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航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造 - 特開2001−41052 | j-tokkyo
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【発明の名称】 航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造
【発明者】 【氏名】仲川 哲也

【要約】 【課題】航空機エンジンで姿勢変化が生じても油溜りができず健全性を高めることができる航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造を提供すること。

【解決手段】航空機エンジンの姿勢変化により潤滑油が溜る油溜り部8に位置する中空回転軸6aの内径部に、端面から径の大きくなるテーパ部11を中央部に向かって形成し、このテーパ部11の大径側端部に内径部から外側に貫通する排油孔12を形成する。この中空回転軸6aの内径のテーパ部11に、油溜りに溜った油が入ると、中空回転軸6aの回転に伴って遠心力が作用し、その分力によってテーパ部11に沿って潤滑油が上昇し、テーパ部11の端部の排油孔12から遠心力で排出することができ、油溜りができないようにすることができる。これにより、航空機エンジンの姿勢変化に伴う潤滑油温度や軸受温度の上昇を抑えることができるなど、姿勢変化に対する健全性を高めることができるようになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】航空機エンジンの姿勢変化により潤滑油が溜る油溜り部に位置する中空回転軸の内径部に、当該油溜り部の端面から径の大きくなるテーパ部を形成し、このテーパ部の大径側端部に当該中空回転軸の内径部から外側に貫通する排油孔を形成したことを特徴とする航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造。
【請求項2】前記テーパ部の円錐面に沿って排油を促す螺旋溝を形成したことを特徴とする請求項1記載の航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造。
【請求項3】前記テーパ部の傾斜面に沿って排油を促す直線溝を形成したことを特徴とする請求項1記載の航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造に関し、航空機の姿勢変化によって潤滑油が溜る油溜り部から中空回転軸に付加したポンプ機能で排油できるようにし、軸受の温度上昇などを防止するようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】航空機エンジンは、陸上や海上で使用されるエンジンに比べて姿勢変化が大きく、あらゆる姿勢に対して健全性が要求される。
【0003】例えばエンジンの動力を利用して補機類を駆動するため設けられる補機駆動ギヤボックスでは、図2に示すように、エンジン1のロータ2から動力がパワーテイクオフアセンブリ3およびラジアルドライブシャフト4を通してギヤボックス5内の歯車列6に伝達され、これらの歯車列6を介して補機としての燃料ポンプ、潤滑油ポンプ、燃料ブーストポンプなどが駆動されるようになっており、歯車列6やこれらを支持する軸受7を取り付けるためギヤボックス5の内部形状が複雑であり、しかも潤滑油を多量に使用するため、図3に一部分を抽出して示すように、姿勢変化によって潤滑油がギヤボックス5の一部に溜る油溜り8が出来てしまう。
【0004】このような油溜り8ができると潤滑油および軸受などの温度上昇を招くなどの問題がある。
【0005】このため、従来は、ギヤボックス5の鋳物形状を工夫して溜った潤滑油を排出するための配管を設けたり、排油ポンプにより強制的に排出することが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ギヤボックス自体に鋳物による配管を設けて油溜りができないようにしようとすると、鋳物が複雑になり、コストの増大や品質の不安定化を招いてしまうという問題がある。
【0007】また、排油ポンプにより強制的に油溜りができないようにしようとすると、排油ポンプの大型化が必要と鳴り、重量増大やコストの増大を招いてしまうという問題がある。
【0008】この発明はかかる従来技術の有する課題を解決するためになされたもので、航空機エンジンで姿勢変化が生じても油溜りができず健全性を高めることができる航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記従来技術が有する課題を解決するためこの発明の請求項1記載の航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造は、航空機エンジンの姿勢変化により潤滑油が溜る油溜り部に位置する中空回転軸の内径部に、当該油溜り部の端面から径の大きくなるテーパ部を形成し、このテーパ部の大径側端部に当該中空回転軸の内径部から外側に貫通する排油孔を形成したことを特徴とするものである。
【0010】この航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造によれば、航空機エンジンの姿勢変化により潤滑油が溜る油溜り部に位置する中空回転軸の内径部に、当該油溜り部の端面から径の大きくなるテーパ部を形成し、このテーパ部の大径側端部に当該中空回転軸の内径部から外側に貫通する排油孔を形成するようにしており、中空回転軸の内径にテーパ部を形成することで、油溜りに溜った油がテーパ部に入ると、中空回転軸の回転に伴って遠心力が作用し、その分力によってテーパ部に沿って上昇し、テーパ部の端部の排油孔から遠心力で排出され、油溜りができないようにしている。
【0011】また、この発明の請求項2記載の航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造は、請求項1記載の構成に加え、前記テーパ部の円錐面に沿って排油を促す螺旋溝を形成したことを特徴とするものである。
【0012】この航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造によれば、テーパ部の円錐面に沿って排油を促す螺旋溝を形成するようにしており、遠心力の分力による油の上昇を螺旋溝によって促して排油孔から排出するようにし、一層油溜りができないようにしている。
【0013】さらに、この発明の請求項3記載の航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造は、請求項1記載の構成に加え、前記テーパ部の傾斜面に沿って排油を促す直線溝を形成したことを特徴とするものである。
【0014】この航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造によれば、テーパ部の傾斜面に沿って排油を促す直線溝を形成するようにしており、遠心力の分力による油の上昇を直線溝によって促して排油孔から排出するようにし、一層油溜りができないようにしている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造の一実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0016】図1はこの発明の航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造を補機駆動ギヤボックスに適用した一実施の形態にかかる断面図であり、(a)は姿勢変化前を、(b)は姿勢変化後をそれぞれ示すものである。
【0017】この航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造10が適用される補機駆動ギヤボックスでは、鋳物で作られたギヤボックス5の凹部5a,5bに軸受7が装着され、歯車列6の中空回転軸6aが支持されて回転可能になっている。
【0018】そして、この補機駆動ギヤボックスでは、航空機の姿勢変化により予め油溜り8が形成される部分が分かっており、例えば図示例のギャボックス5では、右側の凹部5aが姿勢変化により下方に位置し、油溜り8が形成される。
【0019】このような補機駆動ギヤボックスに対する潤滑油溜り防止構造10では、姿勢変化により油溜り8が形成される部分に位置する中空回転軸6aの端部から油に浸漬されることがない中空回転軸6aの中央部までの内径部に、端部側が小径で中央部側が大径のテーパ部11が形成され、テーパ部11の中央部側の端部外側に中空回転軸6aを内外に貫通する排油孔12が形成してある。
【0020】この排油孔12は、少なくとも1個形成すれば良いが、中空回転軸6aの回転バランス等を考慮し、円周等間隔に形成することが好ましく、図示例では対角位置に2個形成してある。
【0021】このように構成した航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造10では、姿勢変化により中空回転軸6aの右側の端部が位置するギヤボックス5の凹部5aに潤滑油が溜る状態になると、中空回転軸6aの内径部のテーパ部11内にも潤滑油が入り、中空回転軸6aの回転に伴ってテーパ部11内の潤滑油に遠心力が作用する。
【0022】すると、中空回転軸6aの内径部がテーパ部11で傾斜面となっていることから、遠心力の斜面に沿う分力が潤滑油に作用し、これによって潤滑油が中央部側に上昇する。
【0023】そして、テーパ部11の中央部側の端部まで上昇すると、排油孔12に達し、遠心力そのもので潤滑油が中空回転軸6aの外部に排出され、凹部5aに溜る潤滑油が順次吸引排出されて溜ることがなくなる。
【0024】これにより、潤滑油の温度が局部的に上昇したり、軸受温度が上昇することも防止される。
【0025】このように中空回転軸6aの内径部のテーパ部11に沿って遠心力の分力が作用することによるポンプ作用を利用して潤滑油を油溜り8から排出するようにしていることから、テーパ部11の円錐面に螺旋状の溝(螺旋溝)を形成し、中空回転軸の回転に伴って螺旋溝に沿って潤滑油が上昇するようにすれば、一層効率的に潤滑油を排油孔12から排出することができる。
【0026】また、テーパ部11の傾斜面に沿って直線溝を形成することによっても、同様に、中空回転軸6aの回転に伴う遠心力で直線溝に沿って潤滑油が上昇するようにすれば、直線溝がない場合に比べ、効率的に潤滑油を排油孔12から排出することができる。
【0027】なお、上記実施の形態では、航空機エンジンの姿勢変化によりに油溜りが形成される部分として補機駆動ギヤボックスを例に説明したが、これに限らず、他の部分に適用することもできる。
【0028】
【発明の効果】以上、一実施の形態とともに具体的に説明したように、この発明の請求項1記載の航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造によれば、航空機エンジンの姿勢変化により潤滑油が溜る油溜り部に位置する中空回転軸の内径部に、当該油溜り部の端面から径の大きくなるテーパ部を形成し、このテーパ部の大径側端部に当該中空回転軸の内径部から外側に貫通する排油孔を形成するようにしたので、中空回転軸の内径にテーパ部を形成することで、油溜りに溜った油がテーパ部に入ると、中空回転軸の回転に伴って遠心力が作用し、その分力によってテーパ部に沿って上昇し、テーパ部の端部の排油孔から遠心力で排出することができ、油溜りができないようにすることができる。
【0029】これにより、航空機エンジンの姿勢変化に伴う潤滑油温度や軸受温度の上昇を抑えることができるなど、姿勢変化に対する健全性を高めることができる。
【0030】また、この発明の請求項2記載の航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造によれば、テーパ部の円錐面に沿って排油を促す螺旋溝を形成するようにしたので、遠心力の分力による油の上昇を螺旋溝によって促して排油孔から排出することができ、一層効率的に油溜りの発生を抑えることができる。
【0031】さらに、この発明の請求項3記載の航空機エンジンの潤滑油溜り防止構造によれば、テーパ部の傾斜面に沿って排油を促す直線溝を形成するようにしたので、遠心力の分力による油の上昇を直線溝によって促して排油孔から排出することができ、一層効率的に油溜りができないようにすることができる。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成11年7月28日(1999.7.28)
【代理人】 【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治 (外1名)
【公開番号】 特開2001−41052(P2001−41052A)
【公開日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【出願番号】 特願平11−213040