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【発明の名称】 タービン燃焼部用部材
【発明者】 【氏名】松好 弘明

【要約】 【課題】高温腐食劣化、熱劣化などを生じ難いタービンの燃焼部用部材の製造技術において、簡便な手法により部材を低コストで製造することができ、しかも複雑な形状の部材をも製造しうる新たな技術を提供することを主な目的とする。

【解決手段】ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を金属基体上に有する、タービンの燃焼部用部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を金属基体上に有するタービン燃焼部用部材。
【請求項2】ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜中のタングステンの含有率が、5〜61重量%である請求項1に記載のタービン燃焼部用部材。
【請求項3】ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜中のタングステンの含有率が、8〜60重量%である請求項2に記載のタービン燃焼部用部材。
【請求項4】燃焼器、動翼、静翼、シュラウドまたはタービンケーシング用の部材である請求項1〜3のいずれかに記載のタービン燃焼部用部材。
【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の部材を備えたタービン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タービン燃焼部用部材および該部材を備えたタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コージェネレーションなどで用いられているタービンなどにおいては、エネルギー変換効率向上のために、高温での運転および稼働時間の長期化が行われている。この様な過酷な運転条件下では、タービンの燃焼部などの様に、特に高温ガスが流通する部分の金属部材に、主に酸素による高温腐食劣化、熱劣化などが発生して、実用上の大きな問題となっている。
【0003】これら金属部材の高温腐食劣化、熱劣化などを抑制するために、部材の構成材料として、ニッケル系合金などの耐熱性金属を用いることが提案されている。しかしながら、ニッケル系合金には、高価であり、加工性に劣るという欠点がある。
【0004】さらに、金属部材に代えて、セラミックス部材を用いたタービンの開発も進められているが、セラミックス部材には、金属部材に比べて耐熱性に優れているものの、脆いという欠点がある。
【0005】さらにまた、金属材料とセラミック材料のそれぞれの利点を有効に利用すべく、セラミックコーティングした金属部材の使用も試みられている。金属部材にセラミックスをコーティングする方法としては、一般に溶射法が広く採用されている。しかしながら、溶射法は、大がかりな装置を必要とし、しかも複雑な形状の部材には適用できないという制約がある。さらに、溶射によって形成されるセラミックコーティング皮膜と金属部材とは、熱膨張率が大きく異なるために、熱履歴によってセラミックコーティング皮膜の剥離、損傷などが生じ易いという大きな問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は、高温腐食劣化、熱劣化などを生じ難いタービンの燃焼部用部材の製造技術において、簡便な手法により部材を低コストで製造することができ、しかも複雑な形状の部材をも製造しうる新たな技術を提供することを主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定組成の合金メッキ皮膜を金属基体上に形成させる場合には、従来技術の問題点を大幅に軽減あるいは実質的に解消し得ることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、下記のタービンの燃焼部用部材および該部材を備えたタービンを提供するものである。
1.ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を金属基体上に有するタービン燃焼部用部材。
2.ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜中のタングステンの含有率が、5〜61重量%である上記項1に記載のタービン燃焼部用部材。
3.ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜中のタングステンの含有率が、8〜60重量%である上記項2にタービン燃焼部用部材。
4.燃焼器、動翼、静翼、シュラウドまたはタービンケーシング用の部材である上記項1〜3のいずれかに記載のタービン燃焼部用部材。
5.上記項1〜4のいずれかに記載の部材を備えたタービン。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のタービン燃焼部用部材は、金属基体上にニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を形成した構成を有する。
【0010】本発明の部材の基体となる金属の種類としては、通常タービンの燃焼部を形成する金属であれば特に制限されず、例えば、鉄系合金(炭素鋼、特殊鋼、耐熱鋼、ステンレス鋼など)、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金などが挙げられる。
【0011】ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜の厚さは、部材の材質および形状、該部材を使用する環境および条件、合金の組成比などにより異なるが、通常1〜1000μm程度であり、より好ましくは10〜100μm程度である。
【0012】ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜中のタングステン含有率は、通常5〜61重量%程度であり、好ましくは8〜60重量%程度であり、より好ましくは10〜50重量%程度である。タングステン含有率が低すぎる場合には、高温酸化による部材の劣化防止という所期の効果が十分に発揮されない。タングステン含有率の上限である61重量%は、Ni-W合金メッキにおけるタングステンの最大含有率である。これは、Ni2W組成に相当する。
【0013】なお、無電解メッキ法によるニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜の形成に際し、次亜リン酸ナトリウムなどのリン系還元剤を使用する場合には、リンがメッキ皮膜中に取り込まれて、リンを含むニッケル-タングステン合金が形成される。リンの存在は、合金メッキ皮膜の耐食性および耐熱性を向上させるが、リンの含有量が多すぎる場合には、メッキ皮膜が脆くなるので、リンの含有量は、15重量%以下とすることが好ましく、10重量%以下とすることがより好ましい。また、ジメチルアミンボランなどのホウ素系還元剤を使用する場合には、同様にホウ素を含むニッケル-タングステン合金が形成される。ホウ素の場合にも、合金メッキ皮膜の耐食性および耐熱性を向上させるが、ホウ素の含有量が多すぎる場合には、やはりメッキ皮膜が脆くなるので、ホウ素の含有量は、10重量%以下とすることが好ましく、5重量%以下とすることがより好ましい。従って、本発明において、「ニッケル-タングステン系合金」とは、ニッケル-タングステン合金のみならず、この様な還元剤由来のリンあるいはホウ素を併せて含有するニッケル-タングステン合金をも包含する。
【0014】金属基体上にニッケル-タングステン系合金メッキ層を形成する方法は、特に限定されず、常法に従って、金属基体を脱脂、酸洗などの前処理に供した後、ニッケル塩とタングステン塩とを含有する電解メッキ液または無電解メッキ液を用いて、金属基体に対するメッキ処理を行えばよい。電解メッキ液および無電解メッキ液の種類も、特に限定されず、公知の各種組成の電解メッキ液あるいは無電解メッキ液を使用することができる。
【0015】また、金属基体に対するニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜の密着性を向上させるために、必要に応じて、公知の方法により金属基体表面に予めストライクメッキ処理による下地層を形成した後、合金メッキ皮膜を形成しても良い。さらに、金属基体上に通常の電解ニッケルメッキ皮膜あるいは無電解ニッケルメッキ皮膜からなる下地層を形成させた後、合金メッキ皮膜を形成させても良い。また、無電解メッキに対する触媒活性のない金属基体上に直接無電解メッキを行う場合には、常法に従って、触媒を付与した後、無電解メッキを行えばよい。
【0016】この様な電解メッキ法あるいは無電解メッキ法によれば、簡単な方法により低コストで、タービン燃焼部用部材を得ることができる。そして、ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜が形成されたタービン燃焼部用部材は、長期にわたり高度の耐高温腐食劣化性、耐熱劣化性などを発揮する。
【0017】特に、無電解メッキ法により皮膜形成を行う場合には、複雑な形状の部材表面にも、均一な合金メッキ皮膜を容易に形成することができる。
【0018】また、電解メッキ方法による場合にも、適当な補助電極を用いることにより、複雑な形状の部材表面に均一な合金メッキ皮膜を形成することができる。
【0019】電解メッキ法によって部材表面にニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を形成させる方法として、ニッケル塩として硫酸ニッケルを用い、かつタングステン塩としてタングステン酸ナトリウムを用いる場合の浴組成およびメッキ条件の一例を表1に示す。
【0020】
【表1】

【0021】電解メッキ法により合金メッキ皮膜を形成させる場合にも、リンあるいはホウ素を含有するニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を形成させることができる。
【0022】また、無電解メッキ法によってニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を形成する場合には、公知の組成の無電解メッキ液、例えば無電解ニッケル-タングステン-リンメッキ液、無電解ニッケル-タングステン-ホウ素メッキ液などを用いて、通常の無電解メッキ条件と同様にして部材表面にニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を形成すればよい。
【0023】上記のいずれかの方法を用いて、金属基体上にニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を形成することにより、本発明によるタービンの燃焼部材が得られる。
【0024】本発明による部材を適用するタービン燃焼部の構成要素としては、例えば、タービンの燃焼器、動翼、静翼、シュラウド、タービンケーシングなどが例示される。本発明による部材は、これらのタービン燃焼部の構成材料として、優れた効果を発揮する。
【0025】
【発明の効果】本発明によるタービンの燃焼部用部材は、高温腐食劣化、熱劣化などに対して、長期にわたり優れた耐性を発揮する。
【0026】また、本発明によるタービンの燃焼部用部材は、簡便な方法により低コストで製造することができる。
【0027】また、本発明で採用するニッケル-タングステン系合金メッキ法によれば、複雑な形状部分の部材表面にも、簡単にメッキ皮膜を形成することができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0029】実施例1以下の3種の材料を用いて、電解メッキを行った。なお、以下の各実施例においても、同様の材料を使用した。
(a)板材:材質 SUS430、50mm×50mm×0.5mmの正方形板材(b)タービン動翼:材質 Ni耐熱合金MAR-M247(Co10重量%、Cr9重量%、Mo0.8重量%、W10重量%、Al5.5重量%、Ti1.2重量%およびC0.1重量%含有):寸法高さ52mm、幅15mm、奥行き40mm(c) タービン静翼:材質 Co耐熱合金MAR-M509(Ni10重量%、Cr24重量%、W7重量%およびTi0.2重量%含有):寸法高さ25mm、幅15mm、奥行き45mm上記の板材、動翼および静翼(以下これらを一括して「被メッキ体」と総称することがある)をアルカリ脱脂液で脱脂した後、これらそれぞれを負極とし、表2に示すニッケルストライクメッキ液を含むニッケルストライクメッキ槽を用いて、液温25℃、電流密度10A/dm2の条件下で2分間のニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0030】
【表2】

【0031】なお、以下の各実施例においても、被メッキ体の脱脂処理およびストライクメッキ処理は、本実施例と同様にして行った。
【0032】次いで、ストライクメッキ処理を行った被メッキ体に対し、表3に示す組成の電解ニッケル-タングステン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温65℃、pH6.0、電流密度7A/dm2の条件下にスクリュー撹拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで電解メッキ処理を行って、被メッキ体の表面に電解ニッケル-タングステン複合メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、被メッキ体を水洗し、乾燥させた。
【0033】
【表3】

【0034】合金メッキ皮膜を形成した板材を使用して、エネルギー分散型X線分析装置((株)堀場製作所製、“EMAX-5700”)により、合金メッキ皮膜中のタングステン含有率を求めたところ、60重量%であった。
【0035】一方、合金メッキ皮膜を形成した動翼と静翼とを2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気温度1150℃)に設置して、ガスタービンを1000時間運転した。
【0036】1000時間運転後の動翼と静翼とを切断し、その断面を金属顕微鏡で観察したところ、ニッケル-タングステン合金メッキ皮膜により、Ni合金基体およびCo合金基体が保護されているため、酸化スケール層は形成されておらず、基体の酸化劣化は認められなかった。
【0037】実施例2実施例1と同様にして脱脂処理し、ストライクメッキ処理した板材、動翼および静翼に電解ニッケル-タングステン合金メッキ皮膜を形成させた。
【0038】すなわち、表4に示す組成の電解ニッケル-タングステン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温65℃、pH6.0、電流密度7A/dm2の条件下にスクリュー撹拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで電解メッキ処理を行って、被メッキ体表面にニッケル-タングステン合金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、被メッキ体を水洗し、乾燥させた。
【0039】
【表4】

【0040】合金メッキ皮膜を形成した板材について、メッキ皮膜中のタングステン含有率を求めたところ、45重量%であった。
【0041】一方、合金メッキ皮膜を形成した動翼および静翼を2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気温度1150℃)に設置して、ガスタービンを1000時間運転した。
【0042】1000時間運転後の動翼および静翼を切断し、その断面を金属顕微鏡で観察したところ、ニッケル-タングステン合金メッキ皮膜によりそれぞれの合金基体が保護されているため、酸化スケール層は形成されておらず、基体の酸化劣化は認められなかった。
【0043】実施例3実施例1と同様にして脱脂処理し、ストライクメッキ処理した板材、動翼および静翼に電解ニッケル-タングステン合金メッキ皮膜を形成させた。
【0044】すなわち、表5に示す組成の電解ニッケル-タングステン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温65℃、pH6.0、電流密度7A/dm2の条件下にスクリュー撹拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで電解メッキ処理を行って、被メッキ体表面に電解ニッケル-タングステン合金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、被メッキ体を水洗し、乾燥させた。
【0045】
【表5】

【0046】合金メッキ皮膜を形成した板材について、メッキ皮膜中のタングステン含有率を求めたところ、30重量%であった。
【0047】一方、合金メッキ皮膜を形成した動翼および静翼を2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気温度1150℃)に設置して、ガスタービンを1000時間運転した。
【0048】1000時間運転後の動翼および静翼を切断し、それぞれの断面を金属顕微鏡で観察したところ、ニッケル-タングステン合金メッキ皮膜によりNi合金基体およびCo合金基体が保護されているため、酸化スケール層は形成されておらず、基体の酸化劣化は認められなかった。
【0049】実施例4実施例1と同様にして脱脂処理し、ストライクメッキ処理した板材、動翼および静翼の表面に無電解ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を形成させた。
【0050】すなわち、表6に示す組成の無電解ニッケル-タングステン-リン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温90℃、pH9.0の条件下にスクリュー撹拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッキ処理を行って、被メッキ体表面に無電解ニッケル-タングステン-リン合金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、被メッキ体を水洗し、乾燥させた。
【0051】
【表6】

【0052】合金メッキ皮膜を形成した板材について、メッキ皮膜中のタングステンおよびリンの含有率を求めたところ、それぞれ20重量%および7重量%であった。
【0053】一方、合金メッキ皮膜を形成した動翼と静翼を2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気温度1150℃)に設置して、ガスタービンを1000時間運転した。
【0054】1000時間運転後の動翼と静翼を切断し、それぞれの断面を金属顕微鏡で観察したところ、ニッケル-タングステン-リン合金メッキ皮膜によりNi合金基体およびCo合金基体が保護されているため、酸化スケール層は形成されておらず、基体の酸化劣化は認められなかった。
【0055】実施例5実施例1と同様にして脱脂処理し、ストライクメッキ処理した板材、動翼および静翼それぞれの表面に無電解ニッケル-タングステン系合金メッキ皮膜を形成させた。
【0056】すなわち、表7に示す組成の無電解ニッケル-タングステン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温90℃、pH9.0の条件下にスクリュー撹拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッキ処理を行って、被メッキ体表面に無電解ニッケル-タングステン-リン合金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、被メッキ体を水洗し、乾燥させた。
【0057】
【表7】

【0058】合金メッキ皮膜を形成した板材について、メッキ皮膜中のタングステンおよびリンの含有率を求めたところ、それぞれ10重量%および4重量%であった。
【0059】一方、合金メッキ皮膜を形成した動翼および静翼を2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気温度1150℃)に設置して、ガスタービンを1000時間運転した。1000時間運転後の動翼および静翼を切断し、それぞれの断面を金属顕微鏡で観察したところ、ニッケル-タングステン-リン合金メッキ皮膜によりNi合金基体およびCo合金基体が保護されているため、酸化スケール層は形成されておらず、基体の酸化劣化は認められなかった。
実施例6実施例1と同様にして脱脂処理し、ストライクメッキ処理した板材、動翼および静翼それぞれの表面に無電解ニッケル-タングステン系素合金メッキ皮膜を形成させた。
【0060】すなわち、表8に組成を示す無電解ニッケル-タングステン-ホウ素合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温65℃、pH6.5の条件下にスクリュー撹拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッキ処理を行って、被メッキ体の表面に無電解ニッケル-タングステン-ホウ素合金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、被メッキ体を水洗し、乾燥させた。
【0061】
【表8】

【0062】合金メッキ皮膜を形成した板材について、メッキ皮膜中のタングステンおよびホウ素の含有率を求めたところ、それぞれ20重量%および1重量%であった。
【0063】一方、合金メッキ皮膜を形成した動翼および静翼を2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気温度1150℃)に設置して、ガスタービンを1000時間運転した。1000時間運転後の動翼および静翼を切断し、それぞれの断面を金属顕微鏡で観察したところ、ニッケル-タングステン-ホウ素合金メッキ皮膜によりNi合金基体およびCo合金基体が保護されているため、酸化スケール層は形成されておらず、基体の酸化劣化は認められなかった。
【0064】比較例1実施例1と同様の動翼および静翼(ただし、合金メッキ皮膜を形成していない)を2000kWガスタービンのタービン第1段(雰囲気温度1150℃)に設置して、1000時間ガスタービンを運転した。
【0065】1000時間運転後の動翼および静翼を切断して、その断面を金属顕微鏡で観察したところ、約100μmの酸化スケール層が形成されており、Ni合金基体(動翼)およびCo合金基体(静翼)が酸化劣化していた。
【0066】
【出願人】 【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
【出願日】 平成11年8月12日(1999.8.12)
【代理人】 【識別番号】100065215
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二 (外8名)
【公開番号】 特開2001−55927(P2001−55927A)
【公開日】 平成13年2月27日(2001.2.27)
【出願番号】 特願平11−228834