トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの




【発明の名称】 ピストンの構造
【発明者】 【氏名】内 藤 雄 史

【氏名】小 出 明

【要約】 【課題】オイル消費の増加を防止できる分割型ピストンの構造を提供すること。

【解決手段】スカート部(10)上端に設けられたオイル溜まり(13)の壁(14,15)の半径方向内方の高さを外方の高さより低くしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クラウン部とスカート部との二つの部材で構成されたピストンの構造において、スカート部外周の上端に溝状のオイル溜まりが設けられ、その溝状のオイル溜まり両側壁面の高さがピストンの半径方向内方の壁が半径方向外方の壁より低く構成されていることを特徴とするピストンの構造。
【請求項2】 上記溝状のオイル溜まりが複数個に分割されており、オイル溜まりとオイル溜まりとの間の部分の一箇所をオイル入り口部とし、残りの部分をオイル落とし口とするよう構成されている請求項1のピストンの構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラウン部とスカート部との二つの部材で構成されたピストンの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のピストンでクラウン部とスカート部とが別の部材として構成されている分割型ピストンは知られている(例えば、特開平8−338303号公報、実開平5-36055号公報等)。
【0003】上記の技術はいずれも、構造上、クラウン部とスカート部との接合部に隙間が出来ることを避けられない。そして、その隙間から、ピストン内側に供給されるピストン冷却オイル等が外周に漏れ出してしまう。そのため、エンジンのオイル消費量が多くなってしまう。また、エンジンオイルの燃焼により、環境にも悪影響を与えるという問題が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、構造簡単でオイル消費量を増加させない分割型ピストンの構造を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のピストンの構造は、クラウン部とスカート部との二つの部材で構成されたピストンの構造において、スカート部外周の上端に溝状のオイル溜まりが設けられ、その溝状のオイル溜まり両側壁面の高さがピストンの半径方向内方の壁が半径方向外方の壁より低く構成されている。
【0006】ここで、上記溝状のオイル溜まりが複数個に分割されており、オイル溜まりとオイル溜まりとの間の部分の一箇所をオイル入り口部とし、残りの部分をオイル落とし口とするよう構成されているのが好ましい。
【0007】上述した様な構成を具備する本発明のピストンの構造によれば、ピストンの上下運動によりオイル溜まりのオイルが壁の低い半径方向内方に流れるため、外周にオイルが流出しない。そのため、オイル消費量が抑制される。
【0008】また、前記溝状のオイル溜まりを複数個に分割し、オイル溜まりとオイル溜まりとの間の部分の一箇所をオイル入り口部とし、残りの部分をオイル落とし口とすれば、オイルがピストンの外周側にオイルがオーバフローすることが防止されるので、オイル消費量が減少する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は分割型ピストンを示し、従来公知のクラウン部1と本発明に係るスカート部10とにより構成されている。ここで、符号2は燃焼室、3はリング溝背面部、4はリング溝、5はピストンピン孔、1aはブッシュをそれぞれ示している。
【0010】クラウン部1の下部において、スカート部10のピストンピン孔(以下、「ピン孔」と記載する)11がクラウン部1のブッシュ1aと組み合わされており、図示しないピストンピンが貫通する様になっている。そして、図示しないピストンピンは、溝12に係合される図示しないクリップで抜け止めされている。スカート部10の上端部には、オイル溜まり13が形成されている。
【0011】図2はスカート部10の平面図を示し、オイル溜まり13は複数個(図示の例は4箇所)に分割して設けられている。オイル溜まり13とオイル溜まり13との間の部分は符号18で示されており、当該間の部分18は1箇所だけ、形状の異なるオイル溜まり23により、間隔を広げた間の部分として構成されており、当該間隔を広げた間の部分は符号19で示されている。
【0012】符号19で示す部分には、シリンダライナ下部に設けられているオイルジェット30(鎖線で示す)から噴射されるオイルの入り口部となる通路が形成されている。
【0013】図3はスカート部10の側断面図を示し、オイル溜まり13を形成する半径方向内方の壁15の上端は、半径方向外方の壁14の上端に比較して、符号Hで示す寸法(例えば2mm)だけ低くなる様に形成されている。
【0014】なお、スカート部10の下端に設けられている切欠き17は、オイルジェット30の図示しないノズルに対する逃げを示している。
【0015】図4は図3のA−A断面、図5は図2のB−B断面をそれぞれ示し、上述した通り、符号11はピン孔、12はクリップ溝、18はスカート部10の外周部分をそれぞれ示している。
【0016】以下、作用について説明する。各シリンダに設けられているノズルから上方に向けて噴射されたオイルジェット30は、クラウン部1のリング溝裏側3の頂部に衝突して飛散落下し、オイル溜まり13及び23に溜まる。そして、オイルはピストンの下降時にリング溝裏側3の部分に飛散して冷却し、オイル溜まりに戻る。
【0017】オイル溜まり13は、ノズルから噴射されるオイルが補充されて常にオイルが溜まっている状態になるが、半径方向内方の壁15が半径方向外方の壁14より低い(この実施形態では2mm低い)ため、ピストン上昇時にオイルが壁の低い半径方向内方に漏れ、ピストンの外周側にオイルがオーバフローすることが防止される。
【0018】以上、オイル溜まり13が4箇所に分割されている実施形態について説明したが、分割数は上記に限定されるものでなく、また分割せずにリング状の溝に形成してもよい。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り構成されており、以下の優れた効果を奏することが出来る。
(1) ピストンの上下運動によりオイル溜まりのオイルが壁の低い半径方向内方に流れるため、外周にオイルが流出しない。
(2) したがって、オイル消費量が低く維持され、環境への悪影響も防止される。
(3) 溝状のオイル溜まりが複数個に分割されており、オイル溜まりとオイル溜まりとの間の部分の一箇所をオイル入り口部とし、残りの部分をオイル落とし口とするよう構成すれば、オイルがピストンの外周側にオイルがオーバフローすることが防止され、オイル消費量が減少する。
【出願人】 【識別番号】000003908
【氏名又は名称】日産ディーゼル工業株式会社
【出願日】 平成12年3月27日(2000.3.27)
【代理人】 【識別番号】100071696
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敏忠 (外1名)
【公開番号】 特開2001−271706(P2001−271706A)
【公開日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願番号】 特願2000−85625(P2000−85625)