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【発明の名称】 タービンにおける回転部品を冷却するための装置及び方法
【発明者】 【氏名】マーク・スチュアート・スコーダー

【氏名】ジェフリー・ジョン・バッキーウィクス

【要約】 【課題】回転部品の冷却に要する仕事を大幅に低減して寄生冷却流を低減できるターボ機械用冷却システムの提供【解決手段】 ターボ機械用冷却システムは、内側バレル(39)内のキャビティ(38)と連通した複数の円周方向に離隔した略軸方向延在通路(44)へと抽気冷却空気を供給する圧縮機抽気路(42)を含んでおり、内側バレル内ではタービンロータのフランジ(36)と圧縮機ロータのフランジ(34)が互いに固定されている。通路の出口端は、流れの向きを略軸方向から結合ロータの回転方向である接線方向へと転向させる旋回装置(50)を有する。ロータと固定部品の間には漏れシール(48)が設けられ、プレナムとキャビティの間に圧力降下を生じさせ、キャビティ内に流入する空気速度を増大させる。その結果、冷却空気はロータ速度に近い接線速度でキャビティに供給され、風損が低減するとともに温度が低くなって、ターボ機械の性能が向上する。

【解決手段】ターボ機械用冷却システムは、内側バレル(39)内のキャビティ(38)と連通した複数の円周方向に離隔した略軸方向延在通路(44)へと抽気冷却空気を供給する圧縮機抽気路(42)を含んでおり、内側バレル内ではタービンロータのフランジ(36)と圧縮機ロータのフランジ(34)が互いに固定されている。通路の出口端は、流れの向きを略軸方向から結合ロータの回転方向である接線方向へと転向させる旋回装置(50)を有する。ロータと固定部品の間には漏れシール(48)が設けられ、プレナムとキャビティの間に圧力降下を生じさせ、キャビティ内に流入する空気速度を増大させる。その結果、冷却空気はロータ速度に近い接線速度でキャビティに供給され、風損が低減するとともに温度が低くなって、ターボ機械の性能が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タービン(14)と、圧縮機(12)と、キャビティ(38)内で軸を中心に回転する部品(34、36)と、該回転部品及びキャビティの周囲の固定部品(39)とを有するターボ機械における冷却システムであって、上記回転部品を冷却するため圧縮機の吐出空気の一部を分岐する抽気路(42)、抽気を上記キャビティ内へと流すため上記抽気路と連通した複数の別個の略軸方向に延在する通路(44)、及び回転部品を冷却するため上記キャビティ内に流れ込む抽気の向きを略円周方向及び上記回転部品の回転方向へと転向させるための上記通路内のベーン(54)を含んでなる冷却システム。
【請求項2】 前記抽気路と前記キャビティの間に漏出流経路(46)を含んでいて、該漏出流経路内の前記固定部品と前記回転部品の間の漏れシール(48)が前記抽気路と前記キャビティの間に圧力降下を引き起こしてベーンから前記キャビティ内へ排出される空気の円周方向速度を増大する、請求項1記載の冷却システム。
【請求項3】 前記回転部品がタービンロータと圧縮機ロータとを含んでいて、上記タービンロータと上記圧縮機ロータの各フランジ(34、36)が互いに結合して前記キャビティ内に位置しており、前記ベーンが抽気の向きを上記フランジの上部及びその回転方向へと転向させる、請求項1記載の冷却システム。
【請求項4】 前記抽気路がプレナム(40)と連通していて、該プレナムから前記ベーンに抽気が流れるように前記通路が上記プレナムと連通した位置にある、請求項1記載の冷却システム。
【請求項5】 前記抽気路と前記キャビティの間に漏出流経路(46)を含んでいて、上記漏出流経路内の前記固定部品と前記回転部品の間の漏れシール(48)が前記抽気路と前記キャビティの間に圧力降下を引き起こしてベーンから前記キャビティ内へ排出される空気の円周方向速度を増大し、かつ前記回転部品がタービンロータと圧縮機ロータとを含んでいて、上記タービンロータと上記圧縮機ロータの各フランジ(34、36)が互いに結合して前記キャビティ内に位置しており、前記ベーンが抽気の向きを上記フランジの上部及び回転方向へと転向させる、請求項1記載の冷却システム。
【請求項6】 前記回転部品がタービンロータと圧縮機ロータとを含んでいて、上記タービンロータと上記圧縮機ロータの各フランジ(34、36)が互いに結合して前記キャビティ内に位置しており、前記ベーン(54)が抽気の向きを上記フランジの上部及び回転方向へと転向させ、前記通路が前記軸を中心にして円周方向に互いに離隔して配置され、前記ベーンが前記キャビティ内に前記通路の出口に配置される、請求項1記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の技術的背景】本発明はタービンの回転部品を冷却するための冷却システムに関するものであり、具体的には、冷却すべき回転部品と略同じ円周方向の冷却流を与える冷却システムに関する。
【0002】例えばタービンと圧縮機の組合せのようなターボ機械においては、機械の種々の回転部分を冷却する必要がある。そのため圧縮機吐出空気を圧縮機から抽出するのが通例である。機械性能の向上に対する継続的な要求の結果、冷却媒体供給温度が上昇するとともにハードウェア冷却用に配分される抽気つまり寄生流が低減した。つまり、圧縮機の吐出空気のうち冷却用に利用される割合が増えると、機械性能が落ちる。回転部品(例えば圧縮機とタービンロータとのフランジ接続部)の冷却に、ある特定の問題が生じる。回転部品の表面速度に達するまでに冷却媒体に加わる熱量が増えたため、冷却効果が下がり、寄生冷却流の必要量が増える。したがって、回転部品の冷却に要する仕事を大幅に低減して寄生冷却流を低減できるターボ機械用冷却システムに対するニーズが明らかに存在する。
【0003】
【発明の概要】本発明の好ましい実施形態では、空気は圧縮機吐出側から抽気され、複数の略軸方向に延在する抽出通路に供給される。通路は、例えば、内側バレル内に、タービンロータと圧縮機ロータとのフランジ接続部の圧縮機側に位置し得る。好ましくは、通路を通して圧縮機吐出空気の抽気がロータフランジを取り囲んだ下流キャビティへと流れるように、抽気は通路の上流側のプレナムに供給される。通路内を略軸方向に流れる圧縮機吐出空気の抽気の向きは、略円周方向、つまり回転部品(例えばロータフランジ)の回転の接線方向に転向される。通路の出口に1以上のベーンを配置することによって空気を転向させ、キャビティ内に流れ込む冷却空気が回転部品の略接線方向でしかも回転部品と同じ回転方向に流れるようにする。冷却空気を回転接線方向に噴射することで、回転部品の接線方向に冷却空気を流すためにターボ機械が行なう仕事が最小となり、それによって低い冷却温度が得られるよになる。このように低い温度が得られるのは、冷却空気が回転部品の接線方向表面速度に近づく際の風損による温度上昇が減ることによる。風損の低減は性能面でも有益であり、ロータから冷却媒体への仕事の移動が減る。
【0004】抽気プレナムから回転部品周囲の静止部品の間を通る漏出流は、漏れシールを通して供給される。シールは、ラビリンスシールの形態でも、ブラシシールの形態でも、結合ラビリン又はブラシシールでもよいし、或いはその他のタイプのシールでもよい。漏れシールは抽気供給プレナムとキャビティの間に差圧を与え、ベーンからキャビティ内へ回転部品の略回転方向に流れ込む冷却空気の速度を増大させる。したがって、できるだけ効果的な漏れシールを与えることで、冷却媒体温度が下がり、その分、圧縮機吐出流路から冷却用に抽出される寄生流の必要量が減る。
【0005】本発明の好ましい実施形態では、タービンと、圧縮機と、キャビティ内で軸を中心に回転部品と、該回転部品及びキャビティの周囲の固定部品とを有するターボ機械における冷却システムであって、上記回転部品を冷却するため圧縮機の吐出空気の一部を分岐する抽気路、抽気を上記キャビティ内へと流すため上記抽気路と連通した複数の別個の略軸方向に延在する通路、及び回転部品を冷却するため上記キャビティ内に流れ込む抽気の向きを略円周方向及び上記回転部品の回転方向へと転向させるための上記通路内のベーンを含んでなる冷却システムが提供される。
【0006】本発明のさらに好ましい実施形態では、タービンと、圧縮機と、キャビティ内で軸を中心に回転部品と、該回転部品及びキャビティの周囲の固定部品とを有するターボ機械において上記回転部品を冷却するための方法であって、圧縮機吐出空気を通過路に抽出する段階、圧縮機吐出空気から抽出された抽気部分と連通した複数の略軸方向に延在する通路に抽気の一部を流す段階、及び通路内を流れる上記抽気部分の向きを略円周方向に転向させて上記回転部分に排出ししかも上記回転部品の回転方向と略同じ方向へ転向させて上記回転部品を冷却する段階を含んでなる方法が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】まず図面、特に図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態による冷却システムを組み込んだターボ機械(全体を符号10で示す)が示してある。ターボ機械10は圧縮機セクション12とタービンセクション14を含んでいる。圧縮機セクション12は、外側の固定部品(静止部品ともいう)16と、圧縮機ブレードが装着された圧縮機ホイール20と結合しているロータ18とを含んでいる。空気は、矢印22で示すように環状流路に沿って圧縮され、タービンセクション14へと流れる。
【0008】タービンセクション14は固定又は静止部品24と複数のタービン段を含んでおり、各段は静翼26と、タービンロータ32の一部をなすタービンホイール30上の回転可能なタービン動翼28とを含んでいる。圧縮機ロータ18とタービンロータ32の接続端はそれぞれフランジ34、36を有しており、フランジを互いにさねはぎ継ぎしてボルトで留め(図示していない)て、固定部品(例えば、内側バレル39)で取り囲まれたキャビティ38内部で回転部品を構成する。
【0009】本発明の好ましい実施形態では、シール漏出流と混合されるバイパス流をロータのフランジ接続部の冷却に望ましい量に調量し、流れの向きを軸方向から、冷却流の温度を下げてロータ調温するのに望ましい円周方向へと効率的に転向させ、かつシール漏出流と混合してフランジ調温するのに最適なフランジキャビティ38内部の位置に流れを向けるための冷却システムが提供される。具体的には、抽気は、環状通路22を流れる圧縮機吐出空気から抽出されて、圧縮機ロータ18の環状プレナム40へと流れ込む。プレナムに抽気を供給するため1以上の抽気路42を設けてもよい。圧縮機抽気をプレナム40からキャビティ38へと流すため、圧縮機ロータ18を中心とした円周方向に離隔した位置に複数の別個の略軸方向延在通路44が配置される。加えて、静止部品と圧縮機ロータ18の間の環状漏出経路46には漏れシール48が設けられる。漏れシールは、例えば、複数のラビリンスシール又はブラシシール又はラビリンスシールとブラシシールの組合せからなるものでもよいし、或いは別のタイプのシールからなるものでもよい。漏れシール48を備えた環状漏出経路46はプレナム40とキャビティ38の間に圧力降下を引き起こすと述べておけば十分である。
【0010】各通路44の出口端は1以上のベーンを含んでいて旋回装置50をなす。図2及び図3に示す通り、装置50は、通路44に流れ込む抽気をキャビティ38内のフランジの回転の接線方向つまり円周方向に転向させるベーン54で画定される複数の内部流路52を有する。換言すれば、各通路44を流れる抽気はフランジ34及び36の回転方向の略接線方向へと転向し、それにより旋回装置50から流出する抽気はフランジ34、36の接線速度に近い速度で出ていく。中央リブ56は、流路52に沿って転向される抽出吐出空気の出口をなす複数の略直線状スロット58の間に設けられる。図4に、空気の出ていく方向を矢印60で示してあり、圧縮機ロータ18の回転方向を矢印62で示してある。従って、圧縮機吐出抽気は、冷却空気が軸方向に直接キャビティ38内に流入してしまう場合と比べると格段に低い温度で旋回装置から出ていくことが理解されよう。さらに、圧縮機吐出抽気は風損による付加的な加熱を受けず、そのため冷却に必要な寄生流つまり抽気の量が減る。
【0011】以上で説明した構造は付加的な利点も有している。例えば、旋回装置50はチューンが可能であり、ベーンを一定の角度に向けたり、一定の位置に向けることができる。旋回装置は適所にボルト止め又は溶接できるので、冷却システムの微調整が必要とされる場合には旋回装置を容易に修正することができる。漏れシール48を通過する漏出流はキャビティ38とプレナム40の間に圧力降下を引き起こすことも自明であろう。漏出流を制限すると、圧力降下を増大させることができて、キャビティ38に供給される冷却空気の速度が増す。速度を増すと、それ以外の場合に比べて冷却空気の温度が下がりターボ機械の性能が向上することはいうまでもない。
【0012】以上、現時点で最も実用的で好ましいと思料される実施形態に関して本発明を説明してきたが、本発明は開示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で特定した技術的思想及び技術的範囲に属する様々な変更及び均等な構成を包含するものである。
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一
【公開番号】 特開2001−65367(P2001−65367A)
【公開日】 平成13年3月13日(2001.3.13)
【出願番号】 特願2000−161310(P2000−161310)