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【発明の名称】 発電システム
【発明者】 【氏名】村 田 圭 治

【氏名】山 下 慶次郎

【氏名】出 健 志

【氏名】小野田 裕 子

【要約】 【課題】有機性廃棄物、有機汚泥、畜産廃棄物、都市ごみなどのバイオマス、さらには、廃プラスチックなどの廃棄物、石炭、重質油等の低質化石燃料を燃料とすると共に、効率の良い発電システムを安価に提供すること。

【解決手段】本発明の発電システム20は、導入される燃料10と水11とを反応させてガス化ガスを発生させるガス化装置4を備える。ガス化装置4には、ガス化ガスと残固体分と残水分とを分離する分離装置5が接続される。発電装置6が、分離装置5で分離されたガス化ガスを燃焼させて発電する。発電装置6の排ガスが、排ガス管16によってガス化装置4に導かれる。ガス化装置4は、排ガス管16によって導かれる排ガスの熱を利用して、燃料10と水11とを反応させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】導入される燃料と水とを反応させてガス化ガスを発生させるガス化装置と、ガス化装置に接続され、ガス化ガスと残固体分と残水分とを分離する分離装置と、分離装置に接続され、分離装置で分離されたガス化ガスを燃焼させて発電する発電装置と、発電装置に接続され、発電装置の排ガスをガス化装置に導く排ガス管と、を備え、ガス化装置は、排ガス管によって導かれる排ガスの熱を利用して燃料と水とを反応させるようになっていることを特徴とする発電システム。
【請求項2】分離装置には、分離装置で分離された残水分をガス化装置に環流させる環流管が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】発電装置は、発電システムの起動時に、高カロリーガス燃料が導入されるようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の発電システム。
【請求項4】ガス化装置は、ニッケルを含む触媒が導入されるようになっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の発電システム。
【請求項5】ガス化装置は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが導入されるようになっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発電システム。
【請求項6】導入される燃料と水とを反応させて液体燃料を発生させる液化装置と、液化装置に接続され、液体燃料と残固体分と残水分とを分離する分離装置と、分離装置に接続され、分離装置で分離された液体燃料を燃焼させて発電する発電装置と、発電装置に接続され、発電装置の排ガスを液化装置に導く排ガス管と、を備え、液化装置は、排ガス管によって導かれる排ガスの熱を利用して燃料と水とを反応させるようになっていることを特徴とする発電システム。
【請求項7】分離装置には、分離装置で分離された残水分を液化装置に環流させる環流管が接続されていることを特徴とする請求項6に記載の発電システム。
【請求項8】発電装置は、発電システムの起動時に、高カロリー液体燃料が導入されるようになっていることを特徴とする請求項6または7に記載の発電システム。
【請求項9】液化装置は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが導入されるようになっていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の発電システム。
【請求項10】前記燃料と反応させる前記水を、加圧熱水、超臨界水または亜臨界水の状態とすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の発電システム。
【請求項11】前記燃料は、バイオマスであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の発電システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性廃棄物、有機汚泥、畜産廃棄物(家畜糞)、都市ゴミなどのバイオマスを燃料として発電する発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】牛、豚、鶏といった家畜から排出される糞尿等の、いわゆる畜産廃棄物は、メタン発酵によって消化処理する過程において、メタンガスを発生する。このメタンガスを回収し、原動機を介して発電に利用する発電システムがある。
【0003】このような従来の発電システムについて、図5を用いて説明する。図5は、畜産廃棄物を利用したメタン発酵・発電システムの概略図である。
【0004】図5に示す発電システムは、畜産廃棄物である糞尿と希釈水とが導入される受入槽37と、受入槽37に接続された消化槽38とを備えている。消化槽38は、受入槽37から送られる糞尿及び希釈水から、発酵(メタン発酵)によって消化ガスを発生させるようになっている。
【0005】消化槽38には、ガス管46と残分排出管47とが接続されている。ガス管46は、ガスホルダー41及び脱硫塔42を介して、ガスエンジン発電機43まで延びている。残分排出管47には、脱水機39が接続されている。脱水機39には、脱水ケーキを排出する排出管48と、脱水脱離液を排出する排液管49とが接続されている。排液管49には、汚水処理装置40が接続されている。
【0006】このような発電システムは、以下のように作用する。
【0007】集められた糞尿は、一旦、希釈水とともに受入槽37に貯蔵される。その後、所望の時に、消化槽38に送られて発酵する。
【0008】発酵により発生した消化ガスは、ガス管46を介して脱硫塔42に送られ、そこで硫黄分を除去された後、ガスエンジン発電機43に送られて燃焼し、発電に利用される。余剰の消化ガスは、ガスホルダー41に一時的に貯蔵される。
【0009】発酵後の残分は、残分排出管47を介して脱水機39に送られて含水率70%程度まで脱水され、脱水ケーキとなって排出管48から系外に放出され、図示されない堆肥化施設にて肥料化される。脱水機39で絞り取られた脱水脱離液は、排液管49を介して汚水処理装置40に送られ、そこで水処理された後、河川などに放流される。
【0010】図5に示すメタン発酵による発電システムでは、消化ガスをガスエンジン発電機43の燃料として使用することによって、10〜150kWh/t糞のエネルギー回収を実現している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図5に示す発電システムでは、大量の脱水脱離液が発生する。この脱水脱離液の処理には大規模な汚水処理施設が必要であるため、設備コストが高くなるという問題がある。また、脱水脱離液の処理には大きなエネルギーを要するため、システム全体のエネルギー効率が良くないという問題もある。
【0012】本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、有機性廃棄物、有機汚泥、畜産廃棄物、都市ごみなどのバイオマス、さらには、廃プラスチックなどの廃棄物、石炭、重質油等の低質化石燃料を燃料として使用すると共に、効率の良い発電システムを安価に提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、導入される燃料と水とを反応させてガス化ガスを発生させるガス化装置と、ガス化装置に接続され、ガス化ガスと残固体分と残水分とを分離する分離装置と、分離装置に接続され、分離装置で分離されたガス化ガスを燃焼させて発電する発電装置と、発電装置に接続され、発電装置の排ガスをガス化装置に導く排ガス管と、を備え、ガス化装置は、排ガス管によって導かれる排ガスの熱を利用して燃料と水とを反応させるようになっていることを特徴とする発電システムである。
【0014】本発明によれば、ガス化装置が、排ガス管によって導かれる排ガスの熱を利用して燃料と水とを反応させるようになっているため、効率の良い発電システムを安価に提供することができる。
【0015】また、本発明は、導入される燃料と水とを反応させて液体燃料を発生させる液化装置と、液化装置に接続され、液体燃料と残固体分と残水分とを分離する分離装置と、分離装置に接続され、分離装置で分離された液体燃料を燃焼させて発電する発電装置と、発電装置に接続され、発電装置の排ガスを液化装置に導く排ガス管と、を備え、液化装置は、排ガス管によって導かれる排ガスの熱を利用して燃料と水とを反応させるようになっていることを特徴とする発電システムである。
【0016】本発明によれば、液化装置が、排ガス管によって導かれる排ガスの熱を利用して燃料と水とを反応させるようになっているため、効率の良い発電システムを安価に提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0018】図1は、本発明の第1の実施の形態による発電システムを示す構成概略図である。図1に示すように、本発明の第1の実施の形態の発電システム20は、導入される燃料10と水13とを反応させてガス化ガスを発生させるガス化装置4を備えている。
【0019】ガス化装置4には、接続管18を介して、ガス化ガスと残固体分と残水分とを分離する分離装置5が接続されている。
【0020】分離装置5には、分離装置5で分離されたガス化ガスを燃焼させて発電するガス発電装置6が接続されている。ガス発電装置6は、圧縮機6a、燃焼器6b、ガスタービン6c及び発電機6dを有している。ガス化ガスは、配管17を介して、燃焼器6bに供給されるようになっている。
【0021】ガス発電装置6のガスタービン6cには、その排ガスをガス化装置4に導く排ガス管16が接続されている。そして、ガス化装置4は、排ガス管16によって導かれる排ガスの熱を利用して、燃料10と水13とを反応させるようになっている。本実施の形態のガス化装置4は、排熱回収型低温ガス化炉として構成され、熱交換のための表面積を増大すべく複数の管状部材によって構成された反応管4aと、その周囲に形成された排ガス用チャンバ4cと、を有している。
【0022】本実施の形態では、ガス化装置4の反応管4aへの燃料10及び水13の導入は、燃料供給装置1及びスラリポンプ2を介して、水スラリの状態で行われるようになっている。すなわち、燃料供給装置1において、予め燃料10と水13とを混合して水スラリの状態にし、スラリポンプ2を用いて、当該水スラリを配管14からガス化装置4へ送るようになっている。
【0023】本実施の形態では、燃料10は、有機性廃棄物、有機汚泥、畜産廃棄物、都市ごみなどのバイオマスである。
【0024】本実施の形態では、燃料供給装置1において、水酸化ナトリウム13と、ニッケルを含むニッケル系触媒及びアルカリ金属触媒12とが、燃料10及び水11と共に混入されるようになっている。水酸化ナトリウム13は、水酸化カリウム等でもよい。
【0025】また、配管14のスラリポンプ2から反応管4aに至る途中の部分と、反応管4aと分離装置5とを接続する接続管18とは、熱交換器3を形成しており、接続管18内を通過する高温の物質(ガス化ガス+残固体分+残水分)の熱エネルギーを、配管14内を通過する物質(燃料10+水11+水酸化ナトリウム13+触媒12)に移すことが可能となっている。
【0026】また、本実施の形態の分離装置5には、分離装置5で分離された残水分を燃料供給装置1に環流させる環流管15が接続されている。一方、分離装置5には、分離装置5で分離された残固体分を排出させる排出管19も接続されている。
【0027】本実施の形態のガス化装置4は、燃料10と水11とを、200−500℃の温度で、10−600atm、好ましくは100−400atmの圧力で反応させるようになっている。また、本実施の形態のガス化装置4は、水11を、加圧熱水、超臨界水または亜臨界水の状態とすることが可能となっている。
【0028】次に、このような構成よりなる本実施の形態の作用について説明する。
【0029】燃料10、水11、水酸化ナトリウム13及び触媒12が、燃料供給装置1に導入されると、燃料供給装置1は、これらを混合して、水スラリの状態にする。この水スラリは、スラリポンプ2によって10−600atm、好ましくは100−400atm、さらに好ましくは200atm程度まで昇圧され、配管14を介してガス化装置4の反応管4aに送られる。水スラリは、配管14を通過する際に、熱交換器3の作用によって予熱される。
【0030】ガス化装置4は、排気ガス用チャンバ4c内に充満する排ガスの熱を利用して、反応管4a内に送られた水スラリを加熱し、燃料10と水11とを反応させる。この時、燃料10と水11とは、排ガスの熱(後述のように排ガスの温度は約600℃)によって500℃程度の温度まで昇温し、水11は、加圧熱水、超臨界水または亜臨界水の状態となり得る。バイオマスは、このような比較的低い温度で、ガス燃料に転換することが可能であり、特に、加圧熱水、超臨界水、亜臨界水の中では転換反応が速やかに進む。
【0031】燃料10と水11との反応により、メタン、水素、一酸化炭素、二酸化炭素などを主成分とするガス化ガスが発生する。このガス化ガスと、反応せずに残った残固体分及び残水分は、高温の状態で反応管4aから配管18へ押し出される。そして、熱交換器3によって水スラリを予熱させて温度低下した後、分離装置5に送られる。
【0032】分離装置5は、ガス化ガスと残固体分と残水分とを分離させる。そして、配管17を介して、ガス化ガスを燃焼器6bに供給する。一方、環流管15を介して、残水分を燃料供給装置1に環流させ、排出管19を介して、残固体分を排出する。残固体分には、反応しなかった燃料10の有機物の他、硫黄分と水酸化ナトリウム13との反応物である硫化ナトリウム(水中に溶けきれなくなって析出したもの)や、バイオマス中に含まれていた無機固形物などが含まれる。
【0033】ガス発電装置6は、燃焼器6bに供給されるガス化ガスを、圧縮機6aで圧縮される空気と共に燃焼させ、ガスタービン6c及び発電機6dを回転させて発電を行う。燃焼後の高温のガスタービン排ガスは、600℃程度の温度を有し、排ガス管16を介してガス化装置4の排ガス用チャンバ4cに送られ、反応管4a内の水スラリの加熱のために用いられる。
【0034】以上のように、本実施の形態によれば、ガス化装置4が、排ガス管16によって導かれる排ガスの熱を利用して燃料10と水11とを反応させるようになっているため、効率の良い発電システムを安価に提供することができる。
【0035】特に、ガス化装置4の反応管4aが複数の管状部材で構成されているため、ガス化装置4の熱交換効率に優れ、結果的に発電システム20の効率が向上する。さらに、このような構成は、噴流床式反応器や流動床式反応器に比べて、安価である。もっとも、水11は、加圧熱水、超臨界水または亜臨界水の状態となり得るため、ガス化装置4及び接続管18等は、そのような過酷な条件に耐えるように構成される必要がある。
【0036】また、燃料10と水11とが水スラリの状態で供給されるため、比較的低温の排ガス熱でも、ガス化ガスの発生に有効に利用することができる。
【0037】また、本実施の形態では、水11が環流管15を介して環流されるため、環流量を適宜調整して、燃料/水の比を反応に適した値とすることができる。
【0038】また、本実施の形態では、燃料10と水11に加えて、触媒12、例えばニッケル系触媒及びアルカリ金属触媒、を混入させているため、ガス化ガスの発生反応が円滑に実現される。なお、触媒を燃料や水と共に供給するのではなく、あらかじめガス化装置内に充填しておくことも可能である。
【0039】さらに、本実施の形態では、燃料10と水11に加えて水酸化ナトリウム13を混入させているため、バイオマスに含まれる硫黄分を、硫化ナトリウムの態様で、ガス化ガス発生反応の残固体分として除去することが可能である。
【0040】なお、本実施の形態の発電システムにおいて、起動時等の安定な運転のために、ガス発電装置6は、高カロリーガス(例えば天然ガス、LNG、LPG、都市ガス、プロパンガスなど)が導入されるようになっていることが好ましい。
【0041】また、燃料10としては、バイオマスの他に、廃プラスチックなどの廃棄物、石炭、重質油等の低質化石燃料が利用可能である。
【0042】次に、本発明の第2の実施の形態の発電システムについて、図2を用いて説明する。図2は、第2の実施の形態の発電システムの構成概略図である。
【0043】図2に示すように、本実施の形態の発電システム20は、接続管18に、接続管18内に酸化カルシウムを導入する酸化カルシウム管21が接続されており、接続管18の酸化カルシウム管21に対する下流側は、断熱材が巻き付けられて断熱反応器22を形成している。断熱反応器22は、当該部分を通る二酸化炭素と、酸化カルシウム管21から導入される酸化カルシウムとを反応させ、その反応熱によって未反応の燃料10及び水11の反応を促進するようになっている。
【0044】また、排出管19には、分離装置5で分離された残固体分を燃焼させて、残固体分に含まれる炭酸カルシウムを分解する燃焼炉23が接続されている。燃焼炉23には、分離装置5からガス化ガスの一部が供給されるようになっており、また、ガスタービン排ガスの一部も供給されるようになっている。
【0045】さらには、ニッケル系触媒が、燃料供給装置1に供給されないで、アルカリ金属触媒26のみが供給されるようになっている。
【0046】その他の構成は、図1に示す第1の実施の形態の発電システムと略同様の構成である。第2の実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】本実施の形態においては、水スラリは、スラリポンプ2によって、300atm程度にまで昇圧される。酸化カルシウムと二酸化炭素とが反応して炭酸カルシウムに変化する反応熱で、水の温度がさらに上がるため、圧力を高くしておかないと水蒸気が発生してしまうからである。
【0048】また、本実施の形態においては、断熱反応器22の部分において二酸化炭素と酸化カルシウムとが反応し、その反応熱によって未反応の燃料10及び水11がさらに700℃程度にまで加熱され、さらなるガス化ガスの発生反応が促進される。
【0049】この場合、残固体分には、二酸化炭素と酸化カルシウムとの反応によって生成された炭酸カルシウムも含まれる。残固体分は、燃焼炉23によって、ガス化ガスの一部とガスタービン排ガスの一部と共に燃焼される。この燃焼熱によって、炭酸カルシウムは分解され、酸化カルシウムが回収される。回収された酸化カルシウムは、例えば、再び酸化カルシウム管21に送られる。
【0050】本実施の形態によれば、二酸化炭素と酸化カルシウムとの反応を利用することによって、未反応の燃料10及び水11を排ガスの温度以上に加熱することが可能であり、ガス化ガスの発生効率が向上する。
【0051】また、高価なニッケル系触媒を用いる必要がなく、酸化カルシウムは安価であるため、効率の良い発電システムをより安価に実現することができる。
【0052】次に、本発明の第3の実施の形態の発電システムについて、図3を用いて説明する。図3は、第3の実施の形態の発電システムの構成概略図である。
【0053】図3に示すように、本実施の形態の発電システム20は、ガス化装置4が液化装置24に置換され、ガス発電装置6がディーゼル発電装置25に置換されている。液化装置24は、ガス化装置4と略同様に、管状部材で構成された反応管24aと、その周囲に設けられた排ガス用チャンバ24cとを有している。また、ディーゼル発電装置25の排ガスが、排ガス用チャンバ24cに導入されるようになっている。
【0054】本実施の形態では、アルカリ金属触媒26が燃料供給装置1に供給されるようになっている。また、分離装置5は、液化装置24にて発生した液体燃料と残固体分と残水分とを分離するようになっている。
【0055】その他の構成は、図1に示す第1の実施の形態の発電システムと略同様の構成である。第3の実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0056】本実施の形態の発電システム20は、以下のように作用する。
【0057】燃料10、水11、水酸化ナトリウム13及びアルカリ金属触媒26が、燃料供給装置1に導入されると、燃料供給装置1は、これらを混合して、水スラリの状態にする。この水スラリは、スラリポンプ2によって200atm程度まで昇圧され、配管14を介して液化装置24の反応管24aに送られる。水スラリは、配管14を通過する際に、熱交換器3の作用によって予熱される。
【0058】液化装置24は、排気ガス用チャンバ24c内に充満する排ガスの熱を利用して、反応管24a内に送られた水スラリを加熱し、燃料10と水11とを反応させる。この時、燃料10と水11とは、排ガスの熱によって450℃程度の温度まで昇温し、水11は、加圧熱水、超臨界水または亜臨界水の状態となり得る。バイオマスは、このような比較的低い温度で液体燃料に転換することが可能であり、特に、加圧熱水、超臨界水、亜臨界水の中では、転換反応が速やかに進む。
【0059】この場合、アルカリ金属触媒26の作用により、燃料10と水13とが反応して水スラリ中の有機成分の一部が油(液体燃料)となる。この油と、反応せずに残った残固体分及び残水分は、高温の状態で反応管24aから配管18へ押し出される。そして、熱交換器3によって水スラリを予熱させて温度低下した後、分離装置5に送られる。
【0060】分離装置5は、液化ガスと残固体分と残水分とを分離させる。そして、配管17を介して、液化ガスをディーゼル発電装置25に供給する。一方、環流管15を介して、残水分を燃料供給装置1に環流させ、排出管19を介して、残固体分を排出する。残固体分には、反応しなかった燃料10の有機物の他、硫黄分と水酸化ナトリウム13との反応物である硫化ナトリウム(水中に溶けきれなくなって析出したもの)や、バイオマス中に含まれていた無機固形物などが含まれる。
【0061】ディーゼル発電装置25は、油を燃焼させて発電を行う。燃焼後の排ガスは、500℃程度(600℃ではない?)の温度を有し、排ガス管16を介して液化装置24の排ガス用チャンバ24cに送られ、反応管24a内の水スラリを加熱する。
【0062】以上のように、本実施の形態によれば、液化装置24が、排ガス管16によって導かれる排ガスの熱を利用して燃料10と水11とを反応させるようになっているため、効率の良い発電システムを安価に提供することができる。
【0063】特に、液化装置24の反応管24aが複数の管状部材で構成されているため、液化装置24の熱交換効率に優れ、結果的に発電システム20の効率が向上する。さらに、このような構成は、噴流床式反応器や流動床式反応器に比べて、安価である。もっとも、水11は、加圧熱水、超臨界水または亜臨界水の状態となり得るため、液化装置24及び接続管18等は、そのような過酷な条件に耐えるように構成される必要がある。
【0064】また、燃料10と水11とが水スラリの状態で供給されるため、比較的低温の排ガス熱でも、油(液体燃料)の発生に有効に利用することができる。
【0065】また、本実施の形態では、燃料10と水11に加えてアルカリ金属触媒26を混入させているため、油の発生反応が円滑に実現される。触媒を燃料や水と共に供給するのではなく、あらかじめ液化装置内に充填しておくことも可能である。
【0066】なお、本実施の形態の発電システムにおいて、起動時等の安定な運転のために、ディーゼル発電装置25は、高カロリー液体燃料が導入されるようになっていることが好ましい。ディーゼル発電装置の代わりに、液体燃料用ガスタービンを用いることも可能である。
【0067】次に、本発明の第4の実施の形態の発電システムについて、図4を用いて説明する。図4は、第4の実施の形態の発電システムの構成概略図である。
【0068】図4に示すように、本実施の形態の発電システム20は、ディーゼル発電装置25が蒸気サイクル発電装置36に置換されており、液化装置24の排ガス用チャンバ24cが、蒸気サイクル発電装置36の燃焼室と一体になっている(接続の一態様である)。すなわち、分離装置5で分離された油が、空気と共に液化装置24の排ガス用チャンバ24cに導入され、そこで直接燃焼されることにより(これにより当然に排ガスが排ガス用チャンバ24c内に充満する)、蒸気サイクル発電装置36の水蒸気を加熱すると共に、液化装置24の反応管24a内の水スラリを加熱するようになっている。
【0069】蒸気サイクル発電装置36は、排ガス用チャンバ24cと一体の燃焼室36bの他に、蒸気タービン36c、発電機36d、復水器36e及びポンプ36pを有しており、これらが配管で接続されることによってサイクルを形成している。
【0070】その他の構成は、図3に示す第3の実施の形態の発電システムと略同様の構成である。第4の実施の形態において、図3に示す第3の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0071】本実施の形態によれば、分離装置5で分離された油が、排ガス用チャンバ24c内で燃焼するため、反応管24a内の水スラリは700℃程度にまで昇温する。このため、油(液体燃料)の生成反応が一層促進され、発電システム全体の効率が向上する。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、ガス化装置が、排ガス管によって導かれる排ガスの熱を利用して燃料と水とを反応させるようになっているため、効率の良い発電システムを安価に提供することができる。
【0073】また、本発明によれば、液化装置が、排ガス管によって導かれる排ガスの熱を利用して燃料と水とを反応させるようになっているため、効率の良い発電システムを安価に提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成11年8月27日(1999.8.27)
【代理人】 【識別番号】100064285
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
【公開番号】 特開2001−65364(P2001−65364A)
【公開日】 平成13年3月13日(2001.3.13)
【出願番号】 特願平11−241534