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【発明の名称】 ガスタービン用蒸気冷却システム
【発明者】 【氏名】イアン デビット ウィルソン

【氏名】ケビン ジョゼフ バーブ

【氏名】ミン チェン リー

【氏名】スーザン マリー ハイド

【氏名】トーマス チャールズ マーシー

【氏名】ロナルド リチャード ウエゾリック

【氏名】クリストファー チャールズ グリン

【氏名】マーティン シー. ヘムズワース

【要約】 【課題】ガスタービン用蒸気冷却システムにおいて、冷却蒸気の供給と戻りを改善する。

【解決手段】ガスタービン用の蒸気冷却回路が、ロータのリムに隣接した蒸気供給管56に沿って軸方向に半径方向の蒸気流を移行させるための供給エルボ206に結合されている円周方向に互いに間隔をおいて配置されている半径方向の管54に蒸気を供給する穿孔管アセンブリ48を含む。この供給管は、第1段と第2段のバケットに蒸気を供給するために、1−2スペーサの後面上に配置されている円周方向に互いに間隔を置いたマニホルドセグメント120に蒸気を供給する。これらのバケットからの使用済み蒸気が、1−2スペーサの前面上に配置されている円周方向に互いに間隔をおいた複数のマニホルドセグメント170に流れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイール(14、16、18、20)を取り付けているバケット(22、24、26、28)と、前記ホイールの間のスペーサ(30、32、34)とを有するタービンロータ(R)におけるバケット冷却システムであって、前記ロータのリムの周囲に、かつ前記リムに隣接して円周方向に互いに間隔をおいて配置されている複数の冷却媒体供給通路(56)と、前記ロータの前記リムの周囲に、かつ前記リムに隣接して円周方向に互いに間隔をおいて配置されている複数の使用済み冷却媒体戻り通路(58)と、前記ロータの前記リムの周囲に、かつ前記リムに隣接して円周方向に互いに間隔を置いて配置されている複数の供給マニホルドセグメント(120)であって、各々は、前記冷却媒体を受け入れるために前記供給通路の少なくとも1つに連通しており、かつ、この供給マニホルドセグメントと前記軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイールの前記タービンバケットのための冷却媒体入口(144、164)とを接続する複数の供給ポート(134、136)を有する複数の供給マニホルドセグメント(120)と、前記ロータの前記リムの周囲に、かつ前記リムに隣接して円周方向に互いに間隔をおいて配置されている複数の戻りマニホルドセグメント(170)であって、各々は、使用済み冷却媒体を受け入れるために前記戻り通路の少なくとも1つに連通しており、この戻りマニホルドセグメントと前記軸方向に互いに間隔をおいて配置されている前記ホイールの前記タービンバケットのための使用済み冷却媒体入口(192、212)とを接続する複数の戻りポート(188、190)を有する複数の戻りマニホルドセグメント(170)とを有するバケット冷却システム。
【請求項2】 前記冷却媒体を前記ホイールの1つのホイール(16)上の1組のバケット(24)に供給する、前記供給マニホルドセグメントの各々のための第1の組の前記複数の供給ポート(134)と、前記冷却媒体を前記ホイールの別のホイール(14)上の第2の組のバケット(22)に供給する、前記供給マニホルドセグメントの各々のための第2の組の前記複数の供給ポート(136)とを含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項3】 前記第1および第2の組の供給ポートの各々と、前記1つのホイールと前記別のホイールの各組のバケットとを相互に接続する少なくとも1つのスプール(142、162)を含む、請求項2に記載の冷却システム。
【請求項4】 前記使用済み冷却媒体を前記ホイールの前記1つのホイール(16)上の1組のバケット(24)から戻す、前記戻りマニホルドセグメントの各々のための第1の組の前記複数の戻りポート(188)と、前記使用済み冷却媒体を前記ホイールの前記別のホイール(14)上の1組のバケット(22)から戻す、前記戻りマニホルドセグメントの各々のための第2の組の前記複数の戻りポート(190)とを含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項5】 前記第1および第2の組の戻りポートの各々と、前記1つのホイールと前記別のホイールの各組のバケットとを相互に接続するスプール(194、210)を含む、請求項4に記載の冷却システム。
【請求項6】 前記冷却媒体を前記ホイールの1つのホイール(16)上の1組のバケット(24)に供給する、前記供給マニホルドセグメントの各々のための第1の組の前記複数の供給ポート(134)と、前記冷却媒体を前記ホイールの別のホイール(14)上の第2の組のバケット(22)に供給する、前記供給マニホルドセグメントの各々のための第2の組の前記複数の供給ポート(136)と、前記使用済み冷却媒体を前記1つのホイール(16)上の1組のバケット(24)から戻す、前記戻りマニホルドセグメントの各々のための第1の組の前記複数の戻りポート(188)と、前記使用済み冷却媒体を前記別のホイール(14)上の1組のバケット(22)から戻す、前記戻りマニホルドセグメントの各々のための第2の組の前記複数の戻りポート(190)とを含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項7】 前記供給マニホルドセグメントと前記戻りマニホルドセグメントは、前記タービンロータに沿って軸方向に互いに間隔をおいて配置され、かつ、前記軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイール(14、16)の間のスペーサ(30)の軸方向に互いに反対側の側部上に位置している、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項8】 前記冷却媒体を前記ホイールの1つのホイール(14)上の1組のバケット(22)に供給する、前記供給マニホルドセグメントの各々のための1組の前記複数の供給ポート(136)と、前記スペーサ(30)を貫通して延び、かつ前記組の前記供給ポート(136)と前記1つのホイール(14)上の前記組の前記バケット(22)とを相互に接続する管(146)と、前記使用済み冷却媒体を前記ホイールの別のホイール(16)上の1組のバケット(24)から戻す、前記戻りマニホルドセグメントの各々のための1組の前記複数の戻りポート(188)と、前記スペーサ(30)を貫通して延び、かつ前記組の前記供給ポートと前記別のホイール上の前記組の前記バケットとを相互に接続する管(196)とを含む、請求項7に記載の冷却システム。
【請求項9】 前記第1の管(146)と前記第2の管(196)の一方は、前記供給マニホルドセグメントと前記戻りマニホルドセグメントを貫通して延びる、請求項8に記載の冷却システム。
【請求項10】 前記供給マニホルドセグメントと前記戻りマニホルドセグメントは軸方向に互いに間隔をおいて配置され、かつ、円周方向に互い違いに配置されている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項11】 前記供給マニホルドセグメントと前記戻りマニホルドセグメントは軸方向に互いに間隔をおいて配置され、かつ、半径方向に相互に片寄っている、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項12】 前記供給マニホルドセグメントは円弧状のリム(120)と半径方向内方に延びる突起(124)とを含み、前記突起は、前記冷却媒体供給通路の1つに連通し、冷却媒体を前記冷却媒体供給通路の1つから受けとる入口ポート(126)を有する、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項13】 前記戻りマニホルドセグメントは円弧状のリム(172)と半径方向内方に延びる突起(174)とを含み、前記突起は、前記冷却媒体戻り通路の1つに連通し、使用済み冷却媒体を前記冷却媒体戻り通路の1つから受けとる出口ポート(178)を有する、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項14】 前記供給マニホルドセグメントと前記戻りマニホルドセグメントの各々は、円弧状のリム(120、172)と前記リムの両端部の中間にあって半径方向内方に延びる突起(124、174)とを含み、前記供給マニホルドセグメント各々の前記突起は、前記冷却媒体供給通路の1つに連通し、冷却媒体を前記冷却媒体供給通路の1つから受けとる入口ポート(126)を有し、前記戻りマニホルドセグメント各々の前記突起は、前記使用済み冷却媒体戻り通路の1つに連通し、使用済み冷却媒体を前記使用済み冷却媒体戻り通路の1つから受けとる出口ポート(178)を有する、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項15】 前記供給マニホルドセグメントと前記戻りマニホルドセグメントは軸方向に互いに間隔を置いて配置されており、円周方向に互い違いになっており、かつ、前記供給マニホルドセグメントと前記戻りマニホルドセグメントは半径方向に相互に片寄っている、請求項14に記載の冷却システム。
【請求項16】 前記供給マニホルドセグメントと前記戻りマニホルドセグメントは軸方向に互いに間隔をおいて配置され、かつ円周方向に互い違いになっており、前記供給マニホルドセグメントと前記戻りマニホルドセグメントは半径方向に相互に片寄っており、前記冷却媒体を前記ホイールの1つのホイール(14)上の1組のバケット(22)に供給する、前記供給マニホルドセグメントの各々のための1組の前記複数の供給ポート(136)と、前記スペーサ(30)を貫通して延び、かつ前記組の前記供給ポートと前記1つのホイール上の前記組の前記バケットを相互に接続する管(146)と、前記使用済み冷却媒体を前記ホイールの別のホイール(16)上の1組のバケット(24)から戻す、前記戻りマニホルドセグメントの各々のための1組の前記複数の戻りポート(188)と、前記スペーサ(30)を貫通して延び、かつ前記組の前記供給ポートと前記別のホイール上の前記組の前記バケットとを相互に接続する管(196)を有する、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項17】 前記供給管と前記戻り管の一方は、前記供給マニホルドセグメントと前記戻りマニホルドセグメントの一方を貫通して延びる、請求項16に記載の冷却システム。
【請求項18】 前記冷却媒体供給通路と前記使用済み冷却媒体戻り通路とが前記ロータの前記リムに沿って概ね軸方向に延びており、前記軸方向に延びる各供給通路と戻り通路に連通している、概ね半径方向に延びる複数の冷却媒体供給通路(54)および冷却媒体戻り通路(56)と、前記半径方向に延びる通路と前記軸方向に延びる通路とを相互に接続し、かつ半径方向と軸方向の間で熱媒体の流れを変えるための通路(208、210、212、218、220、222)を有するエルボ(210、216)を有し、前記ロータは円周方向に互いに間隔をおいて配置され、半径方向に開口し、前記エルボを受け入れて保持するスロット(200)を有する後部ディスク(46)を含む、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項19】 前記スロットは軸方向に開口しており、前記エルボは前記スロット内に軸方向に収容されうるようになっており、前記エルボが後方に軸方向に動かないように前記エルボを前記スロット内に保持する止め子(214、218)を有する、請求項18に記載の冷却システム。
【請求項20】 前記タービンバケット用の少なくとも1つの前記冷却媒体入口と前記冷却媒体出口は、軸方向の開口を備えるように機械加工された、前記バケットの一体的に鋳造された軸方向の延長部分で形成されており、前記開口の中に係合する球面形の端部部分を有するスプールを有する、請求項1に記載の冷却システム。
【請求項21】 軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイール(14、16、18、20)を取り付けているバケット(22、24、26、28)と、前記ホイールの間のスペーサ(30、32、34)とを有するタービンロータ(R)におけるバケット冷却システムであって、前記ロータのリムの周囲に、かつ前記リムに隣接して円周方向に互いに間隔をおいて配置されている、概ね軸方向に延びる複数の冷却媒体供給通路(56)と、前記ロータの前記リムの周囲に、かつ前記リムに隣接して円周方向に互いに間隔をおいて配置されている、概ね軸方向に延びる複数の使用済み冷却媒体戻り通路(58)と、前記冷却媒体を前記軸方向の冷却媒体供給通路に供給する、第1の組の概ね半径方向に延びる複数の通路(54)と、前記使用済み冷却媒体を前記軸方向の使用済み冷却媒体戻り通路から戻す、第2の組の概ね半径方向に延びる複数の通路(56)と、前記ロータの一部分を形成し、かつ軸方向に延びるスロット(200)を周囲に有する後部ディスク(46)と、前記軸方向に延びる通路と前記半径方向に延びる通路とを相互に接続し、かつ、概ね軸方向と概ね半径方向との間で流れの向きを変えるための通路(208、210、212、218、220、222)を有する、前記スロット内に配置されている複数の流れ向き変更部材(206、216)とを有するバケット冷却システム。
【請求項22】 前記軸方向に延びる通路は、前記ホイールと前記スペーサとを貫通する軸方向に整合する穿孔穴の中を延びる管(56、58)を含み、前記半径方向に延びる通路は、前記後部ディスクを貫通する穿孔穴内を延びており、前記流れ向き変更部材の前記通路は、前記軸方向に延びる管と前記半径方向に延びる管とに連通している、請求項21に記載の冷却システム。
【請求項23】 前記スロットは軸方向に開口しており、前記部材は前記スロット内に軸方向に収容可能であり、前記部材が後方に軸方向に移動しないように前記部材を前記スロット内に保持する止め子(246、248)を有する、請求項21に記載の冷却システム。
【請求項24】 軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイール(14、16、18、20)を取り付けているバケット(22、24、26、28)と、前記ホイールの間のスペーサ(30、32、34)とを有するタービンロータ(R)におけるバケット冷却システムであって、前記ロータのリムの周囲に、かつ前記リムに隣接して円周方向に互いに間隔をおいて配置されており、かつ前記バケットと連通している、概ね軸方向に延びる複数の冷却媒体搬送通路(56、58)と、前記軸方向通路と連通し、前記熱媒体を搬送する、概ね半径方向に延びる複数の通路(54、56)と、前記ロータの一部分を形成し、かつ軸方向に延びるスロット(200)を周囲に有する後部ディスクと、前記軸方向に延びる通路と前記半径方向に延びる通路とを相互に接続し、かつ、概ね軸方向と概ね半径方向との間で流れの向きを変えるための通路を有する、前記スロット内に配置されている複数の流れ向き変更部材(206、216)とを含むバケット冷却システム。
【請求項25】 前記軸方向に延びる通路は、前記ホイールと前記スペーサとを貫通する軸方向に整合する穿孔穴の中を延びる管(56、58)を含み、前記半径方向に延びる通路は、前記後部ディスクを貫通する穿孔穴内を延びる管(54、60)を含み、前記流れ向き変更部材の前記通路は、前記軸方向に延びる通路と前記半径方向に延びる通路とに連通しており、前記スロットは軸方向に開口しており、前記部材は、前記スロット内に前記軸方向に収容可能である、請求項24に記載の冷却システム。
【請求項26】 1つの軸方向に前記スロット内を前記部材が軸方向に移動しないように前記部材を保持する、前記部材と前記後部ディスクとの間に係合する部材(248)を含む、請求項25に記載の冷却システム。
【請求項27】 軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイールを取り付けているバケットと、前記ホイールの間のスペーサとを有するタービンロータにおけるバケット冷却システムであって、前記ロータに沿って概ね軸方向に延びる冷却媒体供給通路(56)と、前記ロータに沿って軸方向に延びる冷却媒体戻り通路と、前記供給通路と連通し、前記ロータのリムに隣接し、前記冷却媒体を受け取る供給マニホルド(SM)であって、この供給マニホルドと、前記軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイールの前記タービンバケット用の冷却媒体入口(144、164)とを接続する複数の供給ポート(134、136)を有する供給マニホルド(SM)と、前記戻り通路と連通し、前記ロータのリムに隣接し、使用済み冷却媒体を受け取る戻りマニホルド(RM)であって、この戻りマニホルドと、前記軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイールの前記タービンバケット用の使用済み冷却媒体出口(192、212)とを接続する複数の戻りポート(188、190)を有する戻りマニホルド(RM)と、前記供給マニホルドと前記冷却媒体入口の間と、前記戻りマニホルドと前記使用済み冷却媒体出口との間とに配置されている球面形の端部部分を有する薄肉のスプール(142、148、162、194、210、214)とを有するバケット冷却システム。
【請求項28】 前記スプールは、前記スプールの前記球面形端部部分のための球面形の座(256)を有する嵌め合い部品に隣接する、請求項27に記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般的にタービンに関し、特に、高温ガス構成要素を冷却し、例えば複合サイクルシステムで使用される熱回収蒸気発生器のような帰路に使用済みの冷却蒸気を戻す、閉路蒸気冷却通路を使用する陸上設置の発電用ガスタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】例えばガスタービンのバケットのような高温ガス通路構成要素の蒸気冷却が過去において提案されており、陸上設置の発電プラントで有効であることが確認されている。ガスタービンは一般的に空冷式であり、例えばジェットエンジンは高温ガス構成要素を冷却するために圧縮機放出空気を使用するが、蒸気を冷却材として使用することに伴なう損失が、圧縮機抽気空気を冷却のために抽出することによって生じる損失ほどには大きくないので、蒸気冷却の方が効率がよい。さらに、複合サイクル動作においては、蒸気がガスタービン構成要素を冷却する時に蒸気に付与される熱エネルギーが、複合サイクル動作で蒸気タービンを駆動するための有効な仕事として回収されるので、蒸気冷却は特に有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の譲受人と共通である譲受人の米国特許第5,593,274号には、例えばバケットのようなロータの高温ガス構成要素に冷却蒸気を供給しかつ使用済みの冷却蒸気を帰路に戻す、同心の蒸気通路を有するガスタービンが開示されている。しかし、冷却蒸気の供給と戻りにおける様々な改良と改善とが本発明によって実現される。
【0004】本発明は、ガスタービンのロータの高温ガス経路構成要素を冷却しかつ使用済みの冷却蒸気を帰路に戻す閉路蒸気冷却システムを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】一般的に、このシステムは、ガスタービンロータの軸線に概ね沿って冷却蒸気が通過するように冷却入口渦巻形ケーシングから冷却蒸気を受け取る穿孔管アセンブリを含む。供給された冷却蒸気は、後部軸ディスク内の管を通過して流れてロータのリムの付近に冷却蒸気を搬送するように、概ね半径方向に流れの向きを変えられる。冷却蒸気は、ガスタービンロータを構成する積み重ねられたホイールとスペーサの中の開口を通って延びる複数の供給通路または供給管によって、ロータのリムに沿って軸方向に供給される。供給通路または供給管の各々は供給マニホルドセグメントに冷却蒸気を供給し、複数の供給マニホルドはロータの周りに円周方向に互いに間隔をおいて配置されている。各供給マニホルドセグメントは、バケットを冷却するためにガスタービンの第1段または第2段であることが好ましい各タービンホイールの第1および第2のバケットの各々に冷却蒸気を供給する、複数の出口ポートと供給通路とを含む。使用済みの冷却蒸気は、バケットから、戻り通路と入口ポートとを経由して、ロータのリムの周囲に円周方向に互いに間隔をおいて配置されている複数の戻りマニホルドセグメントに戻される。各戻りマニホルドセグメントは、ロータのリムに沿って後部軸ディスクに延びる軸方向の戻り管に接続されている。戻り管に沿って軸方向に流れる使用済みの冷却蒸気は、後部ディスク内を延びる半径方向の管に送り込まれ、穿孔管アセンブリに戻され、帰路、例えば、複合サイクルシステムの熱回収蒸気発生器に送り出される。
【0006】上記で一般的に説明した冷却蒸気システムの様々な態様が特に重要である。例えば、供給熱媒体と戻り熱媒体の流れがロータのリムにおいて半径方向と軸方向との間で向きを変える。流れの向きを変えるために、新規の構成と用途のエルボが、軸方向の管と半径方向の管とに連通する後部ディスク内の半径方向に開口するスロット内に設けられている。例えば、半径方向から軸方向に供給蒸気の流れの向きを変える、ロータのリムに沿った蒸気供給管に連通する半径方向の供給管を相互に接続するエルボが設けられる。同様に、エルボは、使用済み冷却媒体の流れの方向を軸方向から半径方向に変えるために、軸方向の戻り管を半径方向の管に相互に接続する。こうしたエルボは、後部ディスクのスロット内に容易に組み込まれる一体的に鋳造された部品であることが好ましい。
【0007】本発明の別の態様では、冷却蒸気供給マニホルドと使用済み冷却蒸気戻りマニホルドの各々は、円周方向に互いに間隔をおいて配置されたマニホルドセグメントに設けられている。供給マニホルドセグメントおよび戻りマニホルドセグメントも、軸方向に互いに間隔をおいて配置されている。各マニホルドは1対のホイールのバケットと連通している。例えば、各供給マニホルドは、軸方向に両側に隣接するホイールの特定のバケットと連通している。同様に、戻りマニホルドセグメントは、同様に戻りマニホルドセグメントの両側に位置している特定のバケットからの使用済み冷却蒸気を受け取る。供給マニホルドセグメントと戻りマニホルドセグメントとをバケット内の個々の通路に相互に接続するためにスプールが使用される。本発明の他の様々な態様が、下記の詳細な説明と図面とを参照することによってさらに明らかになるだろう。
【0008】本発明による好ましい一実施様態では、軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイールを取り付けているバケットと、ホイールの間のスペーサとを有するタービンロータにおけるバケット冷却システムであって、ロータのリムの周囲に、かつこのリムに隣接して円周方向に互いに間隔をおいて配置されている複数の冷却媒体供給通路と、ロータのリムの周囲に、かつこのリムに隣接して円周方向に互いに間隔を置いて配置されている複数の使用済み冷却媒体戻り通路と、ロータのリムの周囲にかつ隣接して円周方向に互いに間隔を置いて配置されており、冷却媒体を受け入れるために供給通路の少なくとも1つと各々が連通しており、かつ、軸方向に互いに間隔を置いて配置されているホイールのタービンバケットのための冷却媒体入口と供給マニホルドセグメントとを接続する複数の供給ポートを各々が有する複数の供給マニホルドセグメントと、ロータのリムの周囲にかつこのリムに隣接して円周方向に互いに間隔を置いて配置されており、使用済み冷却媒体を受け入れるために戻り通路の少なくとも1つと各々が連通しており、かつ、軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイールのタービンバケットのための使用済み冷却媒体出口と戻りマニホルドセグメントとを接続する複数の戻りポートを各々が有する複数の戻りマニホルドセグメントとを有するバケット冷却システムが提供される。
【0009】本発明による別の好ましい一実施様態では、軸方向に互いに間隔を置いて配置されているホイールを取り付けているバケットと、ホイールの間のスペーサとを有するタービンロータにおけるバケット冷却システムであって、ロータのリムの周囲に、かつこのリムに隣接して円周方向に互いに間隔をおいて配置されている、概ね軸方向に延びる複数の冷却媒体供給通路と、ロータのリムの周囲に、かつこのリムに隣接して円周方向に互いに間隔をおいて配置されている、概ね軸方向に延びる複数の使用済み冷却媒体戻り通路と、冷却媒体を軸方向の冷却媒体供給通路に供給する、第1の組の概ね半径方向に延びる複数の通路と、使用済み冷却媒体を軸方向の使用済み冷却媒体戻り通路から戻す、第2の組の概ね半径方向に延びる複数の通路と、ロータの一部分を形成しかつ軸方向に延びるスロットを周囲に有する後部ディスクと、軸方向に延びる通路と半径方向に延びる通路とを相互に接続し、かつ概ね軸方向の方向と概ね半径方向の方向との間で流れの向きを変えるための通路を有する、スロット内に配置されている複数の流れ向き変更部材とを有するバケット冷却システムが提供される。
【0010】本発明によるさらに別の好ましい一実施様態では、軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイールを取り付けているバケットと、ホイールの間のスペーサとを有するタービンロータにおけるバケット冷却システムであって、ロータのリムの周囲に、かつこのリムに隣接して円周方向に互いに間隔をおいて配置されており、かつバケットと連通している概ね軸方向に延びる複数の冷却媒体搬送通路と、熱媒体を搬送する、軸方向の通路と連通している概ね半径方向に延びる複数の通路と、ロータの一部分を形成しかつ軸方向に延びるスロットを周囲に有する後部ディスクと、軸方向に延びる通路と半径方向に延びる通路とを相互に接続し、かつ概ね軸方向の方向と概ね半径方向の方向との間で流れの向きを変えるための通路を有する、スロット内に配置されている複数の流れ向き変更部材とを有するバケット冷却システムが提供される。
【0011】本発明によるさらに別の好ましい実施様態では、軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイールを取り付けているバケットと、ホイールの間のスペーサとを有するタービンロータにおけるバケット冷却システムであって、ロータに沿って概ね軸方向に延びる冷却媒体供給通路と、ロータに沿って概ね軸方向に延びる冷却媒体戻り通路と、供給通路に連通しており、かつ、軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイールのタービンバケットのための冷却媒体入口と供給マニホルドとを接続する複数の供給ポートを有する、ロータのリムに隣接し冷却媒体を受け取る供給マニホルドと、戻り通路に連通し、かつ、軸方向に互いに間隔をおいて配置されているホイールのタービンバケットのための使用済み冷却媒体出口と戻りマニホルドとを接続する複数の戻りポートを有する、ロータのリムに隣接し、使用済み冷却媒体を受け取る戻りマニホルドと、供給マニホルドと冷却媒体入口との間と、戻りマニホルドと使用済み冷却媒体出口との間とに配置されている球面形の端部部分を有する薄肉のスプールとを有するバケット冷却システムが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1を参照すると、この図には、本発明の好ましい実施形態を組み込んだ、全体が参照番号10で示されるタービン部分が示されている。タービン部分10は、タービンロータRを囲むタービンハウジング12を含む。ロータRは、この例では、ホイール14、16、18,20を含む4つの連続する段を含み、これらのホイールの14、16、18、20は、円周方向に互いに間隔をおいて配置されている複数のバケットすなわちブレード22、24、26、28を支持している。ホイール14、16、18、20はスペーサ30、32、34の間に交互に配置されている。スペーサ30、32、34の外側リムは、複数のステータブレードまたはノズル36、38、40と半径方向に整合しており、第1の組のノズル42が第1のバケット22の前方に位置している。したがって、この図には、第1の段がノズル42とバケット22とを含み、第2の段がノズル36とバケット24とを含み、第3の段がノズル38とバケット26とを含み、最後に、第4の段がノズル40とバケット28とを含む4段のタービンが示されていることが理解できるだろう。ロータホイールとスペーサは、互いに整合しているホイール穴とスペーサ穴とを通過する円周方向に互いに間隔をおいて配置されている複数のボルト44によって互いに固定されている。複数の燃焼器(その1つを参照番号45で概略的に示す)がタービン部分の周囲に配置されており、この燃焼器は、ノズルとバケットを含むタービン部分の高温ガス通路を通して高温の燃焼ガスを供給してロータを回転させる。ロータは、後部軸を形成する穿孔管アセンブリ(全体として参照番号48で示されている)と一体的に形成されている後部ディスク46も含む。
【0013】好ましくは最初の2つの段の少なくとも一方の組のバケットまたは好ましくは両方の組のバケット22、24に、冷却蒸気であることが好ましい、冷却用の熱媒体が供給される。冷却蒸気は穿孔管アセンブリ48を通して供給され、戻される。図1と図2を参照すると、好ましい一実施形態では、穿孔管アセンブリ48は、後部ディスク46内に設けられている半径方向に延びる複数の管54に冷却蒸気が流れるように蒸気プレナム52から冷却蒸気が供給される環状の通路50を含む。管54は、第1段のバケットと第2段のバケット中の冷却通路と連通している、円周方向に互いに間隔をおいて配置されている軸方向に延びる熱媒体供給管56と連通している。高温度の使用済み冷却蒸気、すなわち戻り冷却蒸気は、第1段のバケットと第2段のバケットとから、円周方向に互いに間隔をおいて配置されている軸方向に延びる複数の戻り管58を通って流れる。戻り管58は、その後端部において、後部ディスク46内の半径方向に内方に延びる戻り管60と連通している。戻り管60から、使用済み冷却蒸気は、冷却蒸気供給源に戻るか、または、複合サイクルシステムで使用される熱回収蒸気発生器に流れるために、穿孔管アセンブリ48の中央孔88の中に流れ込む。
【0014】軸方向に延びる供給管56と戻り管58はそれぞれロータのリムに隣接してかつロータの周囲に位置しており、供給管と戻り管の各々は、軸方向に重ねられたホイールとスペーサを貫通する軸方向に整合した開口を通って延びているということが、上述の説明から理解できるだろう。例えば、第4段のホイール20とスペーサ34との整合した穴62、64が図4に示されている。同様の整合した穴が、第1段と第2段と第3段の各々のホイールとスペーサとの中に設けられている。
【0015】図4に示すように、冷却媒体供給管56と冷却媒体戻り管58をそれぞれに支持するブシュが、ホイール穴とサポート穴の中の様々な位置に設けられている。例えば、ブシュ66とブシュ68が、スペーサ34を貫通する開口64の両端部の付近に配置されている。同様のブシュが、第3段のスペーサ32の両端部の付近に配置されている。ブシュ73がホイール16の前部の開口に設けられており、ブシュ75がスペーサ30の後部の開口に設けられている。同様のブシュが供給管の整合した開口の中に設けられている。
【0016】図4を参照すると、この図には、戻り管58が詳細に示してある。しかし、ロータのリムの周りに互いに間隔をおいて配置されている供給管と戻り管は、本発明に関連する諸側面において互いに類似しているので、特に指摘しない限り、その一方の説明をするだけで十分であり、他方の説明は不要であることが理解されるだろう。さらに、供給管56と戻り管58は、ロータの軸線A(図4)から等しい半径位置に中心を有し、円周方向に互いに等しい間隔を置いて配置されている。これらの各管は、その管の長さに沿った軸方向に互いに間隔をおいた位置に複数の隆起したランド70を有する薄肉の構造を有する。ランド70の軸方向の位置は、ホイールとスペーサとを貫通する開口中のブシュの位置に一致している。各々のランド70の間には薄肉の管部分72がある。ランド70の外側の外部表面が薄肉部分72の外部表面から半径方向に外側にあることを理解されたい。移行部分74が、各々のランド70とこれらに隣接した薄肉部分72との間に設けられている。この移行部分は、ランドの外側表面から薄肉部分の外側表面へと半径方向に内方に移行する円弧状の外側表面を有する。膨らんだランドすなわちフランジ76が、各々の管の後部部分に隣接して設けられている。供給管と戻り管、ロータ内にこれらの管を保持する方法、および、これらの管のためのシールに関するさらに詳細な説明に関しては、本明細書に各々の開示内容が引例として組み入れられている1999年6月16日付で出願された米国特許出願番号09/334,187(代理人摘要番号51DV−9817,839−561)と、1999年5月3日付で出願された米国特許出願番号09/304,202(代理人摘要番号51DV−9856,839−581)と、1999年6月14日付で出願された米国特許出願番号09/332,330(代理人摘要番号51DV−9858,839−583)とを参照されたい。
【0017】次に、図5から図7を参照すると、これらの図では、穿孔管アセンブリ48は、ロータの一部分を形成し、かつ、ロータ軸線Aを中心に回転するように取り付けられている。穿孔穴アセンブリ48は後部ディスク46を含み、例えば蒸気のような冷却媒体の流れをタービンバケットに供給し、使用済みの冷却媒体の流れを帰路に送るための通路を提供する。前述のように、冷却システムは、複合サイクルシステムの閉路蒸気冷却供給および戻りシステムの一部分として、すなわち、高圧蒸気タービン排気からの分流として実現されてもよく、または、既存のプラント内供給から供給されてもよい。穿孔管アセンブリ48は、外側の管82と、ロータ軸の回転軸の周囲の外側管82と同心である内側の管84とを含む。外側の管82と内側の管84はそれぞれに環状の冷却蒸気供給通路86を形成し、一方、内側の管84は使用済み冷却蒸気通路88を形成する。図6を特に参照すると、蒸気グランド90が穿孔管アセンブリ48の周囲に配置されており、プレナム52を形成する。蒸気グランド90は固定されておりかつ穿孔管アセンブリ48がロータ軸線Aを中心に回転することが理解されるだろう。蒸気プレナム52は適切な供給源(図示されていない)からの蒸気供給に接続されており、かつ、外側の管82と内側の管84との間の通路86に冷却蒸気を供給する、外側の管82を貫いて形成されている蒸気入口94と連通している。図6を参照すると、この図では、ばねで偏倚されていることが好ましいラビリンス型のシール96、98が、外側の管82の周囲を密閉するために、蒸気グランド90の両側に設けられている。この構造の変形として、ラビリンスシールの代わりにブラシシール(brush seal)を使用してもよく、または、ラビリンスシールとブラシシールとの組合せを使用してもよい。蒸気グランド90の後端部は、使用済みの冷却蒸気を受け取るために、帰路Rによって概略的に示されている定置蒸気管に接続されている。蒸気グランドは、さらに、蒸気が後部の主軸受104(図6)に外方に流れないように、ラビリンスシールを通過して漏れる蒸気を捕集する漏出蒸気プレナム100、102も含む。軸受104は従来通りの軸受であり、後部ディスク46と一体の後部軸106を含む。したがって、軸106は、穿孔管アセンブリ80と共に回転することが可能である。
【0018】図5を参照すると、穿孔管アセンブリ48の前端部は、全体として参照番号108で示されている末端キャップアセンブリを含む。末端キャップ108は、熱媒体供給通路86からの熱媒体を半径方向の管54に連通させる通路と、半径方向の戻り管60からの使用済み冷却蒸気を戻り通路88に戻す通路とを含む。末端キャップアセンブリ108の詳細な説明に関しては、本明細書に引例として組み入れてある1998年12月18日付で出願された米国特許出願番号09/216,363(代理人摘要番号51DV−9802;839−540)を参照されたい。
【0019】次に、図8と図9を参照すると、冷却媒体供給管56の各々が、全体として参照記号SMで示すマニホルドに冷却媒体を供給することが理解されるであろう。マニホルドSMは、スペーサ30の後面と第2段のホイール16の前面との間に位置していることが好ましい、円周方向に互いに間隔をおいて配置されている複数の供給マニホルドセグメント120(図13)を含む。供給マニホルドセグメント120が各々の供給管56に対して設けられており、半径方向に内方に延びる形でぶら下がっている中央の突起124を有する円弧状のリム122(図13)を含む。突起124は、冷却媒体供給管56と接続する、軸方向に後方に開口する入口ポート126を有する。図9を参照して、さらに明確に述べると、スプール128が、冷却媒体供給管56の前端部と入口ポート126とを相互接続している。このスプールは、球面形の端部部分を有する短い管を含む。例えば、スプール128は、冷却媒体供給管56の端部の環状の内側表面に係合する球面形の端部部分130を有する。同様に、スプール128の反対側の端部は、マニホルドセグメント120の入口ポート126の環状の内側表面に係合する球面形の端部部分132を有する。本明細書で開示する全てのスプールの端部の球面形形状が、スプールとこれに関連した接続部品または接続通路との間の相対的な動きを吸収する。この特定の場合、軸方向の熱膨張と遠心荷重とに起因する各スプール128と供給管56とマニホルドセグメント120との間の相対的な動きが吸収される。
【0020】マニホルドセグメント120は、その軸方向の端面の各々に沿って、マニホルドセグメント120内のプレナム138(図9)と連通している複数の出口ポート134、136も含む。この例では、マニホルドセグメント120は、例えば第2段のホイール16のバケットのような隣接するホイールのバケットに冷却媒体を供給する、軸方向に後方に開口している6個の出口ポート134を有する。これに加えて、マニホルドセグメント120は、軸方向に前方に開口している6個の出口ポート136(図9)を含む。各々の出口ポート136は、第1段のホイール14と第2段のホイール16との間のスペーサ30を貫通する通路140と軸方向に整合する。
【0021】さらに明確に述べると、スプール142が、後方の出口ポート134の各々とホイール16のバケット24の一体的な前方延長部分144との間に配置されている。一体的な延長部分144はバケットと一体的に鋳造されて、第2段のバケットのための冷却媒体入口を形成することが好ましい。バケットの鳩尾鋳造部品(bucket dovetail castings)と中実ブロックの形に鋳造延長部分144を一体的に鋳造すれば、この延長部分144がより低コストで得られることがわかった。延長部分ブロックを鋳造した後に、この延長部分ブロックを機械加工し、すなわち、スプール142を収容する軸方向の入口開口を備えるように穿孔する。こうしたブロックの形に最初に一体的に鋳造することによって、バケット鳩尾内の開口の正確な位置の精度が向上する。しかし、スプール142を収容するために、バケット鳩尾内の予め穿孔した穴の中に、別々の中空管を蝋付けすることも可能であるということを理解されたい。スプール142はスプール128と同様のタイプであり、すなわち、出口ポート134の一部分と延長部分144の一部分との中に嵌りこむ球面形の端部部分を有する。
【0022】通路140の各々には、供給マニホルドセグメント120からの軸方向に前向きの出口ポート136に別のスプール148を介して連通する供給連絡管146が設けられている。したがって、各々の連絡管146の後端部は、スプール148の前方球面形部分を受け入れる環状の座を有し、一方、これと同様に、出口ポート136の各々は、スプール148の後方球面形部分を受け入れる環状の座を有する。図9に示すように、各々の連絡管146は、直径方向に膨らんだランド150をその連絡管の後方端部の付近に有し、直径方向に膨らんだランド152をその連絡管の長さの中間に有する。各々の連絡管146は、スペーサ30を通過する開口140の前端部の面取り部156上に載る半径方向に膨らんだフランジ154を拡大部分152の前端部に含む。各々の連絡管146は第1段のホイール14に向かって前方に延び、これに加えて、管146の片持ち梁状に突出した前端部分上に保持スリーブ隆起部を形成する軸方向に互いに間隔をおいて配置されている1対のフランジ158、160を有する。連絡管146の前端部はスプール162に接続されており、スプール162の反対側の端部は、第1段のホイールのバケットの後方延長部分164に接続されている。したがって、延長部分164は、第1段のバケットのための冷却媒体入口を形成する。連絡管146は、スペーサ30の表面に対するフランジ154の係合によって、軸方向に後向きに(すなわち、図9では左から右に)移動しないように固定されている。第1段のホイールの各バケットの後方延長部分164の各々を、延長部分144と同様に、機械加工された軸方向の開口を有するブロックの形にバケット鳩尾と一体的に鋳造することが好ましい。
【0023】保持スリーブ166が連絡管146のフランジ158、160の上に載っており、各スリーブは、フランジ154に係合している後端部を有する。各保持管の反対側の端部は168において外開きに広がっており、連絡管146の軸方向延長部分を収容するために第1段のバケットの後方表面から僅かな距離だけ離れている。連絡管と保持スリーブの詳細に関しては、本明細書に開示内容を引例として組み込んでいる1999年5月14日付で出願された同時係属中の特許出願番号09/312,334を参照されたい。
【0024】供給マニホルドは、さらに、そのマニホルドの翼部の先端と後面とに窪み127も含む(図13)。スペーサ30の後面上の円周方向に互いに間隔をおいて配置されている半径方向内向きのフランジがこの窪みの中に係合して、供給マニホルドを供給管と接続した状態に保持する。
【0025】要約すると、円周方向に互いに間隔をおいて配置されている軸方向に延びる冷却媒体供給管56は、冷却媒体(好ましくは冷却蒸気)を、ロータの周囲に配置されている供給マニホルドセグメント120のプレナム138に供給する。冷却媒体は出口ポート134内を通って軸方向に後方に向かって流れ、第2段のホイール16のバケット24に冷却媒体を供給する。冷却媒体は、出口ポート136を経由して軸方向に前方に供給され、連絡管146内を通過して第1段のホイール14のバケット22の中に流れ込む。第2段のバケット24を通過する流れの経路が図4と図8に示してあるが、第1段のホイールのバケットと第2段のホイールのバケットとの中の流れは本発明の一部を形成しない。
【0026】次に、図10を参照すると、第1段のホイールのバケットと第2段のホイールのバケットとからの使用済み冷却媒体は、全体として参照記号RMによって示してある戻りマニホルドに戻り、戻りマニホルドは使用済み冷却蒸気を戻り管58に供給する。戻りマニホルドRMは、スペーサ30の前面と第1段のホイール14の後面との間に位置していることが好ましい円周方向に互いに間隔をおいて配置されている複数の戻りマニホルドセグメント170(図12)を含む。図12を参照すると、各々の戻りマニホルドセグメントが半径方向に外側のリム172と内方に延びる突起174とを有し、リム172と突起174とがプレナム176を形成する。各々の突起174は、マニホルドセグメント170からスプール180を経由して戻り管158に戻り蒸気を流す、軸方向に後方に開口する出口ポート178を有する。出口、すなわち出口ポート178は、スプール180の球面形端部部分182と嵌め合い係合する概ね環状の座を有する。スプール180の反対側の端部は、戻り管58の前端部の環状の座186に係合する同様の球面形部分184を有する。
【0027】各々の戻りマニホルドセグメント170のリム172は、後方に開口する複数(例えば6個)の入口ポート188と、前方に開口する複数(例えば6個)の入口ポート190とを含む。第1段のバケット22からの使用済み冷却媒体をマニホルドセグメント170に送るために、延長部分92が第1段のバケット22のバケット鳩尾の各々の後面上に一体的に鋳造され、そのバケットのための冷却媒体出口を形成することが好ましい。球面形の端部部分を両端に有するスプール194が、各々の延長部分192の端部の環状部分と各々の入口ポート190の端部の環状部分とに嵌りこむ。したがって、使用済み冷却媒体は、第1段のバケット22から、延長部分192とスプール194と入口ポート190とを経由して、円周方向に配置されたマニホルドプレナム176の中に流れ込む。
【0028】使用済み冷却蒸気を第2段のバケット24から戻りマニホルドプレナム176に送るために、複数の戻り連絡管196が、介在スペーサ30を貫通して軸方向に延びる穿孔穴198の中を通る形で設けられている。戻り連絡管196の各々は、穿孔穴198と係合するランド200、202、204を有する。直径が大きいフランジ206が、スペーサ30を貫通する開口198の縁に当たって載っており、それによって、戻り連絡管196の軸方向の前方移動を阻止する。保持スリーブ208がフランジ206と一方の端部で係合し、第2段のバケットの前面と共に小さな軸方向の間隙を形成する反対側のフレア形端部を有する。したがって、連絡管196は、スペーサ30の後面に対してそのフランジ206が係合することによって、前方へ軸方向移動しないように固定されており、かつ第2段のバケットの前面に対して保持スリーブのフレア形の端部が係合し、かつスリーブ208の前端部がフランジ206に突き当たることによって、後方への軸方向移動が制限されている。
【0029】上述の実施形態のように、スプール210は、第2段のバケットの(好ましくは一体的に鋳造されている)前方への延長部分212を連絡管196の後端部と相互に接続し、延長部分212は第2段のバケット用の冷却媒体出口を形成する。同様に、スプール214が、戻り連絡管196の前端部と戻りマニホルドセグメント170の入口ポート188との間を相互に接続する。スプール210とスプール214は上述の構造と同様の構造であり、すなわち、隣接する部品の環状表面内に嵌りこむ球面形部分を両端部に有する。
【0030】図10に示しているように、連絡管196は、軸方向に隣接しておりかつ半径方向に挿入されている供給マニホルドセグメント120の上を通過することを理解されたい。しかし、再び図8と図9を参照すると、供給マニホルドセグメント120と第1段のバケット22とを相互に接続し、かつ供給マニホルドセグメントのリム122の両端部または両先端に位置している少なくとも1対の供給連絡管146は、戻りマニホルドセグメント170の中央部分内に同じ円周方向の位置に形成されている開口220(図8、図10)の中を通るいうことが理解されるだろう。供給マニホルドセグメント120からの残りの供給連絡管146は、円周方向に互いに隣接している戻りマニホルドセグメント170のリム172の外側翼部の下を通る。さらに、図8の考察から、供給マニホルドセグメント120は、戻りマニホルドセグメント170の内方に半径方向に互いに間隔をおいて配置されているだけでなく、セグメント120とセグメント170とが円周方向に互い違いに配置されているということにも留意されたい。
【0031】戻りマニホルドセグメントの各々は、このマニホルドセグメントの翼部先端と前面とに窪み175も含む。スペーサ30の前面上の円周方向に互いに間隔をおいて配置されており、かつ半径方向に内方に向いているフランジ177(図9)が窪み175に嵌りこみ、戻りマニホルドセグメントを戻り管と共に所定の位置に保持する。
【0032】第1段のバケットと第2段のバケットとのための戻り冷却システムを要約して説明すると、使用済み冷却媒体(例えば冷却蒸気)は第1段のバケット22から鳩尾形の延長部分192とスプール194とを通って後方に流れ、入口ポート190を経由して戻りマニホルドセグメントのプレナム176の中に流れ込む。第2段のバケット24からの使用済み冷却蒸気はバケットの鳩尾形延長部分212からスプール210と連絡管196とスプール214とを経由して前方に流れ、入口ポート188を経由して戻りマニホルドセグメントプレナム176の中に流れ込む。使用済み冷却蒸気は関連するエルボと半径方向の管と軸方向の通路88とを経由して戻り管へと流れるためにプレナム176からスプール180を経由して戻り管58の中に流れ込む。
【0033】接続部品は環状の座を有してもよいが、動作中における離脱および/または圧潰とを防止するために、薄肉のスプールの球面形の端部部分132は、嵌め合い部品上の球面形の座と係合し合ってもよいということを理解されたい。遠心荷重による半径方向の動きを防止するために、球面形の座はスプールの半径方向の方向配置が特に重要である。スプール端部における締まりばめが漏れを防止し、遠心荷重に打勝つのに十分な予荷重を与え、動作中の自己整合を実現する。スプールの球面形の端部はTriballoy 800で被覆されていることが好ましい。スプールの球面形端部部分とその球面形の座の一例を図19に示してある。スプール250は、球面形の端部部分252を有するスプール128、142、148、162、194、210、214または170のいずれか1つを含んでよい。隣接する部品254が、図に示すように環状の座または球面形の座256を有してよい。
【0034】次に、図2、図5、および図14−18を参照すると、供給熱媒体と戻り熱媒体との流れの向きを軸方向と半径方向との間で移行させるための後部ディスク46内の相互接続部(例えばエルボ)を説明する。図2を参照すると、後部ディスク46は、円周方向に互いに間隔をおいて配置されており、かつ半径方向に開口する複数の概ね鳩尾形のスロット200を含む。スロット200は、供給相互接続部と戻り相互接続部、例えばエルボ202とエルボ204とをそれぞれ受け入れる。これらのエルボの各々は、スロット200の中に軸方向にエルボを挿入することができるように、かつ、半径方向に外方に移動しないようにエルボを保持することができるように、後部ディスク46の周りの鳩尾に対して概ね相補形の形状の外側表面を有する。図14を参照すると、この図には供給エルボ206が示してある。供給エルボ206は鋳造材料で形成されており、かつ、図に示すように90°の角度に曲がっている移行穴212を経由して互いに連通している、縦方向に延びる穴部分208と半径方向に延びる穴部分210とを有することが好ましい。エルボ206の後端部は、半径方向に内向きに開いている溝214を含む。
【0035】図15を参照すると、この図には戻りエルボ216が示してある。戻りエルボ216は軸方向に延びる穿孔開口218と、半径方向に延びる穿孔開口220とを含み、この穿孔開口218と穿孔開口220は、90°の角度に曲がっている移行穴222を経由して互いに連通している。戻りエルボ216の後端部は、半径方向に内向きに開口する溝224も含む。供給エルボ206の半径方向に開口する穴210と、戻りエルボ216の半径方向に開口する穴220の両方は、円周方向かつ半径方向に片寄っている供給管54と戻り管60とに各々に適合するように、円周方向と半径方向とにおいて相互に片寄っているということを理解されたい。
【0036】供給エルボ206の軸方向に延びる穴208と戻りエルボ216の軸方向に延びる穴218は、上述のスプールと同様に構成されているスプールを経由して、軸方向に延びる供給管56と戻り管58とに相互に接続している。戻りエルボ216と軸方向に延びる戻り管58とを相互に接続するスプール226の例を図4に示す。同様のスプールが供給エルボ206と供給管56を相互に接続する。
【0037】図16を参照すると、供給管54の半径方向外側の端部と戻り管60の半径方向外側の端部の各々はつば230を有する。エルボと半径方向の管との間の流体連通を達成するために、このつばの外側端部は、関連のエルボの半径方向に延びる穴210または穴220とのフレア式の嵌め合い係合を実現するようにフレア形になっている。半径方向の管とエルボとを相互に接続するために、図17に示すスプリングクリップ232が設けられている。このスプリングクリップ232は、円周方向に互いに間隔をおいて配置されており、かつ半径方向に外向きに向けられているボス236を含む半径方向部分234を有するアングルを含み、このボス236は開口238を有する。スプリングクリップ232の概ね軸方向に延びる部分240は1対の軸方向に延びる脚部241を有し、これらの脚部241は概ね半円形の穴242を形成し、かつ、その末端部に隣接した半径方向に外方に突き出す1対のボス244の形で終端する。図16に示しているように、スプリングクリップ232は、つば230の下に位置する軸方向部分240の腕部を有するボルト243によって、関連するエルボ206またはエルボ216にボルト止めされている。特に、ボス244は、つば230の下側に係合する。
【0038】図5に示しているように、スロット200の相互間の後部ディスク42の後面42は、半径方向内向きに開いている溝246を有する。エルボ206、216はスロット200内に軸方向に挿入される時には、半径方向に外向きにばねで押されていてもよい円周方向に延びるバンドまたはワイヤ248が、溝214、224、246の中に挿入され、それによって、エルボは軸方向に後方に移動しないように保持され、溝246とバンド248はエルボに対する軸方向の止め子を形成する。エルボ206の後部フランジ250とエルボ216の後部フランジ252はそれぞれに後部ディスク46の後面に突き当たり、ロータに対するこれらのエルボの相対的な軸方向の前方移動を阻止する。図18は、後部ディスク46の対応するスロット200内の供給エルボおよび戻りエルボを示している。
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成12年8月24日(2000.8.24)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一 (外3名)
【公開番号】 特開2001−73802(P2001−73802A)
【公開日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【出願番号】 特願2000−253666(P2000−253666)