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【発明の名称】 シフト制御システム及び変速機のトルク制御方法
【発明者】 【氏名】ジョン アレン スティービー

【氏名】ウォーレン レイモンド デドウ

【氏名】マーク デビッド ボードマン

【要約】 【課題】車両用変速システムにおいて、ギヤの離脱を円滑に行う。

【解決手段】本発明のシフト制御システム15は、大型車両の半自動変速機2に適用することができる。本発明のトルク調整システムは、トルクのランプ関数すなわちアルゴリズムを使用して、クラッチ離脱の適用範囲のトルクにおいて、正及び負の両方のトルクの変化率を制御し、及び/又は、長いドゥエル時間を与える論理回路16を含む。さらに、ランプのピークにおけるドゥエル時間は、必要ではない。ここに、本発明の原理に従ったギヤ離脱及びシフト制御を改善するための方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のギヤのグループを備え、該各グループが運転者によって手動選択される少なくとも1つのギヤおよび複数の連続的な関係のギヤを含み、さらに、特定の所望のギヤ位置において自動シフトを可能にするアクチュエータと、ランプ関数を使用してトルクの増加を制御してギヤの離脱を促進する論理回路とを備えたことを特徴とする車両用ドライブトレーンのシフト制御システム。
【請求項2】 前記ランプ関数は、正及び負の両方のトルクの増加を制御することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】 前記ランプ関数は、それぞれの上り勾配、頂点及び下り勾配を有する複数のランプを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】 前記それぞれのランプの頂点において、ギヤの離脱に必要なトルク値に到達し、該トルク値がランプに沿って下降されることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】 それぞれのランプの上り勾配の傾きは、前記それぞれのランプの下り勾配の傾きとほぼ同じであることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項6】 それぞれのランプに対するトルクの振幅は、ギヤの離脱の開始時に利用可能な総エンジントルクの振幅の約5%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】 順次連続したそれぞれのランプの間に、ドゥエル時間が含まれていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】 順次連続する交互に正負のそれぞれのランプの間にドゥエル時間が含まれていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】 ゼロトルク範囲において、ドゥエル時間が計算されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】 ドゥエル時間は、約100msであることを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項11】 ギヤ離脱の実行開始時のピークトルクにおいて、ドゥエル時間を有していないことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】 それぞれのトルクランプの振幅は、ギヤの離脱が達成されないとき、時間経過によって増大されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】 ギヤの離脱を検知する少なくとも1つのセンサを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】 複数のギヤのグループを備え、該各グループが運転者によって手動選択される少なくとも1つのギヤおよび複数の連続的な関係のギヤを含み、さらに、特定の所望のギヤ位置において自動シフトを可能にするアクチュエータと、制御されるトルクの順次連続した関数の間のドゥエル時間を利用してギヤの離脱を促進する論理回路とを備えたことを特徴とする車両用ドライブトレーンのシフト制御システム。
【請求項15】 前記ドゥエル時間は、前記論理回路によって制御されるトルクの順次連続する交互に正負の関数の間に含まれることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】 ゼロトルク値を決定し、現在の変速機の状態を表す初期現在トルク値を決定し、エンジン変数を調整するために使用される信号を操作することによって、現在のトルク値を変更して、現在のトルク値を前記ゼロトルク値に近づけ、論理回路を利用して、既知の変速機状態が生じるまで、エンジン変数を調整することによって決定される振幅及び周期を有する時間の関数であるそれぞれのランプの形状によって現在のトルク値を上昇及び下降させることを特徴とする多段ギヤを有する車両変速機のトルク値を制御する方法。
【請求項17】 複数のランプが正及び負のトルクの増加を制御することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】 順次連続するそれぞれのランプの間にドゥエル時間を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】 ランプが制御する正及び負のトルクは交互に配置されていることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】 ギヤの離脱が達成されないとき、時間経過によってランプによるトルク値が増大されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】 異なる車両変速機の状況に対して、ランプ関数を修正するステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】 アルゴリズムを使用してランプ関数を修正して、それぞれのランプの形状を最適化することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、概して車両ドライブラインのシフト制御システムに関し、より具体的には、トルク調整を利用してギヤの離脱およびシフト制御を改善する大型トラックに適した半自動シフト制御システムに関するものである。また、本発明は、ギヤの離脱およびシフト制御を改善する方法を含む。
【0002】
【従来の技術】車両変速機は、従来技術において公知である。大型車両は、一般的に、手動または半自動変速機を備えている。そのような半自動変速機の基本的な役割は、少なくとも一部が自動化されたシステムを使用して手動選択されたギヤ比の切換を実行する際に運転者を補助することである。そのような変速機は、普及されているが、当業者は現在の設計を改善すなわち改良し続けている。
【0003】一般的な手動変速機を備えた車両において、ギヤ切換すなわちシフトを実行するためには、運転者は、クラッチ及びギヤシフトレバーを手動で操作する。マスタクラッチは、エンジンの出力軸を変速機の入力軸から離脱させて、変速機が以前に選択されたギヤの係合を解除されて、ニュートラル位置へ移動されるようにする。マスタクラッチは、その後、解放されて、変速機の内部回転部材がそれらの回転速度を維持し、また、新たなギヤに係合するための適当な同期速度に対応するエンジンスロットルによって所望のエンジン速度に近づけるようにする。その後、運転者がマスタクラッチ及びシフトレバーを操作して、変速機を新たに選択されたギヤへ再係合する。これは、熟練及び経験を必要とする。
【0004】半自動シフト制御は、連続関係のより高い前進ギヤ比の間の自動シフトを可能にする。コントローラは、現在結合されたジョークラッチアセンブリを離脱するのに充分なトルクの遮断を生じさせるために、アクチュエータが現在係合されたジョークラッチを離脱方向へ付勢している間、エンジンへの燃料供給をできるだけ反復して増減させる。しかしながら、いくつかのエンジンでは、エンジン加速度及び減速度が非常に速く、ギヤの離脱を容易にする電気的に制御されたトルクの反転の間に、ジョークラッチがしばしばロックされたままになる。いくつかの公知の燃料制御システムでは、ブリップ(blip)」が正及びのトルク増分を付与し、そして、ステップ関数と同様な方法でそのトルクを所与の時間保持し、ギヤの離脱を達成できるように増大させる。負のトルクは、エンジンへの燃料供給をゼロにする命令によって発生させることができ、固有のエンジン摩擦によって、システムのトルクが反転してのトルクが得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】半自動変速システムの設計者が直面する課題は、ギヤシフトの作業を改善すなわち簡単にし、かつ、運転者が円滑に感じる効果的方法によってこれを達成することである。本発明は、ギヤの離脱及びシフトを改善するための有効なシステム及び方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題及び従来システム及び方法に関係する限界を認識して、コスト効果があり、運転者が円滑に感じる効果的な方法において、ギヤの離脱を改善するトルク調整シフト制御システム及び方法を提供する。本発明は、ソフトウェアの修正によって達成することができる更なる利点を提供する。したがって、本発明のシステム及び方法は、従来のシステム及び方法に比して、非常に経済的である。本発明の一実施形態によれば、大型車両の半自動変速機に適したシフト制御システムが提供される。このトルク調整システムは、トルク関数すなわちアルゴリズムを使用して正負両方のトルクの変化率を制御し、かつ、クラッチ離脱適用範囲のトルクにおいて長いドゥエル時間を与える論理回路を有する。さらに、システムによって命令されるディザリングトルクは、例示であって限定ではないが、J1939データリンクによるトルク値を使用して、瞬間的なピークトルク値を±14%ないし±10%またはこれ以下に減少することができる。このようなディザリングトルクの目的は、エンジントルク情報が過大または過少報告された場合であっても、比較的短いスパンの時間でゼロトルクが確実に達成されるのを補助することである。さらに、ギヤの離脱及びシフトに対して機能上の利益が小さいまたは利益が無い最大または最小ピークトルク時のドゥエル時間は、必要ではない。また、本発明の原理にしたがって改善されたギヤ離脱及びシフト制御の方法が開示される。本発明の特徴は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、後に簡単に説明された図面を読むことによって、さらに明らかになる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、通常、大型トラックに使用される車両用複式機械式変速システムを概略的に示している。図示の変速システムの実施形態では、主変速部4は、シフト制御システム15によって制御される補助変速部6に直列に連結されている。このシフト制御システム15は、適当な信号33を検出してアクチュエータ手段34に供給する手段を有し、アクチュエータ手段34は、所望の特定のギヤ位置に自動的にシフトすることができるように作動する。
【0008】システム15は、さらに、好ましくは、電子コントローラ16、燃料制御手段26およびシフトアクチュエータ34である自動シフト可能にするように作動する手段を含む。主変速部4は、マスタ摩擦クラッチ8によってエンジン5の駆動軸に作動的に連結されている。エンジン5は、変速機2を介して車両を推進させる駆動力を提供する。補助変速部6の出力軸10は、一般的には、駆動軸及び駆動車軸によって車両の駆動車輪(図示せず)に作動的に連結されている。さらに、多段変速ドライブアクスルを補助部6の代りに、または、補助部6と関連して使用することができる。しかしながら、代表的な変速システムが図1に示されているが、本発明は、その構造に限定されないことに留意することが重要である。
【0009】変速機2から選択可能な切換ギヤ比は、一般的に、先ずクラッチペダル12を押し下げてエンジン駆動軸を離脱し、その後、シフトレバー36を主変速部4の所望の切換ギヤ比を規定するシフトパターンにしたがって位置決めすることによって手動的に選択することができる。所望のギヤ比が補助変速部6に含まれる場合、シフトは、補助部6を係合させるように作用する信号を供給するための電気的シフトボタン38または流体作動バルブ38A等の1またはそれ以上のアクチュエータの作動によって容易に実行することができる。このようなシステムは、複式変速機の設計および操作における当業者に一般的に公知である。
【0010】ここで使用されるグループという用語は、例えば運転者が特定のギヤ比を手動で選択する複式変速機等の車両用変速機で利用可能な特定の複数のギヤ比を意味する。ここで使用される連続的な関係という用語は、他のグループ内で利用可能ギヤ比が介在しない選択されたグループ内で利用可能なギヤ比の間を意味する。一般的に、変速機2は、運転者によって選択可能な1つのグループが連続関係で、当該変速機によって得られるギヤ比の総数よりも少なく、かつ、連続関係のギヤ比の少なくとも2つの間で自動シフトが実行される複数の前進ギヤ比を有する形式のものである。
【0011】好ましくは、最も高いギヤ比及び最も高いギヤ比を含むグループにおいて最も高いギヤ比に連続的な関係のギヤ比を除いて、全てのギヤ比は、運転者によって手動選択可能であり、クラッチペダル12を押し下げて、クラッチ8によって変速機2をエンジン駆動部材から離脱させ、レバー36をニュートラル位置に移動できるようにし、そして、クラッチ8を再結合し、そして、エンジン5への燃料供給を操作して、結合されるべく選択されたジョークラッチのクラッチ部材の同期またはほぼ同期回転を生じさせ、クラッチ8を再度離脱し、その後、シフトレバー36を位置決めし、必要ならばボタン38を操作し、所望の切換ギヤ比に係合して、ペダル12を解放することによって手動選択される。
【0012】一般的に、制御システムは、適当な信号33を検知して所望の特定のギヤ位置に自動シフトできるように作動するアクチュエータ手段34に供給する手段と、(好ましくはマイクロプロセッサベースの)論理回路を含む半自動制御を提供するための電子コントローラ16と、燃料制御手段26と、シフトアクチュエータ34とを備える。コントローラ16は、1またはそれ以上のマイクロコンピュータ、特別に設計されたマイクロコントローラ、ソフトウエア、専用の回路またはこれらの1またはそれ以上の組合せによって実現することができる。一般的に、コントローラ16は、入力軸速度信号14、ギヤ比位置信号30、出力軸速度信号22及び/又はアクセルペダル位置28を表す入力信号24およびギヤの離脱を含む情報を受けて作動して自動シフトを開始及び実行する。
【0013】一般的に、自動シフトは、バルブ及び当業者には公知の同様物を含むシフトアクチュエータ34によって、論理回路16から受信されたコマンド出力信号33の性質に従って、また、コマンド出力信号24に従って自動燃料コントローラ26によって実行される。一般的なシステムにおいては、コントローラ16は、燃料コントローラ26を介してエンジン5へ供給される燃料の量を制御することによってエンジン5を制御する。エンジン5への燃料の供給を制御することによって、エンジン出力軸の回転速度を制御し、また、自動トルク制御を提供する。さらに、複数のセンサによって、変速システムの中のギヤの配置及びギヤ比に関す情報を提供することができる。
【0014】変速システムは、好ましくは、運転者がクラッチ8を操作する必要なしに所望のギヤ切換を実行することができるように使用される。これは、一般的に、エンジン5、より具体的には出力軸の回転速度をコントローラ16を使用して制御して、変速機の中でゼロトルク状態を達成することによって達成される。ゼロトルク状態は、運転者がシフトレバー36を操作して現在係合されたギヤを離脱できるようにする。本発明に係るアセンブリ及び方法は、変速機の中で必要なゼロトルク状態を効率的かつ効果的に達成するための改良された方法を提供する。
【0015】いくつかの一般的なシステムにおいては、アクチュエータ34は、軸方向に分割されたクラッチ部材(例えば第1及び第2クラッチ部材)を付勢する。第2クラッチ部材及びギヤの回転速度は、一般的にシフト過渡状態中にほぼ一定である車両速度に依存する。エンジン5は、一時的に燃料を増量して回転速度を上昇させ、これにより、第1クラッチ部材で第2クラッチ部材を駆動し、その後、燃料が減量されて、エンジンを減速し、これにより、第2クラッチ部材が第1クラッチ部材を駆動する。このように強制されたトルクの反転中、少なくとも瞬間的には、第1クラッチ部材と第2クラッチ部材とを横切って伝達されるトルクが遮断されて、これらを離脱できるようにする。これは、制御シーケンスが続行されてこの離脱が1回だけ生じたところで検知される。
【0016】第1及び第2クラッチ部材が互いに離脱され、この離脱が確認された後、エンジンへの燃料の供給は、燃料コントローラ26によって制御されて、クラッチをほぼ同期速度で回転させる。ほぼ同期状態が達成されると、これは信号(図1の符号14および22参照)によって検知することができ、コントローラは、シフトアクチュエータ34にクラッチを噛合い結合させる。
【0017】一般的にクルーズコントロールといわれるエンジン及び車両対地速度を所望値に制御する手段は、シフト制御システムとは独立に、または、関連して設けることができ、また、燃料コントローラ26の一部として含ませることができる。加えて、全てのギヤ比を手動でシフトすることが望まれる状況があり、このため、シフト制御システムは、好ましくは、運転者によるスイッチ25の操作(図1参照)またはコントロールシステムを操作できる他の信号等によって望まれたとき、制御システムの作動をキャンセルする手段を含む。また、制御システムの作動をキャンセルする手段は、好ましくは、手動シフトへの切換が実行されていることを記録して表示する手段、例えば、シール27または他の形式のバリア(図1参照)を壊す、または、取外すことによって、シフト制御システムの効果の解除を表示する手段を含む。
【0018】図2は、本発明の実行を示し、時間に対するトルク値のプロットを含む。車両が1つのギヤに係合されており、例えば、所望のシフトの開始時に、利用可能なエンジントルクである初期トルク値50となっている。コントローラ16は、現在の係合ギヤに対してゼロトルク状態を得るために必要な状態を表す情報を持っている。そのような状態は、信号14、22及び24に含まれるが、限定はされない。コントローラ16は、現在のトルク値を符号52で示すように、目標トルク値56に等しくなる点54に達するまで下降させる。目標トルク値56は、必ずしもエンジンの出力トルクではなく、変速機の内部のゼロトルク状態に対応するトルクであり、これにより、運転者は、現在の係合ギヤを離脱することができる。初期トルク値50から点54へのトルクの下降は、好ましくは、点52を通る一定の減少率すなわち傾斜(時間毎のトルク)を有する。しかしながら、一定の減少は、重要ではなく、非一定、非線形の変化率も本発明の技術的範囲に含まれる。大型車両の変速では、遅い減少率が有益である。トルクのランプ波による調整は、従来の変速機制御システムにしばしば関連するステップ関数よりも、円滑な切換および優れた性能を提供することがわかっている。線分Lは、1つのギヤの離脱の後に続く次のギヤに関係する初期上昇勾配の経過時間トルクの増大を視覚的に表す。
【0019】図3は、従来の時間に対して調整されたトルクのグラフ図を示す。このグラフ図は、ゼロトルク線56についてのステップ関数の形式のトルクディザリングを示す。図示の従来例では、トルクの大きさは、ギヤの離脱が達成されるまで、各シーケンスステップで増大されている。
【0020】ランプ波によって調整されたトルク制御を実現することは、異なる機能上の状況に関連した1またはそれ以上のアルゴリズムを利用するコントローラによって達成される。トルク値は、好ましくは、現在のトルク値を指令する電気信号をフィルタ処理または修正する調整アルゴリズムによって制御される。このアルゴリズムすなわちフィルタは、変速機のオーバオールギヤ比に基づいて決定される値を有する。
【0021】現在のトルク値が、推定されたゼロトルク線56と交差する点54に達したとき、修正関数、好ましくは、ランプ関数(ramp function)が実行されて、現在のトルク値を目標トルク値56の付近に変化させる。一般的に、振幅及び周期は、低ギヤ比に対しては低く、高ギヤ比に対しては高い。
【0022】本発明の好ましい実施形態は、ゼロトルク線56に対して、正および負の両方のトルクの変化率を制御するトルク調整モデルすなわちアルゴリズムに関して独立したランプRを利用する。ゼロトルク線56は、システムによってクラッチの離脱に最適と予想されるトルクのレベルすなわち大きさである。このアルゴリズムは、トルクをゼロトルク線に対して修正して、システムに生じ得るあらゆる不具合に対処し、例えば、エンジンの冷間時には、そのようなファクターに基づいてゼロトルク状態を変更する。
【0023】ランプRは、好ましくは、一定の線形レートのトルク増加率及び減少率を有するが、放物線状、半円形または指数関数的なレート等も考慮される。ゼロトルクレンジ56から頂点58(すなわち、概して制御アルゴリズム及びコントローラ16によって調整された一時的な最大トルク値)へのランプ率(ramp rate)は、ランプアップ(ramp up)ともいわれ、符号64として示され、また、頂点58からゼロトルクレンジ56へ戻る傾きは、ランプダウン(ramp down)ともいわれ、符号66として示される。通常、頂点58では、制御されたトルク値が小さい値で保持され、その値は、概して、また、好ましくは、迅速に予想されたゼロトルク線56へ向って下降される。
【0024】本発明の好ましい実施形態においては、各ランプのスパンは、シフト開始時の振幅の±5%の振幅範囲で約75ms(例示であり、エンジンまたは変速機の形式によって変化する)である。頂点58において、トルクまたは時間経過が達成される。本発明に係るトルクの調整は、好ましくは、1またはそれ以上の交互に正負のランプ間のドゥエル時間Dを含む。ドゥエル時間Dは、大きなトルク修正なしに、ランプ間に追加時間のスパンを与え、エンジンによって制御されたトルクがアルゴリズムに追従できるようにし、また、トルク値を、コントローラ16がクラッチ離脱のための最良範囲と認める値に保持できるようにする。本発明の好ましい実施形態においては、ドゥエル時間Dは、約100msとされる。この形式の調整は、ジョークラッチの離脱適用範囲のトルクにおいて長いドゥエル時間を与え、一般的に、指令されたトルクが狭くなるようにする。トルクのピーク値では小さな値に維持され、または、維持されないので、ピークトルク時のドゥエル時間は、必要ではない。
【0025】好ましい実施形態では、個々のランプRの上り勾配64及び下り勾配66の傾きは、ほぼ同じとされている。同様に、交互の正のランプ70及び負のランプ72の振幅は、たいていは同じトルク振幅値を有する。しかしながら、本発明の他の実施形態では、システムは、クラッチの離脱が達成されない場合、時間の経過によってトルク値が増大するトルクランプRを提供する。
【0026】本発明は、リアルタイムトルク制御アルゴリズムを利用して、より円滑なギヤの離脱のために、より長い離脱トルク周期を提供する。これは、電気的なものであるから、個々のランプRの上り勾配及び下り勾配の傾きは、効果的かつ経済的な方法で、単純な制御アルゴリズム及び/又はプログラムによって、異なる車両変速機の状況に対して、容易に調整することができ、また、関連して、及び/又は独立して最適化することができる。
【0027】本発明の特定の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明は、ここに図示されて説明されたものに限定されるものではなく、これらは、本発明の説明のために最良の実施形態を図示したものに過ぎない。当業者は、本発明の教示の範囲で修正及び変形が可能であるが、これらの変形及び修正は、特許請求の範囲によって限定された本発明の技術的範囲に含まれる。
【出願人】 【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
【住所又は居所原語表記】Eaton Center,Cleveland,Ohio 44114,U.S.A.
【出願日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【代理人】 【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫 (外3名)
【公開番号】 特開2001−355474(P2001−355474A)
【公開日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【出願番号】 特願2001−108622(P2001−108622)