トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの

【発明の名称】 駆動装置及びこれを用いた立軸ポンプ
【発明者】 【氏名】水越 篤

【氏名】片桐 章

【氏名】木暮 清

【氏名】戸井田 滋

【要約】 【課題】コンパクトにして設置面積を小さくし、コスト低減を図り、分解・組み立て及びメンテナンスが容易に行なえる駆動装置及び立軸ポンプを提供する。

【解決手段】ガスタービン1と、このガスタービン1に接続される減速機2とを備える駆動装置において、前記減速機2は、太陽歯車9と、この太陽歯車9と噛み合う遊星歯車10と、この遊星歯車10と噛み合う内歯歯車11とを有する遊星歯車機構からなり、前記遊星歯車10の歯車軸13に取り付けられ前記ガスタービン1側に位置する歯車30に補機駆動用歯車31を噛み合わせ、この補機駆動用歯車31に、補機類を取り付けて駆動する補機駆動軸16を設ける。また、立軸ポンプはこの駆動装置を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガスタービンと、このガスタービンに接続される減速機とを備える駆動装置において、前記減速機は、太陽歯車と、この太陽歯車と噛み合う遊星歯車と、この遊星歯車と噛み合う内歯歯車とを有する遊星歯車機構からなり、前記遊星歯車の遊星歯車軸に取り付けられ前記ガスタービン側に位置する歯車に補機駆動用歯車を噛み合わせ、この補機駆動用歯車に、補機を取り付けて駆動する補機駆動軸を設けることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】 前記減速機は、補機駆動軸がガスタービンの出力軸と同一のケース割面にあることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
【請求項3】 前記減速機は複数の補機駆動用歯車及び補機駆動軸を有し、この補機駆動軸には、前記歯車を潤滑する油を供給する主油ポンプ、流体継手に作動油を供給する流体継手用作動油ポンプ、ガスタービン駆動用のスタータ、ガスタービンに燃料を供給する燃料ポンプ及びガバナのいずれかの補機が取り付けられていることを特徴とする請求項2記載の駆動装置。
【請求項4】 ガスタービンと、このガスタービンに接続される減速機と、この減速機に接続される排水ポンプ本体とを備える立軸ポンプにおいて、前記減速機は、太陽歯車と、この太陽歯車と噛み合う遊星歯車と、この遊星歯車と噛み合う内歯歯車とを有する遊星歯車機構からなり、前記遊星歯車の遊星歯車軸に取り付けられ前記ガスタービン側に位置する歯車に補機駆動用歯車を噛み合わせ、この補機駆動用歯車に、補機を取り付けて駆動する補機駆動軸を設けることを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項5】 前記減速機は複数の補機駆動用歯車及び補機駆動軸を有し、この補機駆動軸には、前記歯車を潤滑する油を供給する主油ポンプ、流体継手に作動油を供給する流体継手用作動油ポンプ、ガスタービン駆動用のスタータ、ガスタービンに燃料を供給する燃料ポンプ及びガバナのいずれかの補機が取り付けられていることを特徴とする請求項4記載の立軸ポンプ。
【請求項6】 前記減速機の低速出力軸側に流体継手を介在させることを特徴とする請求項4記載の立軸ポンプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動装置及びこれを用いた立軸ポンプに係り、特に出力軸,圧縮機及びタービンが1本の軸で結合される、いわゆる1軸式ガスタービンを駆動源とする駆動装置及びこれを用いた立軸ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】排水ポンプ設備に設置され、たとえば、先行待機運転される非常用立軸ポンプの駆動源としては、ディーゼルエンジン、電動機またはガスタービンがある。従来、維持管理が比較的容易であるとの理由でディーゼルエンジンが多用されている。一方、ガスタービンを使用すると、振動・騒音を小さくでき、また装置全体が小型軽量化され、ポンプ機場をコンパクトにしたり基礎工事を簡略化できる利点がある。
【0003】さらに、冷却水が不要で潤滑油の消費も極めて少なく、負荷の変動にもすばやく対応できる等の長所もあり、近年急速に普及し始めている。
【0004】ガスタービン駆動装置はこのような利点を有するものの、ガスタービン本体は高速回転(30000〜40000rpm)するので、ポンプのような低速で運転される負荷を駆動するときには、ガスタービンの出力を減速する必要が生じる。そのため、ガスタービンに減速比の大きな高速減速機を組み込み、ディーゼルエンジンと同程度の回転数(1000〜1800rpm)まで減速している。このようなガスタービンをポンプの駆動装置に用いた例が、たとえば、特開平11−6495号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術に示される特開平11−6495号公報記載のものは、ガスタービンと減速機とを一体化してポンプ機場のコンパクト化を図っている。
【0006】しかし、上記従来の技術に示される駆動装置及びこれを用いた立軸ポンプは、ガスタービンからの入力軸に平行な複数の中間軸を設けて、ポンプ出力及び補機類への駆動力を分岐させており、そのため、複数の補機を取り付けると、補機の数だけポンプ設備の横幅が大きくなっていた。ガスタービンとその駆動装置の一体化を行い、設置面積が大きくなるのを防ぐ工夫もされてはいるが、必ずしも十分とはいえなかった。
【0007】さらに、減速機の入力軸は高負荷、高速回転であるため軸受けが特殊品となり特別に開発する必要があった。そのため、トラブル時の対応が困難であり、また、型式が変わるごとに特殊設計が必要となっていた。
【0008】本発明は、上記従来技術に鑑みなされたものであり、その目的は、コンパクトにして設置面積を小さくする駆動装置を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、コスト低減を図れる駆動装置を提供することにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は、分解・組み立て及びメンテナンスが容易に行なえる駆動装置を提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、上記駆動装置を用いることにより設置面積を小さくし、コスト低減を図り、分解・組み立て及びメンテナンスが容易に行なえる立軸ポンプを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明に係る駆動装置の構成は、ガスタービンと、このガスタービンに接続される減速機とを備える駆動装置において、前記減速機は、太陽歯車と、この太陽歯車と噛み合う遊星歯車と、この遊星歯車と噛み合う内歯歯車とを有する遊星歯車機構からなり、前記遊星歯車の遊星歯車軸に取り付けられ前記ガスタービン側に位置する歯車に補機駆動用歯車を噛み合わせ、この補機駆動用歯車に、補機を取り付けて駆動する補機駆動軸を設けるものである。
【0013】そして好ましくは、前記減速機は、補機駆動軸がガスタービンの出力軸と同一のケース割面にあるものである。
【0014】また好ましくは、前記減速機は複数の補機駆動用歯車及び補機駆動軸を有し、この補機駆動軸には、前記歯車を潤滑する油を供給する主油ポンプ、流体継手に作動油を供給する流体継手用作動油ポンプ、ガスタービン駆動用のスタータ、ガスタービンに燃料を供給する燃料ポンプ及びガバナのいずれかの補機が取り付けられているものである。
【0015】また、上記目的を達成するため本発明に係る駆動装置の構成は、ガスタービンと、このガスタービンに接続される減速機と、この減速機に接続される排水ポンプ本体とを備える立軸ポンプにおいて、前記減速機は、太陽歯車と、この太陽歯車と噛み合う遊星歯車と、この遊星歯車と噛み合う内歯歯車とを有する遊星歯車機構からなり、前記遊星歯車の遊星歯車軸に取り付けられ前記ガスタービン側に位置する歯車に補機駆動用歯車を噛み合わせ、この補機駆動用歯車に、補機を取り付けて駆動する補機駆動軸を設けるものである。
【0016】そして好ましくは、前記減速機は複数の補機駆動用歯車及び補機駆動軸を有し、この補機駆動軸には、前記歯車を潤滑する油を供給する主油ポンプ、流体継手に作動油を供給する流体継手用作動油ポンプ、ガスタービン駆動用のスタータ、ガスタービンに燃料を供給する燃料ポンプ及びガバナのいずれかの補機が取り付けられているものである。
【0017】そして好ましくは、前記減速機の低速出力側に流体継手を介在させるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0019】図1は、本発明に係る立軸ポンプを備えるポンプ機場の縦断面図、図2は、図1で示すポンプ機場の平面図、図3は、本発明に係る駆動装置の実施例の平面図、図4は、図3で示す駆動装置のA−A線の横断面図である。
【0020】図1に示すように、ポンプ機場では、建屋内に出力軸が水平方向に配置される横軸形の1軸式ガスタービン1が減速機2に一体的に組み込まれて配置されており、これら1軸式ガスタービン1と減速機2とで駆動装置が構成されている。そして、減速機2は、建屋4の床面に固定された排水ポンプ本体3のケース5上に取り付けられている。ガスタービン1の出力軸方向は、排水ポンプ本体3内の流れ方向と直角方向に設定されている。すなわち、排水ポンプ本体3の羽根車部分(図示せず)は、本実施例においては建屋4の床面に形成された穴から下方に吊り下げられて給水槽20に潜没しており、ケース5部においてポンプ内の水の流れ方向を上向きから横向きに変えている。立軸ポンプは、基本的にこの駆動装置と排水ポンプ本体3とによって構成される。
【0021】図2に示すように、ケース5部では紙面裏面側に設けられた給水槽20に流入した雨水等の排水は、紙面右側に設けられた吐出水槽22へ吐出配管21を経由して排水される。この時、ガスタービン1の回転軸は、紙面上下方向に配置されている。
【0022】次に、上記排水ポンプ設備に備えられた排水ポンプに取り付けられる減速機2の一例について説明する。
【0023】図3に示すように、減速機2は中央部にかさ大歯車18が配置されており、このかさ大歯車18が取り付けられた出力軸19は垂直方向に、かさ小歯車17が取り付けられた中間軸12Cは水平方向に配置されている。このかさ小歯車17が取り付けられた中間軸12Cと平行に、後述する中間軸12A、12Bが配置されている。
【0024】このような構成において、ガスタービン1の出力軸6は、減速機2の入力軸8にカップリング7を介して結合されている。減速機2の入力軸8には、太陽歯車9が取り付けられており、この太陽歯車9は、遊星歯車10と噛み合っており、さらに、この遊星歯車10は中間軸12Aに接続されている内歯歯車11と噛み合っている。減速機2の低速出力側すなわち中間軸12Aの他端は、流体継手23の入力側と接続され、流体継手23の出力側は中間軸12Bに接続されている。また、中間軸12Bの他端には小歯車14が取り付けられており、中間軸12Cに接続された大歯車15と噛み合っている。中間軸12Cの他端にはかさ小歯車17が接続されており、出力軸19に接続されたかさ大歯車18と噛み合っている。
【0025】また、3個の遊星歯車10のうち、図示左右2個の遊星歯車10の遊星歯車軸13を減速機2の入力軸8側に延長してそれぞれ小歯車30が取り付けられており、これら小歯車30は、それぞれの遊星歯車軸13と平行な補機回転軸16に取り付けられた大歯車31と噛み合っている。補機回転軸16を利用することによりガバナ28、歯車を潤滑する潤滑油を供給するための主油ポンプ24、ガスタービン駆動用のスタータ26、ガスタービン駆動用の燃料を供給する燃料ポンプ27等の補機への動力伝達が可能になっている。
【0026】図4は、遊星歯車機構部の断面図で、さらに詳細に説明する。
【0027】中央に減速機2の入力軸8があり、この入力軸8には太陽歯車9が取り付けられており、この太陽歯車9の周囲には3箇の遊星歯車10が配置され、さらにこの遊星歯車10に噛み合うようにして内歯歯車11が配置されている。また、遊星歯車軸13に取り付けられた円筒小歯車30には、内歯歯車11の外側に取り付けられている前記補機駆動用の大歯車31がそれぞれ噛み合っている。
【0028】また、ガスタービン1の出力軸6、減速機2の入力軸8及び補機回転軸16は全て同一面にあって、かつケースの割面上に位置している。
【0029】なお、25は流体継手用作動油ポンプ、29は電動機駆動用軸である。
【0030】上記構成のように、補機駆動のための動力を遊星歯車軸13から分岐することによって、減速機2の入力軸8と同一のケースの割面上に補機回転軸16をコンパクトに配置することができる。
【0031】また、減速機入力側高速段に遊星歯車機構を組み込むことにより減速機入力軸側の軸受けを不要とすることが可能となる。
【0032】さらに、2つの遊星歯車軸13に大きさの異なる小歯車30を取り付けることにより、異なる変速比の駆動力を容易に取り出すことができる。
【0033】さらには、補機回転軸16から分岐して流体継手23へ作動油を送るための流体継手用作動油ポンプ25を駆動するための動力をとることも可能となる。
【0034】すなわち、上記のように構成することにより、減速機2の内部空間と前記補機を含めた立軸ポンプの駆動装置の設置面積をコンパクト化することが可能となり、ポンプ設備建屋の空間を有効に活用することができる。また、減速機の分解、組み立て、メンテナンスも容易にできる。
【0035】中間軸12Aないし12C、補機回転軸16、出力軸19等の回転軸は、図示しない軸受により両端が指示され、これら全体がケース5内に収納されている。
【0036】ここで、上記構成とした理由について説明する。
【0037】補機の動力を分岐させる方法としては、中間軸12Aから分技させる場合と内歯歯車11の外側から分岐させる場合とがある。
【0038】ガスタービン1を原動機に使用する場合、たとえばガスタービン1の出力回転数を約40000rpmとすると内歯歯車11の回転数は約5000rpmとなり、一方、ガバナ28の回転数は3000rpm、主油ポンプの回転数は1500rpmであり、そのため、内歯歯車11から補機の動力をとる場合には減速をさせる必要があるので、内歯歯車11よりさらに径の大きな歯車を必要とする。
【0039】また、中間軸12Aの途中に歯車を設けてこれから分岐する場合、中間軸12Aの両側に配置される補機の回転方向はそれぞれ逆方向になる。このため、回転方向を合わせるために歯車を追加する必要があり、コスト高になってしまう。
【0040】そこで、本実施例では、図4に示すように、遊星歯車軸13から分岐させる構造とし、これにより入力軸8の両側に配置する補機の回転方向を合わせることが可能となり、構造的に簡略になっている。
【0041】以上説明するように、本実施例によれば、減速機2の内部空間と前記補機を含めた立軸ポンプの駆動装置の設置面積をコンパクト化することが可能となり、ポンプ設備建屋の空間を有効に活用することができる。
【0042】また、減速機の分解、組み立て、メンテナンスも容易にできる。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、減速機入力側高速段に遊星歯車機構を組み込むことにより減速機入力軸側の軸受けを不要とすることが可能となる。
【0044】また、この遊星機構部の遊星歯車軸から補機動力を分配することによりコンパクト化が図れるとともに、1軸式ガスタービンを用いたことによる小型化と、流体継手による可変速の特徴を全て活用でき、これに伴いポンプ設備の建設コストを低減することが可能になる。
【0045】さらに、補機類の駆動軸をガスタービン入力軸のケース割面にあわせることにより、組み立て、分解が容易になりメンテナンス性のよい駆動装置及び立軸ポンプを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成11年9月10日(1999.9.10)
【代理人】 【識別番号】100068504
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男 (外1名)
【公開番号】 特開2001−82172(P2001−82172A)
【公開日】 平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願番号】 特願平11−256710