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【発明の名称】 吸気の冷却量制御装置
【発明者】 【氏名】橋口 功

【氏名】佐藤 光雄

【氏名】関矢 英士

【氏名】宇佐美 乏行

【氏名】柳谷 力也

【要約】 【課題】ガスタービン装置の空気圧縮機に吸入する吸気を冷却する熱交換器において、凝縮水の生成を抑制して熱交換器の冷却効率を向上させ、ガスタービン装置の総合効率を高める。

【解決手段】ガスタービン装置に熱交換器の冷却量を抑制する冷却量抑制手段30が設けられる。冷却量抑制手段30は水冷式の熱交換器2における吸気出口近傍の温度を検出する吸気温度検出部31と、吸気入口近傍の吸気湿度を検出する吸気湿度検出部32と、吸気湿度検出値からその吸気の露点温度を演算する演算部33と、吸気温度が露点温度より低くなったときにポンプ18の回転速度を減少させる制御部34とを備えている。冷却水は氷蓄熱槽16と、氷蓄熱槽16の冷却水を冷却して氷を生成する冷凍機17を備えた冷却水供給部8により供給される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱交換器2で冷却された吸気7を空気圧縮機3で圧縮し、その圧縮空気を燃焼装置4で加熱し、得られた高温高圧ガスをガスタービン5に導入するようにしたガスタービン装置1における吸気の冷却量制御装置であって、熱交換器2で吸気7中に存在する水分が露点以下に冷却されて凝縮することを抑制する冷却量抑制手段30、40、50が設けられることを特徴とする吸気の冷却量制御装置。
【請求項2】 熱交換器2が水冷式とされ、その熱交換器2に冷却水を供給する冷却水供給部8が設けられ、該冷却水供給部8は氷蓄熱槽16と、氷蓄熱槽16の冷却水を冷却する冷凍機17と、氷蓄熱槽16と熱交換器2間に冷却水を循環させるポンプ18を備えている請求項1に記載の吸気の冷却量制御装置。
【請求項3】 冷却量抑制手段30が、熱交換器2の吸気出口近傍の温度を検出する吸気温度検出部31と、熱交換器2の吸気入口近傍の湿度を検出する吸気湿度検出部32と、その湿度検出値から吸気の露点温度を演算する演算部33と、吸気出口近傍の温度が演算された露点温度値より低下しないように熱交換器2の冷却量を制御する制御部34を備えている請求項1または請求項2に記載の吸気の冷却量制御装置。
【請求項4】 冷却量抑制手段40が、熱交換器2における単位時間あたりの凝縮水の生成量を検出する凝縮水生成量検出部41と、その検出値が予め設定された値を越えないように熱交換器2の冷却量を制御する制御部42を備えている請求項1または請求項2に記載の吸気の冷却量制御装置。
【請求項5】 凝縮水生成量検出部41が、凝縮水を貯溜する計測用タンク43と、計測用タンク43内の液面を検出する液面検出部44と、計測用タンク43内の凝縮水を所定時間ごとに排出する凝縮水排出部45を有する請求項4に記載の吸気の冷却量制御装置。
【請求項6】 冷却量抑制手段50が熱交換器2の冷却水配管24に沿って配置した複数の凝縮水温度検出部51と、それらの温度検出値を比較して熱交換器2の吸気出口近傍で温度検出値が不連続に変わるように熱交換器2の冷却量を制御する制御部52を備えている請求項1または請求項2に記載の吸気の冷却量制御装置。
【請求項7】 凝縮水温度検出部51は、冷却水配管24の下側に接近して設けた凝縮水収集部53と、凝縮水収集部53に配置した温度センサー54を有する請求項6に記載の吸気の冷却量制御装置。
【請求項8】 制御部34、42、52がサンプリング制御を行うようになされた請求項3〜請求項7のいずれかに記載の吸気の冷却量制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱交換器で冷却された吸気を空気圧縮機で圧縮し、その圧縮空気を燃焼装置で加熱し、得られた高温高圧ガスをガスタービンに導入するようにしたガスタービン装置における吸気の冷却量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン装置は発電機を連結して発電するガスタービン発電装置や、さらにその高温排ガスを蒸気発生装置に供給して、発生した蒸気を冷暖房設備やその他の蒸気使用設備に供給するコジェネレーションシステム等に広く利用されている。このようなガスタービン装置は外部空気を吸入し、それを圧縮する空気圧縮器と、その圧縮空気に燃料を吸い込んで燃焼させる燃焼装置と、燃焼装置からの高温高圧ガスで駆動されるガスタービンを備えており、通常空気圧縮機とガスタービンは共通の軸で直結される。
【0003】空気圧縮器に吸入される外部からの吸気温度はガスタービン装置の出力に大きな影響を及ぼす。すなわち夏期の昼間などにおいて吸気温度が上昇すると吸気密度はそれに応じて低下し、単位時間あたりに空気圧縮器で圧縮される吸気量が低下する。そのためガスタービンへの吸気量も減少してその出力が低下する。そこでこのような出力低下の問題を解決するために、従来から空気圧縮機へ吸入される吸気を予め熱交換器で冷却する方法が採用されている。熱交換器で冷却された吸気はその密度が大きくなるので、ガスタービン装置の出力はそれに応じて上昇し、例えば吸気温度を15%程度下げるとガスタービン装置の出力はおよそ10%ほど上昇する。
【0004】図6は吸気冷却方式を採用した従来のガスタービン装置のプロセスフロー図である。ガスタービン装置1は水冷式の熱交換器2、空気圧縮機3、燃焼装置4およびガスタービン5を備え、ガスタービン5に発電機6が連結される。外部から吸入される吸気7は、熱交換器2で冷却水供給部8との間を循環する冷却水と熱交換して冷却された後、配管9を経て空気圧縮機3に導入される。空気圧縮機3からの圧縮空気は配管10により燃焼装置4に導入される。燃焼装置4では燃料タンク11、配管12、ポンプ13等からなる燃料供給部より供給される燃料を圧縮空気中で燃焼することにより高温高圧ガスを生成する。高温高圧ガスは配管14からガスタービン5に導入され、そこで膨張する際のエネルギーによりガスタービン5が駆動される。通常、ガスタービン5の出力の6割程度が電力として得られ、4割程度が主に空気圧縮機3の駆動エネルギーとして消費される。なおガスタービン5から排出される高温の排気は配管15から図示しない蒸気発生装置等に供給される。
【0005】一方、冷却水供給部8は氷蓄熱槽16と、氷蓄熱槽16の冷却水を冷却する冷凍機17と、氷蓄熱槽16と熱交換器2間に冷却水を循環させるポンプ18を備えている。夜間は外気温度が低下するので熱交換器2での吸気冷却を必要としないことが多い。そこで夜間に深夜電力などを利用して冷凍機17を運転し氷蓄熱槽16に氷を蓄積しておき、昼間など外気温度が上昇するときに氷の融解潜熱を利用して熱交換器2に低温の冷却水を供給する。なお19,20は水配管、21はブライン配管、22はブラインポンプ、23は冷却水の流量調整弁、24は冷却水配管、25はそのまわりに氷が生成するブライン配管である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】外部大気から吸入される吸気中には、かなりの水分が水蒸気として含まれており、特に夏期にはその含有量が多くなる。このような吸気中の水分は熱交換器2で露点以下に冷却されると凝縮し、その際多量の凝縮潜熱を吸気からうばうが温度は低下しないので、結果として熱交換器2の冷却効率が低下する。一般に熱交換器2は常時一定の冷却能力で運転されるので、夏期など湿度の高い期間は凝縮水も多くなって吸気温度が下がらず、冷熱消費の割に期待する出力上昇が得られないという問題がある。そこで本発明はこのような問題を解決することを課題とし、そのための吸気の冷却量制御装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する請求項1に記載の発明は、熱交換器で冷却された吸気を空気圧縮機で圧縮し、その圧縮空気を燃焼装置で加熱し、得られた高温高圧ガスをガスタービンに導入するようにしたガスタービン装置における吸気の冷却量制御装置である。そして、熱交換器で吸気中に存在する水分が露点以下に冷却されて凝縮することを抑制する冷却量抑制手段が設けられることを特徴とするものである。このように熱交換器における吸気中の水分凝縮を抑制する冷却量抑制手段を設けることにより、その冷却効率の低下を有効に回避することができ、それによってガスタービン装置の総合効率を向上させることができる。
【0008】また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の吸気の冷却量制御装置の好ましい実施の形態であって、熱交換器が水冷式とされ、熱交換器に冷却水を供給する冷却水供給部が設けられ、該冷却水供給部は氷蓄熱槽と、氷蓄熱槽の冷却水を冷却する冷凍機と、氷蓄熱槽と熱交換器間に冷却水を循環させるポンプを備えていることを特徴とするものである。このような冷却水供給部を設けることにより請求項1の発明の効果に加え、夜間の安価な電力を有効に利用して効率的に吸気の冷却を行うことができる。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の吸気の冷却量制御装置の好ましい実施の形態であって、冷却量抑制手段が、熱交換器の吸気出口近傍の温度を検出する吸気温度検出部と、熱交換器の吸気入口近傍の湿度を検出する吸気湿度検出部と、湿度検出値から吸気の露点温度を演算する演算部と、熱交換器の吸気出口近傍の温度が演算された露点温度値より低下しないように熱交換器の冷却量を制御する制御部を備えていることを特徴とするものである。冷却量抑制手段をこのように構成すると、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加え、簡単な構成要素で迅速且つ確実に熱交換器における凝縮水の発生を抑制することができる。
【0010】次に請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の吸気の冷却量制御装置の別の好ましい実施の形態であって、冷却量抑制手段が、熱交換器における単位時間あたりの凝縮水の生成量を検出する凝縮水生成量検出部と、その検出値が予め設定された値を越えないように熱交換器の冷却量を制御する制御部を備えていることを特徴とするものである。冷却量抑制手段をこのように構成すると、請求項1または請求項2のいずれかに記載の発明の効果に加え、簡単な構成要素でより確実に熱交換器における凝縮水の発生を抑制することができる。また請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の吸気の冷却量制御装置のより好ましい実施の形態であって、凝縮水生成量検出部が、凝縮水を貯溜する計測用タンクと、計測用タンク内の液面を検出する液面検出部と、計測用タンク内の凝縮水を所定時間ごとに排出する凝縮水排出部を有することを特徴とするものである。凝縮水生成量検出部をこのように構成すると、請求項4に記載の発明の効果に加え、本装置をより簡便且つ安価に構成することができる。
【0011】請求項6に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の吸気の冷却量制御装置の別の好ましい実施の形態であって、冷却量抑制手段が、熱交換器の冷却水配管に沿って配置した複数の温度検出部と、それらの温度検出値を比較し熱交換器の吸気出口近傍の温度検出値が不連続に変わるように熱交換器の冷却量を制御する制御部を備えていることを特徴とするものである。冷却量抑制手段をこのように構成すると、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加え、より確実に且つ精密に凝縮水の発生を抑制することができる。また請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の吸気の冷却量制御装置のより好ましい実施の形態であって、凝縮水温度検出部は、冷却水配管の下側に接近して設けた凝縮水収集部と、凝縮水収集部に配置した温度センサーを有することを特徴とするものである。凝縮水温度検出部をこのように構成すると、請求項6に記載の発明の効果に加え、凝縮水の温度を応答性が速く高い精度で且つ効率的に検出することができる。
【0012】さらに請求項8に記載の発明は、請求項3〜請求項7のいずれかに記載の吸気の冷却量制御装置の好ましい実施の形態であって、制御部がサンプリング制御(離散制御)を行うようになされていることを特徴とするものである。一般に温度や湿度の変化は短時間には大きく変動しないので、制御部をこのように構成すると請求項3〜請求項7のいずれかに記載の吸気の冷却量制御装置の効果に加え、制御系に時間遅れが多い場合でも良好な制御性を確保することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明の冷却量制御装置の1例を説明するプロセスフロー図であり、図6と同じ部分には同一符号が付されている。図1には吸気7中に存在する水分が露点以下に冷却され凝縮することを抑制する冷却量抑制手段30が設けられる。この冷却量抑制手段30は、水冷式の熱交換器2の吸気出口近傍に設けられた吸気温度検出部31、吸気入口近傍に設けられた吸気湿度検出部32、吸気湿度検出部32の湿度検出値により吸気の露点温度を演算する演算部33、および吸気温度検出部31の温度検出値が演算部33で演算された露点温度値より低下しないように熱交換器2の冷却量を制御するための、例えばマイクロコンピュータ装置等からなる制御部34を備えている。なお吸気温度検出部31としては、熱電対式や抵抗式等の温度センサーを使用することができ、吸気湿度検出部32としては、静電容量式等の湿度センサーを使用することができる。制御部34は差動型の増幅器等からなる比較部35と、比較部35の出力信号に応じて駆動信号を出力する出力制御部36により構成される。なお制御部34に演算部33の機能を持たせることもできる。
【0014】次に図1に示す装置、特にその冷却量抑制手段30の作用を説明すると、吸気温度検出部31による吸気温度の検出値と演算部33による吸気の露点温度値が比較部35で比較され、例えば吸気温度がその露点温度より低下したときには、出力制御部36はポンプ18を駆動する誘導電動機の回転数を減少させる制御信号を出力し、熱交換器2に移送される冷却水の流量を減少させ、それによって熱交換器2における冷却量が抑制されて吸気温度は上昇する。次にその状態から逆に吸気温度が露点温度より高くなるように変化したときには、出力制御部36はポンプ18の回転数を増加させる制御信号を出力し、熱交換器2に移送(循環)する冷却水の流量を増加させ、それによって熱交換器2における冷却量が増加し、吸気温度は再び下降する。このようにして熱交換器2の吸気出口近傍、すなわち最も温度低下を起こす部分の吸気温度が露点以下にならないように冷却量が抑制制御される。上記の温度や湿度は比較的緩やかに変化するので、制御部34の制御感度は比較的低く設定することが好ましい。冷却水供給部8は図6と同様であるのでその作用説明は省略する。なおポンプ18は例えばサイリスタ回路で構成されるインバータにより回転数を制御される誘導電動機で駆動され、出力制御部36または誘導電動機にそのインバータが設けられる。
【0015】冷却水の流量を調整するには、このようにポンプ18の回転数を変化させる代わりに制御弁を設けてそれを制御してもよい。その場合には図1の一点鎖線で示すように氷蓄熱槽16から熱交換器2への冷却水供給用の水配管19のポンプの吸い込み側と熱交換器2から氷蓄熱槽16への冷却水戻り用の水配管20をバイパス配管27で連結し、そのバイパス配管27に設けた制御弁37を前記出力制御部36で制御する。その際、ポンプ18の回転数は一定とし、流量調整弁23を適当な開度にしておく。そして吸気温度の検出値が露点温度値より低下したときは、出力制御部36は制御弁37の開度を大きくして熱交換器2を通って暖かくなったバイパス流量を増加し、氷蓄熱槽16からの流量を減少させることによって熱交換器2に移送する冷却水の温度を上昇させる。また逆に吸気の温度検出値が露点温度値より上昇したときは、出力制御部36は制御弁37の開度を小さくして暖かくなったバイパス流量を減少し、氷蓄熱槽16からの流量を増やして熱交換器2に移送する冷却水の温度を降下させる。
【0016】図2は本発明の冷却量制御装置の他の例を説明するプロセスフロー図であり、図1と同じ部分には同一符号が付されている。この例では吸気7中に存在する水分が露点以下に冷却されて凝縮することを抑制する別の形式の冷却量抑制手段40が設けられる。この冷却量抑制手段40は、水冷式の熱交換器2における単位時間あたりの凝縮水の生成量を検出する凝縮水生成量検出部41と、その検出値が予め設定された値を越えないように熱交換器2の冷却量を制御するための、例えば増幅器とマイクロコンピュータを組み合わせた装置等からなる制御部42を備えている。凝縮水生成量検出部41は、熱交換器2内に生成する凝縮水を貯溜する計測用タンク43と、計測用タンク43内の凝縮水の液面を検出する作動トランス型の液面検出部44と、計測用タンク43内の凝縮水を所定時間ごとに排出する凝縮水排出部45を有する。
【0017】計測用タンク43の上部に熱交換器2の底部と連通する排水用の配管46が接続され、計測用タンク43の底部に凝縮水排出部45が接続され、凝縮水排出部45は配管47および制御弁48により構成される。作動トランス型の液面検出部44はこの分野で慣用されており、計測用タンク43内に配置されたフロート44a、そのフロート44aの連結棒の先端に取り付けられた棒状の鉄などの透磁率μの大きな高透磁性体、およびその棒状透磁性体44bが挿通するリング状の一次及び二次コイル44cを有する(なお一次コイルは図面には省略されている)。そして二次コイル44c内への棒状透磁性体44bの挿入位置に応じた信号が液面検出部44から制御部42に出力される。
【0018】制御部42は微分器及びそのホールド装置42dと差信号増幅器等の比較部42a、液面設定部42bおよび出力制御部42cを有し、さらに予め設定された時間間隔ごとに制御弁48に開駆動信号を出力する。制御弁48の開駆動信号の少し前から開駆動信号後微分器に+信号が現れまで、微分器の信号はホールド装置によってホールドされ、出力制御部42cによる制御弁48の制御動作が行われないようになっている。なおこの例では計測用タンク43の液面をフロート式で検出しているが、それに代えて計測用タンク43の底部に水圧計を設け、その水圧計の出力信号によって液面を検出することもできる。また計測用タンク43内に例えば2本の電気抵抗検出用ロッドを直立配置し、それらの端子間の電気抵抗から液面を検出することもできる。さらには上記のような計測用タンク43を設ける代わりに、例えばロードセル等の重量検出部で支持された計量タンクを用いる重量検出方式を採用することもできる。その場合は計量タンクの底部には可撓性の配管47および制御弁48からなる凝縮水排出部45が接続され、配管46から流入する凝縮水の重量を計測時間ごとに重量検出部で検出する。
【0019】次に図2における冷却量抑制手段40の作用を説明する。プログラムされた計測開始信号により制御部42から制御弁48を閉じる信号が出力される。すると熱交換器2で生成する凝縮水が配管46より計測用タンク43内に流れ込み、その液面を徐々に上昇させる。制御部42は所定時間間隔ごとに制御弁48を一定時間(すなわち計測用タンク43内の凝縮水を十分排出することができる時間)開ける信号を出力するので、制御部42が閉じている間(計測期間)に上昇する液面の上昇速度を液面検出部44の微分器により検出することによって、熱交換器2における単位時間あたりの凝縮水の生成量を検出することができる。
【0020】例えば吸気の湿度が上昇して熱交換器2における単位時間あたりの凝縮水の生成量が増加し、計測期間中の液面検出部44の微分検出値が液面設定部42bで予め設定された値を越えると、比較部42aからの信号により出力制御部42cはポンプ18の回転数を減少する制御信号を出力する。ポンプ18は図1の例と同様にサイリスタ回路で構成されるインバータ等により回転数を制御する誘導電動機により駆動される。なおポンプ18を制御する代わりに図1の例と同様な制御弁37を設けてそれを制御することもできる。逆に吸気の湿度が低下して熱交換器2における単位時間あたりの凝縮水の生成量が減少し、計測期間中の液面検出部44の上昇速度が予め設定された値より低下すると、出力制御部42cはポンプ18の回転数を増加するように制御信号を出力する。計測タンクから水を排出する時には、微分信号はその前の値にホールドされており制御動作は行われない。
【0021】図3は本発明の冷却量制御装置のさらに他の例を説明するプロセスフロー図であり、図1と同じ部分には同一符号が付されている。この例における冷却量抑制手段50は、水冷式の熱交換器2の冷却水配管24に沿った温度分布を検出し、それが不連続に大きく変化する位置(温度の最急勾配位置)、すなわち凝縮量の生成量が開始もしくは増加する部分が吸気出口近傍に位置するように冷却量を制御するものである。この冷却量抑制手段50は、冷却水配管24に略接するようにして吸気入口側から出口側に沿って所定間隔で配置した複数の凝縮水温度検出部51と、それら隣接配置された温度検出値を順次比較し、熱交換器2の吸気出口近傍における2つの温度検出値が不連続に変わるように熱交換器の冷却量を制御するためのマイクロコンピュータ等の制御部52を備えている。なお凝縮水温度検出部51は図1の例における吸気温度検出部31と同様なものを使用できる。
【0022】制御部52は、例えば図1の制御部34と同様な差信号の増幅器等からなる比較部52aと、温度差設定部52bと、比較部52aの出力信号に応じた駆動信号を出力する出力制御部52cを有する。比較部52aには複数の凝縮水温度検出部51の出力を自動的に切り換えるマルチプレクサ等の切換手段52dが接続され、隣接する2つの温度検出部51の差値と,温度差設定部52bで設定された温度差値を次々と比較する。なお、夫々の温度計からの信号から隣り合う信号の差信号を検出して、それ等の内から最大の信号を検出しても良い。
【0023】図4は凝縮水温度検出部51の1例を示す模式的な図である。凝縮水温度検出部51は冷却水配管24の外側に突出するフィン24aの下側にできるだけ接近して設けた凝縮水収集部53と、凝縮水収集部53に配置した温度センサー54を有する。凝縮水収集部53は検出すべき冷却水配管24部分(領域)から落下する凝縮水を収集するための漏斗型の受部53aと、その受部53aの中央底部から下方に延長する小口径の排水路53bを備え、排水路53bの出口側には図示しない排水配管が接続される。そして排水路53b内に前記温度センサー54が配置される。なお温度センサー54は応答性の点から直径の小さいシース型のものが望ましい。凝縮水は冷却水配管24の外周部から落下して受部53aに集められ、排水路53bを通って外部に排出される。そして排水路53bを通過する凝縮水の温度が温度センサー54によって検出される。
【0024】図5は熱交換器2の入口側から出口側に沿って配置された複数(この例では7つ)の温度センサー54により検出された温度検出値の変化例を示す図である。凝縮水が大量に生成している部分の温度検出値は凝縮水温度に近くなり、凝縮水が実質的に零もしくはほとんど生成していない部分の温度検出値は吸気温度に近くなる。そして凝縮水の温度は吸気の温度に比べて低温なので、それら温度検出値から凝縮水の生成位置(領域)を知ることができる。図示の例では入口側から4番目と5番目の温度センサー54の検出値が大きく不連続になっており、熱交換器2の出口側近傍よりかなり上流側で凝縮水の生成が始まっていることを示している。なお横軸の位置変化に対する縦軸の温度変化の割合から温度勾配を知ることもできる。
【0025】次に図3における冷却量抑制手段50の作用を説明する。制御部52は隣接する2つの凝縮水温度検出部51間の温度差値が設定された温度差値より小さくなったときに、それら凝縮水温度検出部51が配置される冷却水配管24部分から下流側に凝縮水が生成もしくは増加していると判断し、それに応じた制御信号を出力する。なお隣接する2点の凝縮水温度検出部51によるそれぞれの温度検出値と、それら凝縮水温度検出部51の間隔(距離)からその間の温度勾配を演算し、その温度勾配値が予め設定された値を越えた部分(領域)で凝縮水が生成もしくは増加していると判断し制御することもできる。その場合には各隣接する凝縮水温度検出部51の間隔を予め制御部52に設けた記憶部に記憶させておき、その記憶値と隣接する2点の凝縮水温度検出部51の温度を演算器に入力してその温度勾配を演算し、比較部52aで予め設定された温度勾配設定値と比較し制御する。
【0026】例えば吸気の湿度が上昇すると、凝縮水の生成もしくは増加位置は熱交換器2の出口側近傍において予め設定された位置より上流側に移動する。すると出力制御部52cはポンプ18の回転数を減少する制御信号を出力し、それによって熱交換器2の冷却量が減少し、熱交換器2の出口側近傍において設定された位置に凝縮水の生成もしくは増加点が復帰する。逆に吸気の湿度が低下すると、凝縮水の生成もしくは増加位置は熱交換器2の出口側近傍において予め設定された位置よりさらに下流側に移動する。そのような状態は熱交換器2の冷却量が過少になっていることを意味する。そこで上記と逆に出力制御部52cはポンプ18の回転数を増加する制御信号を出力し、熱交換器2における設定された出口側近傍に凝縮水の生成もしくは増加位置を復帰させる。
【0027】このようにして常に熱交換器2の出口側近傍において設定された領域に凝縮水の生成もしくは増加位置を保持させることにより、冷却量の過不足をなくし、熱交換器2の凝縮水生成を限りなく抑制または最小限にすることができる。なお図3におけるポンプ18は図1の例と同様に、サイリスタによる回路で構成されるインバータ等により回転数を制御される誘導電動機により駆動される。またポンプ18を制御する代わりに図1の例と同様な制御弁37を設けてそれを制御することもできる。
【0028】これまでに説明した実施形態において、図1の制御部34、図2の制御部42また図3の制御部52は制御系の特性により比例制御、比例積分制御あるいは比例積分微分制御などのいわゆる連続制御方式の中から適した方式を選択することができる。しかし制御系(温度変化や湿度変化)に時間遅れが大きく且つそれが比較的緩やかな熱交換器の制御には、サンプリング制御(離散制御)方式を採用することが好ましい。一般にサンプリング制御は、入力値と設定値との間の制御偏差を一定時間ごとに抽出してホールドし、その制御偏差により制御信号を変化させることを繰り返すもので、ホールド時間を制御系の時間遅れや外乱要素の発生周期等に適合させることにより最適な制御を行うことができる。したがって、制御部34、制御部42また制御部52をサンプリング制御方式とすることにより、最適な制御性を確保することが容易になる。
【0029】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の冷却量制御装置によれば、熱交換器における吸気中の水分凝縮を抑制して冷却効率の低下を有効に回避することができ、それによってガスタービン装置の総合効率を向上させることができる。請求項2に記載の冷却量制御装置によれば、請求項1の発明の効果に加え、安価な深夜電力を有効に利用して効率的に吸気の冷却を行うことができる。請求項3に記載の冷却量制御装置によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加え、簡単な構成要素で迅速且つ確実に熱交換器における凝縮水の発生を抑制することができる。
【0030】請求項4に記載の冷却量制御装置によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加え、簡単な構成要素でより確実に熱交換器における凝縮水の発生を抑制することができる。請求項5に記載の冷却量制御装置によれば、請求項4に記載の発明の効果に加え、本装置をより簡便且つ安価に構成することができる。請求項6に記載の冷却量制御装置によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加え、より確実且つ精密に凝縮水の発生を抑制することができる。請求項7に記載の冷却量制御装置によれば、請求項6に記載の発明の効果に加え、凝縮水の温度を高い精度と応答性で効率的に検出することができる。請求項8に記載の冷却量制御装置によれば、請求項3〜請求項7のいずれかに記載の吸気の冷却量制御装置の効果に加え、制御系に時間遅れが多い場合でも良好な制御性を確保することができる。
【出願人】 【識別番号】390014568
【氏名又は名称】東芝プラント建設株式会社
【出願日】 平成11年8月20日(1999.8.20)
【代理人】 【識別番号】100082843
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 卓美
【公開番号】 特開2001−59426(P2001−59426A)
【公開日】 平成13年3月6日(2001.3.6)
【出願番号】 特願平11−234609