Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
ガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法 - 特開2001−59427 | j-tokkyo
トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの

【発明の名称】 ガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法
【発明者】 【氏名】谷村 聡

【氏名】村上 巧

【氏名】平崎 丈尾

【氏名】張田 新一

【要約】 【課題】燃料を油、ガスに切替えて使用されるガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法に関し、燃料をガスに切替えた後にノズルに残留する油を完全に除去する。

【解決手段】ガスタービン燃焼器にはメインA、メインB、パイロットの各系統より油燃料が供給され、燃料を油からガスに切替えた直後、まずメインB系統で水パージW(B)を行う。その後メインA系統で低圧空気パージLP(A)を行い、その次にメインB系統で低圧空気パージLP(B)を行う。次にパイロット系で低圧空気パージLP(P)を行い、最後に3系統同時に高圧空気パージHP(A)、HP(B)、HP(P)を行う。残留油のコーキングはB系統が一番起りやすく、パイロット系統で起りにくいので、B系統に水パージを行い、各系統でそれぞれ別々に、かつタイミングをずらして行うので、残留油を完全に除去し、出力変動も抑える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油とガス燃料を切換えて使用でき、かつ燃料供給系統がメインA、メインB、パイロットの3系統を有するガスタービン燃焼器の油ノズルにおいて、燃料を油からガスに切替えた直後に、前記メインA、メインB、パイロットの各系統に時分割で水又は気体を所定時間通し、最後に気体を所定時間同時に通して各系統に残留する油をパージすることを特徴とするガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法。
【請求項2】 前記時分割での水又は気体の使用は、最初にメインB系統で水、次にメインA系統で気体、次にメインB系統で気体、次にパイロット系統で気体、最後に前記3系統で同時に気体でなされることを特徴とする請求項1記載のガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法。
【請求項3】 前記最後の気体パージは前の気体パージの圧力よりも高い圧力で時間も短いことを特徴とする請求項1又は2記載のガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法。
【請求項4】 前記最後の気体パージは各3系統において同時に通すことに代えてそれぞれ時間がずれてなされることを特徴とする請求項1又は2記載のガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法。
【請求項5】 前記パイロット系統での気体パージは前記メインA、メインB系統での気体パージの圧力よりも低いことを特徴とする請求項1又は2記載のガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法。
【請求項6】 前記パージはすべて気体のみで行なわれることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法。
【請求項7】 前記気体は空気であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法。
【請求項8】 油とガス燃料を切換えて使用でき、かつ燃料供給系統がメインA、メインB、パイロットの3系統を有するガスタービン燃焼器の油ノズルにおいて、水パージが前記メインA、B両系統において同時に、かつ燃料が油からガスに切換える前から燃料油に混入され燃料切換え後も引き続き所定時間実施され、その後時分割で気体パージを行うことを特徴とするガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法に関し、油燃料とガス燃料を切替えて燃焼させることのできるデュアル(Dual)方式の燃焼器に適用され、燃料を油からガスへ切換えた後に油が残留してコーキングが発生し、ノズルを詰まらせないようにするパージ方法である。
【0002】
【従来の技術】デュアル方式のガスタービン燃焼器では、油焚きからガス焚きへ燃料を切替えた後ガス焚きで運転を行うが、燃料を油に切替えた後、燃料油が残留したまま、ガス燃料が燃焼し、高温の状態に置かれるので、この残留油がコーキング(Coking)してしまい、ノズルがこれにより閉塞してしまう。そこでガス焚きへの燃料切替後、残留した油を適切な方法でパージする必要がある。
【0003】図7は上記に説明したデュアル方式のガスタービン燃焼器におけるノズル部を示す断面図である。図においてその概要を説明すると、燃焼器のノズルは、中心にパイロットノズル40が配設され、その周囲には後述するように8本のメインノズル30が配置されている。パイロットノズル40には後端よりパイロット油燃料41と、パイロットガス燃料42のいずれか供給されるようになっており、パイロット油燃料41は中心の管43を通り、ノズル先端44の噴射口より油燃料45として噴射される。パイロットガス燃料42は管43の周囲を通り、先端周囲の噴射口よりガス燃料46として噴射し、これらいずれかの燃料を点火させ、パイロット火炎を形成する。
【0004】一方、メインノズル30では、油供給系統から供給された油燃料は、油分配流路31から中心の管32に流入し、ノズル先端33の噴出口より油燃料34として噴射され、ガス供給系統から供給されたガス燃料は、ガス溜り34に流入し、中心の管32の周囲を通りノズル先端33の直後の周囲の噴射口より噴出する。
【0005】図8は燃焼器ノズルの正面図であり、図示のように燃焼器50の中心にはパイロットノズル40が、その周囲には8本のメインノズル30が配置されており、それぞれ油燃料とガス燃料を切替えて燃焼させることができる。メインノズルのうち、図中斜線を付したノズルがメインAノズル、斜線のないものがメインBノズルであり、AとBはそれぞれ交互に配置されている。このようにノズルはメインA系統とメインB系統及びパイロット系統の3系統からなり、それぞれ別系統で燃料が供給されるようになっている。
【0006】図9は図7で説明したメインノズル30の先端部分を示す断面図であり、先端33は油溜まり38となっており、油溜まり38の形成されている壁周囲には複数の噴射口37が傾斜して設けられている。噴射口37は油溜まり38に連通し、油燃料34が噴射される。
【0007】上記に説明のガスタービン燃焼器のデュアル方式のノズルは、図7,図8で示したように中心にパイロットノズル40があり、パイロットノズル40は周囲が8個のメインノズル30で囲まれており、周囲が高温となっているため残留した油はメインノズル30に比べ、コーキングが比較的起りにくく、メインノズル30の方に油のコーキングによる詰りが生じやすい。そのためにガス焚きへの燃料切換後残留した油をパージ(押し出す)する必要がある。
【0008】図10は従来のガスタービンの油燃料系統とパージの方法を示す図であり、図において、60はガスタービンで、燃焼器50が周囲に複数個(20個)配設されている。各燃焼器50は図8に示すように中心にパイロットノズル40、周囲にメインノズルA30、メインノズルB30が交互に合計8個が配置されている。図10に示すように、パイロット系統、メインA系統、メインB系統ではそれぞれ別の油燃料系統から油燃料が供給される。パイロットノズル(P)においては、パイロット系統20から、メインノズル(A)においては、メインA系統21から、メインノズル(B)においてはメインB系統からそれぞれ20個の燃焼器50へ油燃料が供給されている。又、メインA系統21では分配器23により各燃焼器50へ均等にそれぞれ燃料を供給し、又、メインB系統22では、ヘッダ24によりそれぞれ各燃焼器へ供給されている。
【0009】上記の燃料供給系統において、コンプレッサで圧縮された空気を溜める空気タンク29を設け、空気タンク29より配管25P及び制御弁26、配管25A及び制御弁27、配管25B及び制御弁28を接続し、これらをパイロット系統20、メインA系統21、メインB系統22へそれぞれ接続している。このような系統において、燃料をガス焚きに切替えた直後、弁26,27,28を開き、空気タンク29から加圧した空気を、それぞれパイロット系統20、メインA系統21、メインB系統22へ所定期間送り込み、ノズルへの配管系統内に残留する油を燃料ノズル50へ押し出し、配管及びノズル内に残留している油を排出するようにしている。
【0010】残留する油によりコーキングを起しやすい部分は、図7で示す油分配流路31内や図9に示す油溜まり38、噴射口37であり、これらの場所に油が残留し、ガス焚きで運転を継続していると油がコーキングを起し、ノズル内で固化して再度油燃料を使用する際には、内部やノズル先端部が閉塞してしまうので上記のように充分に油をパージする必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述のように従来のガスタービン燃焼器における油ノズルパージ方法では、燃料を油からガスへ切替えた直後に、燃料油が残留したままガス燃料を燃焼させると、高温状態に置かれ、ノズル内の油がコーキングしてしまい固化してノズルが閉塞してしまう。そのために燃料を油からガスへ切替えた直後には残留した油を空気を送ることによりパージし、排出することが行なわれている。このパージが不充分であると油が充分に排出されずにコーキングが発生し、又、パージを過度に実施すると短時間に多量の油燃料が押し出されるのでガスタービンが急激な出力変化を起してしまい好ましくない。
【0012】そこで本発明では、デュアル方式のガスタービン燃焼器において、燃料を油からガスに切替えた直後に、適切な圧力とタイミングで水と空気をノズル部に送り、パージ時に短時間で多量の油を押し出してガスタービンの出力変動を起さないように残留油を排出することのできるノズルパージ方法を提供することを課題としてなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解決するために次の(1)乃至(8)の方法を提供する。
【0014】(1)油とガス燃料を切換えて使用でき、かつ燃料供給系統がメインA、メインB、パイロットの3系統を有するガスタービン燃焼器の油ノズルにおいて、燃料を油からガスに切替えた直後に、前記メインA、メインB、パイロットの各系統に時分割で水又は気体を所定時間通し、最後に気体を所定時間同時に通して各系統に残留する油をパージすることを特徴とするガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法。
【0015】(2)前記時分割での水又は気体の使用は、最初にメインB系統で水、次にメインA系統で気体、次にメインB系統で気体、次にパイロット系統で気体、最後に前記3系統で同時に気体でなされることを特徴とする(1)記載のパージ方法。
【0016】(3)前記最後の気体パージは前の気体パージの圧力よりも高い圧力で時間も短いことを特徴とする(1)又は(2)記載のパージ方法。
【0017】(4)前記最後の気体パージは各3系統において同時に通すことに代えてそれぞれ時間がずれてなされることを特徴とする(1)又は(2)記載のパージ方法。
【0018】(5)前記パイロット系統での気体パージは前記メインA、メインB系統での気体パージの圧力よりも低いことを特徴とする(1)又は(2)記載のパージ方法。
【0019】(6)前記パージはすべて気体のみで行なわれることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載のパージ方法。
【0020】(7)前記気体は空気であることを特徴とする(1)から(6)のいずれかに記載のパージ方法。
【0021】(8)油とガス燃料を切換えて使用でき、かつ燃料供給系統がメインA、メインB、パイロットの3系統を有するガスタービン燃焼器の油ノズルにおいて、水パージが前記メインA、B両系統において同時に、かつ燃料が油からガスに切換える前から燃料油に混入され燃料切換え後も引き続き所定時間実施され、その後時分割で気体パージを行うことを特徴とするガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法。
【0022】本発明のガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法は、(1)を基本的な方法としており、燃料を油からガスに切替えてガスを燃焼させると、油ノズル系統に残留している油がコーキングを起し、固定してノズルが閉塞してしまうので、パージしなければならない。本発明の(1)ではメインA、メインB、パイロットの各3系統において、それぞれ水又は気体を時分割で流してパージを行い、最後に残留している油は3系統同時に気体でパージを行い、すべての残留油をパージする。本発明の(1)では3系統をそれぞれ別々に、かつタイミングをずらせてパージを行うので、短時間に多量の残留油が燃焼器に押し出されることがなく、そのためにガスタービンの出力変動を起すことがない。又、最終に再び気体で同時に3系統をパージするので、残留油を完全に押し出すことができる。
【0023】本発明の(2)では、コーキングが最も起りやすいメインB系統を最初に水でパージする。次に気体でメインA系統、再びメインB系統、次にパイロット系統と時分割でタイミングをずらしパージを行うので、最もコーキングの発生しやすいメインB系統の残留油を確実にパージすることができる。
【0024】本発明の(3)では、最後に行う気体パージを前に実施する気体パージの圧力よりも高圧で、かつ時間を短くし、最後に残っている油を瞬時に押し出すようにし、又(4)の発明では、最後のパージもそれぞれ3系統において時間をずらすように実施してパージによるガスタービンの出力変動がないように残留する油を3系統同時ではなく連続的に滑らかに流出するようにする。
【0025】又(5)の発明では、パイロット系統ではコーキングが比較的起りにくいので、気体パージの圧力を低くして気体の使用量を少くすることができる。又、(6)の発明では、水を使用することなく、気体のみでパージを実施するので、水の供給設備がない場合でも容易に気体のみでパージを効果的に実施できる。更に(7)の発明においては、気体は空気を使用するので、高価な他のガスを使用しなくても良く、又、ガスの回収等の必要もなく、空気設備のみでパージが容易に実施できる。
【0026】本発明の(8)では、水パージが燃料切換えが終了しても水パージが引き続き実施されるので油が残留し高温にさらされることがなくなる。又、水パージが燃料切換えにも継続しているので、残留する油が少くなり、油が押し出されて負荷が突変することがなくなる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明のガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法を実施する装置の系統図であり、本実施の第1〜第5形態を実施するための系統図である。図において、基本的な系統は図11に示す従来の系統と同じ構成であるが、本発明の特徴部分は符号1乃至5,10で示す部分にあり、その他の構成は図11のものと同じである。これらの特徴部分について以下に詳しく説明する。
【0028】図1において、1は水タンクであり、2,3は配管で、4,5は制御弁である。水タンク1からの配管2は制御弁4を介してメインA系統21の各配管(20本)に接続されている。制御弁4はそれぞれの20本の配管に設けられている。配管2の接続点は分配器23で分岐した後の油が分配される各20本の配管21にそれぞれ接続されている。又、配管3も同様に制御弁5を介してメインB系統22のヘッダ24で分岐した各配管にそれぞれ接続されている。
【0029】制御弁4,5は各20本の配管にそれぞれ設けられ、後述するように所定の圧力となるように開度を調節でき、かつ所定の時間に開閉して水タンク1からの水を各配管に供給するものであり、その開閉、圧力設定は制御装置10により制御される。
【0030】デュアル方式の油燃料ノズルは、図1にも示すようにパイロット系統20、メインA系統21、メインB系統22の3系統で構成されており、図11でも説明したようにノズルの構造の違い、配置により、メインA系統21では、20個の燃焼器の取付位置が上下でかなりの差、例えば4mの差があり、これらの燃料ノズルに油燃料を均等に分配するように分配器23が設けられ、又、メインB系統22においてもヘッダ24を介して燃料油が供給される構成となっており、水タンク1からの水はこれら分配器23、ヘッダ24で分配された各20本の配管にそれぞれ流入するようにしている。又、その構造、系統の違いにより、油の残留で起るコーキングは、メインB系統、メインA系統、パイロット系統の順でコーキングが起き易い。
【0031】図2は本発明の第1形態に係るガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法のパージのタイミング図であり、図1に示す系統において実施されるものである。図示のようにパージ時にはガスタービンの出力変動を抑えるためにメインA、メインB、パイロット系統でそれぞれ別々にパージがなされ、パージの方法も出力変動を少くするためにそれぞれタイミングをずらして実施し、まず低圧のパージを、次に高圧のパージを実施するようにしている。
【0032】図2において、まず、コーキングが一番起りやすいメインB系統において、燃料切換終了時点から5秒後(t0 =5秒)に水パージW(B)を行う。水パージW(B)は図1に示す制御弁5を所定の開度にして開放して行うが、その流量は6t/時として時間はt1 =60秒とする。その後t2 =5秒後に、メインA系統において低圧空気で空気パージLP(A)を行う。空気パージLP(A)は圧力が車室内圧力+0.7bar の低圧で時間はt3 =112秒とする。
【0033】次に、t4 =5秒後に、今度はメインB系統で低圧空気での空気パージLP(B)を行う。空気パージLP(B)の時間は、t5 =90秒、圧力は車室内圧力+0.7bar とする。次に、t6 =5秒後にパイロット系統において低圧空気による空気パージLP(P)を行う。この空気パージLP(P)の時間は、t7 =315秒、圧力は車室内圧力+0.3bar とする。パイロット系統ではコーキングが比較的起りにくいので0.3bar としている。このパイロット系統の空気パージLP(P)が終了すると、最後にt8 =5秒後にメインA、メインB、パイロットの各3系統同時に高圧空気で空気パージHP(A)、HP(B)、HP(P)を行う。この時の時間はt9 =30秒とし、圧力は車室内圧力+1.3barとしている。
【0034】上記のように各系統において、残留する油を短時間で一度にパージせずに、空気パージは前段の低圧空気によるパージ、後段に高圧空気によるパージに分けてパージを行い、又、各系統において同時にパージすると多量の油燃料が排出され、これが短時間に燃焼してガスタービンの出力変動を起すので、互に各系統でタイミングをずらしてパージするようにしている。又、メインB系統ではコーキングが一番起きやすいので、まず最初に水パージW(B)を行い、次に空気パージ、最後に高圧の空気パージを行うようにしている。
【0035】又、パージ圧力の設定はパージ空気の供給圧と車室内圧力との差が一定となるように制御する必要があり、上記のように車室内圧力をベースとして、低圧では+0.7bar 、高圧では+1.3bar となるように設定する。又、パージは弁の作動時間が約0.5秒であるので、例えばメインA系統での空気パージLP(A)では、弁作動時間t2 ,t4 を考慮し、t2 +t3 +t4 が実際の開放時間であり、実際の空気の流出する開放時間はt3 となるものである。
【0036】上記の実施の第1形態によれば、メインA、メインB、パイロットの各系統でそれぞれ別々にタイミングをずらせてパージを行うようにし、メインA系統では低圧の空気パージLP(A)、その次に高圧の空気パージHP(A)を、メインB系統ではまず水パージW(B)を、次に低圧の空気パージLP(B)を、最後に高圧の空気パージHP(B)を行い、又パイロット系統では低圧の空気パージLP(P)を、次に高圧の高空パージHP(P)を行う。しかも最後の空気パージHP(A)、HP(B)、HP(P)は高圧で同時に、しかも短時間で行い、残留しているすべての油を排出するようにしている。このようなパージ方法により、燃料を油からガスに切替えても、油ノズル系統には残留する油がほとんどなくなり、コーキングを起してノズルが閉塞することがなくなり、又パージもそのタイミングを考慮しているのでガスタービンの出力変動も起すことがない。なお、この同時に行う空気パージHP(A)、HP(B)、HP(P)はかならずしも同時でなくても良く、互に時間がずれても良いものである。
【0037】図3は本発明の実施の第2形態に係るガスタービン燃焼器の油ノズルエアパージのタイミング図であり、水を使用しないで空気パージのみ行う例である。図において、まず、コーキングが最も発生しやすいメインB系統において、燃料切替後t0 =5秒後に低圧の空気パージLP(B')をt11=120秒、圧力を車室内圧力+0.7bar で行う。次にt12=5秒後にメインA系統において低圧の空気パージLP(A')をt13=60秒、圧力を同様に+0.7bar として行い、その後t14=5秒後にパイロット系統において低圧空気パージLP(P)をt15=315秒、圧力を+0.3bar で行い、最後にt16=5秒後に高圧の空気パージHP(A)、HP(B)、HP(P)を同時にt17=30秒、圧力を+1.3barで行う。
【0038】上記の実施の第2形態においては、図2に示す実施の第1形態の水パージW(B)をなくし、メインB系統においては、空気パージLP(B')のみとし、その代り、時間をt11=120秒程度に長くして実施している。この実施の第2形態においては、水の設備がない時には、特に有力な方法であり、又、水を使用しないので経済的な方法であり、実施の第1形態と同様な効果が得られるものである。
【0039】図4は本発明の実施の第3形態に係るガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法のタイミング図である。図において、本実施の第3形態では、図2に示す実施の第1形態の系統において、メインA系統にも水パージW(A)を加えたものであり、その他は図2と同じタイミングである。本実施の第3形態では、メインA系統でも水パージを行うことができるので何らかの原因でA系統にコーキングが発生しやすいような場合には有効な方法であり、もちろん、実施の第1形態と同じ効果を奏するものである。
【0040】図5は本発明の実施の第4形態に係るガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法のタイミング図である。図において、Tは燃料切換え時間であり、この間に燃料が油からガスに切変わるが、まずパイロット系統が油からガスに切変わり、続いてメイン系統が油からガスに切換わる。メインA,B系統では、燃料切換え時間Tの前に油燃料中に水噴射W/Iがなされ、切換え直前に水噴射を止め、続いてパイロット系統、メインA,B系統の順で燃料が切換わる。
【0041】燃料が切換わった後、メインA,B系統において、水パージWを最初に行い、続いてメインA,B系統、パイロット系統を同時に低圧空気での空気パージLP1 を行い、続いて高圧空気による高圧パージHP、更に、引続いて低圧空気による低圧パージLP2 比較的長時間行う。この場合の空気パージの時間は図示のように、LP2 >LP1 >HPのようにパージするのが好ましい。
【0042】このような実施の第4形態においても、実施の第3形態と同様にコーキングを防止する効果を有するが、油が切れて水パージWが始まるまでのΔtのわずかな時間残留した油が、短時間ではあるが、高温にさらされることになる。このようなパージの回数が重なると、コーキングの発生の恐れもあり、更に確実にコーキングを防止するためには次の図6に示す実施の第5形態の方法がある。
【0043】図6は本発明の実施の第5形態に係るガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法のタイミング図である。図において、燃料切換え時間Tに油燃料が切れ、ガスに切換わるが、切換え前に油燃料に水パージWPを行い、油燃料に水を混入させ、切換えの進行と共に、油燃料の流量を徐々に減少させ、切換え終了時には油ノズル内には水のみが流れる状態とし、切換え終了時から引続き所定時間水パージWPを継続する。水パージWPが断となった後は、例えば、5秒後に低圧の空気パージLP3 を所定時間、引続いて更に低圧の空気パージLP4 を所定時間行う。空気パージLP3 は図5に示す空気パージLP,HPに代わるパージであり、上記の水パージを延長して行うので、高圧のHPパージは不要としている。
【0044】上記の実施の第5形態においては、水パージWPが燃料切換えが終了しても水パージが引続き実施されるので油が残留し高温にさらされることがなくなる。又、水パージWPが燃料切換え時にも継続しているので、残留する油が少なくなり、油が押し出されて負荷が突変することもなくなる。
【0045】なお、上記の実施の第4、第5形態においては、メインA,B系統のみの水パージW,WP,空気パージLP1 ,LP2 ,LP3 ,LP4 HPを行う例で説明したが、パイロット系統においても同様の空気パージを行なっても良く、又、パイロット系統は図2にも示す空気パージを行うようにしても良いことはもちろんである。
【0046】上記に説明の実施の第1〜第5形態においては、空気パージ、水パージのタイミングの制御はすでに制御装置10により行なわれる。図1に示すように制御装置10では燃料切替信号S及び車室内圧力Pが入力され、これら両信号により、メインA系統に接続する水系統の制御弁4及び空気系統の制御弁25A、メインB系統に接続する水系統の制御弁5及び空気系統の制御弁28、パイロット系統の空気系の制御弁26をそれぞれ制御する。
【0047】制御装置10には、予め図2〜図6に示す各タイミングでの各弁の開閉順序が記憶されており、燃料切替信号Sでスタートし、車室内圧力Pの信号からそれに加圧すべき圧力を算出して、その圧力となるように制御弁の開度を制御すると共に、設定されているタイミングに基づいて各制御弁を開閉する。
【0048】なお、上記に説明した実施の第1〜第5形態においては空気パージの例で説明したが、空気の代りにN2 ガスや燃料ガスを使用しても同様の効果が得られるものである。又、これら空気、N2 ガス、燃料ガスの温度は100℃以下のものを使用する。残留油は温度が150℃〜160℃位ではコーキングを起すのでコーキングを起さない、150℃〜160℃以下の空気又はガスを使用するのが好ましい。
【0049】
【発明の効果】本発明のガスタービン燃焼器の油ノズルパージ方法は、(1)油とガス燃料を切換えて使用でき、かつ燃料供給系統がメインA、メインB、パイロットの3系統を有するガスタービン燃焼器の油ノズルにおいて、燃料を油からガスに切替えた直後に、前記メインA、メインB、パイロットの各系統に時分割で水又は気体を所定時間通し、最後に気体を所定時間同時に通して各系統に残留する油をパージすることを基本的な方法としている。このような方法により、3系統をそれぞれ別々に、かつタイミングをずらせてパージを行うので、短時間に多量の残留油が燃焼器に押し出されることがなく、そのためにガスタービンの出力変動を起すことがない。又、最終に再び気体で同時に3系統をパージするので、残留油を完全に押し出すことができる。
【0050】本発明の(2)では、コーキングが最も起りやすいメインB系統を最初に水でパージする。次に気体でメインA系統、再びメインB系統、次にパイロット系統と時分割でタイミングをずらしパージを行うので、最もコーキングの発生しやすいメインB系統の残留油を確実にパージすることができる。
【0051】本発明の(3)では、最後に行う気体パージを前に実施する気体パージの圧力よりも高圧で、かつ時間を短くし、最後に残っている油を瞬時に押し出すようにし、又(4)の発明では、最後のパージもそれぞれ3系統において時間をずらすように実施してパージによるガスタービンの出力変動がないように残留する油を3系統同時ではなく連続的に滑らかに流出するようにする。
【0052】又(5)の発明では、パイロット系統ではコーキングが比較的起りにくいので、気体パージの圧力を低くして気体の使用量を少くすることができる。又、(6)の発明では、水を使用することなく、気体のみでパージを実施するので、水の供給設備がない場合でも容易に気体のみでパージを効果的に実施できる。更に(7)の発明においては、気体は空気を使用するので、高価な他のガスを使用しなくても良く、又、ガスの回収等の必要もなく、空気設備のみでパージが容易に実施できる。
【0053】本発明の(8)では、油とガス燃料を切換えて使用でき、かつ燃料供給系統がメインA、メインB、パイロットの3系統を有するガスタービン燃焼器の油ノズルにおいて、水パージが前記メインA、B両系統において同時に、かつ燃料が油からガスに切換える前から燃料油に混入され燃料切換え後も引き続き所定時間実施され、その後時分割で気体パージを行うことを特徴としている。このような構成により、水パージが燃料切換えが終了しても水パージが引続き実施されるので油が残留し高温にさらされることがなくなる。又、水パージが燃料切換え時にも継続しているので、残留する油が少なくなり、油が押し出されて負荷が突変することがなくなる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成11年11月4日(1999.11.4)
【代理人】 【識別番号】100069246
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 新 (外1名)
【公開番号】 特開2001−59427(P2001−59427A)
【公開日】 平成13年3月6日(2001.3.6)
【出願番号】 特願平11−313656