| 【発明の名称】 |
内燃機関の吸気弁駆動制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉山 孝伸
【氏名】青山 俊一
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| 【要約】 |
【課題】現在の機関運転状態及び加速度に応じて吸気弁1の作動角及び中心角を適切かつ速やかに可変制御し、機関運転性能の向上を図る。
【解決手段】主として吸気弁1の作動角を変化させる作動角変更機構10と、主として作動角の中心角を変化させる中心角変更機構20と、を備える。制御部40は、各種センサ41〜46からの検出信号等に基づいて得られる現在の機関運転状態及び加速度に応じて、作動角変更機構10及び中心角変更機構20の一方又は双方を駆動制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主として吸気弁の作動角を変化させる作動角変更機構と、主として上記作動角の中心角を変化させる中心角変更機構と、現在の機関運転状態を得る運転状態取得手段と、現在の機関の加速度を得る加速度取得手段と、得られた現在の機関運転状態及び加速度に応じて、上記作動角変更機構及び中心角変更機構の一方又は双方を駆動制御する制御部と、を有することを特徴とする内燃機関の吸気弁駆動制御装置。 【請求項2】 機関が無負荷運転域にあるときには、吸気弁の閉時期が下死点近傍または下死点よりもわずかに進角するとともに、上記作動角が相対的に小さくなるように制御され、現在の機関運転状態が上記無負荷運転域で、かつ、現在の加速度が相対的に小さい場合、主として中心角が進角するように中心角変更機構を駆動制御し、現在の機関運転状態が上記無負荷運転域で、かつ、現在の加速度が相対的に大きい場合、主として作動角が大きくなるように作動角変更機構を駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気弁駆動制御装置。 【請求項3】 機関が一定速運転域にあるときには、吸気弁の閉時期が吸入下死点よりも大きく進角するとともに、作動角が相対的に小さくなるように制御され、現在の機関運転状態が上記一定速運転域で、かつ、現在の加速度が相対的に小さい場合、主として中心角が進角するように中心角変更機構を駆動制御し、現在の機関運転状態が上記一定速運転域で、かつ、現在の加速度が相対的に大きい場合、作動角が大きくなるとともに中心角が遅角するように、上記作動角変更機構及び中心角変更機構の双方を駆動制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の吸気弁駆動制御装置。 【請求項4】 機関が部分負荷運転域にあるときには、吸気弁の開時期が上死点よりも進角するとともに、閉時期が下死点よりも進角し、かつ、作動角が相対的に小さくなるように制御され、現在の機関運転状態が上記部分負荷運転域で、かつ、現在の加速度が相対的に大きい場合、吸気弁の作動角が大きくなるとともに中心角が遅角するように、上記作動角変更機構及び中心角変更機構の双方を駆動制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の吸気弁駆動制御装置。 【請求項5】 過給機付きの内燃機関で無過給域から過給域へ移行する場合、過給圧の上昇に応じて吸気弁の作動角が拡大しつつ中心角が遅角するように、上記作動角変更機構と中心角変更機構の双方を駆動制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の吸気弁駆動制御装置。 【請求項6】 上記作動角変更機構は、機関のクランクシャフトに連動して回転する駆動軸と、この駆動軸の外周に揺動可能に外嵌し、上記吸気弁を駆動する揺動カムと、の間に設けられるものであって、上記駆動軸に偏心して設けられ、この駆動軸と一体的に回転する駆動カムと、この駆動カムの外周に相対回転可能に外嵌する第1のリンクと、上記駆動軸と略平行に配置される制御軸と、この制御軸に偏心して設けられ、この制御軸と一体的に回転する制御カムと、この制御カムの外周に相対回転可能に外嵌するとともに、一端が上記第1のリンクの先端と連結されたロッカーアームと、このロッカーアームの他端と上記揺動カムとに連結された第2のリンクと、上記制御部からの制御信号に応じて上記制御軸を回転駆動するアクチュエータと、を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の吸気弁駆動制御装置。 【請求項7】 上記中心角変更機構は、上記クランクシャフトと同期して回転する外筒部と、この外筒部と同軸上に配置されるとともに、吸気弁を開閉駆動する駆動軸と一体的に回転する内筒部と、これら外筒部と内筒部との間に介装される環状のプランジャと、これら内筒部と外筒部の相対的な回転位相が変化するように、上記制御部からの制御信号に応じて上記プランジャを内,外筒部の軸方向へ駆動するアクチュエータと、を有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の内燃機関の吸気弁駆動制御装置。 【請求項8】 上記加速度取得手段が、スロットル開度センサ、アクセル開度センサ、機関吸入圧力センサ、機関吸入空気量センサの少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の内燃機関の吸気弁駆動制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気弁の作動角やその中心角を変えることができる吸気弁駆動制御装置に関する。 【0002】なお、本明細書で用いられる「作動角」は、実質的な吸気弁の開弁期間に対応しており、一般的に、クランクシャフトの回転角の範囲で表される。また、「作動角の中心角」は、作動角の中心位相角度あるいはバルブリフトが最大となるときの位相角度に対応しており、一般的に、クランクシャフトの回転角度で表される。 【0003】 【従来の技術】周知のように、機関低回転低負荷時における燃費の改善や安定した運転性並びに高回転高負荷時における吸気の充填効率の向上による十分な出力を確保する等のために、吸気弁の作動角やその中心角を変えることができる吸気弁駆動制御装置が従来から種々提案されている。 【0004】例えば特開平7−180514号公報には、吸気弁の開閉時期の切換制御の自由度を高めるために、主に吸気弁の作動角を変化させる第1の可変動弁機構と、主に作動角の中心角を変化させる第2の可変動弁機構と、を併用した吸気弁駆動制御装置が開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】機関が一定速運転域(R/L域)や比較的緩やかに加速する緩加速域(部分負荷域)にあるときには、ポンプ損失低減のために、吸気弁の閉時期(IVC)を下死点より早め、充填効率を低下させることにより、燃費の改善を図るのが効果的である。一方、高回転高負荷域等へ向かう急な加速状態では、吸入空気量を最大限確保するために、吸気弁の開時期(IVO)を上死点近傍とし、IVCを下死点近傍とすることが望ましい。この場合、比較的緩やかな加速時に必要とされるIVCと、比較的急な加速時に必要とされるIVCと、が大幅に異なるものとなる。一方、上記第1,第2の可変動弁機構を駆動するアクチュエータの応答速度にも限界があることから、吸気弁の開閉時期を安定して速やかに切換制御するためには、加速度の度合いが急な場合と緩やかな場合とを速やかに判断し、先取りしたアクチュエータ制御を行う必要がある。 【0006】本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、現在の機関運転状態と加速度を考慮して適正な吸気弁の作動角及び中心角の制御を行い、運転性を損ねることなく、特に常用域である緩加速時の燃費効果を最大限に確保することを一つの目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る内燃機関の吸気弁駆動制御装置は、主として吸気弁の作動角を変化させる作動角変更機構と、主として上記作動角の中心角を変化させる中心角変更機構と、現在の機関運転状態を得る運転状態取得手段と、現在の機関の加速度を得る加速度取得手段と、得られた現在の機関運転状態及び加速度に応じて、上記作動角変更機構及び中心角変更機構の一方又は双方を駆動制御する制御部と、を有することを特徴としている。 【0008】より具体的には、少なくとも2つ以上の機関運転状態と、少なくとも2つ以上の加速度の度合いと、に応じて、少なくとも4つ以上の制御マップを予め用意しておく。そして、現在の機関運転状態及び加速度に応じた適切な制御マップに基づいて、作動角変更機構及び中心角変更機構の一方又は双方を駆動制御する。 【0009】なお、前記「機関の加速度」とは、当然のことながら、車両そのものが加速走行状態にある場合の、それに伴う機関回転数や機関負荷等による「機関の加速度」を意味する。 【0010】請求項2に係る発明は、機関が無負荷運転域にあるときには、吸気弁の閉時期が下死点近傍または下死点よりもわずかに進角するとともに、上記作動角が相対的に小さくなるように制御され、現在の機関運転状態が上記無負荷運転域で、かつ、現在の加速度が相対的に小さい場合、主として中心角が進角するように中心角変更機構を駆動制御し、現在の機関運転状態が上記無負荷運転域で、かつ、現在の加速度が相対的に大きい場合、主として作動角が大きくなるように作動角変更機構を駆動制御することを特徴としている。 【0011】請求項3に係る発明は、機関が一定速運転域にあるときには、吸気弁の閉時期が吸入下死点よりも大きく進角するとともに、作動角が相対的に小さくなるように制御され、現在の機関運転状態が上記一定速運転域で、かつ、現在の加速度が相対的に小さい場合、主として中心角が進角するように中心角変更機構を駆動制御し、現在の機関運転状態が上記一定速運転域で、かつ、現在の加速度が相対的に大きい場合、作動角が大きくなるとともに中心角が遅角するように、上記作動角変更機構及び中心角変更機構の双方を駆動制御することを特徴としている。 【0012】請求項4に係る発明は、機関が部分負荷運転域にあるときには、吸気弁の開時期が上死点よりも進角するとともに、閉時期が下死点よりも進角し、かつ、作動角が相対的に小さくなるように制御され、現在の機関運転状態が上記部分負荷運転域で、かつ、現在の加速度が相対的に大きい場合、吸気弁の作動角が大きくなるとともに中心角が遅角するように、上記作動角変更機構及び中心角変更機構の双方を駆動制御することを特徴としている。 【0013】請求項5に係る発明は、過給機付きの内燃機関で無過給域から過給域へ移行する場合、過給圧の上昇に応じて吸気弁の作動角が拡大しつつ中心角が遅角するように、上記作動角変更機構と中心角変更機構の双方を駆動制御することを特徴としている。 【0014】上記作動角変更機構は、好ましくは請求項6に係る発明のように、機関のクランクシャフトに連動して回転する駆動軸と、この駆動軸の外周に揺動可能に外嵌し、上記吸気弁を駆動する揺動カムと、の間に設けられるものであって、上記駆動軸に偏心して設けられ、この駆動軸と一体的に回転する駆動カムと、この駆動カムの外周に相対回転可能に外嵌する第1のリンクと、上記駆動軸と略平行に配置される制御軸と、この制御軸に偏心して設けられ、この制御軸と一体的に回転する制御カムと、この制御カムの外周に相対回転可能に外嵌するとともに、一端が上記第1のリンクの先端と連結されたロッカーアームと、このロッカーアームの他端と上記揺動カムとに連結された第2のリンクと、上記制御部からの制御信号に応じて上記制御軸を回転駆動するアクチュエータと、を有している。 【0015】上記中心角変更機構は、好ましくは請求項7に係る発明のように、上記クランクシャフトと同期して回転する外筒部と、この外筒部と同軸上に配置されるとともに、吸気弁を開閉駆動する駆動軸と一体的に回転する内筒部と、これら外筒部と内筒部との間に介装される環状のプランジャと、これら内筒部と外筒部の相対的な回転位相が変化するように、上記制御部からの制御信号に応じて上記プランジャを内,外筒部の軸方向へ駆動するアクチュエータと、を有している。 【0016】上記加速度取得手段は、好ましくは請求項8に係る発明のように、スロットル開度センサ、アクセル開度センサ、機関吸入圧力センサ、機関吸入空気量センサの少なくとも一つを有している。 【0017】 【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、現在の運転状態及び加速度に応じて吸気弁の作動角及び中心角を制御するようにしたため、例えば現在の加速度を考慮せずに機関回転数や負荷のみから作動角や中心角を制御する場合に比して、より適正な作動角及び中心角を安定して速やかに得ることができ、機関運転性能が著しく向上する。 【0018】請求項2に係る発明によれば、機関が無負荷運転域にあるときには、作動角を小さくするとともに吸気弁の閉時期を下死点近傍とすることにより、実圧縮比の低下による燃焼安定性の低下を伴うことなく、残留ガスやポンプ損失を低減することができる。そして、このような無負荷運転域からの緩い加速では、主に中心角を進角させることにより、燃費性能の向上を図ることができる。また、無負荷運転域からの急な加速では、主に作動角を拡大することにより、燃費の向上とトルクの確保とを図ることができる。 【0019】請求項3に係る発明によれば、機関が一定速運転域にあるときには、作動角を小さくするとともに吸気弁の閉時期を下死点よりもかなり進角させることにより、実ストロークや圧縮比を抑制し、ポンプ損失の大幅な低減を図ることができる。そして、このような一定速運転域からの緩い加速では、主に中心角を進角させることにより、燃費性能の向上を図ることができる。また、一定速運転域からの急な加速では、作動角の拡大とともに中心角を遅角させることにより、燃費の向上とトルクの確保とを図ることができる。 【0020】請求項4に係る発明によれば、機関が部分負荷運転域にあるときには、開時期の進角化によるバルブオーバラップの拡大に伴う既燃ガスの内部還流効果と、閉時期の進角化による実ストローク低下に伴うポンプ損失低減効果と、の相乗効果を得ることができる。そして、このような部分負荷域から例えば全負荷運転域へ向かうような急な加速時には、作動角の拡大と中心角の遅角とを併行して行うことにより、要求トルクヘの到達時間を短縮することができる。 【0021】請求項5に係る発明によれば、過給圧の上昇に応じて、吸気弁の作動角の拡大と中心角の遅角とを併行して行うこととしたので、過給圧上昇に応じて作動角及び中心角を迅速かつ適正に制御でき、要求トルクに対する応答遅れを確実に低減することができる。 【0022】また、好ましくは、無過給域へ向かう緩加速の状態と、過給域へ向かう急加速の状態とを正確に区別し、これを吸気弁の開閉時期の制御へ先取りすることにより、過給圧の上昇を早め、その後のノック回避も効果的に回避することができるようになる。 【0023】請求項6の発明に係る作動角変更機構では、吸気弁を駆動する揺動カムが駆動軸と同軸上に配置されている等の関係でコンパクト化を図ることができ、機関への搭載性が向上する。また、他の一般的な可変動弁機構に対して部品点数も抑制される。加えて、各リンク部材の連結部分が面接触となるため、潤滑性,耐久性に優れているとともに、作動角切替時の抵抗も軽減され、燃費向上を図ることができる。 【0024】請求項7の発明に係る中心角変更機構では、他の一般的な機構に比してコンパクトで機関への搭載性に優れ、部品点数も抑制することができる。また、上記請求項6の作動角変更機構と併用した場合にも、互いに干渉せずに配置することができる。 【0025】請求項8に係る発明によれば、例えば、スロットル開度センサ又はアクセル開度センサを用いた場合には応答性に優れ、機関吸入圧力センサを用いた場合には比較的安価にシステムを構成でき、機関吸入空気量センサを用いた場合には正確な空気量に基づき制御を行うことができる。また、複数のセンサを組み合わせて用いることにより、各センサの長所が組み合わされ、あるいは短所が他のセンサによりカバーされる。 【0026】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る吸気弁駆動制御装置を、ガソリン式内燃機関に適用した一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。 【0027】図1〜4は、主に吸気弁1の作動角を変化させる作動角変更機構10の機械的構成を示している。内燃機関の各気筒には1つ又は複数の吸気弁1が設けられ、各吸気弁1の上部にはバルブリフタ2が配設されている。これらのバルブリフタ2の上部には、図外のクランクシャフトに連動して軸周りに回転駆動される駆動軸3が気筒列方向に延在している。この駆動軸3の外周には、各吸気弁1に対応して揺動カム4が揺動可能に外嵌されており、この揺動カム4がバルブリフタ2に当接してこれを押圧することにより、吸気弁1が図外のバルブスプリングのバネ力に抗して開閉駆動される。 【0028】作動角変更機構10は、これらの駆動軸3と揺動カム4との間に設けられ、両者3,4を機械的に連携するリンクの姿勢を変化させて、吸気弁1の作動角を連続的に変化させるようになっている。 【0029】つまり、作動角変更機構10は、駆動軸3に偏心して設けられ、この駆動軸3と一体的に回転する駆動カム11と、この駆動カム11の外周に相対回転可能に外嵌するリング状リンク(第1のリンク)12と、駆動軸3と略平行に気筒列方向へ延在する制御軸13と、この制御軸13に偏心して設けられ、この制御軸13と一体的に回転する制御カム14と、この制御カム14の外周に相対回転可能に外嵌するとともに、一端がリング状リンク12の先端と相対回転可能に連結するロッカーアーム15と、このロッカーアーム15の他端及び揺動カム4の先端と回転可能に連結し、両者15,4を機械的に連携するロッド状リンク(第2のリンク)16と、を有している。 【0030】上記の駆動軸11及び制御軸13は、図外の軸受ブラケットを介して内燃機関のシリンダヘッド側へ回転可能に支持されている。制御軸13の一端には、この制御軸13を所定の制御角度範囲内で軸周りに回転駆動するととももに、所定の回転位相に保持する油圧式又は電磁式のアクチュエータ17が設けられており、このアクチュエータ17は制御部40により制御される。 【0031】この制御部40は、周知のCPU及びメモリ等を備えたディジタルコンピュータシステムであって、水温センサ41,回転数センサ42,油圧センサ43,スロットル(又はアクセル)開度センサ44,吸入圧力(又は吸入空気量)センサ45,及び過給圧センサ46等の機関運転状態を検出する各種センサからの検出信号等に基づいて、燃料噴射時期,噴射量,点火時期を制御するとともに、上記の作動角変更機構10のアクチュエータ17や、後述する中心角変更機構20のアクチュエータへ制御信号を出力して、吸気弁1の作動角及びその中心角を制御する。 【0032】このような構成により、クランクシャフトに連動して駆動軸3が回転すると、駆動カム11を介してリング状リンク12が実質的に並進作動するとともに、ロッカーアーム15が制御カム14周りを揺動し、ロッド状リンク16を介して揺動カム4が揺動して、吸気弁1が開閉駆動される。 【0033】また、制御軸13を回動制御することにより、ロッカーアーム15の揺動中心となる制御カム14の中心位置が変化して、各リンク12,16等の姿勢が変化し、揺動カム4の揺動角度範囲が変化して、バルブリフト特性が変化する。具体的には、図5に示すように、作動角の中心角位相が略一定のままで、作動角及びバルブリフト量が連続的かつ多段階に変化する。 【0034】なお、図1,2は、制御軸13が最小作動角位置に保持された状態(ゼロリフト状態)を示し、図3,4は、制御軸13が最大作動角位置に保持された状態(フルリフト状態)を示している。また、図1,3は、揺動カム4が最も開弁方向(図の時計回りの方向)へ揺動した状態を示し、図2,4は、揺動カム4が最も閉弁方向(図の反時計回りの方向)へ揺動した状態を示している。 【0035】このような機械的構成を有する作動角変更機構10は、駆動カム11とリング状リンク12との摺接部分や制御カム14とロッカーアーム15との摺接部分等の各部材の連結部分が面接触となっているため、潤滑が行い易く、耐久性,信頼性に優れているとともに、切換時の抵抗も低く抑制される。また、駆動軸3と同軸上に駆動カム11や揺動カム17が配置されているため、例えば揺動カムを駆動軸とは異なる別の支軸で支持するような構成に比して、制御精度に優れているとともに、装置自体がコンパクトなものとなり、車両搭載性が良い。 【0036】図6は、吸気弁1の作動角の中心角を変化させる中心角変更機構20の機械的構成を示している。上記の駆動軸3は、軸受ブラケット5を介してシリンダヘッド側へ回転可能に支持されており、この駆動軸3の外周側にはカムプーリ(又はスプロケット)6が同軸上に配置されている。このカムプーリ6は、チェーン又はタイミングベルトを介してクランクシャフトから回転動力が伝達され、クランクシャフトと同期して回転する。 【0037】そして、中心角変更機構20は、上記のカムプーリ6と駆動軸3との間の回転動力伝達経路に設けられ、両者6,3の回転位相を連続的かつ多段階に変化させるようになっている。具体的には、中心角変更機構20は、カムプーリ6の内周側に一体的に形成された外筒部21と、駆動軸3にボルト22を介して締結固定され、この駆動軸3と一体的に回転する内筒部23と、これらの外筒部21と内筒部23との間に介装されるリング状のプランジャ24と、このプランジャ24を一方向(図の左方向)へ常時付勢するリターンスプリング25と、を有している。上記の外筒部21の内周側にはスリーブ26が固定されており、このスリーブ26がベアリング27を介して軸受ブラケット5に回転可能に支持されている。 【0038】ここで、プランジャ24の内,外周面と、内筒部23の外周面及び外筒部21の内周面との噛合部分28はヘリカルスプラインとなっている。従って、このプランジャ24が内,外筒部の軸方向(図6の左右方向)へ移動することにより、この軸方向の運動が内筒部23と外筒部21との相対回転運動に変換され、外筒部21と内筒部23との相対回転位相が連続的に変化する。この結果、図7に示すように、吸気弁1の作動角が一定のままで、その中心角が進角側(a)から遅角側(b)へ連続的に変化する。例えばプランジャ24が図6の最も左方向へ配置されている状態(図6の状態)では、図7の波形(b)で示すように、吸気弁1の作動角の中心角及び開閉時期が最も遅角側に設定される。一方、プランジャ24が図6の最も右側へ配置されている状態では、図7中の波形(a)で示すように、吸気弁1の作動中心角及び開閉時期が最も進角側に設定される。 【0039】そして、この例では、プランジャ24の前後に画成される進角側油圧室31及び遅角側油圧室32への作動油圧を制御することにより、プランジャ24を所定の軸方向位置に移動,保持する油圧式アクチュエータとして構成されている。進角側油圧室31は、プランジャ24の一端と外筒部21にピン29を介して固定されるエンドキャップ30との間に液密に画成されており、エンドキャップ30,ボルト22及び駆動軸3に形成された油通路33a,33b,33c,33dを介して油圧制御弁35に接続されている。遅角側油圧室32は、プランジャ24の他端側に液密に画成されており、油通路34を介して油通路34を介して油圧制御弁35に接続されている。この油圧制御弁35にはオイルパン36からの作動油を供給するオイルポンプ37が接続されており、上記の制御部40からの制御信号に基づいて油圧室31,32への供給油圧が切換制御される。 【0040】このような中心角変更機構20は、コンパクトで機関への搭載性に優れ、部品点数も低く抑制される。また、上記の作動角変更機構10と併用した場合にも、互いに干渉せずに配置することができる。 【0041】図8は、ターボ過給機50の構成を模式的に示している。シリンダ7から排出される排気は、排気弁8により開閉される排気ポート8aを通って排気タービン51へ供給される。この排気によって排気タービン51が回動されると、この排気タービン51と背中合わせに設けられたコンプレッサ52によって、吸気管53及び吸気ポート1aへ供給される吸気が加圧される。 【0042】ここで、吸気管53内の圧力が設定値を超えることのないように、排気系には排気タービン51を迂回するバイパス通路53が設けられている。このバイパス通路53には排気バイパス弁(ウエストゲートバルブ)54が配設されており、この排気バイパス弁54は、吸気管53に設けられた過給圧センサ46の検出信号等に基づいて、制御部40によって駆動制御される。 【0043】図9,10は、内燃機関の回転数−トルク特性図を示しており、図10は運転状態に応じた吸気弁1の好適な開閉時期の一例を模式的に示している。図中の■〜■は、代表的な機関運転域(運転状態)に対応している。 【0044】例えばアイドル運転域■では、好ましくは、吸気弁1の開時期(IVO)がクランク角度で上死点後約40度程度、閉時期(IVC)が下死点直前となるように、作動角を小さくするとともに中心角を遅角側に設定する。つまり、アイドル域■では実圧縮比を落とすと燃焼安定性が悪化するので、IVCを遅らせる代わりにIVOを遅らせることで、残留ガスやポンプ損失の低減を図っている。 【0045】一定速運転(R/L)域■では、好ましくは、IVOが上死点近傍となり、IVCが下死点から大きく進角するように、作動角を(アイドル域■と同程度まで)小さくするとともに中心角をアイドル域■よりも進角側に設定する。つまり、実ストローク,圧縮比を低下させ、ポンプ損失の大幅な低減を図っている。 【0046】機関が相対的に緩く加速するような部分負荷域(緩加速域)■では、IVOを上死点前としてバルブオーバラップ拡大による内部還流効果と、IVCを進角して実ストローク低下によるポンプ損失低減効果との相乗効果を得るために、好ましくは作動角をR/L域■よりも大きく(又は同程度と)しつつ、中心角をアイドル域■よりも進角側(R/L域■と同程度)に設定する。 【0047】無過給(過給圧上昇がない場合)で急な加速を行う全負荷運転域(急加速域)■では、吸入空気量を最大限確保するために、IVCが下死点近傍、IVOが上死点近傍となるように、作動角を部分負荷域■よりも更に拡大しつつ中心角をR/L域■や部分負荷域■よりも遅角側(アイドル域■と同程度)へ設定する。 【0048】過給機付き内燃機関での過給域■では、IVCを遅らせて実圧縮比を低下させ、過給ミラーサイクルとして使うのが最も効率的であり、従って、好ましくは、上記の急加速域■よりも作動角を更に拡大させつつ中心角を更に遅角させる。 【0049】このように、各運転条件■〜■に対応してIVO及びIVC(作動角及び中心角)が大きく異なる設定となっているため、例えばアイドル域■から加速する場合、その加速の度合いによって、IVO及びIVC(作動角及び中心角)の制御目標値を大きく変える必要がある。例えば、アイドル域■から急加速するような場合に、仮に一端緩加速域■の設定を狙うと、早すぎるIVCでスロットルが早く全開に達し、その後IVCを遅らせて充填効率を確保することとなり、加速のもたつき感が出てしまう。従って、上記のアイドル域■からの急加速では、それを的確に判断し、直接的に全負荷域■の設定を目指す制御とすれば、中心角を変えずに作動角のみを拡大すれば良く、アクチュエータ駆動量も必要最小限に抑制される。 【0050】そこで、本実施形態では、機関運転状態■〜■と加速度の度合い(緩い加速又は急な加速)とに応じた複数の制御マップを制御部40のメモリ内に予め用意しておき、各種センサの出力に基づいて検出又は推定される現在の機関運転状態■〜■及び加速度合いに応じた適切な制御マップを用いて、上記の変更機構10,20の一方又は双方を選択的に駆動制御するようにしている。 【0051】一例として、機関運転状態がアイドル域■又はR/L域■の場合の制御部40の制御の流れを図11に示している。 【0052】先ず、S(ステップ)101では、各種センサからの出力等に基づいて、現在の機関運転状態がアイドル域■かR/L域かを判定する。続くS102又はS110では、現在の運転状態とΔT秒前の運転状態との比較に基づいて、加速状態にあるか否かを判断する。加速状態でない場合、本フローの最初のステップであるS101へ戻る。加速状態と判断した場合、S103又はS111へ進み、現在の運転状態とΔT秒前の運転状態との比較に基づいて現在の加速度の度合いを算出,判定する。具体的には、現在の加速度と予め設定された所定値とを比較して、緩加速か急加速かを判定する。続くS104,S107,S112,又はS115では、現在の機関運転状態(アイドル域■又はR/L域■)及び加速度の度合い(緩加速又は急加速)に応じた適切な制御マップを選定する。 【0053】続いてS105,S108,S113,又はS116では、選定された制御マップに基づいて、変更機構10,20の一方又は双方のアクチュエータを作動させて、作動角及び/又は中心角を可変制御する。好ましくは、アクチュエータ作動過渡時の作動特性向上のため、作動角又は/及び中心角を監視し、作動角及び/又は中心角が目標値に到達するまで、アクチュエータを作動し続ける(S106,S109,S114,又はS117)。 【0054】この後、自然吸気機関の場合には本フローを終了し、過給機が付与された機関の場合にはS120以降へ進む。S120では、過給圧センサ46で検出される吸気管圧力や吸入圧力(又は吸入空気量)センサ45で検出される吸入空気量に基づいて、現在の過給圧を算出,推定し、この過給圧が予め設定されている所定の圧力以上の場合、S121に進む。所定値以下の場合は本フローを終了する。S121では、過給時用の作動角・中心角制御マップに基づいて、現在の加速度及び過給圧に応じた作動角・中心角の目標値を選定する。S122、123では、両変更機構10,20のアクチュエータを作動させ、目標値となったところで本フローを終了する。 【0055】図12は、アイドル域から緩加速を行う場合(■→■)の特性を示し、図11のS104〜106に対応している。この場合、主に燃費性能の向上を図るために、作動角は略一定のままで、中心角が進角制御される。 【0056】図13は、アイドル域から急加速を行う場合(■→■)の特性を示し、図11のS107〜109に対応している。この場合、燃費の向上とトルクの確保とを図るために、中心角は略一定のままで、作動角が拡大制御される。 【0057】図14は、R/L域から緩加速を行う場合(■→■)の特性を示し、図11のS112〜114に対応している。この場合、主に燃費性能の向上を図るために、作動角は略一定のままで、中心角が進角制御される。 【0058】図15は、R/L域から急加速を行う場合(■→■)の特性を示し、図11のS115〜117に対応している。この場合、燃費の向上とトルクの確保とを図るために、作動角を拡大しつつ中心角が遅角制御される。 【0059】図16は、過給圧上昇時(■→■)の特性を示し、図11のS121〜S123に対応している。この場合、作動角を拡大しつつ中心角が遅角制御される。 【0060】また、図示されていないが、部分負荷域■から全負荷運転域■へ向かう場合には、作動角の拡大と中心角の遅角とを併行して行い、要求トルクヘの到達時間の短縮化を図る。 【0061】なお、上記の説明では、一般的な機関制御と異なる点、つまり現在の加速度に応じて異なる制御マップを用いる点について詳しく説明しているが、実際には、現在の加速度の他、機関回転数や負荷に応じて異なる制御マップが好適に用いられる。また、回転数及び負荷に基づいて選定された制御マップ又はテーブルデータと、加速度及び回転数に基づいて選定された制御マップ又はテーブルデータとを参照する構成としても良い。 【0062】更に、過給機を備えた内燃機関の場合には、好ましくは、無過給域へ向かう緩加速の状態と、過給域へ向かう急加速の状態とを正確に区別し、これを吸気弁の開閉時期の制御へ先取りすることにより、過給圧の上昇を早め、その後のノック回避も効果的に回避することができる。 【0063】また、本実施例ではヘリカルスプラインを適用した中心角変更機構20を用いているが、これに限らず、例えば特開平9−60508号公報に示されるようなベーンロータを適用した油圧制御方式に基づく中心角変更機構を用いることもできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月19日(2000.5.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062199 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−329871(P2001−329871A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月30日(2001.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2000−147590(P2000−147590) |
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