| 【発明の名称】 |
排ガスターボ過給機を用いて過給される多気筒式の往復ピストン内燃機関の排ガス戻しのための方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】フランツ ランマー
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| 【要約】 |
【課題】排ガスターボ過給式の多気筒往復ピストン内燃機関の排ガス戻しのための方法であって、シリンダ毎に、1つの過給気マニホルドに接続された入口通路の入口弁及び、1つの排ガスマニホルドに接続された出口通路の出口弁、並びに排ガスマニホルドと過給気マニホルドとの間に配置された排ガス戻し管路を有する形式のものにおいて、従来のAGR・フラッター弁を用いることなく排ガス戻しを行って、かつ排ガス戻し機構全体の構成費用も著しく減少させる。
【解決手段】排ガス戻しを内燃機関の所定の運転段階中でのみ可能にして、排ガス戻し運転段階でシリンダ列の1つのシリンダC1から放出される排ガスだけを完全に若しくは部分的に排ガス戻し管路9によって過給気マニホルド2へ戻し、排ガス戻しを排ガス戻し運転段階の外側では中断して、前記シリンダから放出される排ガスを、別のシリンダからの排ガスと同様に完全に排ガスマニホルド4によって排ガスターボ過給機6へ導く。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 排ガスターボ過給機を用いて過給される多気筒式の往復ピストン内燃機関の排ガス戻しのための方法であって、往復ピストン内燃機関が各シリンダに対応してそれぞれ、過給気マニホルドに接続された入口通路に配置された少なくとも1つの入口弁及び、排ガスマニホルドに接続された出口通路に配置された少なくとも1つの出口弁、並びに排ガスマニホルドと過給気マニホルドとの間に配置された排ガス戻し管路を有している形式のものにおいて、排ガス戻しを内燃機関の所定の運転段階中でのみ可能にして、このような排ガス戻し運転段階で1つのシリンダ列の1つのシリンダ(C1)から若しくは各シリンダ列(1a,1b)の各1つのシリンダ(C1,C7)から放出される排ガスだけを完全に若しくは調節された排ガス戻し量で部分的に、排ガス戻し管路(9,33)によって過給気マニホルド(2,27)へ戻し、このような排ガス戻しを該排ガス戻し運転段階の外側では中断して、前記シリンダ(C1若しくはC1,C7)から放出される排ガスを、別のシリンダから放出される排ガスと同様に完全に排ガスマニホルド(4,29)によって排ガスターボ過給機(6,36)へ導くことを特徴とする、多気筒式の往復ピストン内燃機関の排ガス戻しのための方法。 【請求項2】 8気筒式若しくは8気筒よりも多い多気筒式の内燃機関(1)において実施する場合に、内燃機関が各シリンダ(C1〜Cn)に対応してそれぞれ、1つの出口弁(AV)若しくは共通の1つの出口通路(5)に所属して配置された2つの出口弁(AV)を有しており、唯一のシリンダ(C1)の排ガスを戻し可能であり、排ガス戻しと排ガス戻し中断との間の切換を切換機構(12)によって行うようにして、該切換機構が出口通路(5)と排ガスマニホルド(4)との間の移行領域(11)に配置されていて制御装置(14)によって所定の2つの終端位置で切換可能であり、この場合、a)切換機構(12)の、排ガス戻し運転段階の外側で占められる一方の終端位置において、前記シリンダ(C1)から前記出口通路(5)内へ放出される排ガスを完全に排ガスマニホルド(4)内に導入して、該排ガスマニホルドによって排ガスターボ過給機(6)へ導くのに対して、b)切換機構(12)の、排ガス戻し運転段階中に占められる他方の終端位置において、前記シリンダ(C1)から前記出口通路(5)内へ放出される排ガスを完全に排ガス戻し管路(9)内に導入して、該排ガス戻し管路によって過給気マニホルド(2,27)へ戻し、同時に、前記出口通路(5)から排ガスマニホルド(4)内へ流出する排ガスの、排ガスターボ過給機(6)への流れを阻止し、これによって排ガス戻し量をほぼ100/シリンダ数の%で生ぜしめる請求項1記載の方法。 【請求項3】 6つの若しくは6つよりも多い数の一列のシリンダ並びに1つの出口弁(AV)若しくは共通の1つの出口通路(5)に所属して配置された2つの出口弁(AV)を備えた内燃機関(1)、或いはそれぞれ6つの若しくは6つよりも多い数の二列のシリンダ並びに1つの出口弁(AV)若しくは共通の1つの出口通路(5)に所属して配置された2つの出口弁(AV)を備えた内燃機関(1)において実施する場合に、シリンダ列毎に1つのシリンダ(C1)の排ガスを戻し可能であり、排ガス戻しと排ガス戻し中断との間の切換を切換機構(12)によって行うようにして、該切換機構が出口通路(5)と排ガスマニホルド(4)との間の移行領域(11)に配置されていて制御装置(14)によって所定の2つの終端位置及び少なくとも1つの中間位置に位置決め可能であり、この場合、切換機構(12)の、排ガス戻し運転段階の外側で占められる一方の終端位置において、各シリンダ列の前記シリンダ(C1)から前記出口通路(5)内へ放出される排ガスを完全に排ガスマニホルド(4)内に導入して、該排ガスマニホルドによって排ガスターボ過給機(6)へ導くのに対して、排ガス戻し運転段階中に、a)内燃機関(1)の部分負荷運転時に切換機構(12)を他方の終端位置に移して、各シリンダ列の前記シリンダ(C1)から前記出口通路(5)内へ放出される排ガスを完全に排ガス戻し管路(9)内に導入して、該排ガス戻し管路によって過給気マニホルド(2)へ戻し、同時に、前記出口通路(5)から排ガスマニホルド(4)内へ流出する排ガスの、排ガスターボ過給機(6)への流れを阻止し、これによって排ガス戻し量をほぼ100/シリンダ数の%で生ぜしめ、b)内燃機関(1)の全負荷運転時に切換機構(12)を中間位置に位置決めして、各シリンダ列の前記シリンダ(C1)から前記出口通路(5)内へ放出される排ガスを、排ガス戻し管路(9)内へ供給されて過給気マニホルド(2)内に戻される部分流と、排ガスマニホルド(4)内に流入して排ガスターボ過給機(6)へ導かれる部分流とに分割して、これによって排ガス戻し量を部分負荷運転時に比べて小さい値で生ぜしめる請求項1記載の方法。 【請求項4】 排ガス戻し運転段階中に排ガス戻し量を最大値と最小値の間で、切換機構(12)の段階的な若しくは連続的な調節運動によって内燃機関(1)のその都度の負荷状態に適合させて調節する請求項3記載の方法。 【請求項5】 各シリンダ(C1乃至C6若しくはC1乃至C12)に対してそれぞれ2つの出口弁(AV)を備えた内燃機関(1)において実施する場合に、各出口弁(AV)がそれぞれ固有の各出口通路(30,31)に対応して配置されたシリンダ(C1;C1,C7)で該シリンダの排ガスを戻し可能であり、該シリンダ(C1)の前記1つの出口通路(31)が直接に、排ガスマニホルド(29)と排ガス戻し管路(33)との間の移行領域(32)に開口していて、シリンダヘッド内で前記隣接の別の出口通路(30)に対して分離して形成されており、該別の出口通路が排ガスマニホルド(29)に開口しており、排ガス戻し運転段階中に制御装置(14)によって操作可能な制御機構(38,50)を用いて、前記出口通路(30,31)内へ放出された排ガスを、a)前記制御機構の、内燃機関(1)の部分負荷運転時に占められた全流過位置で完全に排ガス戻し管路(33)内に導入して、過給気マニホルド(27)へ戻し、b)前記制御機構の、内燃機関(1)の全負荷運転時に排ガス戻し量を減少させる中間位置で一部分は排ガス戻し管路(33)内に導入し、かつ一部分は排ガスマニホルド(29)内に導入し、かつ排ガス戻し運転段階の外側で前記制御機構(38,50)の遮断位置に基づき完全に排ガスマニホルド(29)内に供給して、排ガスターボ過給機(36)へ導く請求項1記載の方法。 【請求項6】 各シリンダ(C1乃至C6)に対してそれぞれ2つの出口弁(AV)を備えた内燃機関(1)において実施する場合に、各出口弁(AV)がそれぞれ固有の各出口通路(30,31)に対応して配置されたシリンダ(C1)で該シリンダの排ガスを戻し可能であり、該シリンダ(C1)の前記1つの出口通路(31)が直接に、排ガスマニホルド(29)と排ガス戻し管路(33)との間の移行領域(44)に開口していて、シリンダヘッド内で前記隣接の別の出口通路(30)に対して分離して形成されており、該別の出口通路が排ガスマニホルド(29)に開口しており、前記出口通路(30,31)内へ放出された排ガスを、排ガスマニホルド(29)が制御機構(41)によって移行領域(44)若しくは排ガス戻し管路(33)に対して遮断されていて、さらに前記排ガス戻し管路(33)が該排ガス戻し管路内に組み込まれて制御装置(14)によって操作可能な閉鎖機構(40)を用いて開放されている排ガス戻し運転段階中に、完全に過給気マニホルド(27)へ供給するのに対して、排ガス戻し運転段階の外側で前記閉鎖機構(40)の閉鎖位置及び前記制御機構(41)の流過位置に基づき完全に排ガスマニホルド(29)内に導入して排ガスターボ過給機(36)へ導く請求項3又は4記載の方法。 【請求項7】 排ガス戻し運転段階中に排ガス戻し量を、隣接の別の出口通路(30)から流出する排ガスへの適当な作用によって調節し、該排ガスを制御装置(14)で適当に位置決め可能な制御機構(38,41,50)によって、a)内燃機関(1)の部分負荷運転時に、完全に排ガス戻し管路(33)、ひいては過給気マニホルド(27)へ戻し、これによって排ガス戻し量を各シリンダ列毎に最大にほぼ100/シリンダ数の%で生ぜしめ、b)内燃機関(1)の全負荷運転時に2つの部分流に分割して、一方の部分流を排ガス戻し管路(33)によって過給気マニホルド(27)へ戻し、かつ他方の部分流を排ガスマニホルド(29)内に導入して排ガスターボ過給機(36)へ導き、これによって排ガス戻し量を部分負荷運転時よりも小さくする請求項5又は6記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、排ガスターボ過給機を用いて過給される多気筒式の往復ピストン内燃機関の排ガス戻しのための方法であって、往復ピストン内燃機関が各シリンダに対応してそれぞれ、過給気マニホルドに接続された入口通路に配置された少なくとも1つの入口弁及び、排ガスマニホルドに接続された出口通路に配置された少なくとも1つの出口弁、並びに排ガスマニホルドと過給気マニホルドとの間に配置された排ガス戻し管路を有している形式のものに関する。 【0002】 【従来の技術】内燃機関(若しくは燃焼機関)のNOx・エミッションの減少のために内燃機関の排ガスを吸い込み側に戻すことは公知である。この場合、排ガスが排気管から取り出されて、当該内燃機関の吸い込み管に戻される。最適な作用のために、戻される排ガスを冷却することが必要である。過給式の内燃機関、特に過給気冷却器を備えた内燃機関において圧縮機及び過給気冷却器が排ガスの残滓で汚されてしまうことを避けるために、排ガスが有利にはタービンの上流側で取り出されて、冷却されかつ過給気冷却器の下流側で吸い込み管内に導入される。内燃機関の運転特性の多くの範囲で、タービンの上流側の平均的な排ガス圧力は過給気冷却器の下流側の平均的な過給気圧力よりも低くなっている。従って、付加的な処置なしには過給気が排ガス管内に流入してしまうことになり、排ガスが吸い込み管へ戻されなくなる。種々の方法が公知であり、これによって、流れを誤った方向に形成することが防止され、かつNOx・エミッションの申し分のない減少のために十分な排ガス量を圧力差に基づき吸い込み管に向けて確実に流過させようとするものである。このために、排ガス戻し管路内に特殊な逆止弁、いわゆるAGR・フラップ弁若しくはAGR・フラッター弁(AGR-Flatterventil)を用いることが公知である。この場合、排ガス管内に生じる圧力ピークが活用されて、AGR・フラッター弁(排ガス戻し流・フラッター弁)が開かれて、排ガスが吸い込み側へ流される。排ガス管若しくは排ガス通路内の圧力が過給気圧力よりも降下した場合には、AGR・フラッター弁が閉じて逆流を防止する。AGR・フラッター弁によるこのような排ガス戻しにおいては欠点がある。ターボ過給機効率が高くなると、過給気圧力と排ガス圧力との間の平均的な圧力差が大きくなり、得られる排ガス戻し量が小さくなる。このことは、最適なターボ過給機設計によって燃料消費の改善は実現できないことを意味しており、それというのは最適な排ガス戻し量が生ぜしめられないからである。さらに、AGR・フラッター弁は戻される排ガスによって高い熱負荷を受けるものであり、このことはAGR・フラッター弁の必要な高い耐用年数及び信頼性を保証するために高い開発費用を意味する。さらに欠点として、高い運動のために必要な極めて精密なAGR・フラッター弁の破損に際して破片が内燃機関に吸い込まれてしまうことになり、このことは機関損傷のおそれを意味する。比較的高い開発コストのほかに、AGR・フラッター弁の煩雑で費用のかかる製造も不都合である。さらに欠点として、排ガスが耐用年数を減少させないためにフラッター弁の上流側で冷却されねばならず、従って、各排ガス系にとってタービンの上流側に、固有のAGR・冷却器、フラッター弁及び閉鎖機構を備えた別個の排ガス戻し管路が、所望の排ガス戻し量を達成するために必要である。 【0003】さらに、MTZ Motortechnische Zeitschrift 60(1999) 4 (MTZ エンジン技術雑誌60(1999)4)の240〜242頁の3.3の節に記載のシリンダ構造においては、1つのシリンダを排ガス戻しのために用いるようになっており、該シリンダから放出された排ガスが、AGR・冷却器を備えた排ガス管路を介して直接に過給気マニホルドに戻される。このような手段は種々の理由で効果的でなく、実施に適ったものでない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、往復ピストン内燃機関の排ガス戻しのための冒頭に述べた形式の方法を改善して、該方法が問題なく簡単な手段で実施可能であり、従来AGR・フラッター弁の使用に際して生じる問題を避けることである。前述の欠点及び問題を排除する解決手段に関連して、排ガス戻しが遮断可能であるようにし、それというのは例えばエンジンブレーキ運転時並びに低い回転数からの加速過程に際しても粒子減少のために、排ガスが吸い込み装置内に達することを防止する必要がある。従って、例えばエンジンブレーキ運転時排ガスの逆流を確実に防止する手段が講じられねばならない。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明の手段では、排ガス戻しが内燃機関の所定の運転段階中でのみ可能にされ、このような排ガス戻し運転段階中に1つのシリンダ列の1つのシリンダ(若しくは各シリンダ列の各1つのシリンダ、若しくは幾つかのシリンダ列の各1つのシリンダ)から放出される排ガスだけが完全に、若しくは調節された排ガス戻し量で部分的に、排ガス戻し管路を介して過給気マニホルドへ戻され、このような排ガス戻しが該排ガス戻し運転段階の外側では中断されて、前記シリンダから放出される排ガスが、別のシリンダから放出される排ガスと同様に完全に排ガスマニホルドを介して排ガスターボ過給機へ導かれるようになっている。 【0006】本発明に基づく手段(方法)の有利な実施態様が請求項2以下に記載してある。 【0007】本発明に基づく方法の根底を成す原理は、排ガス戻し運転段階で内燃機関のシリンダ列の1つのシリンダ内のピストンの押し出し作業が直接に排ガス戻しに関与させられることにある。本発明に基づく方法は完全に、従来必要な煩雑で故障しやすく高価なAGR・フラッター弁なしに行われる。往復ピストン内燃機関(レシプロエンジン)の排ガス出口に弁構造に応じて、制御装置を用いて作動可能な少なくとも1つの制御機構(制御フラップ)が設けられるだけであり、該制御機構によって、排ガス戻し運転段階中に内燃機関の1つのシリンダからのみ放出された排ガスが、完全に若しくは調節された排ガス戻し量で部分的に、排ガス戻し管路を介して過給気マニホルドへ戻される。簡単な形式では、AGR・開(排ガス戻し通路開放)の位置とAGR・閉(排ガス戻し通路閉鎖)の位置とだけを有する制御機構が用いられる。別の実施態様では、排ガス戻し量の調節のための中間位置をも有する、即ち中間位置にも調節可能な制御機構が用いられ、このために制御装置が高い制御能力を有していて、内燃機関のその都度の負荷状態に応答して、排ガス戻し量が内燃機関の負荷状態に正確に適合して調節される。 【0008】 【発明の実施の形態】図1には、5つのシリンダC1,C2,C3,C4,C5を有する直列5気筒の往復ピストン内燃機関(Hubkolbenbrennkraftmaschine)1が示してある。各シリンダはそれぞれ、シリンダヘッド内で過給気マニホルド2に接続された入口通路3の終端部に配置された1つの入口弁EV、及びシリンダヘッド内で排ガスマニホルド4に接続された出口通路5の始端部に配置された1つの出口弁AVを有している。排ガスターボ過給機6の排ガスタービン7が排ガスマニホルド4に接続されており、かつ排ガスターボ過給機の圧縮機8によって吐出された過給気が、有利には過給気冷却器(図示せず)を介して過給気マニホルド2内に送られる。排ガス戻し管路9が排ガスマニホルド4と過給気マニホルド2との間の接続通路を成していて、該排ガス戻し管路内に、戻された排ガスの冷却のためのAGR・冷却器10が組み込まれている。図1の実施例と異なって図2の実施例では、各シリンダがそれぞれ、共通の1つの入口通路3に配置された2つの入口弁EV及び共通の1つの出口通路5に配置された2つの出口弁AVを有している。さらに図2の内燃機関は6気筒である。 【0009】図1及び図2の両方の内燃機関1においては共通して、シリンダC1が、排ガスを所定の運転段階中に戻すシリンダとして設けられている。この場合、所属の出口通路5の出口側で適当に形成された移行領域11に一方で排ガスマニホルド4が接続され、かつ他方で排ガス戻し管路9が接続されており、さらに制御フラップ12が支承されている。制御フラップ12は実施例では、排ガス戻し運転を実施して排ガス戻し量を調節可能な制御機構として、かつ排ガス戻しを中断可能な閉鎖機構として用いられている。制御フラップ12の操作は液圧式、空気圧式若しくは電気的な作動モータ(Stellmotor)13を用いて行われ、該作動モータはモータ駆動部分(Motortreiberteil)15及び電子ユニット(Elektronikeinheit)16を備えた制御装置14の構成部分である。電子ユニットはマイクロプロセッサー並びに、往復ピストン内燃機関1の各タイプに適合させて設定された制御プログラム及び運転特性データの格納されたデータ及びプログラムメモリーを有していて、アルゴリズムに基づき内燃機関の所定の運転段階で排ガス戻しを実施若しくは中断するようになっている。この場合、制御フラップ12は電子ユニット16からモータ駆動部分15を介して適当に命令された作動モータ13によって、a)第1の終端位置へ移動させられ、該終端位置では排ガス入口がシリンダC1の出口通路5から排ガス戻し管路9に向かっては遮断されているものの、排ガスマニホルド4に対しては開放されており、従って排ガス戻しは行われず、さらに、排ガス戻し運転段階中に、b)内燃機関1の部分負荷運転(部分負荷範囲)に際して第2の終端位置に移され、該終端位置では排ガス入口がシリンダC1の出口通路5から排ガス戻し管路9に向かっては完全に開放されていて、排ガスマニホルド4若しくは排ガスターボ過給機6に対しては完全に遮断されており、c)内燃機関1の全負荷運転(全負荷範囲)に際して両方の終端位置間の中間位置に移され、該中間位置では、出口通路5を流過する排ガスは、排ガス戻し管路9内に供給されて過給気マニホルド2に戻される部分流と、排ガスマニホルド4内に流入して排ガスターボ過給機6に導かれる部分流とに分割され、従って部分負荷運転に対して小さい値の排ガス戻し量(排ガス戻し割合)を生ぜしめる。 【0010】図1の実施例ではシリンダ数5に基づき、内燃機関1の部分負荷運転時に最大20%の排ガス戻し量が可能である。図2に示す6つのシリンダの場合には、最大の排ガス戻し量はほぼ16%である。両方の排ガス戻し量は内燃機関1の特定の運転時点、例えば全負荷時には多すぎ、従って前記c)で述べた手段によって適当に、例えば≦12%の値に減少させられる。このような調節手段の助成のために絞り箇所17が制御フラップ12の調節運動が段階的、周期的若しくは連続的に制御装置14によって行われる。従って、排ガス戻し量を必要に応じて内燃機関1のその都度の負荷状態に適合させて調節することが可能である。 【0011】図3では、10気筒式の往復ピストン内燃機関1の一方の列1aのシリンダが符号C1,C2,C3,C4,C5を付けられ、かつ他方の列1bのシリンダが符号C6,C7,C8,C9,C10を付けられている。過給気マニホルド2、入口通路3、入口弁EV、出口弁AV、排ガスタービン7及び圧縮機8を備えた排ガスターボ過給機6、排ガス戻し管路9、AGR・冷却器10、移行領域11、制御フラップ12並びに、作動モータ13、モータ駆動部分15及び電子ユニット16を備えた制御装置14に関して述べると、一方(第1)のシリンダ列1aのこれらの構成部分は図1の内燃機関の構成部分に相応している。この場合、絞り箇所17が省略してあり、さらに制御フラップ12がもっぱら一方の終端位置「AGR・開」若しくは他方の終端位置「AGR・閉」へのみ調節可能である。ここでは排ガス戻し量の調節は行われておらず、また不要である。他方(第2)のシリンダ列1bにも排ガスターボ過給機18を設けてあり、該排ガスターボ過給機は通常は第1のシリンダ列1aの排ガスターボ過給機6と同じ構造であり、排ガスタービン19が排ガスマニホルド20に接続されており、かつ圧縮機21が過給気マニホルド22に接続されている。第2のシリンダ列1bの各シリンダC6,C7,C8,C9,C10も同じく、それぞれ過給気マニホルド22に接続された各入口通路23の終端部でシリンダヘッド内に配置された入口弁EVを有し、かつそれぞれ排ガスマニホルド20に接続された各出口通路24の始端部でシリンダヘッド内に配置された出口弁AVを有している。過給気マニホルド22は該過給気マニホルドから分岐する排ガス戻し管路25を介して、排ガス戻し管路9の、AGR・冷却器10と第1のシリンダ列の過給気マニホルド2との間を延びる区分9′に接続している。これによって、過給気マニホルド22が排ガス戻し運転時に過給気マニホルド2と同様に、シリンダC1から放出されて排ガス戻し管路9内に導入された排ガスを供給される。この場合、排ガス戻し量は排ガス総量の最大10%である。排ガス戻し中断運転(排ガスを戻さずに行う運転)から排ガス戻し運転(排ガスを戻して行う運転)への制御フラップ12の切換が、制御装置14の相応の命令によって行われる。両方のシリンダ列1a,1bに同じ量の排ガスが供給されることを保証するために有利には、排ガス戻し管路25及び排ガス戻し管路区分9′内に流量調節弁を設けてあってよく、該流量調節弁は制御フラップ12と同様に制御装置14によって制御される。流量調節弁を遮断機構として用いて、重複機能を生ぜしめ、制御フラップ12の制御の故障の影響を防止するようになっていてよい。 【0012】図3の実施例に対する変化例として、それぞれ5つのシリンダ若しくは5つよりも多くのシリンダから成るシリンダ列1a,1bを備えたV型配置の内燃機関(V型多気筒エンジン)において、各シリンダ列を図1若しくは図2に示すように構成することも可能である。この場合には、シリンダC6の出口通路24にも対応して制御フラップ12並びに絞り箇所17が配置してあり、排ガス戻し管路25が固有のAGR・冷却器を介して排ガスマニホルド20に接続されていることになる。同じく第2のシリンダ列1bの制御フラップ12に対応して、制御装置14内に作動モータ13及びモータ駆動部分15並びに共通の電子ユニット16が配置されることになる。これによって、それぞれ5つのシリンダから成る各シリンダ列1a,1bにおいて、最大20%の排ガス戻し量を生ぜしめることができ、該排ガス戻し量は全負荷運転時には大きすぎ、従って図1及び図2の実施例で述べたように、調節技術的に両方の制御フラップ12を用いて適当に小さく調節される。 【0013】図4乃至図6に示す実施例においては、各シリンダC1乃至C6(図4及び図5)若しくは各シリンダC1乃至C12(図6)に対してそれぞれ2つの入口弁EV及び2つの出口弁AVを備えた往復ピストン内燃機関1が用いられている。この場合、各シリンダ列1若しくは1a,1bの各シリンダC1乃至C6若しくはC1乃至C12の各両方の入口弁EVは、シリンダヘッド内でそれぞれ共通の1つの入口通路26に対応して配置されており、該各入口通路は過給気マニホルド27から分岐している。これに対して、シリンダ列の1つのシリンダC1(図4及び図5)若しくは各シリンダ列の各1つのシリンダC1,C7(図6)は、出口通路及び出口弁AVに関連して、残りのシリンダと異なっている。残りのシリンダC2乃至C6(図4及び図5)若しくはC2乃至C6及びC8乃至C12(図6)においては、各両方の出口弁AVがシリンダヘッド内でそれぞれ、各共通の1つの出口通路28に対応して配置されており、該出口通路は排ガスマニホルド29に開口している。これとは逆に、シリンダ列の1つのシリンダC1(図4及び図5)若しくは各シリンダ列の各1つのシリンダC1,C7(図6)の近傍の領域は、本発明に基づき構成されている。この場合、シリンダC1(図4及び図5)若しくはシリンダC1,C7(図6)の一方の出口弁AVがシリンダヘッド内でそれぞれ一方の出口通路30に対応して配置されており、該出口通路が排ガスマニホルド29に開口している。シリンダC1(図4及び図5)若しくはシリンダC1,C7(図6)の他方の出口弁AVが、それぞれ他方の出口通路31に対応して配置されており、該出口通路31がシリンダヘッド内で前記一方の出口通路30に隣接して配置されていて、かつ排ガスマニホルド29と該排ガスマニホルドから延びる排ガス戻し管路33との間の移行領域32に開口している。該排ガス戻し管路33はAGR・冷却器34を経て延びていて、過給気マニホルド27に接続されている。過給気マニホルド27が排ガスターボ過給機36の圧縮機35に接続されており、排ガスマニホルド29が排ガスタービン37に接続されている。 【0014】図4乃至図6の実施例においては、排ガス戻し運転の制御のため及び排ガス戻し量の調節のための装置が設けられている。図4の実施例では制御機構として、出口通路31と排ガス戻し管路33と排ガスマニホルド29との間の移行領域32内に組み込まれて適当に支承された制御フラップ38設けてあり、該制御フラップが、図1及び図2の制御フラップ12と同様に、作動モータ13、モータ駆動部分15及び電子ユニット16から成る制御装置14を用いて操作可能であって、全流過位置、閉鎖位置及び任意の中間位置へ作動可能である。この場合、シリンダC1からピストンによって出口通路30,31内へ吐出(放出)された排ガスが、内燃機関1の排ガス戻し運転段階(Abgasrueckfuehr-Betriebsphase)中に、a)内燃機関1の部分負荷運転(Teillastbetrieb)中に全流過位置にある制御フラップ38を用いて完全に排ガス戻し管路33内に導入されて過給気マニホルド27へ戻され、これによってほぼ16%の最大の排ガス戻し量が生ぜしめられ、若しくはb)内燃機関1の全負荷運転(Vollastbetrieb)時に、排ガス戻し量を減少させる中間位置にある制御フラップ38を用いて、一部分は排ガスマニホルド29内に導入され、かつ一部分は排ガス戻し管路33内に導入され、これによって排ガス戻し量が16.6%の最大値よりも小さい値に調節される。 【0015】排ガス戻しが不要であり、若しくは所望されていない場合には、制御フラップ38が閉鎖位置(遮断位置)へ移され、シリンダC1から放出された排ガスが完全に排ガスマニホルド29内に導入されて、排ガスターボ過給機36へ送られる。 【0016】排ガス戻し量の微調節のために実施例では制御絞り(Steuerdrossel)39を設けてある。該制御絞りは出口通路30内に、若しくは該出口通路の出口側で排ガスマニホルド29への移行部に組み込まれていて、制御フラップ38によって操作可能であり、若しくは制御フラップ38と同様に制御装置14によって調節可能である。内燃機関1の排ガス戻し運転段階の外側では、制御絞り39は全流過横断面に調節されて、即ち全開されている。排ガス戻し運転段階中には、制御絞り39の流過横断面が最大値に調節され、若しくは最大値とゼロでない最小値との間で調節される。 【0017】図4に示す手段と異なって図5の実施例では、排ガス戻し管路33の、AGR・冷却器34と移行領域32との間を延びる区分33′内に組み込まれた閉鎖機構40及び移行領域32内に支承された制御機構41が設けられている。制御機構41を用いて、出口通路30の出口部分42から流出する排ガスが、排ガスターボ過給機36及び/又は排ガス戻し管路33に向けて分配可能である。閉鎖機構40及び制御機構41が、電子ユニット49、該電子ユニットから命令を受けるモータ駆動部分46,48及び該モータ駆動部分に所属して配置された作動モータ43,45から成る制御装置14によって操作可能である。電子ユニット49のハードウエアは他の実施例の電子ユニット16と同じに構成されており、かつソフトウェア並びに特性線は使用例に適合させて設定されている。制御機構41は2つの終端位置、即ち閉鎖位置と流過位置(実線で示す)を占めるようになっていてよい。内燃機関1の排ガス戻し運転段階中には、排ガスマニホルド29が制御機構41によって移行領域32若しくは排ガス戻し管路33に対して遮断されており、かつ排ガス戻し管路33が閉鎖機構40を全流過位置へ切り換えることによって開放されており、シリンダC1から出口通路30,31内へ放出された排ガスがもっぱら排ガス戻し管路33内に導入され、即ち排ガスマニホルド29への流れが中断(遮断)されている。このような状態は内燃機関1の部分負荷運転時に生ぜしめられ、その結果、排ガス戻し量がほぼ16%の最大値に達している。内燃機関1の全負荷範囲では、制御機構41が中間位置に移されて、出口通路30から流出した排ガス流が2つの部分流に分割され、一方の部分流が排ガス戻し管路33を介して過給気マニホルド27へ戻され、かつ他方の部分流が排ガスマニホルド29内に導入されて排ガスターボ過給機36へ導かれ、これによって排ガス戻し量が部分負荷運転時よりも小さくなっている。内燃機関1の排ガス戻し運転段階の外側では、制御機構41が流過位置へ切り換えられて、閉鎖機構41が閉鎖位置へ移されており、その結果、出口通路30,31から流出した排ガスが完全に排ガスマニホルド29内に導入されて排ガスターボ過給機36へ導かれる。 【0018】図6に示す実施例においては、V型12気筒内燃機関1の各シリンダ列1a,1bの各1つのシリンダC1,C7に対応してそれぞれ制御機構50を配置してあり、該制御機構は移行領域44内に組み込まれている。各制御機構50は、作動モータ51、モータ駆動部分52及び電子ユニット53から成る制御装置14によって2つの閉鎖位置及び異なる中間位置に移動させられ得る。各制御機構50は、移行領域44内で該移行領域の側壁間を垂直に延びて該側壁に対してシールされた分離壁54によって形成されており、該分離壁は一方の端部で支承箇所55内に旋回可能に支承されていてかつ他方の端部で円弧状に湾曲した制御プレート56を保持している。制御プレート56の外側輪郭が支承箇所55の中心を基準とした所定の半径によって規定されていて、移行領域44の、該制御プレートに対応して形成された対向面(Gegenflaeche)と協働するようになっている。移行領域44から排ガス戻し管路33が延びており、移行領域44に、互いに隣接する両方の排ガス通路30,31が開口している。 【0019】制御機構50の前述の構成及び配置に基づき、次のことが可能であり、a)該制御機構の第1の閉鎖位置で、各排ガス戻し管路33が遮断されており、即ち、排ガス戻しが行われず、シリンダC1,C7から該シリンダのピストンによって各両方の出口通路30,31内に放出された排ガスが、完全に各排ガスマニホルド29内に導入され、これに対して排ガス戻し運転段階中に、b)該制御機構の、内燃機関1の部分負荷運転時に占められる第2の閉鎖位置で、各排ガスマニホルド29が遮断されており、シリンダC1,C7から各両方の出口通路30,31内に放出された排ガスが、完全に各排ガス戻し管路33内に導入され、即ち完全に戻され、これによって各シリンダ列毎にほぼ16%の最大の排ガス戻し量が生ぜしめられ、c)第2の閉鎖位置に対して旋回量の小さい位置若しくは中間位置で、各出口通路30の出口横断面が多かれ少なかれ開放され、若しくは部分的に開放されており、内燃機関1の全負荷運転時に部分負荷運転時よりも小さい排ガス戻し量が生ぜしめられるようになっている。制御機構を中間位置に移すことによって、各シリンダ列の各1つのシリンダの一方の出口通路から流出する排ガスを、排ガスマニホルド内に導入すると同時に、他方の出口通路から流出する排ガスを、排ガス戻し管路内に導入してもよい。これによって任意の排ガス量が制御装置の制御量に応じて生ぜしめられる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596046668 【氏名又は名称】シュタイル ヌッツファールツォイゲ アクチエンゲゼルシャフト
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| 【出願日】 |
平成12年8月4日(2000.8.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100061815 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−65377(P2001−65377A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月13日(2001.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2000−237401(P2000−237401) |
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