| 【発明の名称】 |
エンジンの排気浄化装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】間宮 清孝
【氏名】今田 道宏
【氏名】重津 雅彦
【氏名】岩国 秀治
【氏名】加藤 也寸彦
【氏名】小林 明宏
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| 【要約】 |
【課題】NOx排出量を低減する。
【解決手段】連続して点火される複数の気筒を第1気筒グループと第2気筒グループとにグループ化し、HC吸着触媒22bが吸着したHCを放出する温度で、第1気筒グループの空燃比をリッチに設定すると共に、第2気筒グループをNOx排出量が最も多くなる空燃比A/F16〜17付近よりリーンになるように設定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃焼室に連通する排気通路に配設され、低温時に排気ガス中のHCを吸着すると共に、昇温に伴って吸着したHCを放出するHC吸着手段と、前記HC吸着手段からHCが放出される時に、該HC吸着手段上流の排気ガス中の酸素濃度が所定濃度を基準に反転を繰り返すよう各気筒内の空燃比を制御する空燃比制御手段とを備えるエンジンの排気浄化装置おいて、前記空燃比制御手段は、前記酸素濃度を小さくするために第1燃焼時期で燃焼される気筒の空燃比を理論空燃比以下に設定すると共に、第2燃焼時期で燃焼される気筒の空燃比を理論空燃比より大きく、且つ燃焼により生成されるNOx量が所定値以下となる空燃比より大きくなるよう設定することを特徴とするエンジンの排気浄化装置。 【請求項2】 燃焼室内に供給された混合気を着火する点火プラグと、前記第2燃焼時期に対応する気筒の点火時期を、前記第1燃焼時期に対応する気筒の点火時期より進角する点火時期制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。 【請求項3】 前記HC吸着手段下流に排気ガス中の酸素濃度を検出する濃度検出手段を設け、前記空燃比制御手段は、該HC吸着手段下流の酸素濃度が所定濃度より大きくなるように、前記第1及び第2燃焼時期にて夫々燃焼される気筒数の割合、あるいは前記第1及び第2燃焼時期にて夫々燃焼される気筒の少なくとも一方の空燃比を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの排気浄化装置。 【請求項4】 前記排気通路には三元触媒が配置され、前記第1燃焼時期では複数の気筒からなる第1気筒グループが連続して燃焼され、前記第2燃焼時期では複数の気筒からなる第2気筒グループが連続して燃焼されることを特徴とする請求項3のいずれか1項に記載のエンジンの排気浄化装置。 【請求項5】 前記空燃比制御手段は、前記HC吸着手段下流の酸素濃度が所定濃度を基準に反転を繰り返すよう各気筒の空燃比を設定すると共に、前記第1燃焼時期と第2燃焼時期とを繰り返す周期は、所定周期より短い周期に設定されることを特徴とする請求項4に記載のエンジンの排気浄化装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室に連通する排気通路に配設されたHC吸着手段により、低温時に排気ガス中のHCを吸着すると共に、昇温に伴って吸着したHCを放出するエンジンの排気浄化装置に関する。 【0002】 【従来の技術】特開平11−82111号公報には、低温時に排気ガス中のHCを吸着すると共に、昇温に伴って吸着したHCを放出するHC吸着材を備え、HC放出時にHC吸着触媒下流の空燃比がリーンになるよう制御して、HC放出時にHCの酸化に必要な酸素量を増加してHCを良好に浄化させる構成が記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、NOx排出量は空燃比A/Fが16〜17付近(中間空燃比)で最も多くなり、HC浄化のために空燃比をリーンに制御しても、逆にNOx排出量が増加してしまう場合がある。 【0004】本発明は、上述の事情に鑑みてなされ、その目的は、NOx排出量を低減しつつ、HC放出時にHCの酸化に必要な酸素量を増加してHCを良好に浄化できるエンジンの排気浄化装置を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明のエンジンの排気浄化装置は、以下の構成を備える。即ち、燃焼室に連通する排気通路に配設され、低温時に排気ガス中のHCを吸着すると共に、昇温に伴って吸着したHCを放出するHC吸着手段と、前記HC吸着手段からHCが放出される時に、該HC吸着手段上流の排気ガス中の酸素濃度が所定濃度を基準に反転を繰り返すよう各気筒内の空燃比を制御する空燃比制御手段とを備えるエンジンの排気浄化装置おいて、前記空燃比制御手段は、前記酸素濃度を小さくするために第1燃焼時期で燃焼される気筒の空燃比を理論空燃比以下に設定すると共に、第2燃焼時期で燃焼される気筒の空燃比を理論空燃比より大きく、且つ燃焼により生成されるNOx量が所定値以下となる空燃比より大きくなるよう設定する。 【0006】また、好ましくは、燃焼室内に供給された混合気を着火する点火プラグと、前記第2燃焼時期に対応する気筒の点火時期を、前記第1燃焼時期に対応する気筒の点火時期より進角する点火時期制御手段を更に備える。 【0007】また、好ましくは、前記HC吸着手段下流に排気ガス中の酸素濃度を検出する濃度検出手段を設け、前記空燃比制御手段は、該HC吸着手段下流の酸素濃度が所定濃度より大きくなるように、前記第1及び第2燃焼時期にて夫々燃焼される気筒数の割合、あるいは前記第1及び第2燃焼時期にて夫々燃焼される気筒の少なくとも一方の空燃比を制御する。 【0008】また、好ましくは、前記排気通路には三元触媒が配置され、前記第1燃焼時期では複数の気筒からなる第1気筒グループが連続して燃焼され、前記第2燃焼時期では複数の気筒からなる第2気筒グループが連続して燃焼される。 【0009】また、好ましくは、前記空燃比制御手段は、前記HC吸着手段下流の酸素濃度が所定濃度を基準に反転を繰り返すよう各気筒の空燃比を設定すると共に、前記第1燃焼時期と第2燃焼時期とを繰り返す周期は、所定周期より短い周期に設定される。 【0010】 【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれば、酸素濃度を小さくするために第1燃焼時期で燃焼される気筒の空燃比を理論空燃比以下に設定すると共に、第2燃焼時期で燃焼される気筒の空燃比を理論空燃比より大きく、且つ燃焼により生成されるNOx量が所定値以下となる空燃比より大きくなるよう設定することにより、NOx排出量を低減しつつ、HC放出時にHCの酸化に必要な酸素量を増加してHCを良好に浄化できる.請求項2の発明によれば、第2燃焼時期に対応する気筒の点火時期を、第1燃焼時期に対応する気筒の点火時期より進角することにより、冷間時のリーン設定による燃焼安定性悪化を防止し且つリーン設定であってもトルクの低下を抑制できるため、リーン側の燃焼時期に対応する気筒からリッチ側の燃焼時期に対応する気筒へ燃焼が移行する際に急激にトルクが立ち上がることによるトルク変動を抑制できる。 【0011】請求項3の発明によれば、HC吸着手段下流の酸素濃度が所定濃度より大きくなるように、第1及び第2燃焼時期にて夫々燃焼される気筒数の割合、あるいは第1及び第2燃焼時期にて夫々燃焼される気筒の少なくとも一方の空燃比を制御することにより、NOx排出量を抑制しつつO2を供給して排気ガス中のHCを浄化でき、空燃比がリーンになったことによるトルク変動や出力低下をリッチな気筒にて低減できる。 【0012】請求項4の発明によれば、第1燃焼時期では複数の気筒からなる第1気筒グループが連続して燃焼され、第2燃焼時期では複数の気筒からなる第2気筒グループが連続して燃焼されることにより、リッチな気筒の排気ガスとリーンな気筒の排気ガスが混合するのを防止して、リッチな気筒の排気ガスとリーンな気筒の排気ガスとが排気通路においてほぼ分離して三元触媒に流れるめ、HC、CO、NOxの浄化性能を高めることができる。 【0013】請求項5の発明によれば、HC吸着手段下流の酸素濃度が所定濃度を基準に反転を繰り返すよう各気筒の空燃比を設定すると共に、第1燃焼時期と第2燃焼時期とを繰り返す周期は、所定周期より短い周期に設定されることにより、HC吸着手段を通る排気ガスが空燃比制御周期より早くリッチとリーンに切り替わるため、触媒の活性化を促進してNOxやHCの浄化効率を高めることができる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。 [筒内噴射式エンジンの構造]図1は、本実施形態の筒内噴射式エンジンの燃焼室部分の構造を示す概略断面図である。 【0015】図1に示すように、1はエンジンであって、シリンダブロック2には複数のシリンダが形成され、シリンダブロック2の頂部にシリンダヘッド3がガスケットを介して固定されている。各シリンダにはピストン4が嵌挿され、ピストン4の頂面とシリンダヘッド3の下面との間に燃焼室5が形成されている。そして、燃焼室5に連通するように吸気ポート6及び排気ポート7とこれらポート6、7を開閉する吸気弁8及び排気弁9とが配設され、燃焼室5に臨むように点火プラグ10とインジェクタ11が配設されている。インジェクタ11は燃焼室5内に直接燃料を噴射する。 【0016】シリンダヘッド3の下面には断面略台形の凹部が形成され、燃焼室5の上部を画定している。燃焼室5の上面部には吸気ポート6が開口し、傾斜面部には排気ポート7が開口している。吸気ポート6及び排気ポート7は、夫々2個ずつ紙面と直交する方向に並んで設けられ、吸気弁8及び排気弁9が夫々配設されている。吸気弁8及び排気弁9は、図示しないカムシャフト等からなる動弁機構により作動されて所定タイミングで開閉する。 【0017】点火プラグ10は、燃焼室5上部の略中央部に配置され、点火ギャップが燃焼室5内に臨むようにシリンダヘッド3に取り付られる。 【0018】インジェクタ11は燃焼室5の周縁部に配設され、吸気ポート6の側方においてシリンダヘッド3に取り付けられ、吸気ポート6が開口する燃焼室5上面部とシリンダブロック2に対する合わせ面との間の壁面12にインジェクタ11のノズル部が臨み、斜め下方に向けて燃料を噴射する。 【0019】ビストン4頂部のインジェクタ11寄りには、凹状の成層用キャビティ13が形成されている。そして、ピストン4が上死点に近い位置となる圧縮行程後半に燃料がインジェクタ11からキャビティ13に向けて噴射されると共に、キャビティ13で反射されて点火プラグ10付近に達するように、インジェクタ11の位置及び方向とキャビティ1の位置と点火プラグ10の位置関係が予め設定されている。 【0020】図2は、筒内噴射式エンジン全体の概略図である。 【0021】図2に示すように、エンジン1には吸気通路15及び排気通路16が接続されている。吸気通路15の下流には、吸気マニホールドにおいてシリンダごとに分岐し、且つ気筒別通路15aには並列に2つの分岐通路が形成され、その下流端に2つの吸気ポート6が図1の燃焼室5に開口している。一方の分岐通路には吸気流動制御弁17が設けられ、吸気流動制御弁17の開度を制御することにより、他方の分岐通路から導入される吸気により燃焼室5に吸気流動(スワール又はタンブル)が生成されると共に、吸気流動の強弱が制御される。尚、吸気流動の強弱は、2つの吸気弁の一方の開度を制御したり、バルブタイミングの可変制御により実行することもできる。 【0022】吸気通路15の途中にはスロットル弁18が設けられ、吸入空気量を制御可能にステップモータ等の電気的なアクチュエータ19によってスロットル弁18が作動される。 【0023】排気通路16には、排気中の空燃比検出のための上流側O2センサ21aと下流側O2センサ21bとが配設されると共に、排気ガス浄化用の触媒を備えた触媒装置22が設けられている。この触媒装置22は、排気通路16の上流側に配設されたHC,CO,NOxを浄化する三元触媒22aと、三元触媒22aの下流側に配設されたHCを吸着するHC吸着材と酸化若しくは三元触媒成分とからなる触媒22bとから構成される。HC吸着触媒22bは、三元触媒22aが活性化していない温度領域(約250℃前後)においてHCを吸着すると共に、活性化する温度領域に達してくると吸着したHCを放出して排気ガス中のO2と反応させる。このとき、空燃比をλ>1のリーン領域にして成層燃焼を行って排気ガス中のO2量を増加させている。また、HC吸着触媒22bは活性化すると三元機能を発揮してNOxをHCやCOと反応させて浄化する。 【0024】HC吸着触媒22bは、多孔質材料のβゼオライトを基材としてPd(パラジウム)や銀(Ag)が含浸担持され、触媒が部分活性(ライトオフ)するまでの期間を短縮している。HC吸着触媒成分としては、Pd等の貴金属がβゼオライトあるいはアルミナ粒子上に担持されている。 【0025】三元触媒22aは、多孔質材料のAl2O3、CeO2やCe−PrO2を基材として貴金属のパラジウム(Pd)が担持されている。 【0026】上流側O2センサ21aは三元触媒22aの上流側、下流側O2センサ21bはHC吸着触媒22bの下流側に夫々設けられ、図6に示すように、いずれのセンサ21a,21bも空燃比が理論空燃比λ=1(A/F=14.7)を基準電圧約0.5Vを境に反転を繰り返すようにリッチ信号約0.5〜1.0V(酸素濃度少)又はリーン信号約0〜0.5V(酸素濃度多)を出力し、O2フィードバック制御としてリッチ信号が出力されたならば空燃比をリーンにするよう燃料噴射量小の方向にフィードバック値FdF/Bを設定し、リーン信号が出力されたならば空燃比をリッチにするよう燃料噴射量大の方向にフィードバック値FdF/Bを設定する。 【0027】排気通路16における触媒装置22は、排気マニホールド16aの直下流(排気マニホールドに直結)に配置すると高速高負荷時に触媒温度が過剰に上昇しやすくなり、触媒保護のためにエンジンから遠ざかるように排気マニホールド16aに接続された排気管16bの途中に配置されている。 【0028】排気通路16と吸気通路15との間には、排気ガスの−部を吸気系に還流するEGR通路43が接続され、このEGR通路43にはEGRバルブ44が介設されている。 【0029】エンジン制御ECU(電気的コントロールユニット)30は、排気ガス中の酸素濃度を検出する上流側及び下流側O2センサ21a,21b、エンジンのクランク角を検出するクランク角センサ23、アクセル開度(アクセルペダル踏み込み量)を検出するアクセル開度センサ24、吸入空気量を検出するエアフローメータ25、エンジン冷却水の水温を検出する水温センサ26、エンジン回転数センサ27、吸気温センサ28及び大気圧センサ29等からの信号が入力される。 【0030】エンジン制御ECU30は、温度状態判別部31、運転状態検出部32、燃料供給制御部33、噴射量演算部34、点火時期制御部35及び回転数制御部36を含んでいる。 【0031】温度状態判別部31は、エンジン回転数センサ27からのエンジン回転数検出信号、アクセル開度センサ24からのアクセル開度検出信号、エアフローメータ25からの吸気流量検出信号、水温センサ26からの水温検出信号、燃料噴射量等の過去の履歴によって触媒温度を推定して、触媒が活性化温度より低い未活性状態にあるか否かを判定する。尚、水温が第1温度未満であれば触媒が未活性状態、第1温度以上であれば触媒が活性状態と判定してもよい。尚、触媒暖機状態を判定するための温度状態判別は、水温検出とエンジン始動からの経過時間の判定とを併用して行なうようにしてもよく、また、触媒温度を直接検出するようにしてもよい。 【0032】運転状態検出部32は、エンジン回転数センサ27からのエンジン回転数検出信号、アクセル開度センサ24からのアクセル開度検出信号、エアフローメータ25からの吸気流量検出信号及び水温センサ26からの水温検出信号、吸気温センサ28からの吸気温検出信号、大気圧センサ29からの大気圧検出信号によってエンジン温度が所定値より高く温間時である時は、成層燃焼領域や均一燃焼領域等のエンジンの運転領域を判定し、所定値より低く冷間時である時は、均一燃焼領域等を判定する。また、上流側及び下流側O2センサ21a,21bからの検出信号はこれらO2センサの活性時に出力され、上流側O2センサ21aの検出信号は排気ポートから出る排気ガス中のO2濃度として空燃比のO2フィードバック制御時に用いられ、下流側O2センサ21bの検出信号は三元触媒22aとHC吸着触媒22bとを通過した後の排気ガス中のO2濃度として後述する気筒グループ化による空燃比制御時に用いられる。 【0033】燃料噴射制御部33は、エンジン回転数センサ27からのエンジン回転数検出信号、アクセル開度センサ24からのアクセル開度検出信号、エアフローメータ25からの吸気流量検出信号及び水温センサ26からの水温検出信号、上流側及び下流側O2センサ21a,21bからの検出信号によって燃料の噴射時期を演算する。 【0034】噴射量演算部34は、エンジン回転数センサ27からのエンジン回転数検出信号、アクセル開度センサ24からのアクセル開度検出信号、エアフローメータ25からの吸気流量検出信号、水温センサ26からの水温検出信号、エンジン運転領域によって燃料噴射量を演算する。 【0035】燃料噴射制御部33及び噴射量演算部34は、インジェクタ駆動回路37を介して各インジェクタ11の燃料噴射時期及び噴射量(パルス幅)を制御するものであり、HC吸着触媒22bが吸着したHCを放出する温度で、複数の気筒を各点火の順番ごとにいくつかにグループ化(例えば、4気筒ならば1番及び3番気筒と2番及び4番気筒にグループ化)して一方の気筒グループの空燃比がリッチ(λ≦1)、他方の気筒グループはNOx排出量が最も多くなる空燃比A/F16〜17付近(中間空燃比)よりリーン(λ>1)になるように制御する。 【0036】点火時期制御部35は、エンジン回転数センサ27からのエンジン回転数検出信号、アクセル開度センサ24からのアクセル開度検出信号、エアフローメータ25からの吸気流量検出信号、水温センサ26からの水温検出信号及びエンジン運転領域によって点火時期を演算する。 【0037】点火時期制御部35は、点火装置38に制御信号を出力して、点火時期をエンジンの運転状態に応じて制御するものであり、基本的には点火時期をMBT(ベストトルクを発揮する点火タイミング近傍)に制御するが、上述のように触媒未活性状態では他方の気筒グループの点火時期を一方の気筒グループの点火時期よりアドバンスする。 【0038】また、エンジン制御ECU30は、スロットル弁18を駆動するアクチュエータ19に制御信号を出力することによって吸入空気量の制御も行ない、エンジン暖機後に成層燃焼が行われるような場合等に、空燃比をリーンとすべく吸入空気量を調整する。スロットル弁開度は、エンジン回転数センサ27からのエンジン回転数検出信号、アクセル開度センサ24からのアクセル開度検出信号、エアフローメータ25からの吸気流量検出信号、吸気温センサ28からの吸気温検出信号、大気圧センサ29からの大気圧検出信号及びエンジン運転領域によって演算される。 【0039】また、エンジン制御ECU30は、空燃比がリーンの成層燃焼領域において排気ガスを吸気通路に還流すべくEGR弁44を制御する。EGR弁開度は、エンジン回転数センサ27からのエンジン回転数検出信号、アクセル開度センサ24からのアクセル開度検出信号、エアフローメータ25からの吸気流量検出信号、水温センサ26からの水温検出信号及びエンジン運転領域によって演算される。 [エンジン制御]本実施形態では、連続して点火される複数の気筒(例えば、4気筒)を第1気筒グループと第2気筒グループとにグループ化し、HC吸着触媒22bが吸着したHCを放出する温度で、第1気筒グループ(例えば、1番及び3番気筒)の空燃比をリッチ(λ≦1、A/F14.3程度)に設定すると共に、第2気筒グループ(例えば、2番及び4番気筒)をNOx排出量が最も多くなる空燃比A/F16〜17付近(中間空燃比)よりリーン(λ>1、A/F17〜18)になるように設定する。即ち、第2気筒グループの空燃比を中間空燃比よりリーンに設定することで、NOx排出量を抑制しつつO2を供給して排気ガス中のHCを浄化し、空燃比がリーンになったことによるトルク変動や出力低下を第1気筒グループの空燃比をリッチにして低減している。 【0040】図3乃至図5は、本実施形態のエンジン制御を示すフローチャートであり、図3は燃料噴射量設定、図4は燃料噴射制御、図5は点火時期制御を夫々示している。 <燃料噴射量設定フロー>先ず、図3を参照して燃料噴射量設定について説明する。以下の処理は、所定期間ごと(例えば、12回点火するごと)に実行される。 【0041】図3に示すように、ステップS1では各種センサから検出信号を入力する。ステップS2では、下流側O2センサ21bの検出信号λdが所定時間以上リッチ側の検出信号λr(例えば、検出信号が1V)を示しているか判定する。 【0042】ステップS3で検出信号λdが所定時間以上リッチ側の検出信号λrならば(ステップS3でYES)、つまり上流側O2センサ21aによりO2フィードバック制御をしているにもかかわらず、O2濃度が低いためHCを放出している可能性が高いので、ステップS5に進み、エンジン水温TWが温度領域TW1<TW<TW2であるか判定することで、HC吸着触媒22bが吸着したHCを放出する温度状態か判定する。 【0043】ステップS5でエンジン水温TWが温度領域TW1<TW<TW2ならば(ステップS5でYES)、冷間時でHC吸着触媒22bが吸着したHCを放出する温度状態であると判断して、ステップS7でフラグFをセットする。 【0044】ステップS9では、下流側O2センサ21bの検出信号λdが所定閾値λ0(例えば、0.5V)より小さいか判定する。 【0045】ステップS9で検出信号λdが所定閾値λ0より小さいならば(ステップS9でYES)、空燃比がリーンなので、ステップS11に進み、空燃比をリッチ方向にするよう燃料噴射量のフィードバック値FdF/Bに補正値αを加算する。 【0046】また、ステップS9で検出信号λdが所定閾値λ0より大きいならば(ステップS9でNO)、空燃比がリッチなので、ステップS12に進み、空燃比をリーン方向にするよう燃料噴射量のフィードバック値FdF/Bから補正値αを減算する。 【0047】尚、図7に示すように、下流側O2センサ21bによるフィードバック制御が行われている期間T2では、上流側O2センサ21aにより所定空燃比(例えば、空燃比がλ=1〜1.1)の範囲でリッチ側とリーン側とに周期的に変化するよう燃料噴射量を設定するディザ制御(フィードフォワード制御)が実行されている。また、期間T2以外の期間T1、T3では、上流側O2センサ21aによるフィードバック制御により空燃比が理論空燃比λ=1を基準としてリッチ側とリーン側とに反転を繰り返すように燃料噴射量が設定される。 【0048】ステップS13では、燃料噴射量のフィードバック値FdF/Bが所定閾値Fd0より小さいか判定する。 【0049】ステップS13でフィードバック値FdF/Bが所定閾値Fd0より小さいならば(ステップS13でYES)、ステップS15に進み、図7及び図8に示すように第1グループ化制御G1を行うための燃料噴射量F1F/Bを設定する。 【0050】図7、図8及び図10において、第1グループ化制御G1は、#1番気筒と#3番気筒を第1気筒グループとして空燃比がリッチ(A/F14.3程度)になるよう燃料噴射量F1F/Bを大に設定すると共に、#2番気筒と#4番気筒を第2気筒グループとして空燃比がリーン(A/F17+γ)になるよう設定する。補正値γは燃料噴射量F1F/Bが大きい程、大きな値に設定される。 【0051】尚、上記第1グループ化制御G1では、同じ気筒(上記実施形態では、#2番気筒と#4番気筒)が常にリーンに設定されることがないようにすれば(例えば、連続する気筒ごとリーンとリッチとを繰り返す等)、リーンの気筒が冷えることによる燃焼安定性の悪化を防止できる。 【0052】また、ステップS13でフィードバック値FdF/Bが所定閾値Fd0より大きいならば(ステップS13でNO)、ステップS14に進み、図7及び図9に示すように第2グループ化制御G2を行うための燃料噴射量F2F/Bを設定する。 【0053】図7、図9及び図10において、第2グループ化制御G2は、先ず#1番〜#4番気筒を第2気筒グループとして空燃比がリッチ(A/F14.3程度)になるよう燃料噴射量F2F/Bを大に設定し、次に#1番気筒と#3番気筒を第2気筒グループとして空燃比がリーン(A/F17+γ)になるよう設定し、次に#4番、2番、1番、3番気筒を第2気筒グループとして空燃比がリッチ(A/F14.3程度)になるよう燃料噴射量F2F/Bを大に設定し、次に#4番気筒と#2番気筒を第2気筒グループとして空燃比がリーン(A/F17+γ)になるよう設定する、この制御を繰り返し実行する。補正値γは燃料噴射量F2F/Bが大きい程、大きな値に設定される。つまり、単位時間当たりにリッチとなる気筒数がリーンとなる気筒数より多くなるよう設定される。 【0054】また、第1及び第2気筒グループG1、G2は少なくとも2気筒が連続するよう設定し、リッチな気筒の排気ガスとリーンな気筒の排気ガスとの混合により空燃比がA/F16〜17付近(中間空燃比)に近づいてしまうのを防止している。 【0055】尚、第1及び第2気筒グループG1、G2の燃焼が行われる周期は、ステップS9〜11の下流側O2センサ21bによるO2フィードバック制御周期より短い期間(2燃焼サイクル〜1sec)に設定され、HC吸着触媒22bを通る排気ガスがフィードバック制御周期より早くリッチとリーンに切り替わるため、触媒の活性化を促進してNOxやHCの浄化効率を高めている。 【0056】また、ステップS3で検出信号λdが所定時間以上リッチ側の検出信号λrで(ステップS3でNO)、ステップS5でエンジン水温TWが温度領域TW1<TW<TW2でないならば(ステップS5でNO)、O2濃度が高くHCを放出している可能性が低く、HC吸着触媒22bが吸着したHCを放出する温度状態でないと判断して、ステップS17でフラグFをリセットし、ステップS19でフィードバック値FdF/Bをリセットして、図11に示すように空燃比が理論空燃比λ=1(A/F=14.7)を基準とした通常の上流側O2センサ21aによるO2フィードバック制御を実行する。 <燃料噴射制御フロー>次に、図4を参照して燃料噴射制御について説明する。以下の処理は、所定クランク角ごとに実行される。 【0057】図4に示すように、ステップS21では各種センサから検出信号を入力する。ステップS23では、エンジン回転数と要求トルクから基本燃料噴射量FBASEを設定する。ステップS25では、フラグFがセットされているか判定する。 【0058】ステップS25でフラグFがセットされているならば(ステップS25でYES)、HC吸着触媒22bが吸着したHCを放出していると判断して、ステップS27に進み、上流側O2センサ21aの検出信号に基づく燃料噴射量のフィードバック制御値FuF/Bをリセットし、ステップS29ではカウンタnをインクリメントして、フラグFのセット中に噴射実行された気筒数をカウントする。 【0059】ステップS31では、カウンタn(気筒数)が所定数N(例えば、N=13)となったか判定し、所定数Nになったならば(ステップS31でYES)、ステップS32でカウンタnを1に戻してステップS35に進み、所定数N未満ならば(ステップS31でNO)、ステップS33に進んで、図3のステップS14、S15で設定された燃料噴射量F1F/B又はF2F/Bから、カウンタn、つまり次回点火時期に対応する気筒に応じた燃料噴射量を読み込む。尚、所定数Nはエンジンの気筒数や制御サイクルに応じて変更可能である。 【0060】ステップS35では、最終燃料噴射量Fnとして基本燃料噴射量FBASEとフィードバック制御値FuF/Bと燃料噴射量F1F/B又はF2F/Bとを加算する。 【0061】ステップS37では燃料噴射時期になるのを待ち、ステップS39で噴射実行する。 【0062】また、ステップS25でフラグFがセットされていないならば(ステップS25でNO)、HC吸着触媒22bが吸着したHCを放出していないと判断して、ステップS41に進み、カウンタnをゼロリセットしてカウントを中止し、ステップS43で上流側O2センサ21aによる空燃比のフィードバック領域か判定する。 【0063】ステップS43で上流側O2センサ21aの検出信号に基づく空燃比のフィードバック領域ならば(ステップS43でYES)、ステップS45に進み、上流側O2センサ21aの検出信号λuが所定閾値λ0(例えば、0.5V)より小さいか判定する。 【0064】ステップS45で検出信号λuが所定閾値λ0より小さいならば(ステップS45でYES)、空燃比がリーンなので、ステップS47に進み、空燃比をリッチ方向にするよう燃料噴射量のフィードバック値FuF/Bに補正値βを加算する。 【0065】また、ステップS45で検出信号λdが所定閾値λ0より大きいならば(ステップS45でNO)、空燃比がリッチなので、ステップS49に進み、空燃比をリーン方向にするよう燃料噴射量のフィードバック値FuF/Bから補正値βを減算する。 【0066】ステップS51では、図3のステップS14、S15で設定された燃料噴射量F1F/B又はF2F/Bをリセットして、ステップS35に進む。 <点火時期制御フロー>次に、図5を参照して点火時期制御について説明する。以下の処理は、所定クランク角ごとに実行される。 【0067】図5に示すように、ステップS61では各種センサから検出信号を入力する。ステップS63では、エンジン回転数と要求トルクから基本点火時期θBASEを設定する。ステップS65では、フラグFがセットされているか判定する。 【0068】ステップS65でフラグFがセットされているならば(ステップS65でYES)、HC吸着触媒22bが吸着したHCを放出していると判断して、ステップS67に進み、カウンタnをインクリメントして、フラグFのセット中に点火実行された気筒数をカウントする。 【0069】ステップS69では、カウンタn(気筒数)が所定数N(例えば、N=13)となったか判定し、所定数Nになったならば(ステップS69でYES)、ステップS70でカウンタnを1に戻してステップS71に進み、所定数N未満ならば(ステップS69でNO)、ステップS71に進んで、図3のステップS14、S15で設定された燃料噴射量F1F/B又はF2F/Bから、カウンタn、つまり次回点火時期に対応する気筒に応じた燃料噴射量を読み込む。 【0070】ステップS73では、燃料噴射量F1F/B又はF2F/Bに応じた点火時期のアドバンス値θF1又はθF2を設定する。 【0071】ステップS75では、最終点火時期θnとして基本燃料噴射量θBASEからアドバンス値θF1又はθF2を加算する。 【0072】点火時期のアドバンス値θF1又はθF2は、燃料噴射量F1F/B又はF2F/Bが小さい程(つまり、リーンな程)、進角側に設定され、リーン側の気筒グループからリッチ側の気筒グループへ燃焼が移行する際に急激にトルクが立ち上がることによるトルク変動を抑制する。一方、燃料噴射量F1F/B又はF2F/Bが大きい気筒、つまりリッチな気筒は点火が遅角側に設定されるので、同様にトルク変動が抑制され、且つ三元触媒やHC吸着触媒の昇温も図られることとなる。 【0073】ステップS77では点火時期になるのを待ち、ステップS79で点火実行する。 【0074】また、ステップS65でフラグFがセットされていないならば(ステップS65でNO)、HC吸着触媒22bが吸着したHCを放出していないと判断して、ステップS81に進み、カウンタnをゼロリセットしてカウントを中止し、ステップS83ではステップS73で設定されたアドバンス値θF1又はθF2をリセットして、ステップS75に進む。 【0075】以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2燃焼時期として第1及び第2気筒グループにて夫々燃焼される気筒数の割合、あるいは第1及び第2気筒グループにて夫々燃焼される気筒の少なくとも一方の空燃比を制御することで、下流側O2センサ21bの検出信号が中間空燃比よりリーンになるよう設定され、NOx排出量を抑制しつつO2を供給して排気ガス中のHCを浄化し、空燃比がリーンになったことによるトルク変動や出力低下を他方の気筒グループの空燃比をリッチにして低減している。 【0076】尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。 【0077】本実施形態は、エンジンに対して連結されたモータとエンジンとを併用するハイブリッド自動車のエンジン制御に適用することもでき、この場合、リッチとなる気筒とリーンとなる気筒との切り替えにより発生するトルクショックをモータによりトルク補償するよう制御してもよい。 【0078】また、直噴式ガソリンエンジンだけでなく、直噴式ディーゼルエンジンや吸気ポート噴射式エンジンにも適用可能である。 【0079】また、HC吸着触媒22bと下流側O2センサ21bとの間に、更に三元触媒を配置してもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003137 【氏名又は名称】マツダ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月27日(2000.3.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076428 【弁理士】 【氏名又は名称】大塚 康徳 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−271691(P2001−271691A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月5日(2001.10.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−87037(P2000−87037) |
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