状態から第二腕片39H,39Lがもう一方のキャップ本体32H,32Lの側面に当たるまでの範囲で行なうことが可能であり、各調整弁11H,11Lの回転可能範囲は凹凸条21H,21Lに対応させて約180度であるように作られている。もっとも、凹凸条21H,21Lを180度よりも大きい中心角範囲に形成して再調整可能な範囲を拡張することも可能である。そして、この範囲において前述の寸法に従うと爪片37H,37Lは30度回転するたびに凹部23H,23Lに嵌入係合し、従って各調整弁11H,11Lは30度刻みで主燃料通路2Hおよび低速燃料通路2Lの有効面積を調整する。この角度刻みの不連続調整では有効面積はごく僅かずつしか変化しないので、その間の領域を無視しても混合気を正確に所要混合比に再調整することができる。
【0033】尚、前記第二の実施の形態のものは請求項5,6,7,8,9,10に記載した発明と対応している。尚また、この実施の形態における環状部材25を気化器本体1から取り外し可能とし、凹凸条21H,21Lの形状や円周方向長さが異なるものを準備して交換することにより、きめこまかい再調整、広い範囲での再調整などエンジンの多様な要求に対処することができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によると調整弁を回したとき小刻みな抵抗による不連続な感触を受けることにより、不用意に必要以上に回すという不都合が回避されるとともにどの方向へ何度回転させたかが容易に判り、エンジン性能の維持、回復、向上のための混合比再調整を容易且つ的確に行なうことができるものである。
【出願人】 【識別番号】396003412
【氏名又は名称】ザマ・ジャパン株式会社
【出願日】 平成11年8月25日(1999.8.25)
【代理人】 【識別番号】100098154
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 克彦 (外1名)
【公開番号】 特開2001−65408(P2001−65408A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−237779