| 【発明の名称】 |
ジェットエンジン用騒音低減装置及び排気ノズル |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 政彦
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| 【要約】 |
【課題】効果的に騒音を低減するとともに、軽量化を容易に図ることができるジェットエンジン用騒音低減装置及び排気ノズルを提供する。
【解決手段】排気ガスと外気とを混合するためのミキサ20がエンジン11の後方に配されており、騒音低減モードにおいて、ミキサ20に向かって排気ガスを加速するための流路とミキサ20に外気を案内するための流路とを流路形成部12によって形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 巡航モードと騒音低減モードとを有し、騒音低減モードにおいてエンジンの排気ガスによる騒音を低減するジェットエンジン用騒音低減装置であって、前記排気ガスと外気とを混合するためにエンジンの後方に配されるミキサと、騒音低減モードにおいて、前記ミキサに向かって前記排気ガスを加速するための流路と前記ミキサに外気を案内するための流路とを形成する流路形成部と、を備えることを特徴とするジェットエンジン用騒音低減装置。 【請求項2】 前記流路形成部は、断面形状が円形に形成されることを特徴とする請求項1に記載のジェットエンジン用騒音低減装置。 【請求項3】 前記流路形成部は、巡航モードにおいて外気に面するダクトの一部をなし、騒音低減モードにおいて該ダクトから傾斜して外気を前記ミキサに案内する第1可動部材と、巡航モードにおいて互いに離れて配され、騒音低減モードにおいて互いに当接されて内部に絞り型の流路を形成する複数の第2可動部材と、モードごとに前記第1及び第2可動部材の配設状態を変化させるアクチュエータと、を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のジェットエンジン用騒音低減装置。 【請求項4】 前記第1可動部材と前記第2可動部材とは、連動するように互いに連結されていることを特徴とする請求項3に記載のジェットエンジン用騒音低減装置。 【請求項5】 前記ミキサの後方には、内面に吸音材が取り付けられた吸音ダクトが配されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のジェットエンジン用騒音低減装置。 【請求項6】 エンジンの排気ガスを加速するための絞り型の流路及び発散型の流路が形成される絞り・発散型のジェットエンジン用排気ノズルであって、巡航速度に応じて発散型の流路の断面積を変化させるアクチュエータを備えることを特徴とするジェットエンジン用排気ノズル。 【請求項7】 巡航モードと騒音低減モードとを有するジェットエンジン用排気ノズルであって、騒音低減モードにおいてエンジンの排気ガスによる騒音を低減するために、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の騒音低減装置を備えることを特徴とするジェットエンジン用排気ノズル。 【請求項8】 巡航モードにおいて前記騒音低減装置の後方にエンジンの排気ガスを加速するための流路を形成し、騒音低減モードにおいて前記騒音低減装置の後方に断面積が一定の流路を形成することを特徴とする請求項7に記載のジェットエンジン用排気ノズル。 【請求項9】 請求項6に記載の絞り・発散型の排気ノズルであることを特徴とする請求項8に記載のジェットエンジン用排気ノズル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ジェットエンジン用騒音低減装置及び排気ノズルに係わり、特に、軽量化を図りつつ効果的に騒音を低減するものである。 【0002】 【従来の技術】ジェットエンジンでは、エンジンから排気された排気ガスによって生じるジェット流により大きな騒音が生じることが知られている。特に、超音速旅客機(SST:Super Sonic Transporter)などに用いられる超音速機用のジェットエンジンでは、ジェット流の速度が大きいために騒音も大きく、離着陸時や低空飛行時など、地上付近で発生する騒音の低減が課題となっている。 【0003】そのため、超音速機に用いられるジェットエンジンでは、例えば図9に示すような排気ノズルを搭載する検討がなされてきた。この図9において、上半分は超音速巡航時、下半分は騒音低減時を示している。この排気ノズルは、排気ガス100の流れを制御するための1次可変ノズル101と、その排気ガスに外気(空気)を混入して後方に導くための2次可変ノズル102とを備えている。エンジン103から排気された高速の排気ガス100は、絞り型の流路104及び発散型の流路105を通ることにより加速されて超音速のジェット流となる。騒音低減時(航空機の離着陸時や低空飛行時)には、2次可変ノズル102に外気を導入し、ミキサ106により1次可変ノズル101からの高速の排気ガスと低速の外気とを混合することによりジェット流の速度を落として騒音の低減を図る。一方、騒音が大きな問題とならない上空を航空機が巡航する超音速巡航時には、外気の導入を止め、ミキサ106を格納してジェット流をそのまま後方に噴出する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、こうしたジェットエンジン用排気ノズルでは、ミキサの性能が低く、騒音を十分低減できないという問題があった。すなわち、ミキサの抵抗によって推力効率に悪影響が生じるのを避けるために、巡航時にはミキサを超音速流れの流路上から外して格納する必要がある。そのため、ミキサの形状及び大きさの制約が厳しく、平板のような性能の低いミキサしか搭載できなかった。 【0005】また、近年のジェットエンジンでは、最適な推力効率を得ることを目的として排気ノズルに対して要求される機能が増える傾向にあり、騒音低減機能を含めて各機能を比較的簡素な機構で構成するために、矩形の断面形状を有する排気ノズルの検討が行われている。 【0006】ところが、こうした矩形の断面形状を有する排気ノズルでは、円形の断面形状の排気ノズルに比べて剛性を高めるのが難しく、要求される強度を満足しようとすると、部材の板厚が増すなどにより、重量が大幅に増大してしまいやすい。 【0007】本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、効果的にジェット流の騒音を低減するとともに、軽量化を容易に図ることができる騒音低減装置及び排気ノズルを提供することである。また、本発明の他の目的は、最適な推力効率を得ることができるジェットエンジン用排気ノズルを提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、巡航モードと騒音低減モードとを有し、騒音低減モードにおいてエンジンの排気ガスによる騒音を低減するジェットエンジン用騒音低減装置であって、前記排気ガスと外気とを混合するためにエンジンの後方に配されるミキサと、騒音低減モードにおいて、前記ミキサに向かって前記排気ガスを加速するための流路と前記ミキサに外気を案内するための流路とを形成する流路形成部と、を備える技術が採用される。この騒音低減装置では、騒音低減モードにおいて、流路形成部によりミキサに外気が案内され、この外気と排気ガスとがミキサによって混合されることによって、排気ガスの速度が落ち、騒音が低減される。またこのとき、流路形成部によって形成される流路により、ミキサに向かって排気ガスが加速され、加速された流れによって推力が生じる。このように、この騒音低減装置では、騒音を低減する機能に加えて排気ガスを加速して推力を生じさせる機能を独自に有しているので、巡航モードにおける排気ガスを加速する位置から離れた位置にミキサを配することが可能となる。そのため、巡航モードにおける排気ガスを加速する位置よりも前方にミキサを配することで、巡航モードにおいてミキサに流れる排気ガスが加速前の低速状態となり、ミキサの抵抗による推力効率への影響が小さくなる。したがって、ミキサを格納する必要がなくなり、その機構が不要となるので、軽量化が容易に図られる。 【0009】この場合にあって、請求項2に記載の発明のように、前記流路形成部は、断面形状が円形に形成されることにより、装置全体の剛性が増す。 【0010】また、請求項1または請求項2に記載のジェットエンジン用騒音低減装置において、請求項3に記載の発明のように、前記流路形成部は、巡航モードにおいて外気に面するダクトの一部をなし、騒音低減モードにおいて該ダクトから傾斜して外気を前記ミキサに案内する第1可動部材と、巡航モードにおいて互いに離れて配され、騒音低減モードにおいて互いに当接されて内部に絞り型の流路を形成する複数の第2可動部材と、モードごとに前記第1及び第2可動部材の配設状態を変化させるアクチュエータと、を有してもよい。この場合には、巡航モードにおいて、第1可動部材が離れて配されるとともに第2可動部材が外気に面するダクトの一部をなすので、第1及び第2可動部材による排気ガスの流れに対する抵抗増加が抑制される。また、騒音低減モードにおいて、第1可動部材が当接されて内部に絞り型の流路を形成することにより排気ガスが加速され、第2可動部材が前記ダクトから傾斜することにより外気がミキサに案内される。 【0011】この場合にあって、請求項4に記載の発明のように、前記第1可動部材と前記第2可動部材とは、連動するように互いに連結されてもよい。この場合には、第1及び第2可動部材を駆動するための機構が簡素化される。 【0012】また、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のジェットエンジン用騒音低減装置において、請求項5に記載の発明のように、前記ミキサの後方には、内面に吸音材が取り付けられた吸音ダクトが配されてもよい。この場合には、外気と混合されて低速となった排気ガスの騒音が吸音ダクト内でさらに低減される。 【0013】請求項6に記載の発明は、エンジンの排気ガスを加速するための絞り型の流路及び発散型の流路が形成される絞り・発散型のジェットエンジン用排気ノズルであって、巡航速度に応じて発散型の流路の断面積を変化させるアクチュエータを備える技術が採用される。この排気ノズルでは、巡航速度に応じて発散型の流路の断面積が変化するために、排気ガスが効率的に発散されて適正な推力が生じる。例えば、巡航速度が大きく排気ガスの圧力と大気圧との圧力比が高いときにはノズル出口の断面積を大きくし、逆に巡航速度が小さく前記圧力比が低いときにはノズル出口の断面積を小さくすることで、流路内で排気ガスが効率的に流れて、適正な推力が得られるようになる。 【0014】請求項7に記載の発明は、巡航モードと騒音低減モードとを有するジェットエンジン用排気ノズルであって、騒音低減モードにおいてエンジンの排気ガスによる騒音を低減するために、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の騒音低減装置を備える技術が採用される。このジェットエンジン用排気ノズルでは、効果的に騒音が低減されるとともに、ミキサを固定式とすることにより軽量化が容易に図られる。 【0015】この場合にあって、請求項7に記載の発明のように、巡航モードにおいて前記騒音低減装置の後方にエンジンの排気ガスを加速するための流路を形成し、騒音低減モードにおいて前記騒音低減装置の後方に断面積が一定の流路を形成することにより、巡航モードにおいて騒音低減装置の後方で加速された流れによって推力が生じ、騒音低減モードにおいて騒音低減装置で加速された流れによって推力が生じる。この場合にあって、請求項9に記載の発明のように、請求項6に記載の絞り・発散型の排気ノズルであることにより、適正な推力が容易に得られる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る騒音低減装置を備えるジェットエンジン用排気ノズルの一実施形態について図面を参照して説明する。図2は、本発明に係るジェットエンジン用排気ノズルの断面図である。本実施形態の排気ノズルは、超音速航空機のジェットエンジンに用いられるものであり、巡航時のための巡航モードと、離着陸時及び低空飛行時のための騒音低減モードとを有している。さらに、巡航モードは巡航速度に応じて、亜音速による巡航時のための亜音速巡航モードと超音速による巡航時のための超音速巡航モードとに分かれている。また、これらのモードは、不図示の制御装置により選択的に切り替えられるようになっている。 【0017】図2において、排気ノズル10は、円形の断面形状を有して全体が形成されている。また、エンジン11から後方に向かって順に、流路形成部としてのインテーク部12、吸音ダクト13、及び絞り・発散部14が配されている。 【0018】前記インテーク部12は、エンジン11からの排気ガスと外気とを混合するためのミキサ20を内部に有しており、騒音低減モードにおいてミキサ20に外気を案内するための流路(インテーク)を形成するように構成されている。すなわち、インテーク部12は、図3に示すように、前記ミキサ20と、流体を案内する流路を形成するための第1案内体21及び第2案内体22と、この第1及び第2案内体21,22を駆動するための複数の第1アクチュエータ23とを含んで構成されている。 【0019】ミキサ20は、全体が円環状の固定式ローブ形ミキサであり、隔壁20aの内側を流れる流体と外側を流れる流体とを効率よく混合するように、下流側の一端で隔壁20aが径方向に交互に入り組んだペネトレーション構造をなしている。さらに、ミキサ20は、下流側の端部で隔壁20aの内側の流路の断面積が最小となり、かつ、軸方向に流れる流体に与える抵抗がなるべく小さくなるように(例えば、ミキサ20の軸方向全面投影面積を数パーセント以下にする)、その形状が設計されている。また、ミキサ20は、中心軸がエンジンの軸心と一致するように複数のストラット24によってフレーム25に固定され、中央の円形の開口部には図2に示すようにエンジンからの排気ガスを案内するためのプラグ26が差し込まれている。なお、図3に示すインテーク部12のフレーム25は、同一軸心上に互いに離間して配される第1及び第2円環状部材25a,25bと、これらの第1及び第2円環状部材25a,25bを結ぶ複数のサポート部材25cとから構成されており、各部材がそれぞれ外気に接するダクト27の(ナセル)の一部を形成するようになっている。 【0020】第1案内体21は、巡航モードにおいて外気に面するダクト(ナセル)の一部として機能し、騒音低減モードにおいて外気を導入するエジェクタインテークランプとして機能するものである。第1案内体21は、周方向に並べて配される複数(ここでは3組)の第1可動部材28を備えている。この第1可動部材28は、図4に示すように、上流側の端部28aをヒンジ点にして配設状態が変化するように設けられている。また、第1可動部材28は、図5に示すように、巡航モードにおいて外気に面するダクト27(ナセル)の一部をなし、騒音低減モードにおいて該ダクト27から傾斜して外気をミキサ20の隔壁20aの外側に案内するようになっている。 【0021】第2案内体22は、騒音低減モードにおいてエンジン11(図2参照)からの排気ガス流を加速させる絞り(コンバージェント)として機能するものである。第2案内体22は、第1可動部材28の内側で、図3に示すように、周方向に並べて配される複数(ここでは3組)の第2可動部材29を備えている。この第2可動部材29は、図4に示すように、上流側の端部29aをヒンジ点にして配設状態が変化するように設けられている。また、図5に示すように、巡航モードにおいて周方向の縁部が互いに離れて配され、騒音低減モードにおいて該縁部が互いに当接されて内部に絞り型の流路(コンバージェント部)CT、すなわち上流側(エンジン11側)から下流(ミキサ20側)に向かって断面積が縮小する流路を形成し、外気をミキサ20の隔壁20aの内側に案内する(外気をエジェクタ効果により吸引する)ようになっている。なお、第1可動部材28と第2可動部材29とは、図4に示すように、配設状態が連動して変化するようにリンク部材30で互いに連結されている。 【0022】また、第1アクチュエータ23は、互いに同期して作動するように複数が同期リング31を介して連結されており、第2可動部材29の外周面に設けられたトラックレール32に沿って同期リング31を軸方向に移動することで第1及び第2可動部材21,22をヒンジ点中心に回転移動させるように構成されている。また、この第1アクチュエータ23は、不図示の制御装置により複数が一系統で同時に制御される。なお、第1アクチュエータは、この構成に限定されるものではなく、第1及び第2案内体21,22を駆動できれば他の構成(他の駆動方法)でもよいことは言うまでもない。 【0023】図2に戻り、前記吸音ダクト13は、全体が円筒状に形成されており、上流側の端部が前記インテーク部12に接続され、下流側の端部が絞り・発散部14に接続されている。また、ミキサ20からの流れが効率よく混合されるように、その長さ(軸方向長さ)が定められている。さらに、吸音ダクト13の内周面には、排気ガスと外気との混合流の音を吸収するための吸音材(吸音ライナ)33が取り付けられている。 【0024】この吸音材33は、広帯域の吸音特性を有する多孔質状に形成された素材からなり、エンジン11からの排気ガスにさらされるため、例えばセラミック系の材料など、耐熱性の高い材質のものが用いられる。この場合、吸音材33を円筒状に形成するのが難しい場合には所定形状(例えば多角形状)の板状に形成し、吸音ダクト13の内壁に敷き詰めて取り付けてもよい。また、排気ガスが吸音材33に入り込んで抵抗が増加するのを防ぐことを目的として、吸音ダクト13の内壁との間に隙間を設けて吸音材33を取り付け、この隙間に空気を供給する抽気ラインを設け、隙間の圧力が吸音ダクト13内に流入する排気ガスの圧力よりも高く保持して、多孔質の吸音材33を通して抽気空気を内側に流すように構成してもよい。 【0025】なお、上述した流路形成部としてのインテーク部12と吸音ダクト13とにより排気ノズルの一部として騒音低減装置が構成される。 【0026】前記絞り・発散部14は、エンジン11の排気ガスを加速するための絞り及び発散(convergent-divergent)型の流路を形成するためのものであり、図6に示すように、巡航モードにおいてコンバージェントフラップとして機能するCフラップ40と、巡航モードにおいてダイバージェントフラップとして機能するDフラップ41と、これらCフラップ40及びDフラップ41の配設状態を変化させるための第2アクチュエータ42及び第3アクチュエータ43とを備えている。 【0027】Cフラップ40は、複数が互いに隣接して周方向に並べて配され、図7に示すように、第2アクチュエータ42に駆動されて、上流側(図7における左側)の端部40aをヒンジ点にして絞り型の流路の断面積(下流側の端部40bで形成される開口の面積)を変化させるようになっている。また、Dフラップ41は、Cフラップ40と同様に複数が互いに隣接して周方向に並べて配されるとともに、上流側の端部41aがCフラップ40の端部40bと連結され、第3アクチュエータ43に駆動されて、端部41aをヒンジ点にして発散型の流路の断面積(下流側の端部41bで形成される開口の面積)を変化させるようになっている。 【0028】また、第2アクチュエータ42は、互いに同期して作動するようにC用同期リング45を介して複数が連結されており、Cフラップ40の外周面に設けられたトラックレール46に沿ってC用同期リング45を軸方向に移動させることで、Cフラップ40をヒンジ点中心に回転移動させるように構成されている。さらに、第3アクチュエータ43は、互いに同期して作動するように複数がD用同期リング47を介して連結されており、D用同期リング47を軸方向に移動することで、D用同期リング47とDフラップ41の端部41bとを結ぶD用リンク部材48を介して、D用フラップ41をヒンジ中心に回転移動させるように構成されている。なお、符号49は外部フラップとして機能するEフラップであり、このEフラップ49は、Cフラップ40及びDフラップ41を外側から覆うように配され、D用リンク部材48と常に略平行となるように構成されている。 【0029】ここで、絞り・発散部14の作用について説明する。図8は、(a)騒音低減モード(離着陸時や低空飛行時)、(b)超音速巡航モード、(c)亜音速巡航モード、における絞り・発散部14の状態を示す図である。 【0030】騒音低減モードにおいて、絞り・発散部14では、第2及び第3アクチュエータ42,43によってC用同期リング45及びD用同期リング47が下流側(図8における右側)に移動され、Cフラップ40及びDフラップ41が同一円周上に配されて、軸方向に一定の断面積を有する流路が形成される。そのため、上流からのガスの流れは、大きな圧力変化を伴うことなく出口50から排出される。 【0031】亜音速巡航モードでは、第2及び第3アクチュエータ42,43によってC用同期リング45及びD用同期リング47が騒音低減モードに比べて上流側(図8における左側)に移動し、Cフラップ40の下流側の端部が軸心方向に移動する。これにより、ガスの流れ方向に断面積が縮小する絞り型の流路(コンバージェント部)が形成されるとともに、ガスの流れ方向に断面積が拡大する発散型の流路(ダイバージェント部)がコンバージェント部の後方に形成される。ガスの流れはコンバージェント部によって加速される(遷音速流)。このとき、ノズルスロート(断面積が最も小さい箇所)NSは、ここではCフラップ40の下流側の端部に位置する。ノズルスロートNSを出たガスの流れはコンバージェント部で増速されて出口50から排出される。 【0032】超音速巡航モードでは、第3アクチュエータ43によってD用同期リング47が亜音速巡航モードに比べて上流側に移動する。これにより、亜音速巡航モードに比べて、コンバージェント部の断面積は同一で、ダイバージェント部の断面積がガスの流れ方向に向かってさらに拡大して、出口50の開口面積が大きい。ガスの流れはコンバージェント部によって加速されて超音速流となり、ダイバージェント部によって発散される。超音速巡航モードでは、絞り・発散部14内の圧力と外部の気圧との圧力比が亜音速巡航モードに比べて高いために、ダイバージェント部の断面積が亜音速巡航モードと同じであると、ガスの流れが外気との圧力差による抵抗を受けて効率よく排出されず、適正な推力が得られない恐れがある。ここでは、亜音速巡航モードに比べてダイバージェント部の断面積を大きくすることで、コンバージェント部でガスの流れが効率的に加速されるようになり、超音速のジェット流が出口50から排出される。 【0033】このように、この絞り・発散部14では、第3アクチュエータ43により、巡航速度に応じてコンバージェント部の断面積が変化するので、排気ガスがダイバージェント部で効率的に発散される。そのため、コンバージェント部で効率的にガスの流れが加速され、適正な推力を効率よく得ることができる。また、第2アクチュエータ、第3アクチュエータ、及びリンク機構を用いてフラップを動かすために、フラッパの配置状態に自由度が高く、推力を効率よく得ることを目的として、流路を柔軟に変形することが可能となる。 【0034】次に、上述のように構成されるジェットエンジン用排気ノズルにおける騒音低減動作について説明する。図1は排気ノズル10内におけるエンジン11からの排気ガス50の流れを示す図であり、上半分が巡航モード、下半分が騒音低減モードを示している。 【0035】まず、巡航モードにおいて、インテーク部12では、第1可動部材28は外気に面するダクト27(ナセル)の一部となっており、第2可動部材29は開いた状態となっている。このとき、第1及び第2可動部材29は排気ガス60の流路から外れた位置に配されるため、第1及び第2可動部材28,29による排気ガス60の流れに対する抵抗は小さい。 【0036】エンジン11から排気された高速の排気ガス60は、上述したように、絞り・発散部14によって加速され、この加速されたジェット流によって推力が生じる。このとき、ミキサ20は、ノズルスロートNSの前方(上流側)で、ノズルスロートNSから所定距離離れて配されているので、ミキサ20を有するインテーク部12では、排気ガス60は加速前の低速(例えばマッハ0.3程度)状態で流れ、ミキサ20の抵抗による推力効率への悪影響は小さい。なお、巡航モードでは、騒音が問題とならない上空を航空機が巡航していることを想定しているため、騒音を低減する措置は特に講じていない。 【0037】騒音低減モードにおいて、インテーク部12では、第1アクチュエータ23によって第1可動部材28が軸心方向に移動して周縁部が互いに当接することにより、エンジン11側からミキサ20側に向かって断面積が縮小する絞り型の流路(コンバージェント部CT)が形成される。なお、このときのノズルスロートNSは、ミキサ20の下流側の端部に位置し、隔壁20aで囲まれた内側に形成される。エンジン11から排気された高速の排気ガス60は、インテーク部12に形成されたコンバージェント部CTにより加速されながら、ミキサ20の隔壁20aの内側に案内され、ミキサ20でさらに加速されてジェット流となる。 【0038】このとき、前述したように、絞り・発散部14では、軸方向に一定の断面積を有する流路が形成されており、部分的に大きな圧力変化が生じないため、インテーク部12のコンバージェント部CTによって確実に排気ガス60が加速される。 【0039】また、第2可動部材29がダクト27から傾斜することにより、外気を導入する流路としてのエジェクタインテークETが形成される。そして、排気ノズル10に導入された外気61は、エジェクタインテークランプとしての第2可動部材29の外側の周面に沿って、ミキサ20の隔壁20aの外側に案内され、排気ガス60に混入される。 【0040】このとき、ローブ形のミキサ20により排気ガス60と外気61とが効率よく混合されて、混合されたジェット流62の速度が低減され、これにより騒音が低減される。さらに、このジェット流62が吸音ダクト13内を流れることにより、吸音材33によってジェット流62のノイズが吸音され、騒音がさらに低減される。 【0041】すなわち、上述した本実施形態のジェットエンジン用排気ノズル10によれば、インテーク部12が騒音を低減する機能に加えて排気ガス60を加速して推力を生じさせる機能を有しているので、巡航モードにおいて排気ガス60を加速する絞り・発散部14から離れた前方にミキサ20を配することが可能となる。そのため、ミキサ20が排気ガス60の流路上に固定されていても、巡航モードにおいてミキサ20に流れる排気ガス60は加速前の低速状態となり、ミキサ20による悪影響が大きく生じない。したがって、従来に比べてミキサ20を格納するための機構が不要となり、軽量化が容易に図られる。 【0042】しかも、固定式のミキサを用いることができるため、混合効率の高いミキサを採用することで、騒音を確実に低減することが可能となる。また、分割する必要がないため、大型で軽いミキサを容易に搭載することができる。 【0043】さらに、インテーク部12を含め、排気ノズル10全体の断面形状が円形に形成されるので、剛性が高く、要求される強度に対して、矩形断面のものに比べて軽量化を容易に図ることができる。また、断面形状が円形であると、例えば上述した同期リング31等により、複数のアクチュエータの連結が図りやすく、複数のアクチュエータを簡単な構成で容易に連動させることが可能となる。さらに、例えば上述した第1可動部材28と第2可動部材29とのように、リンク部材によって連動して部材を動かすように構成することにより、1系統のアクチュエータで動作させることができるなど、アクチュエータの数を低減でき、さらに機構の簡素化が図れる。 【0044】なお、上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。 【0045】本発明は、超音速航空機に限らず、騒音低減を必要とするジェットエンジンを備える他の機体に適用してもよい。 【0046】また、上述した実施形態では、外気と排気ガスとを混合するためのミキサとしてローブ形のミキサを用いているが、これに限るものではなく、他の形態のミキサを用いてもよい。 【0047】また、上述した実施形態では、流路形成部としてのインテーク部12、吸音ダクト13、絞り・発散部14を備えているが、少なくともインテーク部12と絞り・発散部14を備えていれば軽量化を図りつつ騒音を低減することが可能である。さらに、巡航モードにおいて排気ガスを加速するには、少なくとも絞り型の流路があればよく、発散型の流路が形成されない構成であってもよい。 【0048】また、上述した実施形態を構成する部材の材質として、セラミック系複合材料やAl系金属間化合物などの軽量の材料を用いることでさらに軽量化を図ることが可能となる。 【0049】また、吸音ダクト13は、特開平07−247905号公報に記載されているように、複数の貫通した消音孔を有する板部材と、この板部材を支持しかつ複数の独立した消音チャンバを有するハニカム構造体と、このハニカム構造体を支持しかつ複数の貫通した空気導入孔を有する反射板とを備え、空気導入孔、消音チャンバ及び消音孔を介して吸音ダクト13内に低温の空気を供給し、吸音ダクト13内や吸音材33自体の温度を下げるように構成してもよい。 【0050】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば以下の効果を得ることができる。請求項1から請求項5に係るジェットエンジン用騒音低減装置、及び請求項7から請求項9に係るジェットエンジン用排気ノズルによれば、ミキサを格納するための機構が不要となるので、効率のよいミキサを用いることで、効果的に騒音を低減するとともに、軽量化を容易に図ることができる。また、請求項6及び請求項9に係るジェットエンジン用排気ノズルによれば、巡航速度に応じて発散型の流路の断面積を変化させることにより、ガスの流れに損失が少なくなり、最適な推力効率を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月24日(2000.3.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−271710(P2001−271710A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月5日(2001.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−85289(P2000−85289) |
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