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【発明の名称】 燃料供給装置
【発明者】 【氏名】三宅 慶明

【要約】 【課題】ガスタービンエンジン等の燃焼機関への燃料流量を調整するとともに、燃料の供給・遮断を行なう装置において、前記燃料流量の調整と燃料の供給・遮断との2つの機能を単一の装置で以って施行可能として、部品点数が低減されて低コストとなるとともに、構造が小型コンパクト化された燃料流量調整装置を提供する。

【解決手段】燃料の供給、遮断及び燃料流量の調整を行なう燃料流量調整装置を燃料通路に設けてなる燃料供給装置において、前記燃料流量調整装置は、パルス電流が付与される電磁コイルが巻回されたヨークの内側に、回転軸に連結された回転子を配してなるステップモータにて構成された回転軸駆動部と、該回転軸を軸方向に移動させる軸方向移動部とを備えるとともに、前記回転軸の一側に前記ステップモータの回転により前記燃焼機関へ供給される燃料流量を調整する燃料流量調整部を設け、さらに前記回転軸とケースとの間には、前記軸方向移動部による前記回転軸の軸方向移動により前記燃料通路を開閉する遮断部を設けてなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジン等の燃焼機関に供給する燃料の供給、遮断及び燃料流量の調整を行なう燃料流量調整装置を燃料供給ポンプの出口と前記燃焼機関とを接続する燃料通路に設けてなる燃料供給装置において、前記燃料流量調整装置は、パルス電流が付与される電磁コイルが巻回されたヨークの内側に、回転軸に連結された回転子を配してなるステップモータにて構成された回転軸駆動部と、該回転軸を軸方向に移動させる軸方向移動部とを備えるとともに、前記回転軸の一側に前記ステップモータの回転により前記燃焼機関へ供給される燃料流量を調整する燃料流量調整部を設け、さらに前記回転軸とケースとの間には、前記軸方向移動部による前記回転軸の軸方向移動により前記燃料通路を開閉する遮断部を設けてなることを特徴とする燃料供給装置。
【請求項2】 前記燃料流量調整部は、前記ステップモータの回転子に連結される前記回転軸に設けられた回転スリットとケース側に設けられた固定スリットとの円周方向相対変位により前記両スリット間に形成される燃料通路の開口面積を変化させて、該通路を流れる燃料流量を調整するように構成され、前記軸方向移動部は、前記電磁コイルが無通電のとき前記回転子あるいは回転軸を軸方向に吸引することにより前記回転軸を軸方向に移動させて前記遮断部を閉じるマグネットを備え、前記回転スリットの燃料通路を前記回転軸内に設けられた連絡孔を介して前記遮断部に接続してなる請求項1記載の燃料供給装置。
【請求項3】 前記遮断部は、前記燃料流量調整部と前記ケースに設けられて、前記回転軸の端面が該燃料出口を閉じたとき燃料通路が遮断されるように構成され、前記回転軸の前記遮断部とは反対側の端部には前記回転スリットと固定スリットとの軸方向位置を規定する位置決め部が設けられてなる請求項2記載の燃料供給装置。
【請求項4】 前記遮断部は、前記燃料流量調整部と前記ケースに設けられた燃料入口との間に設けられて前記回転軸の端面が該燃料入口を閉じたとき燃料通路が遮断されるように構成され、前記回転軸を軸支するとともに、該回転軸に設けられた係止部に当接されて前記回転スリットと固定スリットとの軸方向位置を規定する軸受部を有してなる請求項2記載の燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンエンジン等の燃焼機関に供給する燃料の流量調整及び遮断を行なうための燃料流量調整装置を備えた燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、ガスタービンエンジンにおける燃焼器への燃料供給、遮断及び流量調整を行なう燃料供給装置の従来の1例を示す。
【0003】図8において、46はガスタービンエンジン(以下エンジンという)、461は該エンジンの燃焼器で、該エンジン46は圧縮機にて高圧に加圧された空気を該燃焼器461に導き、該燃焼器461にて空気中に燃料を噴射して燃焼せしめ、これによって生成された燃焼ガスをタービンに作用させて動力を得るように構成されている。44は該エンジン46の出力端に連結される減速ギヤが収納されたギヤボックスである。43は燃料ポンプで、該ギヤボックス44内のギヤの1つを介して駆動されて燃料を昇圧し、燃料通路59,54,58を介して前記燃焼器461に送給している。61は、該燃料ポンプ43への燃料導入路である。
【0004】前記燃料通路59,54,58には、燃料の流量を調整する流量調整装置30及び燃料の供給・遮断を司る遮断弁装置50が介装されている。42は制御装置で、これの入力部422には前記ギヤボックス44からのエンジン回転数、燃料ポンプ回転数等の運転状態検出信号が入力ライン451を介して入力されている。また、前記制御装置42の出力部421からは、該制御装置42にて演算あるいは設定された前記運転状態検出信号に基づき算出された電気パルス信号が、モータ駆動ライン45を介して前記流量調整装置30に出力されるとともに、遮断弁駆動信号が遮断弁駆動ライン55を介して前記遮断弁装置50に出力されている。
【0005】図6は、前記流量調整装置30の詳細を示す回転軸心線に沿う断面図である。図6において、13はケース、131は該ケース13の内部に形成されたケース内部室、9は該内部室131に臨んで該ケース13に固定されたロータヨーク、10は該ロータヨーク9に巻回されたコイル、1は前記ロータヨーク9の内周と微小間隙を存して回転する回転子、31は該回転子1が固定される回転軸であり、これらロータヨーク9、コイル10、回転軸31に固定された回転子1等によりステップモータを構成する。
【0006】前記回転軸31は前部側の位置決め軸受38及び後部側の後部軸受37を介して前記ケース13に回転可能に支持されている。33は、前記ケース13に固挿されたブッシュで、その内周には前記回転軸31の前記位置決め軸受38の前部外周が回転自在にかつ流体密に嵌合されている。該ブッシュ33には円周方向において一定長さを有するスリット34が形成され、該スリット34は、前記ケース13に設けられた流入口2に連通されている。該流入口2は、図8に示す燃料ポンプ43出口の燃料通路59に接続されている。
【0007】また、前記回転軸31の前部の、前記ブッシュ33のスリット34に対応する軸方向位置には回転スリット5が円周方向において一定長さで以って形成されている。そして、該回転軸31の、少なくとも前部は中空となっており、該中空部を形成する連通孔36が設けられ、該連通孔36に前記回転スリット5が連通されている。また、該連通孔36の前端部は後述する油室32に開口されている。
【0008】32は前記ケース13の前部内側に形成された油室であり、該油室32には前記回転軸31の連通孔36が開口されるとともに、その出口側には前記遮断弁装置50への燃料通路54が接続されている。
【0009】図7は、前記遮断弁装置50の詳細を示す弁軸心に沿う断面図である。図7において、13はケース、57は該ケース13内に形成されたケース内部室であり、該内部室57に臨んでケース13に固着されたソレノイド39が設けられている。55は、該ソレノイド39に巻装されたコイルである。
【0010】031は、外周が前記ソレノイド39の内周に、微小間隙を存して設けられた移動子で、その一端側には弁部310が形成され、他端側はスプリング32によって押圧されている。そして、該弁部310の先端には平滑なシート部51が形成され、前記ケース13に形成されたシート面561と接脱することにより、遮断部120を開閉可能としている。3は、該遮断部120の外側に形成された燃料の流出口である。
【0011】56は前記ケース13内の前部に形成された油室であり、該油室56の流入口52は前記流量調整装置30からの燃料通路54に接続されている。53は前記ケース013の内周に固定されたブッシュで、該ブッシュ53の内周には、前記弁部310が往復動可能に、かつ流体密に嵌合されている。
【0012】かかる従来の燃料流量調整装置において、エンジン46からギヤボックス44内の歯車を介して駆動される燃料ポンプ43で昇圧され吐出された燃料は、流量調整装置30に入る。該流量調整装置30においては、前記制御装置42からモータ駆動ライン45を介してコイル10に電気パルス信号が給電されると、ロータヨーク9と回転子1との間に生成される電磁力により回転子1が所定角度回転せしめられる。該回転子1の回転に従い、回転スリット5が所定角度回転し、該回転スリット5と前記ブッシュ33に設けられた固定スリット34との間に形成される燃料の流路面積が変化する。これにより、燃料ポンプ43から流入口2に導入され、前記両スリット5及び34間に形成されるスリット通路を通る燃料の流量が変化せしめられる。
【0013】該スリット部5、34にて流量が規定された燃料は、連通孔36を通って油室32に入り、さらに燃料通路54を通って遮断弁装置50の流入口52に入る。そして、該遮断弁装置50の流出口3から燃料通路58を通り、燃焼器461に送られる。従って、かかる流量調整装置30にあっては、ステップモータの回転スリット5と固定側のスリット34との重なり度によって通路面積が変化し、該回転スリット5と固定側のスリット34とが合致したとき、通路面積が最大となり、回転スリット5を有しない回転軸31外周面により固定側のスリット34を塞いだとき最小の通路面積となる。
【0014】次に、図7において、前記遮断弁装置50は、ソレノイド39の無励磁時には、スプリング32の弾力により、弁部310の遮断部120が閉じ、燃料を遮断している。前記制御装置42から燃料遮断信号が発信されると、該遮断信号は遮断弁駆動ライン55を介してコイル55に伝送され、該コイル55を介してソレノイド39が励磁される。かかるソレノイド39の励磁によって発生する電磁力により移動子031が、スプリング32を圧縮して図7において右動し、弁部310のシート部51がケース013のシート面561から離れ、遮断部120が開かれる。これにより、燃料通路54を経て油室56に溜められた燃料は、流出口3及び燃料通路58を通って燃焼器461に送られる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】図6〜図8に示されたガスタービンエンジンの燃料流量調整装置にあっては、燃料流量を調整する流量調整装置30とエンジン46の燃焼器461とを接続する燃料通路中に該燃料の燃焼器461への供給・遮断を司る遮断弁装置50を前記流量調整装置30とは別個に設けている。
【0016】このため、かかる従来技術にあってはステップモータを用いた流量調整装置30とソレノイド電磁弁を用いた遮断弁装置50との2要素を別個に設けることを要することとなり、部品点数が多くなるとともに、装置の設置スペースが増大して、装置が高コストとなるとともに、装置の大型化が避けられないという問題点を有している。
【0017】本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、ガスタービンエンジン等の燃焼機関への燃料流量を調整するとともに、燃料の供給・遮断を行なう装置において、前記燃料流量の調整と燃料の供給・遮断との2つの機能を単一の装置で以って施行可能として、部品点数が低減されて低コストとなるとともに、構造が小型コンパクト化された燃料流量調整装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、エンジン等の燃焼機関に供給する燃料の供給、遮断及び燃料流量の調整を行なう燃料流量調整装置を燃料供給ポンプの出口と前記燃焼機関とを接続する燃料通路に設けてなる燃料供給装置において、前記燃料流量調整装置は、パルス電流が付与される電磁コイルが巻回されたヨークの内側に、回転軸に連結された回転子を配してなるステップモータにて構成された回転軸駆動部と、該回転軸を軸方向に移動させる軸方向移動部とを備えるとともに、前記回転軸の一側に前記ステップモータの回転により前記燃焼機関へ供給される燃料流量を調整する燃料流量調整部を設け、さらに前記回転軸とケースとの間には、前記軸方向移動部による前記回転軸の軸方向移動により前記燃料通路を開閉する遮断部を設けてなることを特徴とする燃料供給装置を提案する。
【0019】請求項2記載の発明は請求項1記載の発明の具体的構成に係り、請求項1において、前記燃料流量調整部は、前記ステップモータの回転子に連結される前記回転軸に設けられた回転スリットとケース側に設けられた固定スリットとの円周方向相対変位により前記両スリット間に形成される燃料通路の開口面積を変化させて、該通路を流れる燃料流量を調整するように構成され、前記軸方向移動部は、前記電磁コイルが無通電のとき前記回転子あるいは回転軸を軸方向に吸引することにより前記回転軸を軸方向に移動させて前記遮断部を閉じるマグネットを備え、前記回転スリットの燃料通路を前記回転軸内に設けられた連絡孔を介して前記遮断部に接続してなる。
【0020】かかる発明によれば、燃料ポンプで昇圧された燃料は燃料流量調整装置に入ると、該燃料流量調整装置においては、ステップモータの電磁コイルに給電されているときには、該コイルとヨークとで構成される電磁石の磁気力が、軸方向移動部のマグネットからの吸引力に打ち勝ち、回転子をヨークの内側に位置せしめ、回転スリットと固定スリットとを正対せしめる。一方、前記回転子の上記位置への移動により燃料通路の遮断部は開放状態となる。そして、前記ステップモータのコイルにパルス電流が付与されると該電流のモードに応じた形態で回転子が回転せしめられ、該回転子が固定されている回転軸に設けられた回転スリットが回転し、これとケース側の固定スリットと相対位置が変化し、両スリットにより形成される燃料通路の通路面積(開口面積)が変化し、遮断部が開の状態で燃料流量が調整される。
【0021】また、前記電磁コイルへの給電が解除されると電磁コイルとヨークとにより構成される電磁石が不作動となり、回転子及び回転軸は軸方向移動部を構成するマグネットの磁力によって軸方向に吸引され、遮断部が閉じて燃料通路が遮断される。
【0022】従って、かかる発明によれば、燃料調整部のスリット部の開口面積を変化させるためのステップモータの電磁コイルへの給電、遮断と軸方向移動部を構成するマグネットの吸引力との共働によって、燃料流量の調整と燃料通路の開放・遮断との双方を行なわしめることができ、従来技術のように燃料流量調整部と燃料の供給・遮断部とを別個に設けて、ソレノイド等の別個の駆動手段により作動させることを要さない。よって、かかる発明によれば、従来技術に比べて部品点数が低減されるとともに、燃料流量調整部と燃料遮断部を一体化したことにより、小型・コンパクト化された燃料調整装置が得られる。
【0023】請求項3記載の発明は、図1〜図2に示す第1実施例に係るもので、請求項2において、前記遮断部は、前記燃料流量調整部と前記ケースに設けられて、前記回転軸の端面が該燃料出口を閉じたとき燃料通路が遮断されるように構成され、前記回転軸の前記遮断部とは反対側の端部には前記回転スリットと固定スリットとの軸方向位置を規定する位置決め部が設けられてなる。
【0024】請求項4記載の発明は、図4〜図5に示す第2実施例に係るもので、請求項2において、前記遮断部は、前記燃料流量調整部と前記ケースに設けられた燃料入口との間に設けられて前記回転軸の端面が該燃料入口を閉じたとき燃料通路が遮断されるように構成され、前記回転軸を軸支するとともに、該回転軸に設けられた係止部に当接されて前記回転スリットと固定スリットとの軸方向位置を規定する軸受部を有してなる。
【0025】請求項3、4記載の発明によれば、回転軸側と該回転軸の支持側とにより構成される位置決め部によって、回転スリットと固定スリットとの軸方向位置を正確に規定することができる。
【0026】また請求項3において、前記回転軸に連絡孔内に流入する燃料油圧により、前記遮断部を閉じる方向に押されるように、該連絡孔の該遮断部側を閉塞して構成するのがよい。このようにすれば、連絡孔内に導入された燃料の圧力が回転軸を遮断部閉方向に押圧するので、遮断部の遮断力が増大し、念量の漏洩のない確実な燃料遮断がなされる。
【0027】さらに請求項4において、前記回転軸の連絡孔内に流入する燃料油圧により、前記遮断部を開く方向に該連絡孔の反遮断部側を閉塞して構成するのがよい。このようにすれば、前記燃料の圧力が回天竺を遮断部開方向に押圧するので、開放力が増大し、遮断後の燃料通路開放が容易になされる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0029】図1は本発明の実施形態における第1実施例に係るガスタービンエンジンの燃料流量調整装置の回転軸心に沿う断面図で、遮断弁の開放時を示す図、図2は上記実施例における遮断弁の閉鎖時を示す図1対応図、図3は前記燃料流量調整装置を装備したガスタービンエンジンの燃料供給システムを示す系統図である。
【0030】前記ガスタービンエンジンの燃料供給システムを示す図3において、46はガスタービンエンジン(以下エンジンという)、461は該エンジンの燃焼器で、該エンジン46は圧縮機にて高圧に加圧された空気を該燃焼器461に導き、該燃焼器461にて空気中に燃料を噴射して燃焼せしめ、これによって生成された燃焼ガスをタービンに作用させて動力を得るように構成されている。44は該エンジン46の出力端に連結される減速ギヤが収納されたギヤボックスである。43は燃料ポンプで、該ギヤボックス44内のギヤの1つを介して駆動され燃料を昇圧して、燃料通路59,58を介して前記燃焼器461に送給している。61は、該燃料ポンプ43への燃料導入路である。
【0031】40は本発明に係る燃料流量調整装置で、前記ギヤボックス44に取り付けられている。59は前記燃料ポンプ43と燃料流量調整装置40とを接続する燃料通路、58は該燃料流量調整装置40と前記燃焼器461とを接続する燃料通路である。
【0032】42は制御装置で、これの入力部422には前記ギヤボックス44からのエンジン回転数、燃料ポンプ回転数等の運転状態検出信号が入力ライン423を介して入力されている。また、前記制御装置42の出力部421からは、該制御装置42にて前記運転状態検出信号に基づき算出された電気パルス信号がモータ駆動ライン45を介して前記燃料流量調整装置40に出力されている。
【0033】前記燃料流量調整装置40の詳細を示す図1において、13はケース、131は該ケース13の内部に形成されたケース内部室、9は該内部室131に臨んで該ケース13に固定されたロータヨーク、10は該ロータヨーク9に巻装されたコイル、1は前記ロータヨーク9の内周と微小間隙を存して回転する回転子、15は該回転子1が固定される回転軸であり、これらロータヨーク9、コイル10、回転軸15に固定された回転子1等により、前記コイル10に供給される電気パルスにより回転するステップモータを構成する。
【0034】7は該回転軸15の後部を回転自在に支持する後部滑り軸受、8は該回転軸15の後端面151と摺接して該回転軸15の軸方向の位置を規定する位置決め滑り軸受である。18は前記ケース内部室131に設けられたマグネットであり、前記回転子1の側面に対向して配置され、前記ロータヨーク9のコイル10に電力の供給が無くなると、その磁力により回転子1を軸方向前方に吸引可能となっている。
【0035】41は前記ケース13に固挿された滑り軸受で、前記回転軸15の前部を回転自在に支持している。該滑り軸受41には円周方向において、一定長さを有する固定スリット4が形成され、該スリット4は、前記ケース13に設けられた流入口2に連通されている。該流入口2は図3に示す燃料ポンプ43出口の燃料通路59に接続されている。
【0036】また、前記回転軸15の前部の、前記滑り軸受41の固定スリット4に対応する軸方向位置には回転スリット5が円周方向において一定長さで以って形成される。そして、該回転軸15は、その前部が塞がれた中空となっており、該中空部を形成する連絡孔12が設けられ、該連絡孔12に前記回転スリット5が連通されている。また、該連絡孔12の前部は回転軸15に穿けられた連通孔6により後述する油室11に連通されている。
【0037】11は、前記ケース13の前部内側に形成された油室であり、該油室11には前記回転軸15の連通孔6が開口されるとともに、その出口側には前記燃焼器461への燃料通路58が接続されている。前記回転軸15の前端は平滑なシート部17となっており、前記ケース13の前記油室11に臨む面に形成されたシート面16に着脱することにより、該油室11と下流側の燃料通路58との間を連通あるいは遮断する遮断弁の機能をなすようになっている。
【0038】かかる構成からなるガスタービンエンジンの燃料流量調整装置において、燃料ポンプ43にて昇圧された燃料は、燃料通路59を通って燃料流量調整装置40の流入口2に入る。該燃料流量調整装置40においては、前記制御装置42からモータ駆動ライン45を介してコイル10に給電されると、図1に示すように、ロータヨーク9とコイル10とにより電磁石が構成され、該電磁石によりマグネット18の磁力に打ち勝って回転子1が吸引され、回転軸15の後端面151と位置決め滑り軸受8とが当接する位置まで移動する。この状態では、該回転軸15の前端のシート部17がケース13側のシート面16から離れ、開弁状態となるとともに、前記回転軸15側の回転スリット5と滑り軸受41側の固定スリット4とが正対した位置となる。
【0039】前記制御装置42の入力部422には、エンジン回転数等のエンジン46の運転状態検出信号が入力ライン423を介して入力されている。そして、開弁状態で前記入力信号に基づき、制御装置42によりステップモータのコイル10への給電パターン、つまり電気パルス信号を変化させると、これにより回転子1が所定角度回転せしめられるとともに、回転スリット5も回転し、該回転スリット5と滑り軸受41に設けられた固定スリット4との間に形成される燃料の流路面積が変化する。これにより、燃料ポンプ43から流入口2に導入され、前記両スリット5及び4間に形成されるスリット通路を通る燃料の流量が変化せしめられる。
【0040】即ち、かかる燃料流量調整装置40においては、ステップモータ側の回転スリット5と滑り軸受41に設けられた固定側のスリット4との重なり度によって流路面積が変化し、該回転スリット5と固定側のスリット4とが合致したとき、流路面積が最大となり、また回転スリット5を有しない回転軸15外周面により固定スリット4を塞いだとき、あるいは回転スリット5が後述するように軸方向に移動して固定スリット4から離れた時、最小の流路面積となる。
【0041】前記のようにして、流量調整された燃料は回転軸15内の連絡孔12を通り、端部の連通孔6からケース13内の油室11に流出する。そして、前記のように、遮断弁を構成するシート部17とシート面16とが開放されているので、該燃料が流出口3及び燃料通路58を通ってガスタービンエンジンの燃焼器461に送られる。
【0042】また、前記制御装置42により、ステップモータのコイル10への給電が遮断されると、該コイル10及びヨーク9から構成される電磁石が解磁される。これにより、図2に示すように前記回転子1は前記電磁石による吸引が解かれ、マグネット18の吸引によって図の左方に移動せしめられ、その前端のシート部17がケース13側のシート面16に着座し、油室11と流出口3及び燃料通路58とが遮断され、閉弁状態となる。このとき、図2に示すように、回転スリット5は固定スリット4から外れて前方に移動しているので、該スリット部の開口面積は0となる。
【0043】かかる閉弁動作時において、回転スリット5から連絡孔12に流入している燃料の圧力が回転軸15を閉弁方向即ち図の左方に押すように作用するので、遮断部120における燃料の遮断が確実になされる。
【0044】図4〜図5は、本発明の第2実施例に係る燃料流量調整装置の回転軸心に沿う断面図で、図4は遮断部が開状態、図5は閉状態を示す。
【0045】図4〜図5において、回転子1が固着された回転軸15は、固定スリット4を有する滑り軸受41にて前部を支持され、後部滑り軸受27にて後部を支持されて回転可能となっている。そして該回転軸15は、一端が後述するケース13内の油室63に開口し、他端側に回転スリット5が設けられた連絡孔62を有する中空体に構成されている。さらに該回転軸15の後端部には、つば状のシート部64aが形成されるとともに、ケース13内面の該シート部64aに対向する部位にはシート面64bが形成されている。尚、前記連絡孔62の前部側は塞がれている。
【0046】63はケース13内の流入口2側の前記後部滑り軸受27の背部に形成された油室で、該油室63に前記連絡孔62が開口されている。18はマグネットで、前記後部滑り軸受27の側部に前記回転子1の側面に対向して設けられている。
【0047】前記固定スリット4は、連通路65,66を介して前部の油室11に連通されている。3は該油室11からの流出口であり、前記ガスタービンエンジン46への燃料通路58に接続されている。その他の構成は、図1〜図2に示す第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0048】かかる第2実施例において、制御装置42によりコイル10に通電されると、該コイル10及びロータヨーク9からなる電磁石が構成され、図4に示すように、該電磁石の吸引により回転子1は前記マグネット18の吸引力に抗して該ロータヨーク9の内周位置まで移動する。かかる移動により、前記回転体15のつば部67が後部滑り軸受27の側面に当たり、回転軸15及び回転子1はこの位置で整定する。これにより、回転軸15側の回転スリット5と滑り軸受41側の固定スリット4との軸方向位置が合致する。従って、上記電磁石による回転子1の移動により、つば部67のシート部64aはケース13側のシート面64bから離れ、遮断部120は開弁状態となる。
【0049】そして、前記第1実施例と同様にステップモータの回転子1を所定角度回転させることにより、回転スリット5と固定スリット4とで構成される通路の面積を変化させ、燃料流量を調整する。前記コイル10への給電を停止すると、前記電磁石による回転子1の吸引力が解除される。これにより、回転子1及び回転軸15は、図5に示すように、前記マグネット18の吸引力によって右動し、つば部67のシート部64aとケース13側のシート面64bとが接触し、前記流入口2を遮断する。これにより、遮断部120は閉弁状態となり、燃料通路59からの燃料の供給が遮断される。
【0050】
【発明の効果】以上記載のごとく、本発明によれば、燃料調整部のスリット部の開口面積を変化させるためのステップモータの電磁コイルへの給電、遮断と軸方向移動部を構成するマグネットの吸引力との共働によって、燃料流量の調整と燃料通路の開放・遮断をの双方を行なわしめることができ、従来技術のように燃料流量調整部と燃料の供給・遮断部とを別個に設けて、ソレノイド等の別個の駆動手段により作動させることを要さない。よって、かかる発明によれば、従来技術に比べて部品点数が低減されるとともに、燃料流量調整部と燃料遮断部を一体化したことにより、小型・コンパクト化された燃料調整装置が得ることができる。
【0051】また、請求項3、4記載のように構成すれば、回転軸側と、該回転軸の支持側とにより構成される位置決め部によって、回転スリットと固定スリットとの軸方向位置を正確に規定することができる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成11年7月30日(1999.7.30)
【代理人】 【識別番号】100083024
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌久 (外1名)
【公開番号】 特開2001−41054(P2001−41054A)
【公開日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【出願番号】 特願平11−217542