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【発明の名称】 ガスタービンブレードの摩耗検知装置
【発明者】 【氏名】永野 淳

【要約】 【課題】簡易で安価に、且つ確実にタービンブレードの摩耗を検知する。

【解決手段】ガスタービンへ導かれるガス流路内にリード線群10を配設し、該リード線群10の両端に配線16、18を介して電圧を印加し、リード線の摩耗断線による電流変化を検知して、警報を発生する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ガスタービンのブレードの摩耗を検知する装置であって、タービンへ導かれるガス流路中に配設されたリード線と、該リード線に配線を介して接続される電圧印加手段と、前記配線に接続されて流れる電流変化を検知し、警報を発する警報装置と、を備えたことを特徴とするガスタービンブレードの摩耗検知装置。
【請求項2】請求項1において、前記リード線が複数本配設され、そのうちの所定本数以上が所定時間内に断線したことが電流変化により検知された場合に、警報を発するようにされていることを特徴とするガスタービンブレードの摩耗検知装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンブレードの摩耗検知装置に係り、特に、高炉炉頂圧発電等に用いられるガスタービンのタービンブレードの異常摩耗を確実に検知することが可能な、ガスタービンブレードの摩耗検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高炉の炉頂圧発電等に用いられるガスタービンにおいては、燃料ガスがタービンブレードの浸食摩耗を生じることがある。
【0003】従って、タービンブレードの異常摩耗を防止するため、ガス中のダスト濃度を測定している。このダスト濃度測定装置としては、例えば、光の透過度や散乱度を監視するダストモニタが一般的である。
【0004】又、タービンブレードの定量的な摩耗検知装置は、例えば特開昭51−19223や特開平4−37033に開示されている。いずれも、ガス流路内に基準体を取付け、この基準体の摩耗を検知するものである。
【0005】特開昭51−19223は、ガスタービンブレードと同じ材料、同じコーティングを施した中空体を基準体に用いる。この基準体内を周囲雰囲気より高い圧力で密封しておき、摩耗による漏れで内部圧力が低下したことを圧力計で検出する。
【0006】一方、特開平4−37033は、基準体として、金属製の中空容器中に一対のリード線を配設し、絶縁粉体を充填したものを用いる。この基準体が摩耗すると、中空容器の外殻が破れて絶縁粉末が飛散し、これによって2本のリード線間の絶縁が破壊されることを検出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者のダストモニタを用いる方法は、■ガス中ミスト等により測定に誤差が生じたり、装置の故障が多発したりして、信頼性が低い。又、■タービンブレードの摩耗の程度を知ることが目的であるのに、ガス中ダスト濃度の測定のみでは、ブレードがどの程度摩耗しているのか定量的に把握することが困難である等の問題がある。これらの問題を解消できなければ、バグフィルタ等の除塵装置のトラブルにより、回転体を駆動するガス中のダスト濃度が急増した際には、タービンブレードが急激に摩耗してしまうことになる。
【0008】一方、後者の特開昭51−19223や特開平4−37033に開示された摩耗検知装置は、ガスタービンブレードの摩耗を定量的に検知するものとして有用ではあるが、基準体の製作コストが大で、且つ、メンテナンスに負荷がかかるという問題があった。
【0009】本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、簡易で安価に、且つ、間接的ではあるが確実にタービンブレードの摩耗を検知することが可能なガスタービンブレードの摩耗検知装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガスタービンのブレードの摩耗を検知する装置において、タービンへ導かれるガス流路中に配設されたリード線と、該リード線に配線を介して接続される電圧印加手段と、前記配線に接続されて流れる電流変化を検知し、警報を発する警報装置とを備えることにより、前記課題を解決したものである。
【0011】又、前記リード線を複数本配設し、そのうちの所定本数以上が所定時間内に断線したことが電流変化により検知された場合に、警報を発するようにしたものである。
【0012】本発明によれば、ガスタービンへ導かれるガス流路内にリード線を配設し、該リード線の両端に電圧を加えるようにしている。従って、大量のダストが含まれたガスが通過した際には、ダストによりリード線が摩耗断線し、電流が流れなくなるので、タービンブレードが摩耗されて、その許容値に達する前に警報を発することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明に係る摩耗検知装置の実施形態を示す構成図である。図において、10は、ガス流路(図示省略)内に配置されるリード線群である。各リード線は、ガスタービンブレードより硬度の低い材質より成っており、合計n本設けられている。前記リード線群10の一端(図では下端)には、個々の抵抗値Rが同一の抵抗群12が接続されている。
【0015】14は、前記リード線群10に電圧を印加するための、電圧Vの直流電源であり、例えば+極は配線16によりリード線群10の他端(図では上端)へ、−極は配線18により抵抗線群12の一端(図では下端)へ接続されている。
【0016】20は、前記配線18の間に挿入された、電流変化を見るための電流計、22は、配線18を流れる電流変化が規定値以上になると動作する継電器、24は、該継電器22の接点23によって動作する警報装置である。
【0017】以下実施形態の作用について説明する。
【0018】まず、リード線群10が正常な場合には、nV/Rの電流が流れている。ここで、例えばガスタービンの上流に位置したバグフィルタの濾布が破損して多量のダストを含んだガスが導かれた場合には、ダストにより、リード線群10が摩耗、断線するため、電流値が低下する。例えば、リード線がα本断線したとすると、電流値は(n−α)V/Rとなる。
【0019】電流値が、継電器22の設定値を下回ると、接点23がオンとなって、警報装置24が警報を発する。
【0020】
【実施例】実機に対し、n=80本、R=3KΩ、V=24VDCの仕様で摩耗検知装置を設置したところ、図2に示すような電流波形となった。警報装置24の設定は、24時間以内に24mAの電流減少(リード線3本の断線を示す)としたところ、873日目に警報が発生された。即時停止して調査したところ、タービン上流バグフィルタの濾布に破損が認められた。
【0021】このように、摩耗検知装置により極めて早期にバグフィルタのトラブルを検知できたため、タービンブレードの重大なトラブルを未然に防ぐことができた。
【0022】本実施形態においては、リード線10を多数設けているので、断線による電流変化を的確に捉えることができる。なお、リード線の数は少なくてもよい。電源も直流に限定されず、交流やパルス電源でも良い。
【0023】以上の説明においては、高炉炉頂圧発電タービンのガスタービンブレードに適用した場合を例にとって説明していたが、本発明の適用対象は、これに限定されない。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、ダストによってタービンブレードの摩耗が許容値を超過する前に摩耗警報を発生することができる。これによって、タービンブレードの保守が容易になると共に、ガスタービンの安定運転に大いに寄与する。
【出願人】 【識別番号】000001258
【氏名又は名称】川崎製鉄株式会社
【出願日】 平成11年8月4日(1999.8.4)
【代理人】 【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭 (外2名)
【公開番号】 特開2001−50060(P2001−50060A)
【公開日】 平成13年2月23日(2001.2.23)
【出願番号】 特願平11−220696