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ガスタービン複合発電プラントとその運転方法 - 特開2001−41049 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ガスタービン複合発電プラントとその運転方法
【発明者】 【氏名】池田 道彦

【氏名】▼桑▲原 孝明

【氏名】大津 誠

【氏名】宇多村 元昭

【要約】 【課題】ガスタービン駆動圧縮機で該ガスタービンの燃焼用空気を生成するガスタービン複合発電プラントを、大気条件に無関係に高い熱効率で運転すること及び要求された出力をできるだけ高い熱効率で発生させること。

【解決手段】圧縮機の吸気となる大気条件を、湿り空気線図上で、大気温度と絶対湿度に基づいて、プラントが最高の効率で運転される大気温度に対応する露点からひいた等湿球温度線よりも高温側でかつ前記露点の湿度よりも低い第1の領域と、前記露点からひいた等湿度線よりも高湿度の第2の領域と、前記等湿球温度線よりも低温側の第3の領域に分け、圧縮機の吸気を、第1の領域では、加湿することなく冷却して露点に到達させ、第2の領域では冷却後加湿して前記露点に到達させ、第3の領域では、加湿により露点に到達させ、前記各領域の吸気とも、吸気に更に液滴を噴霧して該液滴を圧縮機中で気化させるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃焼器で生成された燃焼ガスで駆動されるガスタービンと、このガスタービンで駆動される発電機と、前記ガスタービンの排ガスの熱で蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラで発生した蒸気で駆動される蒸気タービンと、この蒸気タービンで駆動される発電機と、前記ガスタービンで駆動されて外気を圧縮し前記燃焼器に供給する圧縮機と、前記圧縮機に吸入される空気を加湿することなく冷却する冷却手段と、この冷却手段と圧縮機の間の空気流路に配置されて前記空気に加湿する噴霧手段と、前記冷却手段と噴霧手段を制御する制御手段と、を含んで構成された複合発電プラントを運転する方法において、圧縮機の吸気となる大気の温度と湿度を入力として、大気の状態を、湿り空気線図上で、プラントが最高の効率で運転される大気温度に対応する露点位置からひいた等湿球温度線よりも高温側でかつ前記露点の絶対湿度よりも低い湿度の第1の領域と、前記露点位置からひいた等湿度線よりも高湿度の第2の領域と、前記等湿球温度線よりも低温側の第3の領域のいずれに属するかを判定し、圧縮機の吸気を、第2の領域では、加湿することなく冷却して露点に到達させ、第1の領域では冷却後加湿して前記露点に到達させ、第3の領域では、加湿により露点に到達させ、前記各領域の吸気とも、吸気に更に液滴を噴霧して該液滴を圧縮機中で気化させることを特徴とするガスタービン複合発電プラントの運転方法。
【請求項2】 請求項1記載の複合発電プラントの運転方法において、圧縮機入口空気温度とプラント効率及び圧縮機内で蒸発する水分量とプラント効率の関係を表現するプラント出力特性データと、乾球温度と絶対湿度で表現される湿り空気線図を表現する湿り空気線図データと、を予めコンピュータの記憶装置に格納しておき、前記プラント出力特性データに基づいて前記プラントが最高の効率で運転される圧縮機入口空気温度を選定し、該選定された圧縮機入口空気温度と前記湿り空気線図データとに基づき、前記圧縮機の吸気となる大気の温度と湿度を入力として、大気の状態が前記第1,第2、第3の状態のいずれに属するかを判定することを特徴とするガスタービン複合発電プラントの運転方法。
【請求項3】 請求項1または2記載の複合発電プラントの運転方法において、冷却、加湿後のプラント出力を、前記プラント出力特性データとプラント負荷とに基づいて算定し、算定されたプラント出力が予め設定されたプラント出力より大きいとき、算定されたプラント出力が予め設定されたプラント出力に一致するように前記ガスタービン負荷を低下させて運転することを特徴とするガスタービン複合発電プラントの運転方法。
【請求項4】 燃焼器で生成された燃焼ガスで駆動されるガスタービンと、このガスタービンで駆動される発電機と、前記ガスタービンの排ガスの熱で蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラで発生した蒸気で駆動される蒸気タービンと、この蒸気タービンで駆動される発電機と、前記ガスタービンで駆動されて外気を圧縮し前記燃焼器に供給する圧縮機と、前記圧縮機に吸入される空気を加湿することなく冷却する冷却手段と、この冷却手段と圧縮機の間の空気流路に配置されて前記空気に加湿する噴霧手段と、前記冷却手段と噴霧手段を制御する制御手段と、を含んで構成された複合発電プラントにおいて、前記制御手段は、圧縮機入口空気温度とプラント効率及び圧縮機内で蒸発する水分量とプラント効率の関係を表現するプラント出力特性データと、乾球温度と絶対湿度で表現される湿り空気線図を示す湿り空気線図データを格納する記憶装置と、圧縮機の吸気となる大気の温度と湿度を入力として、大気の状態を、湿り空気線図上で、プラントが最高の効率で運転される大気温度に対応する露点位置からひいた等湿球温度線よりも高温側でかつ前記露点の絶対湿度よりも低い湿度の第1の領域と、前記露点位置からひいた等湿度線よりも高湿度の第2の領域と、前記等湿球温度線よりも低温側の第3の領域のいずれに属するかを判定し、判定結果と、前記圧縮機の吸気となる大気の温度と湿度と、前記プラントが最高の効率で運転される大気温度とそれに対応する露点湿度に基づいて、前記圧縮機に吸入される空気の前記冷却手段における冷却量と前記噴霧手段の噴霧量を制御するものであることを特徴とするガスタービン複合発電プラント。
【請求項5】 請求項4記載の複合発電プラントにおいて、制御手段は、予め要求されるプラント出力を設定するプラント出力設定手段を含んでなり、前記プラント出力特性データと、前記湿り空気線図データと、前記圧縮機の吸気となる大気の温度と湿度と、プラント負荷と、を入力として冷却、加湿後のプラント出力を算定し、算定されたプラント出力が前記プラント出力設定手段に設定されたプラント出力より大きいとき、前記ガスタービン負荷を、算定されたプラント出力が前記プラント出力設定手段に設定されたプラント出力に一致するまで低下させて前記演算を繰り返すものであることを特徴とするガスタービン複合発電プラント。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンで発電するとともに、このガスタービンの排ガスから熱回収して蒸気を発生させ、この蒸気で駆動される蒸気タービンでも発電機を駆動して発電する複合発電プラントに係り、特に、ガスタービンで駆動される空気圧縮機の吸気を加湿,冷却する手段を備えた複合発電プラントとその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上述のような複合発電プラント(以下、コンバインドプラントという)において、ガスタービン出力と蒸気タービン出力の合計であるコンバインドプラント出力(以下、プラント出力と略す)は、ガスタービン出力に大きく影響され、大気温度によって変動する。また、コンバインドプラント効率(以下、プラント効率と略す)は、大気温度が高くなると効率の低下するガスタービン効率と、大気温度が高くなると効率の上昇する蒸気タービン効率に影響され、結果的に、大気温度が約15℃〜20℃のとき、最高熱効率となる特性となることが一般的に知られている。
【0003】このため、大気温度が高くなる夏季にガスタービンの出力が低下するのを防止する技術が種々提案されており、例えば、特開平10−246127号公報には、ガスタービンの燃焼器に供給する空気を圧縮する圧縮機の吸気に液滴を噴霧し、吸気温度を外気温度よりも低下させるとともに、吸気が圧縮機内を通過中に、前記噴霧された液滴が気化するようにしてガスタービンの出力を向上させる技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特開平10−246127号公報には、ガスタービン用の空気圧縮機の吸気中に液滴を噴霧したガスタービン出力を向上させる点は開示されているが、その際に、ガスタービンを含むプラントの効率ができるだけ高い効率になるよう、圧縮機に導入される吸気の冷却量や液滴噴霧量を制御する点については考慮されていない。
【0005】実際のガスタービン及びコンバインドプラント、圧縮機の運転においては、要求出力に対しては要求出力を最も良い熱効率で達成することが望まれるし、また、出力よりもプラントを最高熱効率で運転することを優先するよう要求される場合もある。
【0006】本発明の目的は、ガスタービンで駆動される圧縮機で該ガスタービンの燃焼器に供給する燃焼用空気を生成するように構成されたコンバインドプラントにおいて、熱効率を優先して高い熱効率で運転することを可能にすること及び要求された出力をできるだけ高い熱効率で発生させる運転を可能にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明が対象とするコンバインドプラントは、燃焼器で生成された燃焼ガスで駆動されるガスタービンと、このガスタービンで駆動される発電機と、前記ガスタービンの排ガスの熱で蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラで発生した蒸気で駆動される蒸気タービンと、この蒸気タービンで駆動される発電機と、前記ガスタービンで駆動されて外気を取込んで圧縮し前記燃焼器に燃焼用の圧縮空気を供給する圧縮機と、前記圧縮機に吸入される空気を他の流体との熱交換により冷却する冷却手段と、この冷却手段と圧縮機の間の空気流路に配置されて前記空気に液滴を噴霧する噴霧手段と、前記冷却手段と噴霧手段を制御する制御手段と、を含んで構成された複合発電プラントである。このような複合発電プラントにおいては、プラントの効率は、圧縮機に取込まれる空気の温度によって変動し、通常、プラントの効率が最大となる温度が存在する。
【0008】前記目的は、上記構成のプラントにおいて、圧縮機に取込まれる空気の温度(以下、大気温度という)及び該空気の相対湿度(以下、大気の相対湿度という)に基づいて、プラント効率を最大にするように、前記冷却手段の冷却量及び前記噴霧手段の噴霧量を制御することにより、圧縮機入口空気温度を低下させることで達成される。
【0009】具体的には、圧縮機入口空気温度とプラント効率の関係及び圧縮機内部で気化する水分量とプラント効率の関係をを表現するプラント出力特性データと、乾球温度と絶対湿度で表現される湿り空気線図を表現する湿り空気線図データと、を予めコンピュータの記憶装置の中に格納、用意しておき、大気温度と大気の相対湿度を入力としてプラント出力特性データと湿り空気線図データを参照して、前記プラント効率が最大となる圧縮機入口空気温度になるように前記冷却手段の冷却量及び前記噴霧手段の噴霧量を制御する。
【0010】その際、大気温度と大気の相対湿度に基づいて、前記冷却手段による冷却のみで取込まれる空気(以下、吸気という)を露点まで冷却するか、前記冷却手段による冷却ののち、噴霧手段による噴霧で露点まで冷却するとともに加湿するか、噴霧手段による噴霧のみで露点まで冷却するとともに加湿するか、を判定するとともに、それぞれ冷却手段による冷却量、冷却手段による冷却量と噴霧手段による噴霧量、噴霧手段による噴霧量を設定する。
【0011】前記冷却手段による冷却のみで冷却するか、前記冷却手段による冷却ののち、噴霧手段による噴霧で冷却するとともに加湿するか、噴霧手段による噴霧のみで露点まで冷却するとともに加湿するか、の判定は次の手順で行うのがよい。まず、前記大気の相対湿度を大気温度に応じた絶対湿度に換算し、前記湿り空気線図の相対湿度100%の線上にプラント効率が最高となる圧縮空気入口温度における露点湿度位置を設定し、この湿り空気線図上で、前記吸気(前記大気温度と換算された絶対湿度の条件)が、前記相対湿度100%の線と、前記設定した露点からひいた等湿球温度線及び絶対湿度一定の線とで区分された領域のいずれにあるかを判定する。
【0012】判定の結果、吸気が、前記設定した露点からひいた絶対湿度一定の線よりも高い湿度のとき、前記冷却手段による冷却のみで吸気を露点まで冷却する。
【0013】吸気が、前記設定した露点からひいた絶対湿度一定の線よりも低い湿度で、かつ、前記設定した露点からひいた等湿球温度線よりも高温側にあるとき、前記冷却手段により前記等湿球温度線に到達するまで冷却し、次いで、噴霧手段による噴霧で前記等湿球温度線に沿ってプラント効率が最高となる圧縮空気入口温度になるまで冷却されるとともにプラント効率が最高となる圧縮空気入口温度において露点に到達するよう加湿する。
【0014】吸気が、前記設定した露点からひいた等湿球温度線よりも低温側にあるときは、前記冷却手段による冷却を行うことなく、噴霧手段により吸気中に吸気が露点に達するに十分な液滴を噴霧する。吸気は噴霧により、湿り空気線図上の、吸気の状態を示す位置を基点にひいた等湿球温度線に沿って、加湿、冷却され、該等湿球温度線と相対湿度100%の線の交点の温度で露点に到達する。
【0015】なお、上記冷却及び液滴の噴霧は、吸気を露点になるまで冷却、加湿するものであるが、冷却のみで露点に到達させた場合も、吸気中に、噴霧手段により液滴を噴霧して圧縮機中で気化させ、圧縮空気を冷却して圧縮機動力を低減させるようにするのが望ましい。また、噴霧により加湿,冷却する場合も、噴霧量は、露点に到達させるのに必要な量よりも多くしておき、吸気に含まれる残りの液滴は圧縮機中で気化させ、圧縮空気を冷却して圧縮機動力を低減させるようにするのが望ましい。吸気中に含まれて圧縮機に流入する液滴の量は、圧縮機特性によって決定される、圧縮機受け入れ可能な液滴量以下に設定する。
【0016】上記大気条件に応じた冷却、加湿手順の選定、冷却手段における冷却量の算定、噴霧手段による噴霧液滴量の算定、更に、前記冷却手段の冷却量制御、噴霧手段の噴霧液滴量制御を行う制御手段を設ける。
【0017】これにより、与えられた大気条件の吸気に対し、ガスタービンに吸入される空気の状態を、コンバインドプラントの熱効率ができるだけ高い熱効率になるように制御することが可能となり、高い効率の運転を実現できる。
【0018】要求されるプラント出力を、与えられた大気条件のもとでできるだけ高い熱効率で実現するには、吸気を上記手順により冷却、加湿するのに加え、上記冷却、加湿した吸気で得られるプラント出力増加分を推定し、プラント出力増加に見合う分だけ、ガスタービン負荷を低下させる。
【0019】ガスタービン負荷を低下させることによりガスタービン効率は一般的に低下するが、吸気冷却(冷却手段による冷却のみ行い、加湿しないもの)、吸気加湿冷却(冷却手段による冷却を行わず、加湿により、冷却と加湿を行うもの)、複合吸気冷却(冷却手段による冷却と、加湿による冷却と加湿を行うもの)では、プラント出力が向上するとともに、プラント効率も向上するので、ガスタービン負荷の低下によるプラント効率低下分以上にプラント効率が向上し、要求された出力を高いプラント効率で発生できる。
【0020】なお、前記冷却手段としては、吸気と流体の冷媒との熱交換により吸気の冷却を行うものや、液体空気を吸気中に噴霧して冷却するものが採用可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態のコンバインドプラントは、図1に示すように、空気を圧縮する圧縮機1、圧縮機1により圧縮された空気を用いて燃焼ガスを生成する燃焼器5、燃焼器5が供給する燃焼ガスにより駆動されるガスタービン2、ガスタービン2の回転軸に連結されている発電機3、発電機3により生じた電気を送電する送電端4、ガスタービン2の排ガス17が導かれ、排ガス17の熱を回収して蒸気を生成する排熱回収ボイラ18、排熱回収ボイラ18で生成された蒸気で駆動される蒸気タービン21、蒸気タービン21の回転軸に連結されている発電機22、発電機22で生成された電力を送電する送電端23、蒸気タービン21に接続して配置され蒸気を凝縮する復水器(図示せず)、復水器の復水を加圧して給水20として前記排熱回収ボイラ18に供給するポンプ19、及び排熱回収ボイラ18で熱回収された排ガスを大気へ排出する煙突24を含んで構成され、圧縮機1は前記ガスタービン2の回転軸に結合されて駆動されるようになっている。
【0022】図1では、発電機3、発電機22は別軸となっているが、蒸気タービン21とガスタービン2を同一の回転軸に結合し、この回転軸で発電機及び空気圧縮機を駆動するようにしてもよい。
【0023】圧縮機1の空気入り側には、圧縮機1に供給する吸気6を取り込む空気取入室7が配置され、この空気取り入れ室7は吸気ダクト8で圧縮機1に接続されている。吸気ダクト8内には、噴霧手段として微細液滴を噴出する噴霧装置、例えば、噴霧ノズル9が配置され、この噴霧ノズル9は、圧縮機1の外部に配置された給水タンク13に、給水ポンプ12及び流量を調節する流量調節弁11を介して接続されている。さらに、空気取入室7の外(上流側)には、吸気6を冷却する冷却手段である吸気冷却装置14が配置され、外部冷熱源15によって冷却された冷媒がポンプ16により吸気冷却装置14に循環されるようになっている。
【0024】さらに、制御手段として、吸気ダクト8入口,出口の吸気温度を検出して出力する温度センサ31,34、温度センサ31,34の出力を入力として前記ポンプ16、外部冷熱源15、流量調節弁11を制御するプラント性能演算装置32、プラント性能演算装置32に接続された表示器33が配置されている。プラント性能演算装置32には、また大気の温度、大気の相対湿度、プラント負荷が入力されるようになっており、さらに、プラント出力特性、湿り空気線図が記憶装置に記憶格納されている。
【0025】上記構成の装置において、圧縮機1に取込まれる吸気6は、まず、吸気冷却装置14に流入して冷媒と熱交換して冷却されたのち、空気取入室7を経て吸気ダクト8を通過する。吸気ダクト8を通過中の空気に噴霧ノズル9から液滴が噴霧され、噴霧された液滴は、吸気ダクト8を流下中一部蒸発して、圧縮機1に供給される吸気を外気温度より低下させる。残りの液滴は吸気とともに圧縮機1に吸入され、圧縮機1の内部で気化し、圧縮空気を冷却して圧縮機1の動力を低減させる。前記吸気冷却装置14での冷却を吸気冷却と呼び、吸気ダクト8での噴霧による加湿及び冷却を吸気加湿冷却と呼ぶ。
【0026】プラント性能演算装置32は、吸気冷却装置14に送る冷媒の流量を制御することにより、吸気冷却量を調整することができる。温度センサ31の出力を用いてフィードバック制御により、噴霧ノズル9上流側の温度を所望の温度に制御するようにしてもよい.吸気加湿冷却では、流量調節弁11により水噴霧量を制御し、吸気加湿冷却量を操作することができる。水噴霧量の上限は、吸気ダクト8内で気化することなく圧縮機に液滴として流入する水分が圧縮機の機能を良好に維持できる範囲とする。圧縮機入口空気温度は、温度センサ34で検出され、所望の温度になっているかどうか確認される。
【0027】吸気冷却量の制限は、ガスタービンIGVアイシング防止のため、大気湿球温度が5℃以上となる。しかし、冷却量は制限内ではあっても、吸気冷却を露点以下まで行うには多大な冷熱を必要とするから、吸気冷却は露点までとするのが得策である。
【0028】吸気冷却は、冷媒との熱交換による前記気体冷却装置の他に、冷凍サイクルにより吸気6から熱を取り去る気体冷却でもよい。また、図1では吸気冷却装置14が空気取入室7の外(上流側)にあるが、空気取入室7と噴霧ノズル9の間に吸気冷却装置14を配置してもよい。
【0029】また、図2のように噴霧ノズル9と空気取入室7との間に液体空気噴霧ノズル26を設け、液体空気を噴霧して吸気冷却を行う構成としてもよい。液体空気を噴霧する場合、液体空気噴霧ノズル26より噴霧された全液滴は、瞬時に気化し吸気6を冷却する。この場合は、液体空気噴霧ノズル26に、制御弁29、ポンプ28を介して液体空気貯蔵タンク27を接続し、さらに、液体空気貯蔵タンク27に弁を介して液体空気製造装置30を接続する。吸気冷却量は、液体空気の噴霧量により制御できる。なお、図2においては、温度センサ31,34、プラント性能演算装置32、表示器33は記載を省略してあるが、プラント性能演算装置32は、温度センサ31,34の出力を入力として、制御弁29及び流量調節弁11を制御するのは、図1の場合と同様である。但し、温度センサ31は、吸気ダクト8入口の吸気温度ではなく、液体空気噴霧ノズル26の下流側(噴霧ノズル9上流側)の吸気温度を検出出力する。
【0030】また、本実施の形態では、吸気加湿冷却、吸気冷却、吸気加湿を同時に使用する複合吸気冷却が可能である。複合吸気冷却では、圧縮機1の圧縮機入口吸気温度25を定めた温度まで冷却する場合、吸気加湿冷却量、吸気冷却量の比率は一定ではなく、様々な組み合わせが可能である。複合吸気冷却のなかで、特に、吸気加湿冷却量が無いときを吸気冷却、吸気冷却量が無い場合を、吸気加湿冷却という。
【0031】前記プラント性能演算装置32は、大気の温度,相対湿度、プラント負荷、プラント出力特性、湿り空気線図に基づいて吸気冷却装置14での冷却量、噴霧ノズル9での噴霧量を算出し、温度センサ31,34の出力を入力として、算出した冷却量になるように、吸気冷却装置14に送る冷媒の流量をポンプ16若しくは外部冷熱源15を制御するとともに、算出した噴霧量になるように流量調節弁11により水噴霧量を制御する。
【0032】次に、吸気の冷却によるプラント効率向上の原理について説明する。図3、図4に吸気冷却後のコンバインドプラント出力、コンバインドプラント効率予測の一例を示す。ここでは、吸気温度が0℃近傍から上昇するにつれて効率が上昇し、更に吸気温度が上昇すると、ある温度以上では逆に効率が低下するような、最高効率温度をもつコンバインドプラントを対象に説明する。
【0033】今、大気温度T1の吸気を吸気冷却し、吸気が露点に達するまで吸気温度を低下させようとすると、大気湿度より吸気冷却による温度低下量の上限値ΔTが決定される。同じ大気温度T1であっても、大気湿度が高いほど、温度低下量の上限値ΔTは、小さくなる。
【0034】図3は、圧縮機入口の吸気温度を横軸に、プラント出力を縦軸に、それぞれとって、両者の関係を示している。図3に示すように、吸気温度がT1からT2に下がることにより出力は、L1からL2まで増加することが予想される。
【0035】また図4は、圧縮機入口の吸気温度を横軸に、プラント効率を縦軸に、それぞれとって、両者の関係を示している。図4より、吸気温度がT1からT2に下がることにより、プラント効率はη1からη2に増加することが予想される。しかし、大気温度が低い場合、例えば吸気温度をT3からT4に冷却する場合には、効率はη3からη4に低下してしまうことが予想される。
【0036】図3、図4では露点まで冷却する場合を示したが、機器の吸気加湿等に関する特性(制約・効果)により露点まで冷却しない場合及び露点以下まで冷却する場合も、圧縮機入口温度から、同様に出力、効率を予測することができる。この予測は、吸気冷却後のプラント出力、効率を予測できれば、他の方法でもよい。
【0037】図5、図6により吸気加湿冷却によるプラント増出力予想、プラント効率の増加量予測の一例を説明する。
【0038】図5に圧縮機吸気への水噴霧量とプラント出力向上量の関係を、大気温度と大気の相対湿度をパラメータとして示す。これにより大気温度、相対湿度、水噴霧量から出力向上量(%)が予測される。
【0039】図6に水噴霧量と効率向上量の関係を、大気温度と大気の相対湿度をパラメータとして示す。これにより大気温度、相対湿度、水噴霧量からプラント効率の向上量が予測される。水噴霧後のプラント出力、効率を予測できれば、他の方法でもよい。
【0040】複合吸気冷却を行った場合のプラント出力、効率の予測について説明する。まず、吸気冷却を行った後のプラント出力、効率を予測する。そして、吸気冷却後の吸気温度、吸気湿度を大気条件として、吸気加湿冷却を行った場合の出力向上量、効率向上量を予測する。予め求めておいた吸気冷却後のプラント出力、効率と吸気加湿冷却による出力向上量、効率向上量から、複合吸気冷却でのプラント出力、効率を求めることができる。吸気冷却後の吸気温度、吸気湿度は、計測器(例えば温度センサ31など)により計測してもよいし、吸気冷却量から計算で求めてもよい。この予測は、複合吸気冷却後のプラント出力、効率を予測できれば、他の方法でも良い。
【0041】図4からわかるように、プラント効率が約20℃で頂点(最高効率)を持つ特性から、大気温度が20℃より高い時には、吸気冷却及び複合吸気冷却により、吸気温度を低下させることで熱効率の向上が見込まれるが、大気温度が20℃より低い場合は、吸気冷却を行うと、逆に、効率低下が予想される。
【0042】実際のコンバインドプラントの運用を考えると、大気温度が何℃であっても、また大気の湿度がどのような状態であっても、出力よりも効率を優先して、実現できる最高効率でプラントを運用することが望まれる場合がある。この場合には、圧縮機入口での吸気温度を、最高効率となる吸気温度に制御するとともに、圧縮機入口での吸気の相対湿度を100%程度とし、圧縮機中で気化する余分の水分を液滴として吸気中に保持させておく必要がある。
【0043】次に、最高効率となる吸気温度、吸気湿度にするための吸気加湿量、吸気冷却量の算出方法を説明する。最高効率となるプラント運転条件は、吸気を最高効率点(温度)で最大限に加湿することである。最高効率点の温度に最も近い温度で吸気を露点に到達させる条件を求め、次に圧縮機動力低減効果が得られる範囲での加湿量を加える。この結果得られる加湿量及び冷却量が最高効率を得られる条件である。
【0044】以下、20℃を最高効率点とした場合を一例として説明する。図9は湿り空気線図であり、これにより最高効率点の温度に最も近い温度で吸気を露点に到達させる加湿量及び冷却量を求める方法を説明する。外気条件は様々に変化するが、大別すると、横軸に乾球温度、縦軸に絶対湿度を採り、相対湿度100%の線を表示した湿り空気線図(図11)に示すように、高温で湿度が低い状態■、高温で多湿な状態■、低温状態■の3つに分けられる。高温か低温かは、図11の最高効率点Hの温度での露点を通る等湿球温度線のどちら側かで決まる。等湿球温度線の右側であれば高温状態の領域、左側であれば低温状態の領域である。多湿か低湿かは、図11の最高効率点Hの温度での露点を通り、横軸(乾球温度軸)に平行な線の上側か下側かで決まる。上側であれば多湿の領域、下側であれば低湿の領域である。
【0045】高温で湿度が低い状態は、図9の大気温度Aの状態が一例である。この場合は、絶対湿度を一定に保った状態、すなわち点Aを通り乾球温度軸に平行に引いた直線と、最高効率点Hの温度での露点を通る等湿球温度線との交点Cの温度、湿度を求め、大気温度Aと交点Cの温度との温度差分を吸気冷却量とし、点Cの絶対湿度と最高効率点Hの温度での露点の絶対湿度の水分量差分と、圧縮機特性によって決定される圧縮機が受け入れられる液滴量の和を吸気加湿量とする。これにより吸気温度を最高効率点の温度(20℃)とすること、及び圧縮機動力低減によるプラント効率を向上させることが可能となり、プラント効率を最高とすることになる。
【0046】次に高温で多湿な状態を説明する。この状態は大気温度A'の状態が一例である。前記と同様の方法ににより等湿球温度線との交点を求めようとするが、交点を求める前に露点H'となってしまうので、吸気冷却のみを行い吸気の温度を低下させる。この吸気冷却により露点に達するため、圧縮機が受け入れられる液滴量を吸気加湿量とし、圧縮機動力の低減を図る。これにより、A‘の外気温度・湿度の条件下でプラント効率を最高とすることができる。
【0047】また、低温状態は、大気温度A''の状態がその一例である。この場合、大気温度は、プラント最高効率点の温度(20℃)より低温であるため、吸気冷却は行わず、吸気加湿のみ行う。吸気加湿を行うことで若干の温度低下が起り効率は低下するかに見えるが、圧縮機への液滴導入による圧縮機動力低減の効果により、プラント効率は向上するのが一般的である。圧縮機の特性にもよるが、吸気冷却は行わず、A''からH''まで湿度を上げるための吸気加湿量と圧縮機の受け入れられる液滴量の和を噴霧することで、圧縮機動力低減が図られ最高のプラント効率を実現することができる。
【0048】つまり、大気温度及び大気の相対湿度に基づいて大気の条件が前記3つの領域のどれに該当するかを判定し、どの領域に属するかによってきまる所定の制御線(制御手順)にそって、吸気冷却量、水噴霧量の制御を行うことで最高プラント効率での運転が可能となる。
【0049】図10により、出力よりも効率を優先してできるだけ高い効率での運転を実現するためのプラント性能演算装置の一例を説明する。
【0050】大気温度、大気の相対湿度、プラント負荷をプラント性能演算装置に入力する。プラント性能演算装置では、図11の条件に基づき最高効率点に最も近い露点を求める。ここでは一例として最高効率点を20℃としているが、最高効率点の温度での露点を交点として、この交点を通る等湿球温度線及びこの交点を通る絶対湿度が一定な線で制御条件を判定することができる。
【0051】プラント性能演算装置は、入力された大気温度及び大気の相対湿度をもとに、大気条件が図11の■から■の領域のいずれに該当するかを判定する。■は吸気加湿と吸気冷却併用の場合、■は吸気冷却のみの場合、■は吸気加湿のみの場合の条件となる。なお、■、■の領域の区切り(境界)は、最高効率点の温度での露点を通る等湿球温度線である。
【0052】実例を図17、図18に示す。大気条件を、点A(大気温度30℃、相対湿度50%)とすると、その時のプラント効率は、点A'(48.4%)である。この大気を吸入して冷却し,温度を最高効率点の温度(20℃)にするのであるが、この大気条件は、図11における■の領域にあたるため、吸気冷却、吸気加湿冷却を併用することなる。まず、最高効率点を通る等湿球温度線との交点Bまでの吸気冷却量が算出され、算出された冷却量になるよう、ポンプ16或いは外部冷熱源15を制御して吸気冷却により冷却を行う。これにより効率はA'からB'に移動し、約48.5%となり、効率向上量+0.1%となる。ここで、予め算出された、温度及び絶対湿度をBからCへ移動させるのに必要な量の噴霧(液滴水分量)プラス圧縮機内で気化させる液滴分の噴霧が、噴霧ノズル9により吸気ダクト8に噴霧されて吸気加湿冷却が行われる。噴霧された液体の気化により、吸気は、BからCへ等湿球温度線に沿って冷却される。これにより吸気条件はBからCへ移動し、効率はB'からC'に移動しさらに効率が+0.02%上昇する。また、吸気ダクト8内で気化しなかった液滴(圧縮機内の気化のための液滴)は、圧縮機に導入される。圧縮機内での液滴の気化により、圧縮機での軸動力が低減され、約0.1%の効率が向上する。つまり、吸気冷却+吸気加湿冷却により吸気条件はA〜Dに動き、最高効率を実現する圧縮機入口温度を実現させ、また軸動力低減の効果により、約0.22%の効率向上となる。これは、複合吸気冷却によって初めて実現できるものである。例えば、点Aから吸気冷却だけを使えば、最高効率温度を実現するためには、多大な冷熱を必要をするため、得策ではなく、圧縮機への液滴導入による圧縮機軸動力低減の効果もない。また、Aから吸気加湿冷却を行えば、圧縮機入口温度は、Eに移動するため、最高効率温度を実現することは不可能である。
【0053】図12にプラント性能演算装置の制御フローの一例を示す。
【0054】大気温度、大気相対湿度を入力として図11により制御条件を判定する(手順121)。大気条件が領域■、■のとき、吸気冷却量を算出する(手順122)。再度大気温度、大気相対湿度を入力として図11により制御条件を判定し(手順123)、大気条件が領域■、■の場合、吸気加湿量(噴霧量)を算出する(手順124)。次いで、圧縮機が受け入れ可能な液滴量(噴霧量)を手順124で算出した噴霧量に加算し、噴霧ノズル9の噴霧量とする(手順125)。最後に、IGVアイシング等の機器制限条件や加湿・冷却に関する機器特性を用いて噴霧量(加湿量)や冷却量を増減補正する(手順126,127)。演算結果として、プラント出力・熱効率、吸気加湿量、吸気冷却量を出力する。プラント出力、熱効率については、図12には演算手順は示していないが、前記図7,図8を参照して説明した手順により、上記演算に併せて算出する。
【0055】このデータを用いて冷却量、噴霧量を制御して、ガスタービンが運転される。なお、制御条件判定以降の演算順序はいずれの順でもよい。また、演算方法は直接解法でも反復解法でも構わない。
【0056】このプラント制御により、大気条件がどのような状態であっても、実現できる最高の熱効率での運転(出力よりも効率優先の運転)が実現される。
【0057】図19に図10に示したプラント性能演算装置(以下,演算装置という)のブロック図の一例を示す。演算装置は、ハードウェアで構成してもよいし、また、ソフトウェアで実現してもよい。ここでは、ハードウェアで構成したとして説明する。
【0058】図示の演算装置は、プラント出力特性32及びプラント負荷33を入力とする関数発生器37と、関数発生器37の出力を入力とする極大点演算器38と、極大点演算器38の出力(最高効率点の温度55a)及び湿り空気線図31を入力とする関数発生器39と、相対湿度35及び大気温度34を入力とする変換器42と、関数発生器39の出力(等湿球温度線56)、変換器42の出力及び大気温度34を入力とする交点生成器40と、交点生成器40の出力を入力とする判定器43と、交点生成器40の出力と大気温度34の偏差及び判定器43の出力を入力とする乗算器41と、極大点演算器38の出力(最高効率点の絶対湿度55b)及びプラント出力特性32を入力とする関数発生器46と、極大点演算器38の出力(最高効率点の絶対湿度55b)と前記変換器42の出力の偏差57に前記関数発生器46の出力59を加えた水分量58及びプラント出力特性32を入力とする判定器45と、判定器45の出力と前記水分量58を入力とする乗算器44と、乗算器41,44の出力、湿り空気線図31、プラント出力特性32、プラント負荷33、大気温度34、及び相対湿度35を入力とするバイアス乗算器48と、演算に用いる湿り空気線図31及びプラント出力特性32を内蔵する図示しない記憶装置と、を含んで構成されている。
【0059】まず、吸気冷却量の算出方法について述べる。図10に示した演算装置は、出なりのプラント出力運転(効率優先の運転)の場合であるので、プラント負荷33としては、100%が演算装置によって設定される。外部入力条件は、大気温度34及び相対湿度35である。図11に示した判定を行うために演算が行われる。プラント出力特性32は、プラント負荷33を設定することにより、図8に示すような負荷条件に対応した特性曲線が関数発生器37によって求められる。なお、コンバインドプラントという構成、すなわち、ガスタービンの排熱を蒸気タービンの熱源とする構成から、ガスタービン負荷が決まれば蒸気タービン出力も決まるので、プラント負荷が決まれば、ガスタービン負荷も決まる。
【0060】この特性曲線を入力として、極大点演算器38により最高効率点55(温度、絶対湿度)が求められる。次に関数発生器39により最高効率点の温度55aを通る等湿球温度線56が作成される。相対湿度35は、変換器42により絶対湿度35'に変換され、大気温度34とともに交点生成器40に入力される。交点生成器40は、大気温度34と絶対湿度35'の点から絶対湿度一定の条件で引いた線と等湿球温度線56の交点の温度を求める。この交点の温度と大気温度34との差をとることで吸気冷却量が求められる。大気条件が、図11で吸気冷却が不可な領域■である場合は、関数発生器39により求めた等湿球温度線56よりも高温側にあるか低温側にあるかを判定して反映させる必要があるが、この操作は、判定器43により行い、その結果を係数に変換し、算出された吸気冷却量に乗算器41にて乗ずることで本来の吸気加湿量51を算出することができる。
【0061】吸気冷却量の次に加湿冷却量を求める。極大点演算器38により算出した最高効率点の絶対湿度(水分量)55bと変換器42から得られる大気中の絶対湿度(水分量)との差をとり、暫定の加湿冷却量57を算出する。さらに、関数発生器46で、最高効率点の温度・湿度条件とプラント出力特性32を組み合わせて圧縮機1の内部で蒸発する水分量59を算出し、これに前記暫定の加湿冷却量57を加算し、水分量58を得る。この水分量58を噴霧した場合にプラントに悪影響を与えるか否かをプラント出力特性32に基づいて判定器45により判定し、その係数を乗算器44へ代入し、圧縮機入口でのIGVアイシングなど、プラントに悪影響を与えない条件での水噴霧量(すなわち加湿冷却量)52を算出する。
【0062】さらに、バイアス乗算器48では、プラント出力特性、プラント負荷、大気温度、相対湿度から算出される吸気冷却、吸気加湿冷却を行う前のプラント出力、プラント効率に吸気冷却、吸気加湿冷却の効果を算出し、吸気冷却、吸気加湿冷却後のプラント出力、プラント効率を算出する。
【0063】なお、加湿冷却機能のみが付加されたプラントの制御は、図11に示した領域において、すべての温湿度条件点で低温のケースとして解析すれば良く、本発明から容易に推定することができる。
【0064】次に本発明の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は、要求される出力をできるだけ高い熱効率で実現するために、吸気加湿冷却量、吸気冷却量を制御することに加え、ガスタービン負荷も制御する点が前記第1の実施の形態と異なっている。
【0065】吸気加湿冷却、吸気冷却及び複合吸気冷却でプラント出力は増加する。要求された出力を実現するためには、プラント出力の増加分だけ、ガスタービン負荷を下げて運転することになるが、一般にガスタービン負荷が低下すれば、ガスタービン効率は低下することが知られている。
【0066】しかし、吸気冷却、吸気加湿冷却、複合吸気冷却では、プラント出力向上と共に、プラント効率向上も実現できるため、ガスタービン負荷の低下によるプラント効率低下分以上に熱効率を向上させることもできる。
【0067】図13にガスタービン負荷とプラント出力の関係の例を、複合吸気冷却を行った場合と行わない場合について比較して示し、図14にガスタービン負荷とプラント効率の関係の例を、複合吸気冷却を行った場合と行わない場合について比較して示す。この例では、複合吸気冷却によりガスタービン負荷が低下し、プラント効率は低下するが、複合吸気冷却による熱効率回復により、より高い熱効率を実現できる。これは、大気温度、湿度がある条件での一例を示したものであり、大気条件に無関係に、複合吸気冷却が最も良い熱効率を示すというものではない。
【0068】そこで本実施の形態では、大気温度、湿度及び要求出力を入力として、ガスタービン負荷、吸気冷却量、水噴霧量(吸気加湿冷却量)を変化させた時のプラント出力、効率を予測し、要求出力を最も高い熱効率で実現する、ガスタービン負荷、吸気加湿冷却量、吸気冷却量を選択し、制御する。
【0069】プラント出力(したがってガスタービン負荷)、効率の予測、演算は、前記第1の実施の形態と同様である。
【0070】図15にプラント性能演算装置の入出力の例を示す。本実施の形態は、プラント性能演算装置に大気温度、相対湿度、プラント要求出力を入力し、ガスタービン負荷、吸気加湿冷却量、吸気冷却量の組み合わせから、プラント出力、熱効率を予測演算し、要求出力をできるだけ高い熱効率で達成するガスタービン負荷、吸気加湿冷却量、吸気冷却量を算出し、算出した量になるよう制御するものである。
【0071】まず、図12のフローに従って演算し、吸気冷却、吸気加湿冷却を行った時のプラント出力、熱効率を算出する。次いで演算で得たプラント出力を要求出力と比較し、要求出力以上のプラント出力となっている場合は、ガスタービン負荷を低下させてプラント負荷を下げる処置を行う。 これにより、要求出力に対応したできるだけ高い効率での運転の制御が可能となる。
【0072】図15に示した制御装置のプラント性能演算装置の構成の一例を図20に示す。図20に示す構成が、前記図19に示す構成と異なるのは、要求出力が設定されるプラント出力設定器36と、前記バイアス乗算器48の出力側と前記プラント出力設定器36の出力側に接続して判定器49が配置され、この判定器49の出力の一つと前記乗算器41の出力の偏差が判定器49に入力されるともに、判定器49の他の出力と前記プラント負荷33の偏差が前記関数発生器37の入力となっており、判定器49が、ガスタービン負荷50、吸気冷却量51、加湿冷却量52、プラント出力53、及びプラント熱効率54を出力する点である。
【0073】図19に示す構成での手順と同様の手順にて出なり出力のプラント出力をバイアス乗算器48の出力として算出した後に、プラント出力設定器36で入力した要求出力60と前記算出されたプラント出力を比較し、その差分値が規定の値となるよう、前記関数発生器37に入力されるプラント負荷にフィードバックし、プラント負荷(プラントの実出力)33を増減させることで要求出力60に合致したプラント出力53やガスタービン負荷50等を算出することができる。このとき、関数発生器37に入力されるプラント負荷にフィードバックされる増減量は実質的にはガスタービン負荷の増減量で決まるプラント負荷の増減量であり、最終的に設定されたガスタービン負荷の増減量が、判定器49から出力されるガスタービン負荷に反映される。
【0074】本実施の形態の場合は、プラント性能演算装置が出力するガスタービン負荷を表す信号がプラント制御システムに送られ、ガスタービン負荷(燃料量、空気量等)が調整されるとともに蒸気タービン負荷が調整されてプラント要求負荷が維持される。なお、表示器33には、プラント性能演算装置が出力する吸気冷却量、噴霧量、プラント効率、プラント出力(及びガスタービン出力)などが画面表示される。
【0075】また図12のフローに従って演算して得られたプラント出力が要求出力以上のとなっており、ガスタービン負荷を低下させた場合のプラント効率低下が、吸気冷却、複合吸気冷却によるプラント効率向上よりも大きい場合は、吸気冷却量を低減させることにより、ガスタービン出力の増加量を抑制するようにしてもよい。
【0076】次に本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態は、プラントの経年劣化を考慮に入れる点が、第1の実施の形態、第2の実施の形態とは異なる。第1、第2の実施の形態では、それぞれプラントの出力、効率の予測を行うが、実際のプラントにおいては、プラントの経年劣化により、出力、効率ともプラントの供用開始時点よりも次第に低下することが知られている。したがって、プラント出力特性、効率特性が、経年変化する。プラント出力特性、効率特性が変化すれば、吸気加湿量、吸気冷却量に対するプラント出力、効率の増加叉は低下量が変化するためプラントの出力、効率予測が正しくなくなる。
【0077】本実施の形態は、その問題を解決するために、プラント運転時間を考慮したプラント出力特性、効率特性を図10、図15のプラント性能演算装置に組み込んだものである。
【0078】また、プラント出力特性、効率特性が、経年変化するのに対応して、第1の実施の形態で選択された吸気加湿冷却量、吸気冷却量または第2の実施の形態で決定された吸気加湿冷却量、吸気冷却量、ガスタービン負荷からそれぞれの値をずらしてプラントを運転し、効率、出力を実測し、要求するプラント運転になるよう、補正を行ってもよい。
【0079】本発明の上記各実施の形態の場合は、図19や図20に記載され、プラント性能演算装置の記憶装置に記憶格納されたプラント出力特性32へ経年変化特性を組込んでおくことで、プラント出力特性、効率特性の経年変化に対応して制御することができる。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、ガスタービンで駆動される圧縮機で該ガスタービンの燃焼器に供給する燃焼用空気を生成するように構成されたコンバインドプラントにおいて、出力よりも熱効率を優先して高い熱効率で運転すること及び要求された出力をできるだけ高い熱効率で発生させるように運転することが可能になる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成11年7月27日(1999.7.27)
【代理人】 【識別番号】100098017
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 宏嗣
【公開番号】 特開2001−41049(P2001−41049A)
【公開日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【出願番号】 特願平11−211844