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【発明の名称】 高効率ガスタービン設備
【発明者】 【氏名】平野 昭

【氏名】黒澤 一浩

【要約】 【課題】高圧燃料ガスを加熱してガスタービン設備に供給し運転を行わせると、高圧燃料ガスを加熱する為の燃料ガスが必要であり、起動時に燃料ガス供給ラインの暖気のため燃料ガスを大気放出したり、ガスタービン設備を冷却させた循環冷却水がもつ熱を大気に放熱して、有効に利用していないガスタービン設備となっている。本発明は、これらの大きな問題点に着目して燃料ガスの回収や冷却水の熱を利用して熱効率を向上させる事にある。

【解決手段】前記の目的を達成する為に、ガスタービン設備の起動時に燃料ガスを大気放出する燃料ガスを回収し高圧燃料ガスの加熱に使用し、運転中は循環冷却水がもつ熱で高圧燃料ガスの加熱を行わせることにある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料ガスをガスタービン設備に供給する燃料ガス供給ラインとその途中にガスホルダーを備え、ガスタービン設備の燃料ガス遮断弁の入口側から前記燃料ガス供給ラインが分岐し、前記ガスホルダーのガス入口管に接続した事を特徴とする高効率ガスタービン設備。
【請求項2】 請求項1のガスホルダー内に水を貯え、水の中に燃料ガス供給ラインの熱交換チューブを設け、前記の水を加熱循環水ポンプで循環水加熱器を通した後、前記熱交換チューブの下から水が熱交換チューブにあたる位置に水噴射孔を備え、前記循環水加熱器へ燃料ガスを送る配管を前記ガスホルダーのガス出口管に接続した事を特徴とする高効率ガスタービン設備。
【請求項3】 請求項1のガスホルダー内の水を循環水ポンプでラジエター、そしてガスタービン設備を通過させ請求項2の熱交換チューブの下から水が熱交換チューブにあたる位置に水噴射孔を備えた事を特徴とする高効率ガスタービン設備。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料ガスを加熱してガスタービン設備に供給する機器と、ガスタービン設備を冷却する機器を備えたガスタービン設備に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は従来のガスタービン設備で、燃料ガス供給系統と冷却水系統図である。
【0003】ガスタービン設備7に供給される高圧燃料ガス1の性状、圧力、温度により燃料ガス前処理設備が異なるので、ここでは性状が天然ガスで、圧力はガスタービン設備に適した供給圧力、供給温度が15℃、炭化水素の凝結温度が10℃と一般的な燃料ガスとする。燃料ガス加熱器2での高圧燃料ガスへの加熱は、ガスタービン設備で必要な過熱度28℃と大気放散による温度降下4℃を、炭化水素の凝結温度の10℃に加えた42℃となる。
【0004】燃料ガス加熱器での高圧燃料ガスの加熱は、燃料ガス加熱器内の水30を加熱循環水ポンプ5により循環水加熱器4に送り、ここで48℃から50℃に循環水を加熱して、燃料ガス加熱器に戻し燃料ガス熱交換チューブ3の大部分に当たるように水放出管6のルート及び水放出管に設けた多くの噴射口を配列する。
【0005】循環水加熱器での加熱はバーナー11に高圧燃料ガスを送り燃焼させ、ここで循環水熱交換チューブ8に炎が当たるようにバーナーの位置をきめる。加熱された循環水の温度は、常時48〜50℃にしなければならないので、循環水出口温度計9で循環水の温度を測定し、その結果を燃料ガス流量制御弁10でバーナーに送る燃料ガスの流量を制御する事により、循環水の温度をコントロールする。
【0006】ガスタービン設備を起動する時には、高圧燃料ガスの温度は燃料ガス加熱器からガスタービン設備までの燃料ガス供給ライン16は低温のままであるから燃焼器12に送ることが出来ない。従って、起動する前に燃料ガス遮断弁13を閉じて燃料ガス大気放出弁14を開け、高圧燃料ガスを燃料ガス大気放出管17で大気に放出することにより、時間と共に燃料ガスの温度が所定まで上昇してくる。
【0007】燃料ガス温度計15でガス温度が38℃以上になれば燃料ガス大気放出弁を閉じ、燃料ガス遮断弁を開いて燃焼器に燃料ガスを供給する事により、ガスタービン設備の起動が可能になる。燃料ガスを大気放出する時間は、燃料ガス加熱器からガスタービン設備までの配管の長さや燃料ガスフィルターセパレーターの有無により大きく変わるが、通常10分前後かかり、この間貴重な燃料が無駄に捨てられる。
【0008】ガスタービン設備を運転すると潤滑油の温度や機器の温度が上昇するので、循環水ポンプ18でガスタービン設備に冷却水を送り、潤滑油や機器を冷やした後、ラジエター21に入りファン19で流動する大気20により冷却水熱交換チューブ22で循環冷却水が冷やされる。ここでもガスタービン設備の熱を大気に放散しているし、ポンプやファンを回転させる電力も無駄に消費している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】高圧燃料ガスを加熱してガスタービン設備に供給し運転を行わせると、高圧燃料ガスを加熱する為の燃料ガスが必要であり、起動時に燃料ガス供給ラインの暖気のため燃料ガスを大気放出したり、ガスタービン設備を冷却させた循環冷却水がもつ熱を大気に放熱して、有効に利用していないガスタービン設備となっている。
【0010】本発明は、これらの大きな問題点に着目して燃料ガスの回収や冷却水の熱を利用して熱効率を向上させる事にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成する為に、ガスタービン設備の起動時に燃料ガスを大気放出する燃料ガスを回収し高圧燃料ガスの加熱に使用し、運転中は循環冷却水がもつ熱で高圧燃料ガスの加熱を行わせることにある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる実施例について図面を用いて説明する。図1は、本発明の代表例で、高圧燃料ガスは従来技術で述べた燃料ガス加熱器の機能をもたせたガスホルダー31の水30の中に入り、燃料ガス熱交換チューブで約42℃に加熱される。燃料ガスの加熱の目的は、燃焼させるガスタービン設備で必要な温度、約38℃で供給する為に、大気温度が低い場合には大気に熱を放散するので、本実施例では約4℃予め余分に加熱しておき、燃料ガス供給ラインを暖気するため、燃料ガス遮断弁を閉じて燃料ガス大気放出弁14を徐々に開き、加熱された燃料ガス供給ラインの機器を通過させ、ガスタービンの運転時と同じ温度状態にする。
【0013】この燃料ガス供給ラインの暖機は、通常10分間程度おこなうので燃料ガスの放出量は数百m3を超え、これを回収する為に1回分を充分貯える事が可能な容量のガスホルダーを設け、燃料ガス放出弁から放出される燃料ガスを燃料ガス放出管32からガス入口管24を通して燃料ガス室23に導く。
【0014】ガスホルダー内で高圧燃料ガスの加熱を行うには、熱媒体の水を48〜50℃にする必要があるが、ガスタービン設備が起動する前は従来技術と同様に、加熱循環水ポンプで循環水を循環水加熱器に送り、ここでガスホルダーのガス出口管25で導いた燃料ガスを燃焼して、循環水の温度を上昇させる。冬場、ガスタービン設備が短時間停止している間、ガスホルダーの水温が外気で冷やされるのを防ぐ為、上記の方法で水を加熱するが、燃料ガス供給ラインの暖機1回分の放出ガス量で、1日間は加熱が可能である。
【0015】燃料ガス供給ラインの暖機は、燃料ガス温度計でガス温度が38℃以上になれば燃料ガス大気放出弁を閉じ、燃料ガス遮断弁を開いて燃焼器に燃料ガスを供給する事により、ガスタービン設備の起動が可能になる。ガスタービン設備が運転すれば、潤滑油及び機器の温度が上昇するので冷却水を循環させ冷却するが、ガスタービン設備を出た冷却水の温度が48〜50℃程度になるシステム計画とし、ガスホルダー内の下部に設けられた燃料ガス熱交換チューブの大部分に噴射水が当たるように冷却水放出管33に配列した出口孔から噴出する。これにより燃料ガス熱交換チューブ内を通過する高圧燃料ガスは約42℃に加熱され、冷却水は冷やされる。又、冷却水は大気温度より高温であるから、ガスホルダーの表面から熱放散して、冬ではガスタービン設備から出る熱量の約8割を高圧燃料ガスの加熱と大気への放熱で冷却される。従って、高圧燃料ガスの加熱はガスタービン設備から出る熱により行われるので、従来の燃料ガスで加熱していたガスタービン設備の熱効率より0.2% 〜0.3%向上し、燃料ガス代も節約できる。
【0016】ガスホルダー内の冷却水は冷却循環水ポンプでラヂエターに送り、冷却不足分を大気に放熱させるが、冬場は従来例の約2割の熱交換でよいので、ファンの運転台数は少ない。ラジエターのファンの運転台数を細かく制御するには、ファンを多くするが本例では4ケ程度とする。ラジエターの出口冷却水の温度をある程度設計値に制御しなければ、ガスタービン設備の出口温度が変わり、それと共にガスホルダー内の冷却水温が変わり、高圧燃料ガスの温度にも影響があるので、ラジエターの出口に冷却水温度計34を設け、運転するファンの台数を制御する。
【0017】又、ガスタービンが運転していれば、高圧燃料ガスの加熱はガスタービン設備の冷却水で連続して行えるので、加熱循環水ポンプと循環水加熱器は停止できる。
【0018】ラジエターファンの運転容量の低減と加熱循環水ポンプの運転停止で、従来より補機の消費動力が減ることにより、約0.1%プラント効率が良くなる。
【0019】
【発明の効果】本発明の効果を下記に列記する。
【0020】1.ガスタービン設備が起動する前の高圧燃料ガスの加熱と熱媒体となる水の大気放散熱の補充、及び燃料供給ラインの暖機の熱源は、前回行った暖気に使用した燃料ガスを再利用できる。
【0021】2.ガスタービン設備が運転する事により発生する熱を、冷却水を媒体として高圧燃料ガスを連続して加熱できるので、従来は連続運転していた加熱循環水ポンプと循環水加熱器を停止できる。
【0022】従来、加熱に高圧燃料ガスを使用していたガスタービン効率に比べて、熱効率が0.2% 〜0.3%向上する。
【0023】3.従来は、ガスタービン設備が運転する事により発生する熱を、冷却水を循環させラジエターで大気に放熱していたが、本発明では冷却水をガスホルダーで高圧燃料ガスと大気に熱を与えるので、ラジエターでは余剰分の熱を放散させるのみなので、ラジエター容量が小さく出来る。
【0024】4.本発明でラジエターの運転が少なくなる冬場では、上記2の加熱循環水ポンプの停止分を加味して約0.1%プラント効率が良くなる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】390023928
【氏名又は名称】日立エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成11年9月20日(1999.9.20)
【代理人】 【識別番号】100075096
【弁理士】
【氏名又は名称】作田 康夫
【公開番号】 特開2001−82171(P2001−82171A)
【公開日】 平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願番号】 特願平11−264988