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【発明の名称】 ガスタービン燃焼器の燃焼空気流量調節機構制御方法及び装置
【発明者】 【氏名】村上 勝弘

【氏名】長沼 穣

【要約】 【課題】ガスタービン燃焼器の燃焼空気流量調節機構の開度全開での負荷運転状態において、燃料と混合される燃焼空気の量を安定させ、ガスタービンの安定した運転を図る。

【解決手段】ガスタービン燃焼器3の燃焼空気の量を調節する燃焼空気流量調節機構の開度を燃焼空気流量調節機構駆動装置1を介して制御するサーボパック4を、目標量である燃焼空気流量調節機構制御位置信号と実測値である動作位置信号の偏差である駆動装置動作指令信号12を入力とする、比例積分制御と比例制御のいずれかに切り換えられるように構成するとともに、燃料流量指令信号8に基づいて、ガスタービン燃焼器の運転状態が燃焼空気流量調節機構の開度全開での負荷運転状態であるかどうかを検知して領域判別信号を出力する信号モニタ11を設け、領域判別信号が前記負荷運転状態を示すとき、サーボパック4の制御を比例制御に切り換える制御切替リレー10を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料流量を指定する燃料流量指令信号に基づいてガスタービン燃焼器に供給される空気流量を調節する燃焼空気流量調節機構の開度目標値を設定し、該開度目標値と現在の開度の偏差を入力として前記燃焼空気流量調節機構の開度を制御する方法において、ガスタービン燃焼器の運転状態がガスタービン負荷運転領域にあるとき、前記燃焼空気流量調節機構の開度の制御を前記偏差を入力とする比例制御により行うことを特徴とするガスタービン燃焼器の燃焼空気流量調節機構制御方法。
【請求項2】 請求項1記載のガスタービン燃焼器の燃焼空気流量調節機構制御方法において、ガスタービン燃焼器の運転状態がガスタービン停止領域にあるとき、前記燃焼空気流量調節機構の開度の制御を前記偏差を入力とする比例制御とすることを特徴とするガスタービン燃焼器の燃焼空気流量調節機構制御方法。
【請求項3】 請求項1又は2記載のガスタービン燃焼器の燃焼空気流量調節機構制御方法において、前記燃料流量指令信号の値に基づいて、ガスタービン燃焼器の運転状態が、ガスタービン負荷運転領域にあるのか、ガスタービン停止領域にあるのか、そのいずれでもないのかを判別することを特徴とするガスタービン燃焼器の燃焼空気流量調節機構駆動装置制御方法。
【請求項4】 請求項1または2記載のガスタービン燃焼器の燃焼空気流量調節機構制御方法において、予め、燃焼空気流量調節機構の開度が全開状態に維持される回転数領域を設定し、ガスタービン回転数に基づいて、ガスタービン燃焼器の運転状態が、ガスタービン負荷運転領域にあるのか、ガスタービン停止領域にあるのか、そのいずれでもないのかを判別することを特徴とするガスタービン燃焼器の燃焼空気流量調節機構駆動装置制御方法。
【請求項5】ガスタービン燃焼器へ供給される燃料流量を指定する燃料流量指令信号を、ガスタービン燃焼器の燃焼空気の量を調節する燃焼空気流量調節機構の開度目標値としての燃焼空気流量調節機構制御位置信号に変換して出力する関数発生器と、前記目標値と前記目標値に対応する実測値を入力として両者の偏差を出力する演算手段と、前記偏差を入力として前記燃焼空気流量調節機構の開度を燃焼空気流量調節機構駆動装置を介して制御する制御手段と、を含んでなる燃焼空気流量調節機構制御装置において、前記制御手段を、前記偏差を入力とする比例積分制御により前記開度制御を行う比例積分制御回路と、同じく前記偏差を入力とする比例制御により前記開度制御を行う比例制御回路と、比例積分制御回路と比例制御回路をそのいずれかが動作するように切り換える制御切替回路と、を含んで構成し、前記燃料流量指令信号に基づいて、ガスタービン燃焼器の運転状態が燃焼空気流量調節機構の開度全開での負荷運転状態であるかどうかを検知して領域判別信号を出力する判定手段と、前記判定手段の出力側に接続して配置され、領域判別信号が前記負荷運転状態を示すとき、前記制御手段の回路を比例制御回路が動作するように切り換える制御切替手段と、を設けたことを特徴とする燃焼空気流量調節機構制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン燃焼器の燃焼空気流量調節機構制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン燃焼器においては、燃焼時に燃料と混合される燃焼空気の量を燃焼空気流量調節機構にて調節する事により、燃焼時に生成される窒素酸化物を低減させている。この種の装置として関連するものには、特開平7−063333号公報に開示された例がある。
【0003】上記従来技術の燃焼空気流量調節機構の動作を制御する燃焼空気流量調節機構制御系は、概略次のように動作する。燃焼空気流量調節機構制御系は、ガスタービンの運転状態を制御している電力中央供給指令室からの指令により変化する燃料流量指令信号に、燃料発熱量、大気湿度等を加味したバイアスを加えた電気信号を、燃焼空気流量調節機構制御装置内部の関数発生器にて燃焼空気流量調節機構制御位置信号に変換し、同じく燃焼空気流量調節機構制御装置内部のコントローラにて燃焼空気流量調節機構動作位置検出器からの動作位置信号と前記燃焼空気流量調節機構制御位置信号の偏差を計算し、サーボパックに駆動装置動作指令信号として出力する。サーボパックは、この信号により燃焼空気流量調節機構駆動装置内のACサーボモータを回転させることで、燃焼空気流量調節機構の駆動装置を動作させ、この駆動装置に連結されている燃焼空気流量調節機構レバーが動き、燃焼器内部に設置されている燃焼空気流量調節機構を動作させる。これによって、燃焼空気の量が調節される仕組みとなっている。
【0004】図4に従来技術の燃料流量指令信号(タービン回転数)と燃焼空気流量調節機構の開度の関係を示す。これを参照して、ガスタービンの運転状態と燃焼空気流量調節機構の動作の関係を説明する。ガスタービンの運転状態は、燃料流量指令信号により制御されるガスタービンの回転数と相関関係にあり、次の三つに分類される。
【0005】・自立回転速度(例えば回転数1800rpm程度)以下のガスタービン停止領域・自立回転速度〜定格回転数のガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域・定格回転数以上のガスタービン負荷運転領域燃焼空気流量調節機構の開度(ガスタービン燃焼器に空気を送る流路の開度)は、ガスタービン停止領域及び負荷運転領域では、燃焼空気流量調節機構全開位置(あるいは全開に近い位置)にて一定となり、ガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域では、急激に変化する燃料流量指令信号に追従し、刻々と変化する。
【0006】従来技術での燃焼空気流量調節機構の駆動装置の制御は、ガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域における急激に変化する燃料流量指令信号に追従し応答時間を短くする為、前記ガスタービン停止領域からガスタービン負荷運転領域に亙る全運転領域で、前記駆動装置動作指令信号を入力とする比例積分制御による制御を用いていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ガスタービン燃焼器の燃焼空気の量を調節する燃焼空気流量調節機構の駆動装置の制御に用いられている比例積分制御には、次のような特徴がある。
【0008】・応答時間が短くなる反面、収束時間が長くなる、・制御回路内部に組込まれている電子部品の特性のドリフト等の影響を受け易い。
【0009】一般に、燃焼空気流量調節機構制御位置信号で示される目標開度(あるいは目標増減開度を示す信号値)に対し、制御の結果得られる実開度(あるいは実増減開度を示す信号値)が完全に一致することは実際上あり得ず、微小でも偏差が残る。比例積分制御の場合、前述のように、制御回路内部に組込まれている電子部品の特性のドリフト等の影響により生ずる偏差もあり、また、この偏差が積分されて制御に反映されるということから、図5の比例積分制御特性図に示すように、比例積分制御における実開度を表す動作位置信号14が燃焼空気流量調節機構制御位置信号18で示される目標開度に対し絶えず変化する。このため、ガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域では、急激に変化する燃料流量指令信号に追従していくため、目標開度に実開度が一致することはそれほど要求されず、比例積分制御での制御が有効であるが、燃焼空気流量調節機構の開度が一定となるガスタービン停止領域及び負荷運転領域では、前述の比例積分制御の特徴により、燃焼空気流量調節機構の駆動装置の制御が目標値に対して収束しにくく、燃焼空気流量調節機構の制御位置が目標位置に対して変動して、燃焼器に供給される空気の量が変化し、負荷運転領域では燃焼の不安定状態が生じ易かった。
【0010】本発明の目的は、供給燃料と混合される燃焼空気の量を安定させ、ガスタービンの安定した運転を図るにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達成するために、ガスタービン燃焼器に供給される空気の量を調節する燃焼空気流量調節機構の駆動装置の制御を、ガスタービン負荷運転領域(すなわち、開度が全開あるいは全開に近い状態で一定に保持される運転領域)において、比例制御に切替える方法を採用する。
【0012】比例制御は、比例積分制御に比べ、次のような特徴がある。
【0013】・微小な偏差が残ってもそれが時間的に累積されていくことがないから、収束時間が比例積分制御に比べて早くなる・比例積分制御に比べ、制御回路内部に組込まれている電子部品の量が少ない為、電子部品のドリフト等の影響を受け難い比例制御を採用することにより、電子部品のドリフト等の影響による偏差の発生が抑制され、さらに、微小な偏差が残ってもそれが時間的に累積されて修正動作を引き起こすことがないから、実開度が目標値を挟んで変動するようなことがなくなり、収束時間が早くなると同時に、開度が安定する。開度が安定することでガスタービン燃焼器に送りこまれる空気量が安定し、したがって、燃焼が安定して行われる。
【0014】比例積分制御と比例制御を切替えるのに、ガスタービンの運転状態が負荷運転領域にあるのか、そうでないのかを知る必要がある。ガスタービンの運転状態を判定するのに、ガスタービンの運転状態を制御する燃料流量指令信号を用いる。運転状態判定のために、ガスタービンの運転領域を、次の二つに分ける。
【0015】・ガスタービン停止領域及び負荷運転領域・ガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域ガスタービン停止領域及び負荷運転領域は、燃焼空気流量調節機構の開度が一定となる運転領域であり、ガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域は、燃焼空気流量調節機構の開度が急激に変化する燃料流量指令信号に追従して変化する運転領域である。
【0016】ガスタービンの運転領域が上記二つの運転領域のいずれであるかを、燃料流量指令信号を用いて判別し、その判別信号(領域判別信号)にて制御切替手段を動作させ、制御を比例積分制御から比例制御へ、あるいはその逆に切替えることで、燃焼空気の供給の安定化を図る。すなわち、ガスタービン停止領域及び負荷運転領域では、燃焼空気流量調節機構の開度制御に比例制御を用い、ガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域では、燃焼空気流量調節機構の開度制御に比例積分制御を用いる。
【0017】なお、運転領域を、次の二つに分けて制御してもよい。
【0018】・ガスタービン負荷運転領域・ガスタービン停止領域及びガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域ガスタービン停止領域では、ガスタービン燃焼器は点火されておらず、供給空気量の多少の変動は、燃焼に影響しないから、ガスタービン負荷運転領域では比例制御、ガスタービン停止領域及びガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域では比例積分制御とするように切り換え制御してもよい。
【0019】また、ガスタービン停止領域、ガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域、及びガスタービン負荷運転領域は、ガスタービン回転数によって定義することができるから、ガスタービン回転数に基づいて、運転領域がどれであるかを判定するようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に本発明の実施の形態における燃焼空気流量制御系の概略図を示す。図示の燃焼空気流量制御系は、燃焼空気流量調節機構制御装置17と、この燃焼空気流量調節機構制御装置17の出力側に接続された接続された燃焼空気流量調節機構駆動装置1と、一端を燃焼空気流量調節機構駆動装置1に結合され他端をガスタービン燃焼器3に内装された燃焼空気流量調節機構に結合された燃焼空気流量調節機構レバー2と、を含んで構成されている。燃焼空気流量調節機構の開度は、燃焼空気流量調節機構レバー2により、調節される。
【0021】本実施の形態における燃焼空気流量調節機構は、燃焼筒の壁面に円周に沿って均等に間隔をおいて開口配置された径40mmの複数の孔と、燃焼筒の外周面の沿って摺動可能に嵌装された短管とで形成され、この短管が前記燃焼空気流量調節機構レバー2によりリンク機構を介して燃焼筒軸線方向に動かされるようになっている。燃焼空気は、燃焼筒の外側から前記孔を通って燃焼が行われる燃焼筒内部に入るようになっている。短管の軸方向長さは40mmを越える長さとしてあり、短管と前記孔の重なりの量によって前記孔の空気が流れる部分の割合(燃焼空気流量調節機構の開度)が変化する。短管が前記孔を完全に塞ぐ位置にあるとき、開度が0%(全閉)、短管が前記孔位置から完全に外れた位置にあるとき、開度が100%(全開)である。もちろん、燃焼空気流量調節機構の構造は、上記構成に限らず、ガスタービン燃焼器に供給される空気量を調整するものであれば、どのような構成でもかまわない。
【0022】燃焼空気流量調節機構制御装置17は、関数発生器6と、関数発生器6の出力側に接続されたコントローラ5と、コントローラ5の出力側に接続されたサーボパック4と、このサーボパック4のもう一つの入力側に接続された制御切替リレー10と、この制御切替リレー10の入力側に接続された信号モニタ11とを含んで構成されている。
【0023】燃焼空気流量調節機構駆動装置1は、ガスタービンコンパートメントに配置され、前記サーボパック4から出力される電気信号により回転されるACサーボモータ1Aと、ACサーボモータ1Aに減速装置1Bを介して結合され作動端が前記燃焼空気流量調節機構レバー2の一端に結合された燃焼空気流量調節機構開度位置調節器1Cと、燃焼空気流量調節機構開度位置調節器1Cの前記作動端の位置を検出して動作位置信号として前記燃焼空気流量調節機構制御装置17に出力する燃焼空気流量調節機構動作位置検出器1Dと、を含んで構成されている。燃焼空気流量調節機構開度位置調節器1Cは、前記減速装置1Bを介してACサーボモータ1Aに回転駆動される回転軸と、この回転軸に螺合され回転しないように拘束された往復動部と、この往復動部に固定されて往復動部とともに進退する作動端と、を含んで構成されている。燃焼空気流量調節機構動作位置検出器1Dは、バックアップのために、同一構成のものが2個組み合わせて配置され、それぞれが検出した信号を、前記燃焼空気流量調節機構制御装置17に出力するようになっている。
【0024】燃焼空気流量調節機構制御装置17は、関数発生器6と、演算手段であるコントローラ5と、制御手段であるサーボパック4と、判定手段である信号モニタ11と、制御切替手段である制御切替リレー10を含んで構成され、前記燃焼空気流量調節機構動作位置検出器1Dの出力(動作位置信号)はコントローラ5に入力されるようになっている。
【0025】電力中央供給指令室9からの指令により変化する燃料流量指令信号は、燃料発熱量15、大気湿度16等を加味したバイアス7を加えて関数発生器6に入力される。関数発生器6は、入力された信号を燃焼空気流量調節機構制御位置信号18に変換してコントローラ5に出力するように構成されている。コントローラ5は、入力された燃焼空気流量調節機構制御位置信号18と、同じくコントローラ5に入力される、前記燃焼空気流量調節機構動作位置検出器1Dの出力との偏差を演算して、駆動装置動作指令信号12として、サーボパック4に出力するように構成されている。
【0026】サーボパック4は、駆動装置動作指令信号12を入力として比例演算を行い、演算結果に基づいて前記ACサーボモータ1Aの回転制御を行う比例制御回路と、同じく駆動装置動作指令信号12を入力として比例積分演算を行い、演算結果に基づいて前記ACサーボモータ1Aの回転制御を行う比例積分制御回路を備えている。そして、制御切替リレー10の出力に応じて、比例制御回路と比例積分制御回路のどちらでACサーボモータ1Aの回転制御を行うかを設定する制御切替回路が設けられている。
【0027】信号モニタ11には、燃料流量指令信号8が入力されるように構成されている。信号モニタ11には、予め、前記自立回転速度に対応する燃料流量指令信号8の値(自立回転速度燃料信号値)、及び無負荷での定格回転数に対応する燃料流量指令信号8の値(無負荷定格回転燃料信号値)が格納されており、入力される燃料流量指令信号8と、自立回転速度燃料信号値及び無負荷定格回転燃料信号値の大小関係が判断される。自立回転速度燃料信号値≧(入力される燃料流量指令信号8)あるいは(入力される燃料流量指令信号8)≧無負荷定格回転燃料信号値であれば、ガスタービン停止領域もしくは負荷運転領域であることを示す領域判別信号19が、自立回転速度燃料信号値<(入力される燃料流量指令信号8)<無負荷定格回転燃料信号値であればガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域であることを示す領域判別信号19が、それぞれ信号モニタ11から制御切替リレー10に出力されるようになっている。
【0028】図2にガスタービン燃焼器における燃料流量指令信号とガスタービン運転領域の関係を示す。これを参照して、ガスタービンの運転状態と、燃焼空気流量調節機構駆動装置の制御を比例制御から比例積分制御に(あるいはその逆に)切替える点の関係を説明する。
【0029】ガスタービンの運転状態は、燃料流量指令信号により制御され、ガスタービンの回転数と相関関係にあり、前述のように下記a,b,cの三つに分けられる。
【0030】a.自立回転速度(例えば1800rpm)以下のガスタービン停止領域b.自立回転速度〜定格回転数のガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域c.定格回転数以上のガスタービン負荷運転領域に分類される。
【0031】ガスタービンの起動時は、回転がある回転数になるまで起動用モータで回転をあげ、その回転数に達したら燃料に点火され、燃焼ガスによる駆動が開始される。この回転数を自立回転速度という。本実施の形態では、自立回転速度は1800rpmとしてある。
【0032】燃焼空気流量調節機構の開度は、ガスタービン停止領域及び負荷運転領域では、全開位置(あるいは全開に近い一定位置)に保持される。すなわち、起動時、回転が1800rpmに達するまでは燃焼空気流量調節機構の開度は全開位置(あるいは全開に近い一定位置)に保持され、回転が1800rpmに達した段階で起動用燃料に点火される。ガスタービンが回転しているものの回転数が1800rpm以下で燃料に点火されていない状態がガスタービン停止領域である。燃料に点火され、燃焼ガスによる駆動が開始されると徐々に燃料流量が増加されて回転数が上昇するが、燃焼空気流量調節機構の開度は急激に変化する燃料流量指令信号8に追従し、刻々と変化する。
【0033】起動用燃料に点火されて回転数がある程度上昇した段階で負荷用の燃料が点火され、通常、燃料流量が定格負荷時の70%程度の段階でタービン回転数が定格回転数に到達する。負荷用の燃料が点火されると、燃焼空気流量調節機構の開度は次第に増加され、タービン回転数が定格回転数に到達した段階で全開となる。起動用燃料が点火される自立回転速度から定格回転数に到達するまでの間が、ガスタービン燃焼器の点火運転領域であり、逆に、無負荷定格回転数の状態から燃料流量を次第に絞って回転数を低下させ、消火するまでの同じ回転数領域が消火運転領域である。
【0034】タービン回転数が定格回転数となったら、それから燃料流量を増加させて負荷運転となる。タービン回転数が定格回転数で、燃料流量が定格回転数に相当する量以上の領域が負荷運転領域である。
【0035】そのため、ガスタービンの回転数が1800rpm及び定格回転数となる点の燃料流量指令信号の値を制御切替え点とし、燃焼空気流量調節機構駆動装置を、ガスタービンの回転数が1800rpm以下及び定格回転数以上の領域では比例制御により、ガスタービンの回転数が1800rpmを超えて定格回転数未満の領域では比例積分制御により、それぞれ制御する。
【0036】制御切替リレー10には、前記信号モニタ11から、現在の運転状態が、ガスタービン停止領域及び負荷運転領域なのか、ガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域なのかを示す領域判別信号が入力されるようになっており、現在の運転状態が、ガスタービン停止領域あるいは負荷運転領域であることを示す領域判別信号が入力された場合は、サーボパック4の比例制御回路を用いるように指示する切替信号20をサーボパック4に出力し、現在の運転状態が、ガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域であることを示す領域判別信号が入力された場合は、サーボパック4の比例積分制御回路を用いるように指示する切替信号20をサーボパック4に出力するように構成されている。
【0037】以下、上記構成の燃焼空気流量制御系の動作を説明する。
【0038】電力中央供給指令室9からの指令により変化する燃料流量指令信号8は、燃料発熱量15、大気湿度16等を加味したバイアス7を加えて関数発生器6に入力され、関数発生器6で燃焼空気流量調節機構制御位置信号18に変換されてからコントローラ5に入力される。コントローラ5は、関数発生器6から入力された燃焼空気流量調節機構制御位置信号18と、前記燃焼空気流量調節機構動作位置検出器1Dから入力される動作位置信号の偏差を算出し、算出結果を駆動装置動作指令信号12として、サーボパック4に出力する。
【0039】一方、前記燃料流量指令信号8は同時に信号モニタ11に入力され、信号モニタ11はその時点における運転状態が、ガスタービン停止領域若しくはガスタービン負荷運転領域なのか、ガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域なのかを判別し、それぞれ対応する領域判別信号19を制御切替リレー10に出力する。
【0040】制御切替リレー10は、入力された領域判別信号がガスタービン停止領域若しくはガスタービン負荷運転領域を示す信号であるときは、サーボパック4に、比例制御回路を用いるように指示する切替信号20を出力し、入力された信号がガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域を示す信号であるときは、サーボパック4に、比例積分制御回路を用いるように指示する切替信号20を出力する。
【0041】サーボパック4は、制御切替リレー10から出力される切替信号20に基づいて、制御切替回路を動作させて、使用する回路を比例積分制御回路と比例制御回路のいずれかに設定し、設定した回路を前記駆動装置動作指令信号12を入力として動作させて、ACサーボモータ1Aを回転させる。
【0042】ACサーボモータ1Aの回転により燃焼空気流量調節機構開度位置調節器1Cの作動端が往復動し、この作動端に連結された燃焼空気流量調節機構レバー2を動かす。燃焼空気流量調節機構レバー2が動くことにより、ガスタービン燃焼器3内部に設置されている燃焼空気流量調節機構が燃焼空気流量調節機構レバー2の動きに応じて動作し、その開度が増減されてガスタービン燃焼器3に送りこまれる空気の量が調節される。この開度は、前記作動端の位置を検出する燃焼空気流量調節機構動作位置検出器1Dにより、動作位置信号として、コントローラ5にフィードバックされる。
【0043】図3に比例制御における動作位置信号13の軌跡と燃焼空気流量調節機構制御位置信号18の関係を示す。図示のように、比例制御における実開度を表す動作位置信号13は、目標開度を表す燃焼空気流量調節機構制御位置信号18を挟んで上下に変動することなく燃焼空気流量調節機構制御位置信号18に収束し、微小な偏差は残るものの安定した開度を維持する。
【0044】このように、ガスタービン燃焼器の点火、消火運転領域では、急激に変化する燃料流量指令信号8への追従性を重視して比例積分制御により燃焼空気流量調節機構の開度制御を行い、ガスタービン負荷運転領域では、安定した燃焼空気の供給を重視して比例制御により燃焼空気流量調節機構の開度制御を行うことで、ガスタービン燃焼器の燃料と混合される燃焼空気の量を、安定化させることが可能となった。
【0045】なお、上記実施の形態では、ガスタービンの回転数が1800rpm以下の停止領域においても燃焼空気流量調節機構の開度を比例制御により制御することとしているが、ガスタービン停止領域では燃料が燃焼しておらず、多少の空気量変動があっても、燃焼には影響がないので、ガスタービン停止領域では比例積分制御を行うようにしてもよい。空気量変動がタービンの回転に影響する場合は、もちろん比例制御により制御するのが望ましい。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、燃焼空気流量調節機構の開度が全開状態に保持されるガスタービンの負荷運転領域において、ガスタービン燃焼器に供給される燃焼空気の量を調節する燃焼空気流量調節機構の開度制御が、開度目標値と現在の開度の偏差を入力とする比例制御で行われるので、ガスタービン燃焼器に供給される燃焼空気量の変動が少なくなる。この結果、ガスタービン燃焼器の燃焼が安定し、ガスタービンの安定した運転が行われる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】390023928
【氏名又は名称】日立エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成11年9月14日(1999.9.14)
【代理人】 【識別番号】100066979
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜沼 辰之
【公開番号】 特開2001−82168(P2001−82168A)
【公開日】 平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願番号】 特願平11−259852