トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの

【発明の名称】 電力動力発生装置
【発明者】 【氏名】佐々木 静夫

【氏名】井口 哲

【要約】 【課題】燃焼ガス熱を有効に利用する。

【解決手段】燃焼器5内で燃料を2000°K以下で燃焼させる。燃焼器5内で発生した燃焼ガスをタービン1に供給してこの燃焼ガスによりタービン1を回転させる。燃焼器5からタービン1に至る燃焼ガス通路内に燃焼ガス熱を電力に変換する熱光起電力変換発電器6を配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃焼室内で発生した燃焼ガスをタービンに供給して該燃焼ガスによりタービンを回転させ、該燃焼室からタービンに至る燃焼ガス通路内に燃焼ガス熱を電力に変換する熱電力変換発電手段を設けた電力動力発生装置。
【請求項2】 燃焼室内において燃焼温を2000°K以下に維持しつつ燃料を燃焼させるようにした請求項1に電力動力発生装置。
【請求項3】 燃焼室から排出された燃焼ガスの一部を燃焼室内に再循環させることにより燃焼室内における燃焼温を2000°K以下に維持するようにした請求項2に記載の電力動力発生装置。
【請求項4】 上記熱電力変換発電手段が燃焼ガス熱を受熱して赤外線を放射するラジエータと、該赤外線を吸収して電力を発生する光電変換セルとにより構成される熱光起電力変換発電器からなる請求項1に記載の電力動力発生装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電力動力発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンエンジンにより発電機を駆動するようにした車両が公知である(特開平6−117275号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの車両ではガスタービンを駆動するための燃焼ガス熱を有効利用していない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで1番目の発明では、燃焼室内で発生した燃焼ガスをタービンに供給してこの燃焼ガスによりタービンを回転させ、燃焼室からタービンに至る燃焼ガス通路内に燃焼ガス熱を電力に変換する熱電力変換発電手段を設けている。2番目の発明では1番目の発明において、燃焼室内において燃焼温を2000°K以下に維持しつつ燃料を燃焼させるようにしている。
【0005】3番目の発明では2番目の発明において、燃焼室から排出された燃焼ガスの一部を燃焼室内に再循環させることにより燃焼室内における燃焼温を2000°K以下に維持するようにしている。4番目の発明では1番目の発明において、熱電力変換発電手段が燃焼ガス熱を受熱して赤外線を放射するラジエータと、この赤外線を吸収して電力を発生する光電変換セルとにより構成される熱光起電力変換発電器からなる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、1はタービン、3はタービン1の出力軸2に取付けられたコンプレッサ、4は熱交換器、5は燃焼器、6は熱電力変換発電手段、7は酸化触媒を収容した触媒コンバータを夫々示す。燃焼器5内で生成された燃焼ガスは熱電力変換発電手段6に送り込まれる。図1に示す実施例ではこの熱電力変換発電手段6は円筒状のラジエータ8と、ラジエータ8の周りに配置された多数の光電変換セル9と、光電変換セル9を冷却するための冷却空気流通室10とにより構成される熱光起電力変換発電器からなる。
【0007】ラジエータ8は例えばイッテルビウム(Yb)、エルビウム(Er)、ホルミウム(Ho)などの希土類元素の酸化物から形成されており、このラジエータ8はその内部を流通する燃焼ガス熱を受熱して外周面から予め定められた波長の赤外線を放射する。一方、光電変換セル9は半導体からなり、この光電変換セル9はラジエータ8から放射された赤外線を吸収する。光電変換セル9が赤外線を吸収すると価電子帯の電子が伝導体に励起され、電流として結晶内を流れる。即ち、発電作用が行われる。この電流はバッテリ11に充電される。
【0008】図1において黒の太い矢印は作動ガスの流れを示しており、次にこの作動ガスの流れに沿って電力動力発生装置の作用を説明する。まず初めに外気は熱光起電力変換発電器6の冷却空気流通室10内を経てコンプレッサ3により吸引される。コンプレッサ3により昇温昇圧された空気は熱交換器4内において更に加熱され、加熱された空気は流量制御弁12を介して燃焼器5内に送り込まれる。燃焼器5内の燃焼室内へは燃料噴射装置13から燃料が噴射され、斯くして燃焼室内において燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスは熱光起電力変換発電器6内に送り込まれ、このとき光電変換セル9内で発生した電流がバッテリ11に充電される。
【0009】熱光起電力変換発電器6を通過した燃焼ガスはタービン1に送り込まれ、タービン1に駆動力を与える。タービン1から排出された燃焼ガス、即ち排出ガスは触媒コンバータ7に送り込まれ、次いで熱交換器4への排出ガスの供給量を制御するガス流制御弁14を介して熱交換器4内に送り込まれる。燃焼器5内では空気過剰のもとで燃焼が行われ、従って未燃HC,COおよび煤はほとんど発生しない。もし未燃HC,COが発生した場合にはこれら未燃HC,COは触媒コンバータ7内において浄化される。一方、空気過剰のもとで燃焼が行われた場合、燃焼温度がほぼ2000°Kを越えるとNOx が発生する。従って図1に示される実施例ではNOx が発生しないように燃焼温を2000°K以下に維持した状態で燃焼が行われる。
【0010】なお、図1に示される実施例では燃焼温を2000°K以下に維持するために白ぬきの矢印で示すように熱光起電力変換発電器9を通過した燃焼ガスが流量制御弁15を介して燃焼器5内に再循環される。燃焼ガスは多量のCO2 を含んでいるために比熱が大きく、従って大きな吸熱能力を有する。従って燃焼ガスを燃焼器5内に再循環させることによって燃焼器5内における燃焼温を低下することができ、斯くして燃焼器5内における燃焼温を2000°K以下に維持することができる。
【0011】また、図1に示される実施例では流量制御弁15により燃焼ガスの再循環量を制御することに加え、流量制御弁12およびガス流制御弁14により夫々燃焼器5内に流入する空気量および熱交換器4内に流入する排出ガス量を制御することによって燃焼器5内における燃焼温を2000°K以下に維持するようにしている。
【0012】一方、熱光起電力変換発電器9が高効率の発電作用を行うのに最適な燃焼ガスの温度は1500°Kから2000°Kであり、またタービン1の耐久性から考えるとタービン1に流入する燃焼ガス温の上限値は1400°K程度である。従って例えば燃焼器5内における燃焼温を1800°Kに維持すると熱光起電力変換発電器9における燃焼ガス温は1500°Kから1800°Kの間となり、排気タービン1に流入する燃焼ガスの温度は1400°K以下となる。即ち、燃焼器5とタービン1の間が熱光起電力変換発電器9を配置する位置として極めて適していると言える。
【0013】このように本発明ではタービン1の出力軸2から動力が得られ、同時に熱光起電力変換発電器9によって電力が得られる。また、大気中には未燃HC,CO,NOx および煤がほとんど排出されない。図2はタービン2の出力およびバッテリ11に充電された電力を利用して車両の駆動を制御するようにした例を示している。
【0014】図2において20は遊星歯車機構を示しており、21はサンギヤ、22はプラネタリーキャリヤ、23はプラネタリーリングギヤを夫々示している。サンギヤ21は発電機24の回転軸25に連結されており、キャリヤ22は回転軸26および減速歯車装置27を介してタービン1の出力軸2に連結されている。また、リングギヤ20は一方ではモータ28の回転軸29に連結され、他方ではベルト又はチェーン30を介して車両駆動輪の駆動軸31に連結されている。バッテリ11、発電機24およびモータ28は制御回路32に連結されている。
【0015】タービン1の出力軸2が回転するとキャリヤ22が回転する。このとき車両が停止していると、即ちリングギヤ20の回転が停止しているとサンギヤ25が回転せしめられ、それによって発電機24が回転せしめられる。このとき発電機24により発電された電力はバッテリ11に充電される。一方、キャリヤ22が回転せしめられたときに発電機24の回転、即ちサンギヤ21の回転が停止されるか又は抑制されるとリングギヤ20が回転し、斯くして駆動軸31が回転せしめられると共にモータ28が回転せしめられる。このときバッテリ11に充電された電力によりモータ28に回転力を与えると駆動軸31の回転数が上昇する。また、タービン1が停止しているときにはモータ28によって駆動軸31を回転させることができる。更に減速運転時にキャリア22の回転が停止せしめられると駆動軸31の回転力がリングギア20およびキャリア22を介してサンギア25に伝達され、それによって発電機24が回転駆動せしめられる。従ってこのとき車両のもつ運動エネルギが電気エネルギとして回収される。
【0016】図3に別の実施例を示す。この実施例では触媒コンバータ7を通過した排出ガスが流量制御弁15を介して燃焼器5内に再循環される。図4に更に別の実施例を示す。この実施例では触媒コンバータ7を通過した排出ガスが再び熱光起電力変換発電器6のラジエータ8内を流通せしめられ、このときラジエータ8はこの排出ガスによっても加熱される。次いで排出ガスはガス流制御弁14に向かう。
【0017】
【発明の効果】燃焼ガスを有効利用して発電することができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成11年9月13日(1999.9.13)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外2名)
【公開番号】 特開2001−82166(P2001−82166A)
【公開日】 平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願番号】 特願平11−258897