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【発明の名称】 燃焼器の後方に面する段差つき高温側形状の調整方法と装置
【発明者】 【氏名】マイケル・ピー・ハグル

【氏名】ジュノール・ジー

【氏名】ジェームズ・ネイル・クーパー

【要約】 【課題】燃焼器の後方に面する段差つき高温側形状の調整。

【解決手段】燃焼器ライナは段差をつけた燃焼器ライナ表面と空気冷却スロットを形成する張り出し部とを備えている張り出し部の形状を整えられた後方に面する端面は燃焼ガスの乱流を減少させ、燃焼ガスに曝される燃焼器ライナ表面の面積を減少させる。断熱皮膜が形状を整えられた後方に面する端面に施され張り出し部への熱の流入を減少させ、それにより燃焼器ライナの運転温度を低下させる。従って、冷却空気の量が減少され、これが排気エミッションを減少させ、エンジンの性能を向上させまた燃焼器組立体の耐用年数を延長させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃焼器ライナ表面の、後方に面する端面をそれぞれ備えている張り出し部によって形成される複数の空気冷却スロットを含むタービンエンジン用燃焼器ライナにかかる熱負荷を減少させる方法であって、流れが前記後方に面する端面を離れるときに燃焼ガスの流れの乱流を減少させるように前記後方に面する端面の各々を形状を整える段階と、前記後方に面する端面を断熱皮膜で被覆する段階と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】 各後方に面する端面の各々を形状を整える段階が、湾曲した後方に面する端面を形成する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】 前記後方に面する端面を形状を整える段階が、前記張り出し部分をテーパ状にする段階をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】 前記後方に面する端面を形状を整える段階が、面取りした後方に面する端面を形成する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】 前記後方に面する端面を形状を整える段階が、高温側表面面積を減少させる段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】 第1のライナ表面と、前記第1のライナ表面と連結し部分的に前記第1の表面上に張り出した第2ライナ表面で前記第2表面が上縁と断熱皮膜で被覆された後方に面する端面とを含む第2のライナ表面と、を含むことを特徴とする燃焼器ライナ。
【請求項7】 前記後方に面する端面が少なくとも部分的に湾曲していることを特徴とする請求項6に記載の燃焼器ライナ。
【請求項8】 前記後端面が面取りしてある端面を含むことを特徴とする請求項6記載の燃焼器ライナ。
【請求項9】 前記第2のライナ表面がテーパ形状であることを特徴とする請求項6に記載の燃焼器ライナ。
【請求項10】 前記後端面が少なくとも部分的に湾曲していることを特徴とする請求項9に記載の燃焼器ライナ。
【請求項11】 前記部分的に張り出している第2の表面が前記第1の表面と共に冷却スロットを形成することを特徴とする請求項6に記載の燃焼器ライナ。
【請求項12】 冷却スロットによって互いに分離された、少なくとも第1の段差及び前記第1の段差上に張り出し後方に面する表面を含む第2の段差を含む段差を付けた表面を含み、前記後方に面する表面は、それぞれ断熱皮膜で被覆されている少なくとも第1の部分と第2の部分を含むことを特徴とする燃焼器ライナ。
【請求項13】 前記第1及び第2の部分のうちの1つが湾曲していることを特徴とする請求項12に記載の燃焼器ライナ。
【請求項14】 前記第1及び第2の部分のうちの1つがテーパ状であることを特徴とする請求項12に記載の燃焼器ライナ。
【請求項15】 前記第1及び第2の部分のうちの1つが面取りした端面を含むことを特徴とする請求項12に記載の燃焼器ライナ。
【請求項16】 前記第2の段差が上面をさらに含み前記冷却スロットが上面を含み、前記後方に面する端面が前記第2の段差の上面と冷却スロット上面とを連結することを特徴とする請求項12に記載の燃焼器ライナ。
【請求項17】 前記後端面がただ1つの方形のコーナ端縁を含むことを特徴とする請求項16に記載の燃焼器ライナ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は概してタービンエンジンに関するものであり、具体的にはタービンエンジン用スロット冷却環状燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】タービンエンジンは空気を加圧する圧縮機を備え、加圧された空気は燃料と適当に混合されて燃焼器に送られ、燃焼器の中で点火されて高温の燃焼ガスを発生する。ガスはタービンに送られ、タービンは燃焼ガスからエネルギーを抽出して圧縮機に動力を供給しまた飛行中の航空機を推進させたり、発電機に動力を供給するなど有用な仕事を行う。ガスタービンエンジンの効率の上昇は、少なくともその一部は燃焼器の運転温度の上昇によって達成される。運転中の燃焼器温度の主たる限界の一つは、燃焼器内のライナの材質的限界であった。
【0003】燃焼器ライナの冷却の一つの効果的な技術は薄膜対流冷却で、これは冷却空気の保護薄膜境界層が空気冷却スロットを通してライナの内側表面に沿って流れ、ライナを高温燃焼ガスから絶縁するというものである。ライナと高温ガスとの間に保護境界層を形成する以外に、この冷却空気はライナの対流冷却を可能ならしめる。例えば合衆国特許第4,259,842号を参照されたい。しかしながら、これら空気スロットはスロットの端部から離れる燃焼ガスの乱流を助長しがちであり、このことがスロット端部の熱伝達係数を上昇させ、これにより燃焼器ライナにかかる熱負荷を上昇させる。
【0004】燃焼器ライナの熱障壁を冷却するもう一つの効果的な技術は、燃焼ガスに対して熱絶縁をもたらすために燃焼器ライナの内側表面に施される断熱皮膜の使用である。断熱皮膜は所定の燃焼ガス温度に対する冷却空気の必要量を減少させ、あるいはエンジン効率を上昇させるために燃焼ガスの温度を上昇させることを可能にする。例えば合衆国特許第5,960,632号を参照されたい。しかしながら、望ましからぬ断熱皮膜の肉盛りという断熱皮膜の施工のプロセス限界が、燃焼器ライナの後方に面する端面への断熱皮膜の施工を妨げ、それにより端面は高温の燃焼ガスにさらされ、好ましくないライナ内への熱の流れを許してしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、冷却スロットへの好ましくない熱の堆積をもたらすことなく断熱皮膜を施すことができ、後方に面する端面のそれぞれにおけるガスの乱流を減少させ、また、張り出し部分の燃焼器ライナ表面面積を減少させる、後方に面する端面を有する燃焼器組立体を提供することが望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の例示的な実施形態では、燃焼器は段差をつけた燃焼器表面と空気冷却スロットを形成している少なくとも1つの張り出し部とを含む燃焼器ライナを備えている。張り出し部の後方に面する端面は、燃焼ガス流れの乱流を減少させるようにまた張り出し部の露出した燃焼器ライナの表面が少ないように形状を整えられている。前記形状を整えられた後方に面する端面には断熱皮膜が施されて、張り出し部への熱の流れをさらに減少させ、燃焼器の運転温度を低下させている。従って、空気冷却の所要量が減少し、このことは排気エミッションの減少、エンジンの性能向上及び燃焼器組立体の耐用年数の延長を可能にする。さらに、断熱皮膜によって、燃焼ガスのより高温化が達成できて、燃焼器組立体材料に悪影響を及ぼすことなくタービンエンジンの性能が向上できる。
【0007】
【発明の実施の形態】従来型のタービンエンジンにおいて燃焼器ライナの運転温度を低下させるために、薄膜対流冷却と断熱皮膜技術を組み合わせたある公知の燃焼器組立体10を図1に示す従来型の燃料噴射器(図示せず)で霧化した燃料を燃焼器組立体10の燃焼区域12に噴射して、一般的にはスワラ(図示せず)で混合された空気と燃料の混合気を形成する。点火器またはクロスファイア・チューブ(図示せず)で燃料噴射器の下流で空気と燃料の混合気に点火し、燃焼ガスはタービンノズル(図示せず)を通って燃焼器組立体から排出され、タービンノズルは高エネルギー燃焼ガスをタービンブレードまたはバケット列(図示せず)上に導く。ガスはタービンホィール(図示せず)を回転させ、回転エネルギーを圧縮機に供給し、負荷機器に動力を与え、及び/又は推力に転換される。
【0008】燃焼区域12は環状の、半径方向外側及び内側の支持部材、即ちシェル(図示せず)及び、それぞれに対応する外側ライナ20と内側ライナ22で形成される。外側及び内側ライナ20,22のそれぞれは、燃焼器ライナ表面28の張り出し部26によって形成される複数の空気冷却スロット24を含む。ここで図2を参照すると、燃焼器ライナ表面28は一連の段差30を含み、それらは各々燃焼器ライナ表面28の他の部分と空気冷却スロット24によって確然と分離された燃焼器ライナ表面28の部分を形成する。空気冷却スロット24は、空気プレナム(図示せず)から空気を受入れ、高温の燃焼ガスと燃焼器ライナ表面28との間に空気の薄い保護境界層を形成し、さらに燃焼器ライナ22の対流冷却を行なうための開口部32を含む。空気は、開口部32から燃焼器ライナの表面28と燃焼器ライナの張り出し部26の底面36との間のスロット24を通って流れる。
【0009】既知の断熱皮膜の層38が燃焼器ライナ表面28に施され、各段差30の張り出し部26から張り出し部26へと延び、燃焼器ライナ表面28を高温燃焼ガスからさらに断熱している。しかしながら、プロセスの限界によって、結果として生じる各張り出し部26の下方の好ましくない断熱皮膜38の堆積の故に、各張り出し部26の後方に面する端面40は断熱皮膜38で被覆されていない。従って、この種の燃焼器組立体10は、各張り出し部26の後方に面する端面40が高温の燃焼ガスに曝され、結果として好ましくない熱の流れを各張り出し部26に生じるという点で不利である。
【0010】加えて、後方に面する端面40はそれぞれ、方形のコーナ形状を含み、即ち、後方に面する端面40は燃焼器ライナ表面28及び各張り出し部26の底面36に対して実質的に垂直である。方形のコーナ形状は、燃焼ガスの流れがそれぞれの後方に面する端面40を離れるとき、燃焼ガスの流れに乱流を助長する。乱流は、後方に面する端面40それぞれの熱伝達係数を上昇させ、それが張り出し部26に好ましくない熱負荷の増加をもたらす。さらに加えて、方形のコーナ形状は、燃焼器ライナ表面の好ましくない大きな面積を燃焼ガスに曝すことから、張り出し部26の熱負荷を増加させその部分の金属の温度を上昇させる。
【0011】図3に示すのはこれらの不利な点を克服した燃焼器ライナの第1の実施形態で空気冷却スロット64で分離された一連の燃焼器ライナ表面62を含んでいる。燃焼器ライナ表面62は互いに結合され、それぞれ互いに段差がつけられている。各燃焼器ライナ表面62は、空気冷却スロット64に隣接して延び、空気冷却スロット64を形成する張り出し部66を含んでいる。各張り出し部66は、断熱皮膜を可能にし、排気ガスの乱流を減少させ、また高温燃焼ガスに曝される燃焼器ライナ表面の面積を減らすように形状を整えられた後方に面する端面70を含んでいる。
【0012】具体的には、各後方に面する端面70は湾曲した第1の半径部分72と実質的に直線で張り出し部66の底縁76に対して垂直な第2の部分74とを含んでいる。従って、既知の燃焼器ライナの方形のコーナ形状は避けられ、高温燃焼ガスに曝される燃焼器ライナ表面面積即ち燃焼器ライナの高温側」の表面面積は減少する。さらに、燃焼ガスが後方に面する端面70に近接した張り出し部66から離れるときの燃焼ガスの乱流が減少し、これによって張り出し部66への熱入力も軽減され張り出し部66の運転温度も低下する。さらにまた、後方に面する端面70の形状が、溶射角度(図示せず)を後方に面する端面の表面を被覆するように調節すると同時に各冷却スロット64の開口部をゴムのコード(図示せず)でマスキングすることによって、断熱皮膜の層78を後方に面する端面70に施すことを可能にしている。したがって、後方に面する端面70の運転温度は、断熱皮膜層78によってさらに低下し、これにより燃焼器ライナ60の耐用年数が延長され、同時に排気エミッションが減少し、エンジンの性能が向上する。
【0013】図4は、空気冷却スロット94で分離された一連の燃焼器ライナ表面92を含む燃焼器ライナ90の第2の実施形態を示す。燃焼器ライナ表面92は互いに結合されそれぞれ互いに段差がつけられている。各燃焼器ライナ表面92は、空気冷却スロット94に隣接して延び、空気冷却スロット94を形成する張り出し部96を含んでいる。各張り出し部96は、断熱皮膜を可能にし、排出ガスの乱流を減少させ、また高温燃焼ガスに曝される燃焼器ライナ表面の面積を減らすように形状を整えられた後方に面する端面100を含んでいる。
【0014】具体的には、各張り出し部96はテーパ状に先細にされ、各後方に面する端面100近くでより薄くなっており、それによって高温燃焼ガスに曝される燃焼器ライナ表面の面積を減少させている。各後方に面する端面100は湾曲した第1の半径部分102と実質的に直線で張り出し部96の底縁106に対して垂直な第2の部分104とを含んでいる。従って、既知の燃焼器ライナの方形のコーナ形状は避けられ、高温燃焼ガスに曝される燃焼器ライナ表面面積即ち燃焼器ライナの高温側」の表面面積は減少する。さらに、燃焼ガスが後方に面する端面100に近接した張り出し部96から離れるときの燃焼ガスの乱流が減少し、これによって張り出し部96への熱入力も軽減され張り出し部96の運転温度も低下する。さらにまた、後方に面する端面100の形状が、溶射角度(図示せず)を後方に面する端面の表面を被覆するように調節すると同時に各冷却スロット94の開口部をゴムのコード(図示せず)でマスキングすることによって、断熱皮膜の層108を後方に面する端面100に施すことを可能にしている。したがって、後方に面する端面100の運転温度は、断熱皮膜層108によってさらに低下し、これにより燃焼器ライナ90の耐用年数が延長され、同時に排気エミッションが減少し、エンジンの性能が向上する。
【0015】図5は、空気冷却スロット124で分離された一連の燃焼器ライナ表面112を含む燃焼器ライナ120の第3の実施形態を示す。燃焼器ライナ表面122は互いに結合されそれぞれ互いに段差がつけられている。各燃焼器ライナ表面122は、空気冷却スロット124に隣接して延び、空気冷却スロット124を形成する張り出し部126を含んでいる。各張り出し部126は、断熱皮膜を可能にし、排出ガスの乱流を減少させ、また高温燃焼ガスに曝される燃焼器ライナ表面の面積を減らすように形状を整えられた後方に面する端面130を含んでいる。
【0016】具体的には、各後方に面する端面130は面取りされた第1の部分132と実質的に直線で張り出し部126の底縁136に対して垂直な第2の部分134を含んでいる。従って、既知の燃焼器ライナの方形のコーナ形状は避けられ、高温燃焼ガスに曝される燃焼器ライナ表面面積即ち燃焼器ライナの高温側」の表面面積は減少する。さらに、燃焼ガスが後方に面する端面130に近接した張り出し部126から離れるときの燃焼ガスの乱流が減少し、これによって張り出し部126への熱入力も軽減され張り出し部126の運転温度も低下する。さらにまた、後方に面する端面130の形状が、溶射角度(図示せず)を後方に面する端面の表面を被覆するように調節すると同時に各冷却スロット124の開口部をゴムのコード(図示せず)でマスキングすることによって、断熱皮膜の層138を後方に面する端面130に施すことを可能にしている。したがって、後方に面する端面130の運転温度は、断熱皮膜層138によってさらに低下し、これにより燃焼器ライナ120の耐用年数が延長され、同時に排気エミッションが減少し、エンジンの性能が向上する。
【0017】本発明の種々の具体的実施形態について説明してきたが、当業者には本発明が特許請求の範囲の技術思想及び技術的範囲内の変形形態で実施可能であることは明らかであろう。
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成12年12月1日(2000.12.1)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一
【公開番号】 特開2001−241334(P2001−241334A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−366450(P2000−366450)