| 【発明の名称】 |
船外機構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】中井 弘
【氏名】柴田 保彦
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| 【要約】 |
【課題】V型エンジンをよりコンパクトにするための吸・排気構造を備えた船外機構造を提供する。
【解決手段】V型気筒列の内側に排気ポート56を形成し、各気筒列の外側に吸気ポート54を配置し、各吸気ポートに連通する吸気マニホルド82を前方に向けて延設し、エンジンボディ左右側部において吸気通路にスロットルバルブ90を接続し、エンジン一側部のスロットルバルブ90を作動させる第1のリンク部材92と、エンジン他側部のスロットルバルブ90を作動させる第2のリンク部材92とを有し、第1、第2のリンク部材の各端部をカウリング14内に設けた1つの回動部材102に接続し、船外機前側からカウリング内に導入したスロットルケーブル106によって回動部材を回動させることにより、左右のスロットルバルブ90を同時に作動させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】船体の後部に支持されるケースと、このケースの上面にカウリングに覆われて載置されるプロペラ駆動用の内燃機関とを備え、この内燃機関は、その前側に縦置き配置のクランク軸を有し、このクランク軸を中心として複数の気筒を後方に向けV型に対向配置したV型4サイクルエンジンからなる船外機構造において、前記V型に配置された気筒列の内側に向けて排気ポートを形成し、前記V型に配置された気筒列の外側にそれぞれの気筒毎に吸気ポートを配置し、各吸気ポートに連通する吸気通路を前方に向けて延設し、エンジンボディ左右側部においてそれぞれの吸気通路にスロットルバルブを接続し、エンジン一側部のスロットルバルブを作動させる第1のリンク部材と、エンジン他側部のスロットルバルブを作動させる第2のリンク部材とを有し、前記第1のリンク部材と第2のリンク部材の各端部を前記カウリング内に設けた1つの回動部材に接続し、船外機前側から前記カウリング内に導入したスロットルケーブルによって前記回動部材を回動させることにより、前記一側部と他側部のスロットルバルブを同時に作動させることを特徴とする船外機構造。 【請求項2】前記スロットルバルブは、前記クランク軸より後方に配置され、該スロットルバルブの前方にサイレンサを配置したことを特徴とする請求項1に記載の船外機構造。 【請求項3】前記吸気通路は、気筒毎に独立して形成されるとともに、前記吸気通路毎にスロットルバルブを上下に並べて配置し、該上下のスロットルバルブ同士を連結して同時に作動させるリンク機構を設け、該リンク機構を前記第1あるいは第2のリンク部材に接続したことを特徴とする請求項1または2に記載の船外機構造。 【請求項4】前記カウリングは、エンジン側面部で後側から前側に向けて徐々に幅が狭くなるように形成されたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の船外機構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、V型エンジンの吸・排気構造に係わり、特に、4サイクル船外機用V型エンジンの吸・排気構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来よりエンジンをコンパクトに配置するために、複数の気筒をV型に対向配置する、いわゆるV型エンジンが実用化されている。特に、船外機は軽量コンパクトであることが望まれているから、最近ではこのようなV型エンジンが広く適用されるようになってきている。従来、カウリング内にV型エンジンをよりコンパクトに配置して船外機を小型化するために、エンジンの吸・排気系のレイアウトの改良が種々試みられてきており、例えば、特開昭62−267561号に記載のものが存在する。 【0003】この従来例は、クランク軸を中心として複数のシリンダをV字型に対向配置するとともに、クランク軸を略鉛直方向に向けて配置してなるV型エンジンであって、吸気ポートをV字型に形成したバンクの内側に配設するとともに、この吸気ポートに連なる吸気管が少なくとも部分的にバンク挟角の中心線に沿ってクランク軸から遠ざかる方向に延出され、かつ互いに対向する一対のシリンダに対し、各一基の気化器が設けられるようにしたものである。 【0004】この従来例によれば、両バンク間の角度を比較的小さくしてV型エンジンの幅方向寸法を小さくできることから、V型エンジンを船外機に用いる場合などでは、設置スペースを削減できる等有効なものとなっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来例では、吸気ポート含む吸気系統をV型に配置された両バンク(以下、「Vバンク」という。)の内側に配置していることから、気化器等がエンジンより後方に突出し、船外機の寸法が後方に大きくなる。 【0006】また、前記従来例では排気系統がエンジンのVバンクの外側に設けていることから、各バンクの排気マニホールドをエンジンの下端部分で中心方向に屈曲させ、エンジンの下を通過させた後排気管に集合させる必要がある。その結果、エンジンの高さに、エンジン下方を横方向に横断する排気通路が加わって船外機の高さが大きくなってしまう問題があった。 【0007】したがって、従来構造では、船外機が高さ方向や後方に大型化する等コンパクト性を達成する上で十分でなく、この結果、例えば、船外機の重心が後方かつ上方寄りになって操縦安定性が十分でない等の問題があった。また、Vバンクの内側に吸気系統が配設されているため、気化器や各気筒のスロットルバルブを開閉させるリンク機構もVバンク内に配置しなくてはならず、カウリングの幅方向寸法を削減する上でも十分でない。そこで、この発明はV型エンジンをよりコンパクトにするための吸・排気構造を備えた船外機構造の提供を目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明は、船体の後部に支持されるケース(アッパーケーシング)と、このケースの上面にカウリングに覆われて載置されるプロペラ駆動用の内燃機関とを備え、この内燃機関は、その前側に縦置き配置(鉛直配置)のクランク軸を有し、このクランク軸を中心として複数の気筒を後方に向けV型に対向配置したV型4サイクルエンジンからなる船外機構造において、前記V型に配置された気筒列の内側に向けて排気ポートを形成し、前記V型に配置された気筒列の外側にそれぞれの気筒毎に吸気ポートを配置し、各吸気ポートに連通する吸気通路を前方に向けて延設し、エンジンボディ左右側部においてそれぞれの吸気通路にスロットルバルブを接続し、エンジン一側部のスロットルバルブを作動させる第1のリンク部材と、エンジン他側部のスロットルバルブを作動させる第2のリンク部材とを有し、前記第1のリンク部材と第2のリンク部材の各端部を前記カウリング内に設けた1つの回動部材に接続し、船外機前側から前記カウリング内に導入したスロットルケーブルによって前記回動部材を回動させることにより、前記一側部と他側部のスロットルバルブを同時に作動させることを特徴とするものである。 【0009】好ましくは、前記スロットルバルブは、前記クランク軸より後方に配置され、該スロットルバルブの前方にサイレンサを配置したことを特徴としている。 【0010】さらに好ましくは、前記吸気通路は、気筒毎に独立して形成されるとともに、前記吸気通路毎にスロットルバルブを上下に並べて配置し、該上下のスロットルバルブ同士を連結して同時に作動させるリンク機構を設け、該リンク機構を前記第1あるいは第2のリンク部材に接続したことを特徴としている。 【0011】さらに好ましくは、前記カウリングは、エンジン側面部で後側から前側に向けて徐々に幅が狭くなるように形成されたことを特徴としている。 【0012】 【作用】前記本発明によれば、V型に配置されたバンクの内側に向けて排気ポートを構成し、かつ前記バンクの下方に前記排気ポートと連通する排気通路を形成するとともに、この排気通路をエンジン下方の排気管に接続したため、排気通路を排気管に連結するための通路をエンジンの下方で横断させる必要がないことから、エンジンの高さを低減することができる。また、V型に配置されたバンクの外側に、吸気ポートおよびこの吸気ポートに連通する吸気通路を配設したことから、気化器等の吸気系を後方に突出することなく配置することができる。これらのことにより、V型エンジンをよりコンパクトにすることができる。 【0013】特に、船外機用内燃機関(エンジン)として4サイクルV型エンジンを用い、そのクランク軸を鉛直方向に配置した縦置き配置とした場合、エンジンの左右側方にそれぞれスロットルバルブが配置されるが、本発明では左右のスロットルバルブを簡単な構成で同時に作動できる。 【0014】また、前記スロットルバルブは、前記クランク軸より後方に配置され、該スロットルバルブの前方にサイレンサを配置した構成とすれば、エンジンのシリンダ部分からクランクケースへ連続する凹み部分にスロットルバルブを配置でき、これによりエンジン幅方向をコンパクトに構成し、スロットルバルブ外側にリンク機構が配置可能になる。 【0015】 【実施例】次に本発明の実施例について説明する。図1は、本発明の吸・排気構造が適用される船外機全体の概略が示されている。機関本体1はエンジン10を備え、エンジン10は推進ユニットのアッパーケーシング(ケース)12上に載置され、かつカウリング14により覆われている。 【0016】エンジン10の出力は、アッパーケーシング12を貫通してロアーケーシング16まで延在するドライブ軸18に伝達されて、シフト機構20を介してロアーケーシング16に設けられたプロペラ軸22に伝達される。 【0017】アッパーケーシング12はその前側をスイベルブラケット24に担持されるとともにスイベル軸(図示しない)の回りに左右に回動可能である。スイベルブラケット24は船体の船尾板30に固定されたクランプブラケット26に対してスイベルブラケット24の前側に位置するチルト軸28の回りに上下に回動可能に連結され、これにより推進ユニットは上下、左右に船体に対して回動可能に取付られる。 【0018】符号32はエンジン10から下方に延在する排気管であり、排気膨張室34に連なっている。この膨張室34はロワーケーシング16を貫通して、プロペラ軸のボス部に形成された排気出口に連結している。 【0019】前記エンジン10は、図2に示すように、シリンダブロック36、シリンダブロックの軸方向の端面に固着されたシリンダヘッド38、このシリンダヘッドの開放端に装着されるヘッドカバー40を備えている。これらシリンダブロック等は、互いにV状に配置された二つの右バンク42A、左42Bを形成している。それぞれのバンクは3つの気筒をクランクケース44内のクランク軸45の軸線に沿って配設している。各気筒は円筒状のシリンダスリーブ46と、このシリンダスリーブの内面を燃料の燃焼によって進退摺動するピストン48を備え、このピストン48は図示しないコンロッドを介して前記クランク軸45に連結している。なお、符号50は、ピストン48の端面とシリンダヘッド38との間に画成される燃焼室を示す。また、符号52はクランク軸45の上端で嵌装されたリングギヤを示す。 【0020】各バンクの各気筒における前記シリンダヘッド38には、前記燃焼室50に開口し、シリンダブロック36の軸線にほぼ直角で前記Vバンクの外方に屈曲した吸気ポート54と、吸気ポートに対向して左右のバンクの内側でシリンダブロック36の軸線に略平行に前方に向かって屈曲した排気ポート56が形成されている。これら各ポートには、燃焼室50との開口を開閉する吸気弁58、排気弁60が嵌装されている。各バンクの排気ポートは、左右のバンクの内側でシリンダブロック36の軸線に略平行に前方に向かって屈曲して構成されていることから、ヘッドカバー40の端部から突出することなく左右のバンク間に効率良く配置される。 【0021】前記ヘッドカバー40内には、所定の減速比を持って前記クランク軸45に図示しない連結機構を介して連結されたカム軸62が当該クランク軸に沿って支持されており、このカム軸には、一体に回転するカム64が嵌着されている。 【0022】このカム64に対向して、排気用または吸気用の一対のロッカーアーム66が支持されており、このロッカーアームは、軸68を中心としてカム44に従動し、所定のタイミングでその端部が前記排気弁60または吸気弁58の終端と当接する。したがって、各弁はこのタイミングで燃焼室50に向かって押圧されて、この押圧時各ポートが開口され、燃焼室50に連通するようになっている。なお、前記排気弁または吸気弁は、弾性ばね70によって常時各ポートを閉鎖する方向に付勢されている。 【0023】前記左右のバンク42A,42Bの内側のシリンダブロック36の部分には、排気マニホールド74がシリンダブロックと一体に形成されている。この排気マニホールドは、両方のバンクのシリンダブロック36によって挟まれた略菱形状の域内に、両方のシリンダブロックの後端面に揃えてクランク軸の軸方向に沿って船外機の下方に延在するように形成され、図3に示すように、隔壁76によって二つの排気通路75,77が画成されている。 【0024】前記排気マニホールド74は、図3に示すように、エキゾーストガイド78を介してエンジンの下に存在する排気管32に連接している。そして、この排気管32の部分において、前記隔壁76は省略されており、この結果、両方排気通路75、77を流れてきた排気が集合されて、船外機外に排出される。 【0025】前記排気ポート56は前記排気マニホールド74の後端に形成された開口80を介して当該排気マニホールドと連接している。したがって、左右のバンクの排気弁60が所定のタイミングで開放すると、燃焼室50内の排気が排気ポート56を介して、排気マニホールド74に至り排気通路75,77にまで誘導される。 【0026】図2に示すように、前記両バンク42A,42Bの外側には、吸気マニホールド82がシリンダスリーブ46の軸線に沿って船外機の進行方向前側に向かって配設されており、この吸気マニホールドの開始端84は前記吸気ポート54に連結されている。この吸気マニホールド82ドは、図示しない吸気口から取り入れられた吸気を左右のバンクの各気筒に分岐して供給するものであり、各バンクの吸気マニホールドは各気筒に対応するキャブレタ86に接続され、吸気方向のさらに上流側には一体のサイレンサ88が配設されている。前記各キャブレタはスロットルバルブ90を有し、このスロットルバルブを開閉することにより各気筒へ供給される燃料の量が制御されるようになっている。このスロットルバルブの開閉は、次に説明するリンク装置92によって制御される。 【0027】このリンク装置92は左右のバンク42A,42Bにそれぞれ設けられている。 図4は右バンク48Aのキャブレタ付近の側面を示したものであり、リンク装置92は支軸91の回りに揺動自在で各気筒のキャブレタ86のスロットルバルブ90を開閉するリンクレバー94と、これらレバーを連結するリンクロッド96とを備え、最下端レバー94Aの前方側端部と下方に存在するコントロールレバー98の後端を連結する第2リンクロッド100を備えてなる。前記コントロールレバー98の後端は左右のバンク42A,42Bのコントロールレバーを互いに連結するためのコントロールシャフト102(図2参照)の端部に嵌着されており、このコントロールシャフトにはフランジ104が形成され、このフランジに偏心してカウリング外からカウリング内に配設されたスロットルケーブル106が固着されている。 【0028】そこで、スロットルケーブル106をカウリング外から進退させることによって、コントロールシャフト102が回動し、当該シャフトと一体になってコントロールレバー98が一点鎖線に示すように回転する(図4参照)。すると、前記第1および第2リンクロッド100,96を介して各リンクレバー94,94Aが一点鎖線に示すように一体に揺動し、左右のバンクの各気筒のスロットルバルブ90を同時に開閉する。 【0029】ここで、リンク装置92はVバンクの最も外側に形成されていることから整備性を向上することができる。また、Vバンクの内側にリンク装置を設けていないことから、キャブレタ86をエンジン側に寄せることができエンジンの幅方向の寸法を低減することができる。さらに、吸気の流れが平行でないキャブレタを同時に開閉することができる。 【0030】図2に示すように、前記排気ポート56およびシリンダスリーブ46の周囲には、冷却水が供給されるウォータージャケット108が形成されており、排気ポート及びシリンダスリーブを効果的に冷却してカウリング内の温度上昇を防ぐようにしている。これにより、吸気効率を向上してエンジン出力の向上を図っている。なお、カウリング14内の前側のスペースにはオイルポンプ等の補機類110が配設されている。 【0031】前記本実施例によれば、排気通路(排気マニホールド等)をVバンクの内側に配置してエンジン10の下方に向けて鉛直に延設していることから、この排気通路をエンジン下方のエキゾーストガイド78および排気管32に直結することができ(図3により明瞭に示されている。)、従来の吸・排気構造のように、両方バンクの外側に配置された各排気通路と中央の排気管とを連結するためにエンジン下方を横断する通路を省略することができる。したがって、機関本体の高さを小さくすることができる。また、エキゾーストガイドを小型化できると共に、合面の占める面積を少なくしてシール性を向上することができる。 【0032】また、吸気系はVバンクの外側側面を前方に向けて配設しているため、前記従来構造のようにVバンクの内側に吸気系を配置した場合に比較して、気化器等がエンジン後方に突出することなく船外機をその進行方向に短縮することができる。そして、吸気系はシリンダスリーブ46の軸線に沿って配設していることから、エンジンを幅方向にコンパクトにすることもできる。また、両バンクの挟角を小さくすることにより、エンジンを幅方向にコンパクトにすることができる。 【0033】このように、機関本体をカウリング内にコンパクトに配置することができるとともに、機関本体の高さを低して重心を下方にし、さらに、吸気系をVバンクの側面に設けたことより重心を前寄りにすることができることから、操縦安定性を向上することができる。なお、エンジンをV状に配置すると機関本体の前方寄りの側面には比較的スペースが発生し、このスペース内に吸気系統を効率的に配置することができる。 【0034】次に第2の実施例を図5および図6に基づいて説明する。この第2の実施例が前記実施例と異なる点はリンク装置の構成であり、その他の構成は特に変わらない。 【0035】この実施例のリンク装置は、支持軸112の回りに搖動する第1のコントロールレバー114と、第1のコントロールレバーに重ねてその下方に、略くの字状の第2のコントロールレバー116を備えるとともに、右バンク42Aの最下端のキャブレタに対応するリンクレバー94Aは下方に延設され、その下端と第1のコントロールレバー114の端部とがリンクケーブル118によって連結され、第2のコントロールレバー116の左端と左バンクのリンクレバー(図示しない)の下端とが他のリンクケーブル118Aによって連結されている。 【0036】これらのリンクケーブルは柔軟性を有するもので、吸気系に沿って屈曲することによりリンクレバーとコントロールレバー114、116を確実に連結することができる。カウリングには外よりスロットルケーブル106がカウリング内に導入され、第1および第2のコントロールレバー114、116の右端に当該ケーブルが連結されている。したがって、図示しないスロットルコントロール機構を操作することによりスロットルケーブルが進退制御され、第1および第2のコントロールレバーが支軸112を中心に回動してリンクケーブル118、118Aを矢示のように進退させ各リンクレバーを一点鎖線のように回動させる。 【0037】本実施例によれば、柔軟性を有するリンクケーブルを用いてスロットル弁の開閉を行っているため、第1の実施例のように左右のバンクのキャブレタにコントロールロッドを掛け渡す必要もなく、簡単な構成によりリンク機構を構成することができる。 【0038】次に第3の実施例を図7に基づいて説明する。この実施例は電子燃料噴射式エンジンを備えた船外機に係わるものである。この実施例が前記第1および第2の実施例と異なる点は、吸気系統の構成と排気系統の構成についてである。このうち、排気系統において、排気ポート56はシリンダスリーブ46の径方向に配設され、シリンダヘッド38の下方に前記クランク軸45に沿って形成されている排気マニホールドに連設される。 【0039】前記第1の実施例と異なり、左右のバンクの排気マニホールド74はVバンクの内寄りではあるが、シリンダブロック36ではなくシリンダヘッド38に一体に設けられている。なお、符号120は排気弁用カムを回動させるギヤであり、クランク軸上端のギヤ122との間に巻回されたベルト124によって回動される。吸気弁用カムは図示しないリンク機構によってギヤ120により回動される。 【0040】次に、本実施例の吸気系統の構成を図8をも参照して詳説する。スロットルバルブを備えたスロットルボディ126をエンジン前方の中心に配置し、このスロットルボディと左右のバンクの吸気マニホールド82に接続され、吸気を集合する膨張室を有する吸気集合管128との間を吸気管130によって連設している。 【0041】吸気集合管128は左右のバンク42A、42Bの側面でエンジン10の上下にクランク軸に沿って形成され、その下端より吸気管がエンジンの前方に向かい左右のバンクに沿ってその後上昇して配設され、エンジンの前方の中間高さに設けられたスロットルボディ126に接続されている。このスロットルボディの上端には燃料供給制御必要な空気センサ132が接続され、その上端に吸気ガイド134が接続されている。 【0042】この実施例では吸気集合管128からスロットルボディ126に至る吸気管130が図示するようにコ字状に形成されているために、吸気集合管と吸気管との解放箇所に燃料ポンプ136、ベーパーセパレータ138、スターターモータ140等の補機類を効率良く収容することができる。この結果、これら補機類をコンパクトに配置することができるとともに、船外機の前方寄り配置することができるために重心を前方よりにして操縦安定性を向上することができる。また、これら補機類を大型化することもできる。 【0043】また、吸気管130の途中に吸気集合管128を配設することにより、吸入空気量を十分確保することができる。さらにまた、スロットルボディ126を船外機の前方かつ中央に配設することによりスロットルボディから左右のバンクの吸気集合管128に至るまでの距離を均等にすることができる。この時、スロットルボディを一つ設ければ良い。なお、本実施例では吸気集合管を設けることにより十分な量の空気を確保することができる。 【0044】次に第4の実施例を図9に基づいて説明する。この実施例は第3の実施例の変形例であり、前記吸気管130が吸気集合管の上端に接続され、スロットルボディ126まで下降して配設されているもである。この実施例によれば、補機類を第3の実施例よりも下方に配置することができるために、重心がより下方になって操縦安定性がさらに向上する。 【0045】なお、図10に示す第5の実施例のように、吸気集合管128の上端に直接スロットルボディ126を連結することにより、吸気集合管の前方よりにより広いスペースを確保することができる。なお、この実施例では、左右のバンク毎にそれぞれスロットルボディ126が設けられている。 【0046】次に第6の実施例を図11および図12に基づいて説明する。この第6の実施例は第2の実施例と同様に第1の実施例の変形例である。この第6の実施例が第2の実施例と異なる部分は、排気マニホールド142がシリンダヘッド38およびシリンダブロック36とは別体に形成されていることである。図12にも示すように、排気マニホールド142がVバンクの内側後方よりシリンダヘッド38に接続され、左右バンクの各気筒の排気ポート56と連接している。そして、エキゾーストガイド78を介して後方よりに配設された排気管に連結されている。 【0047】本実施例によれば、排気マニホールド142の径方向の断面積を大きく採れるため、エンジンが高回転の場合では排気を円滑に行うことができ、背圧を低減してエンジン出力を向上することができる。さらにVバンクの内側および排気マニホールドの内部にに十分な断面積を有するウォータージャケット108を形成することができる。 【0048】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、V型に配置されたバンクの内側に向けて排気ポートを構成し、かつ前記バンクの下方に前記排気ポートと連通する排気通路を形成するとともに、この排気通路をエンジン下方の排気管に接続したため、排気通路を排気管に連結するための通路をエンジンの下方で横断させる必要がないことから、エンジンの高さを低減することができる。また、V型に配置されたバンクの外側に、吸気ポートおよびこの吸気ポートに連通する吸気通路を配設したことから、気化器等の吸気系を後方に突出することなく配置することができる。これらのことにより、V型エンジンをよりコンパクトにすることができる。 【0049】特に、船外機用内燃機関(エンジン)として4サイクルV型エンジンを用い、そのクランク軸を鉛直方向に配置した縦置き配置とした場合、エンジンの左右側方にそれぞれスロットルバルブが配置されるが、本発明では左右のスロットルバルブを簡単な構成で同時に作動できる。 【0050】また、前記スロットルバルブは、前記クランク軸より後方に配置され、該スロットルバルブの前方にサイレンサを配置した構成とすれば、エンジンのシリンダ部分からクランクケースへ連続する凹み部分にスロットルバルブを配置でき、これによりエンジン幅方向をコンパクトに構成し、スロットルバルブ外側にリンク機構が配置可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000176213 【氏名又は名称】三信工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成5年3月15日(1993.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100284 【弁理士】 【氏名又は名称】荒井 潤
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| 【公開番号】 |
特開2001−329869(P2001−329869A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月30日(2001.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2001−102496(P2001−102496) |
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