| 【発明の名称】 |
内燃機関の排ガス浄化方法及びコジェネレーションシステム |
| 【発明者】 |
【氏名】雪竹 次太
【氏名】岡崎 洋文
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| 【要約】 |
【課題】内燃機関より排出するNOx及び未燃焼ガスを効果的に除去する。
【解決手段】内燃機関の排ガス流路へ三元触媒を配置した排ガス浄化方法において、燃料供給量と空気供給量の混合比を理論空燃比に調整し、内燃機関へ供給する燃料と空気の混合比は理論空燃比以下とし、三元触媒のガス流入側へ空気を添加することを特徴とした排ガス浄化方法及び、本ガス浄化方法を備えたコジェネレーションシステム。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガスまたはガソリン等の燃料と空気とを混合して燃焼する内燃機関の排ガス流路に、未燃焼ガス、及び窒素酸化物等の有害ガス浄化用触媒を配設したコジェネレーションシステムにおいて、内燃機関へ供給する燃料と空気の混合比を理論空燃比以下として未燃焼ガスを排出し、前記ガス浄化用触媒のガス流入側へ空気を供給して未燃焼ガスを燃焼し、熱回収することを特徴としたコジェネレーションシステム。 【請求項2】 ガスまたはガソリン等の燃料と空気とを混合して燃焼する内燃機関の排ガス流路へ、未燃焼ガス、及び窒素酸化物等の有害ガス浄化用触媒を配設した排ガス浄化方法において、燃料供給量に対する空気量が理論空撚比になるように調整し、内燃機関に供給する空気を理論空燃比以下になるように前記空気供給量の一部をガス浄化用触媒へ供給することを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。 【請求項3】 ガスまたはガソリン等の燃料と空気とを混合して燃焼する内燃機関の排ガス流路へ、未燃焼ガス、及び窒素酸化物等の有害ガス浄化用触媒を配設した排ガス浄化方法において、内燃機関へ供給する燃料と空気の比はガソリンにおいては空燃比が13ないし14の範囲に調整され、排ガス浄化触媒のガス流入側へ空気を添加し、燃料と空気の総量が理論空燃比に調整されることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化方法。 【請求項4】 内燃機関を駆動源とするコジェネレーションシステムにおいて、燃料供給量に対する空気量は理論空燃比になるように調整し、内燃機関に供給する空気が理論空燃比以下になるように空気供給量の一部をガス浄化用触媒へ供給する排ガス浄化法を具備したコジェネレーションシステム。 【請求項5】 内燃機関を駆動源とするコジェネレーションにおいて、内燃機関の排ガス流路に三元触媒の冷却と熱回収を目的とする水冷式触媒保持器を備えたことを特徴とするコジェネレーションシステム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関から排出する未燃焼ガス並びに窒素酸化物の浄化方法及び該内燃機関を動力源とするコジェネレーションシステムに関する。 【0002】 【従来の技術】地球の温暖化防止の要因の一つである二酸化炭素(CO2)を低減するために化石燃料の高効率利用が挙げられる。内燃機関を動力源とするコジェネレーションシステムはガソリンやガスを燃料として電気と熱を併給することにより、熱効率として70〜80%利用できる優れたシステムである。したがって、コジェネレーションシステムは近年、中小規模のビルや店舗へ普及されるようになってきた。通常、ビルや店舗は市街地に隣接するために内燃機関の排ガスによる大気の環境を汚さないために排ガス浄化をより厳しく制御監視する必要がある。 【0003】内燃機関へ供給される燃料と空気の比は完全燃焼するために、両者が過不足が生じない化学量論的に当量が好ましい。しかしながら内燃機関は、筒内における燃焼時間が短いこと、及び圧縮燃焼により燃焼ガスが高温になるために排ガス中に一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等の未燃焼ガスや窒素酸化物(NOx)等の有害ガスが含まれる。このうち特にNOxは人体に有害であるばかりでなく、植物の生育をも妨げるので極力排出を抑制する必要がある。 【0004】そこで、内燃機関の排ガス浄化方法として、自動車に用いられる三元触媒法が採用されている。このシステムは、内燃機関の排ガス流路に三元触媒(Pt、Rh、Pd等の貴金属が主成分)を配設し、理論空燃比ないし理論空燃比以下の排ガスを流通して、排ガス中の未燃焼ガス及び窒素酸化物を酸化または還元反応により無害化している。ここに理論空燃比とは燃料(F)と空気(A)が混合して完全燃焼するのに両者が過不足が生じない化学量論的に当量であり、ガソリン燃焼ではその重量比(A/F)はほぼ14.7となる。本システムでは触媒の活性によりCOやHC等の未燃焼ガスはガス中の残存酸素により酸化してCO2やH2Oに、一方、NOx(NO及びNO2)はN2とO2に還元して無害化される。 【0005】図5は従来の自動車用排ガス浄化システムの概要を示す。燃料は内燃機関1の出力に応じて供給され、空気量は空燃比が化学量論的に当量の理論空燃比ないし理論空燃比以下に調整されて内燃機関1に供給される。内燃機関1の排ガスは三元触媒3を介して大気へ排出される。図6は従来の排ガス浄化方式における空燃比とNOxの排出濃度の関係を示す。NOx排出濃度は三元触媒がない場合は空燃比が14.7より低い領域でも1000ppmを超える程高い。一方、燃焼排ガスを三元触媒に接触するとNOxは大幅に減少する。NOx濃度が最も低くなるのは理論空燃比(14.7)付近であり、理論空燃比を超えるとNOx濃度は急激に上昇する。このように三元触媒を介しても空燃比によってNOxを抑制する領域が異なり、従来の方式ではNOxを低く抑えるための空燃比の領域が狭い。 【0006】一方、内燃機関を動力源とするコジェネレーションシステムでは、例えば特開平7−23391号公報によればエンジン排ガス流路に燃焼触媒を設置し、触媒のガス流入側に燃料を供給し、触媒出口の温度または酸素濃度を検出して燃焼状態を監視しているが、NOx濃度の低減法については言及されていない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上述のように、内燃機関からの排ガスを理論空燃比ないし理論空燃比以下の混合比で三元触媒に接触することによりCO、HC等の未燃焼ガスや有害なNOxを低減することを提示しているが、従来の理論空燃比ないし理論空燃比以下の排ガスによる処理法では三元触媒の機能を有効に活用されていないことが種々検討を重ねた結果、判明した。 【0008】本発明は三元触媒の機能を有効に活用し、排ガス中のCO、HC等の未燃焼ガス及び有害なNOxをほぼ零に近い濃度まで低減する排ガス浄化方法、及び排ガス熱量を効率良く回収するコジェネレーションシステムを提供する。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明者らは、以下に示す手段を講じた。ガスまたはガソリン等の燃料と空気とを混合して燃焼する内燃機関の燃焼排ガス流路に、未燃焼ガス及び窒素酸化物等の有害ガス浄化用三元触媒を配設し、該触媒に理論空燃比ないし理論空燃比以下の燃焼排ガスを流通して、排ガス中の未燃焼ガス及び窒素酸化物を酸化または還元反応により無害化する排ガス浄化方法において、(1)前記、燃料供給量に対する空気量は理論空燃比に調整する。(2)燃焼用空気は分割し、一部は内燃機関へ導入し、他の一部は排ガス流路に設けた三元触媒のガス流入側へ導入する。(3)したがって、内燃機関は理論空燃比以下、すなわち還元雰囲気で燃焼する。(4)よって、内燃機関ではNOxの還元剤であるCOとHCを積極的に生成する。(5)生成したCOとHCにより、NOxを三元触媒へ導入する前に予め無害なN2とO2に還元する。(6)前記COとHCで還元できなかった残りのNOxは三元触媒によりほぼ完全にN2とO2に還元する。(7)還元雰囲気により燃焼して生成したCOやHCは空気が供給された排ガスでもって三元触媒により酸化(燃焼)して無害なCO2とH2Oにする。 【0010】また、前記(1)から(7)に示す排気ガス浄化機能を備えた内燃機関を動力源とするコジェネレーションシステムを提供する。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る具体的な一実施例について図1を用いて説明する。1はガソリンまたはプロパンや天然ガス等を燃料とする内燃機関、2は内燃機関を駆動源とする発電機、3は内燃機関1の排ガス流路1aに配置した三元触媒、4は排熱を回収する熱交換器、5は制御機器を備えた演算処理器を示す。6は燃料制御弁、7、7a及び7bは空気制御弁である。 【0012】図1において内燃機関1へ供給される燃料は、内燃機関1へ直結された発電機2の出力にり変わる。発電機2の出力が変わると内燃機関1のトルクの強さが変化し、燃料供給量はこのトルクの強弱を検出して制御弁6により調整される。一方、空気供給量は、燃料と空気が化学量論的に当量となるように、すなわち理論空燃比となるように演算され、得られた信号でもって空気制御弁7により調整される。ここで、制御弁6を通過した燃料は内燃機関へ供給されるが、制御弁7を通過した空気は空気制御弁7aと7bによって分割される。制御弁7aを通過した空気は内燃機関1へ供給され、制御弁7bを通過した空気は三元触媒3のガス流入側へ導入される。燃料と空気の供給量は理論空燃比に調整されているために、制御弁7aにより分割された空気と燃料の混合比は理論空燃比以下となる。理論空燃比以下では燃料に対する酸素量が不足状態であるために、燃焼排ガス中に一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)という不完全燃焼ガスが生成される。これらCOやHCは燃焼場で生成するNOxを還元する作用がある。したがって、まず内燃機関1では理論空燃比以下の還元雰囲気において燃焼し、生成したCOやHCを媒体としてNOxの生成を抑制する。次いで、燃焼排ガスを排ガス流路1aに配設した三元触媒へ導入され、一方、空気制御弁7bを介して同時に空気も三元触媒へ導入される。三元触媒へ導入された排ガス中のNOxは、未燃焼ガスのCOやHCの存在下において、触媒表面の活性作用によりN2とH2Oに還元され、ほぼ零付近まで除去することができる。 【0013】(実施例1)図2は排気量360ccのエンジンを用いて、ガソリンを燃料とした内燃機関の空燃比に対するNOx排出濃度の関係を示す。まず、本特性を求めた実験方法について述べる。図内の特性A、B、Cにそれぞれ〇を示した点は、図1において燃料制御弁6と空気制御弁7aを通して混合したときの空燃比を示す。すなわち、理論空燃比14。7より低い酸素不足の還元燃焼城である。次に、〇の点より空燃比が高くなる部分の特性は、図1の空気制御弁7bを介して空気を三元触媒の流入側へ徐々に添加して得られた結果である。 【0014】以上のように内燃機関における燃焼は積極的に還元燃焼を行っている。NOx排出濃度についてA、B、Cそれぞれの特性を比較すると、NOx排出濃度は特性Aが最も低く、かつ、NOxを低く維持する空燃比領域が広い。一方、特性CはNOxの低減率も低く、理論空燃比14。7を超えるとNOx濃度は急激に高くなる。さらに、NOxが低くなる領域も非常に狭い。すなわち、内燃機関における燃焼は空燃比が低いほどNOx濃度は抑制することができる。 【0015】本実験結果により、NOx排出の抑制値と抑制できる空燃比の安定領域を考慮すると還元燃焼を行う空燃比はガソリンを燃料とする場合には少なくとも14以下が好ましい。空燃比を14以下にすると空燃比の制御範囲が広くなり、しかもNOxの排出濃度を低く抑制することができる。そこで、空燃比の下限については燃焼が安定領域であれば制限されるものではないが、NOxを低く抑制できる領域であればよく、実験結果より空燃比13において良好な結果得られたので、空燃比を制御する範囲を決めるとすれば好ましくは13〜14が良い。したがって、図1において内燃機関1に導入する燃料と空気制御弁7より導入した空気が理論空燃比に調整された場合、空気制御弁7aと7bへの空気量は、内燃機関へ導入する空気制御弁7aの空気量と燃料の空燃比が13以上14以下になるように分配するのが好ましい。ここで、燃料中の炭素(C)と水素(H)分子量の比率が異なる燃料の場合は、重量比で示す空燃比の絶対値は変わる。 【0016】図1において空気の供給法は、理論空燃比に調整された空気を分割して供給するのに限定するものではなく、例えば負荷の変動に応じて空燃比を常に14に調整し、三元触媒へ添加する空気は負荷に応じて添加する方法等も前述のガス浄化方法と同じ効果を示すものである。 【0017】本方式ガス浄化法を採用すると還元雰囲気において燃焼を行うために未燃ガスであるCOやHCを除去する必要がある。表1に空燃比と排気ガス濃度の関係を示す。まず、表の見方について述べる。(1)空燃比12.9におけるガス分析値は、図1において内燃機関1の空燃比が12.9のときの排ガスを三元触媒を介して得られた排ガスである。(2)次に空燃比14.3の分析値は、前記(1)で運転し空気制御弁7bを介して三元触媒の流入側へ空気を添加して空燃比14.3とし、三元触媒の後流側で採取した排ガスの示す。(3)空燃比14.7の分析値は、前記(1)で運転し空気制御弁7bを介して三元触媒の流入側へ空気を添加して空燃比14.7とし、三元触媒の後流側で採取した排ガス分析値である。 【0018】 【表1】
【0019】内燃機関を空燃比12.9の還元雰囲気で燃焼すると排ガス中に未燃焼ガスであるCO:4.86%、H2:2.45%、及びCH4:0.015%が含まれるが、三元触媒のガス流入側へ理論空燃比に相当する空気を添加すると、COとH2は95〜96%が除去され、CH4は完全に除去することができる。 【0020】以上のように、理論空燃比以下において内燃機関を運転し、次いで内燃機関の排ガス中へ空気を添加してCOやHC等の未燃焼ガスと有害なNOxを除去する排ガス浄化方法によれば、三元触媒の存在下で効果的に処理することができる。 【0021】以上に示した内燃機関の排ガス浄化方法を具備したコジェネレーションシステムは、排ガス浄化性能が高く市街化部においても採用が可能である。 【0022】(実施例2)内燃機関を駆動源とするコジェネレションシステムは、図4に示すように内燃機関1の冷却水と排ガス熱を熱交換器4により回収される。本方式では、熱回収を高めるために内燃機関へ供給する燃料の空燃比を燃料過剰とし、触媒3により積極的に熱回収するものである。 【0023】ガス浄化用触媒3のガス流入側へ空気を添加して未燃ガスを燃焼すると、420℃のガス温度は650℃ないし700℃に高くなり、排熱として回収することができる。 【0024】しかし、一方では触媒温度が触媒の耐熱温度の限界800℃程度となり、触媒寿命を短くすることが懸念される。そこで、ガス温度を調整するための手法として特開平11−125113号公報に示されるように触媒層のガス流入側へ熱交換器を設ける方法が提案されている。しかし、熱交換器をさらに設けることはコスト的にも高くなる。そこで簡易な方法で熱を回収し、しかも触媒層を保護することを提案した。 【0025】図3は内燃機関1の排ガス流路に設けられた三元触媒の冷却と熱回収を備えた触媒保持器を示す。3はハニカム構造を担持体とした三元触媒、3aは触媒3を保持し、かつ触媒を冷却し熱回収するための水冷壁構造とした冷却装置を示す。本冷却法によれば触媒層からの放射熱を冷却壁に吸収し、熱回収と触媒の冷却を備え効果的である。 【0026】 【発明の効果】本発明によれば内燃機関より排出する有害なNOxおよび未燃焼排ガスを効果的に低減でき、大気汚染防止に効果的である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成12年1月19日(2000.1.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075096 【弁理士】 【氏名又は名称】作田 康夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−200756(P2001−200756A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月27日(2001.7.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−14035(P2000−14035) |
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