トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの

【発明の名称】 ロータが水蒸気で冷却されるガスタービン用の軸方向シール装置
【発明者】 【氏名】トーマス チャールズ マーシー

【要約】 【課題】ホイールおよびスペーサの開口内の管の周りの空隙の間のシールと、このシールの周りの空隙とを維持する。

【解決手段】軸方向のシール組立体Sが、ロータ(不図示)の隣接するホイール(不図示)とスペーサ(不図示)との境界に備えられており、ロータリムに隣接するロータ内にある開口を通り熱媒体を移送する管(不図示)の周りに配置されている。各シール組立体は、熱媒体移送管の平坦部を支持する支持ブッシュ80と、対向する開口内に配置された軸方向重ね合わせを行うシートブッシュと、シートブッシュとシールとの間の円錐台形状シール84とを含んでいる。シートブッシュは、シールの外径縁93を保持する環状の凹部90を有する半径方向フランジ80を含んでおり、また、シートブッシュは、シールの内径縁98による係合用のシートを形成する軸方向に対面する環状の支持面96を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸方向に重ねられたロータホイール(14,16,18,20)およびスペーサ(30,32,34)と、ロータの回転軸から離れた、位置合わせされた開口(62,64)とを含むロータ(R)を有し、前記位置合わせされたホイールおよびスペーサが軸方向に延びる管(58)を受け入れているガスタービンにおける、前記ホイール(18)の1つと前記スペーサの1つとの境界に備えられた前記管の周りのシール組立体であって、前記ホイールおよびスペーサの1つにおける第1の開口内に部分的に収容されており、他の前記ホイールおよびスペーサの対向面に対して軸方向に重ね合わせられた環状の凹部を有する概ね半径方向に延びているフランジを含んでいる、概ね環状のシール支持体(80)と、前記第1の開口に軸方向に対向して前記他のホイールおよびスペーサの第2の開口内に部分的に収容されて、シートを有しているシートブッシュと、前記シール支持体と前記ブッシュとの間にあり、前記シール支持体とその前記凹部内において係合する半径方向外側縁(93)と、前記シール支持体と前記シートとの間を密封する前記シートに係合する半径方向内側縁(98)とを有する環状の円錐台形状の部材を含んでいるシール(84)とを有するシール組立体。
【請求項2】 前記シール支持体は、前記シールの外側規制ストッパを形成している、前記他のホイールおよびスペーサに向かって突出し、前記凹部のまわりに半径方向外側に拡がっているフランジ(92)を有している、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項3】 前記シール支持体および前記シールブッシュの1つは前記管を支持している、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項4】 他の前記シール支持体および前記ブッシュは前記管から離れている、請求項3に記載のシール組立体。
【請求項5】 前記シール支持体および前記シールブッシュの一方は前記管を支持しており、かつ、前記シール支持体および前記シールブッシュの他方は前記管から離れており、前記シールの前記半径方向内側縁(98)は、前記シールが軸方向に追従および圧縮できるように、前記シール支持体に対して軸方向に前記シートブッシュの環状の支持面に押し付けられている、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項6】 前記円錐台形状のシールは、前記ロータの軸に対して垂直でかつ前記シールを通る平面に対して浅い開先角度(α)を形成している、請求項1に記載のシール組立体。
【請求項7】 前記管は、前記ホイールおよび前記スペーサ間に空気間隙を形成するために前記ホイールおよび前記スペーサの1つにある開口から離れており、前記シールは、前記シール組立体まわりの、前記空気間隙と、前記ホイールと前記スペーサとの間の間隙とを密封している、請求項1に記載のシール組立体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータのリムに沿ってかつこのリムに隣接して、普通は軸方向に供給されかつ戻される熱媒体によって冷却される動翼を備えたロータを有するガスタービンに関し、さらに詳しくは、管をホイールおよびスペーサから断熱する空隙と、このホイールとスペーサとの間の接続部のまわりの空隙との間を密閉するために、軸方向に重なるホイールとスペーサとの間の連結部で熱媒体を運ぶ管を軸方向に密閉するシール組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンにおいて、ロータは、通常、互いに交互にボルト接合された、軸方向に重なるホイールおよびスペーサから構成されている。ホイールには、その外縁のまわりに、周方向に間隔を置いた動翼が取り付けられ、一方、スペーサはノズルに向かう半径方向の位置に置かれ、動翼およびノズルは、ロータをその軸周りに回転させる燃焼の生成物が流れる熱ガス経路の一部分を構成し、かつ、この熱ガス経路内にある。
【0003】ガスタービンのより進歩した構造においては、第1段目、好ましくは第1および第2段目の動翼は、中空管組立体を軸方向に通り、ロータの後尾板内の半径方向供給管内を外側に、また、重なったホイールおよびスペーサ内に並んだ開口を通って軸方向に延びる周方向に間隔をおいた複数の管を通って前方に通る熱媒体によって冷却される。使用された冷却媒体は、熱媒体を中空管組立体に戻す半径方向戻り管に連通した、周方向に間隔をおいた複数の戻し管によって、第1および第2段目からロータのリムに沿って後尾板へ戻される。タービン起動の間にロータ構造体が加熱すると、ホイールおよびスペーサリム領域が温度変化によって互いに接近するようになることが確かめられている。すなわち、ロータのリムは、ホイールとスペーサのリムが互いに向かって移動するようにタイボルトが配置されているロータの内側部分よりも速く熱くなる。この現象は、ロータクラップとして知られている。ロータ構造体が定常動作温度に近づくと、このロータクラップは小さくなり、ついには消滅する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、始動および定常動作の双方の間、ホイールおよびスペーサの開口内の管の周りの空隙の間のシールと、このシールの周りの空隙とが維持されることが重要である。これらの要件の結果として、始動の間のロータの温度上昇によって生じる、十分に大きい圧縮変位力を吸収するために十分な追従性を有し、しかも、定常動作の間における横方向のかなりの遠心力に耐えるに十分に強固なシールに対する要求が高まっている。さらに、このシールは、圧縮変位力がなくなり、タービンが定常動作に近づくときに、その最初の組み立て位置に戻らなければならない。したがって、このシールは、大きい遠心力負荷の下で自身を支持するために、半径方向に十分に頑強でなければならない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の好適な実施態様によれば、ガスタービンロータ組立体のホイールとスペーサの軸方向対向面の間に、熱媒体移送管のまわりに位置するシール組立体が備えられている。このシール組立体は、タービン起動時の大きな圧縮応力と定常動作時の大きな遠心力負荷とを吸収する一方で、管まわりのホイールとスペーサの開口における空隙と、このホイールとスペーサの重ね合わせ面間のシールの外側の空隙との間を有効に封止する。管まわりの空隙とシールまわりの空隙との間の本シールは、このシールまわりの空隙内に媒体が入るのを防止し、媒体としては、管まわりの空隙内へ入るか、あるいは、この空隙から出て行く管内冷却空気が好ましい。これらの空隙間の空気移動は、管まわりの空隙を通る流れを引き起こし、これによって、管からホイールおよびスペーサへの熱伝達を大きく増加させるであろう。管からホイールおよびスペーサへの熱伝達が大きくなると、ロータ破損の一因となる。上記の問題を解決するために、本発明は、支持ブッシュ、シール部材、およびシートブッシュを有するシール組立体を提供する。各々の支持ブッシュは、その端面に隣接するスペーサによって支持されており、また、熱媒体移送管の平坦部の支持部材を成す。支持ブッシュは、ホイールとスペーサとの間の接触面の領域内に、半径方向外側に向けられたフランジを有している。シートブッシュは、対向するホイールの端面を通る軸方向重ね合わせ開口内に配置され、軸方向に面する環状の支持面を据えている半径方向フランジを有している。円錐台形のシール部材は、支持ブッシュとシートブッシュとの間で延びている。シール部材の大外径部は、シールブッシュの凹部内に押し当てられ、内側の小外径縁はシート支持点の環状の支持面に押し当てられていることが好ましい。保持フランジすなわちストッパは、ホイールおよびスペーサが互いに向かって軸方向に移動する際にシール部材を支持するために、支持ブッシュのフランジの外側のマージン部に沿って形成されており、これにより大きい圧縮力が吸収され得る。タービンが定常動作に向かうにつれて、ロータクラップは小さくなり、シールはその最初の組み立て状態に戻る。この状態において、シール部材は、ロータ回転に起因する大きな遠心力の領域を吸収するために、半径方向に動かなくなっている。
【0006】本発明による好適な実施態様では、軸方向に重ねられたロータホイールおよびスペーサと、ロータの回転軸から離れた、位置合わせされた開口とを含むロータを有し、位置合わせされたホイールおよびスペーサが軸方向に延びる管を受け入れているガスタービンにおける、ホイールの1つとスペーサの1つとの境界に備えられた管の周りのシール組立体であって、ホイールおよびスペーサの1つにおける第1の開口内に部分的に収容されており、他のホイールおよびスペーサの対向面に対して軸方向に重ね合わせられた環状の凹部を有する概ね半径方向に延びているフランジを含んでいる、概ね環状のシール支持体と、第1の開口に軸方向に対向して他のホイールおよびスペーサの第2の開口内に部分的に収容されて、シートを有しているシートブッシュと、シール支持体とブッシュとの間にあり、シール支持体をその凹部内において係合する半径方向外側縁と、シール支持体とシートとの間を密封するシートに係合する半径方向内側縁とを有する環状の円錐台形状の部材を含んでいるシールとを有するシール組立体が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、本発明を含むタービン部が示されている。タービン部10は、タービンロータRを囲んでいるタービンハウジング12を含んでいる。ロータRは、本実施形態では、周方向に間隔を空けて配置された複数の動翼、すなわちブレード22,24,26,および28をそれぞれ支持する、ホイール14,16,18,および20によって示された連続する4つの段を含んでいる。これらのホイール14,16,18,20は、スペーサ30,32,および34の間に交互に配置されている。スペーサ30,32,および34の外側のリムが、複数のステーターブレード、すなわちノズル36,38,および40と半径方向に重ね合わされて置かれており、ノズル42の第1の組は、第1段目の動翼22の前方に置かれている。したがって、第1段目がノズル42および動翼22を有し、第2段目がノズル36および動翼24を有し、第3段目がノズル38および26を有し、そして、第4段目がノズル40および動翼28を有している、4段のタービンが示されていることが理解されるであろう。ロータホイールおよびスペーサは、これらのホイールおよびスペーサ内に位置合わせされた開口を貫通する、周方向に間隔をおいて配置された複数のボルト44によって、互いにしっかりと固定されている。1つが参照符号45で示されている複数の燃焼器が、ノズルおよび動翼がロータを回転させるために内部に配置されているタービン部の高熱ガス通路によって燃焼による高熱ガスを供給するように、タービン部10の周りに配置されている。ロータRはまた、中空管組立体と一体的に形成された、全体を参照符号48で示す後尾板46を有している。
【0008】初めの2つの段の動翼22および24の少なくとも1つ、もしくは好ましくはこれらの両方には、好ましくは冷却蒸気である冷却用の熱媒体が供給されている。冷却蒸気は、中空管組立体48を通って供給され、かつ戻される。図1および2を参照すると、好適な実施形態では、この中空管組立体は、後尾板46内に備えられた半径方向に延びる複数の供給管54へ流すための、蒸気空間52から冷却蒸気が供給される環状の流路50を有している。供給管54は、第1および第2段目の動翼内の、図示しない冷却通路に連通する、周方向に間隔をおいて配置され、軸方向に延びている熱媒体供給管56に連通している。高温になった使用された、すなわち戻ってきた冷却蒸気は、第1および第2段目の動翼から、周方向に間隔をおいて配置され、軸方向に延びている複数の熱媒体戻し管58を通って流れる。熱媒体戻し管58は、その後尾端で、半径方向内側へ延びている戻し管60に連通しており、一方この戻し管60は、複合サイクルシステムで用いられる供給管または蒸気タービンへ冷却剤を戻す中空管組立体48の中央孔に入っている。
【0009】前述の説明から、軸方向に延びる供給管56および戻し管58は、それぞれ、ロータRのリムの近くに配置されていることがわかる。また、供給管56および戻し管58の各々は、それぞれ、軸方向に位置合わせされた開口62,64、および、軸方向に重ねられたホイール14,16,18,20およびスペーサ30,32,34を通って延びている。
【0010】図2および図3を参照すると、戻し管58が示されている。これらの供給管56および戻し管58は、他に述べたことを除いて類似しているので、本シール組立体を説明するにあたり、この一方のシール組立体について説明すれば、他方のシール組立体の説明は十分であろう。各々の管は、その管の長さに沿う軸方向に間隔をおいた位置に隆起した複数の平坦部70を有する薄肉構造を有している。これらの平坦部70の軸方向位置は、ホイールおよびスペーサを通る開口内に部分的に配置された、本シール組立体の支持ブッシュの位置に一致する。これらの平坦部70間には、管の薄肉部72がある。図3を再び参照すると、平坦部70の外面が、薄肉部72の外面の半径方向外面にあることがわかる。外側湾曲面を有する移行部74が、各平坦部70と、これに隣接する薄肉部72との間に設けられている。これらの管は、ホイールとスペーサを通る開口の円筒面から半径方向内側に間隔をおいて配置され、そしてこれによって断熱用空隙76を形成していることに注意しなければならない。全体を参照符号Sで示すシール組立体が、空隙76と、管を取り囲むホイール14,16,18,20とスペーサ30,32,34との間における各々の空隙78との間を密封するために、軸方向に隣接するホイール14,16,18,20とスペーサ30,32,34との境界に設けられている。図2に示されているように、4つのシール組立体Sが戻し管58用に備えられ、ホイール16とスペーサ32との境界、スペーサ32とホイール18との境界、ホイール18とスペーサ34との境界、およびスペーサ34とホイール20との境界に置かれている。
【0011】本発明の好適な構成に従い、そして図4を参照すると、各シール組立体Sは、シール支持体、好ましくは支持ブッシュ80と、シートブッシュ82と、シール84とを有している。各支持ブッシュ80は、開口64内に形成されたその組み合わされたスペーサ32の深座ぐり孔内に収容されるスリーブ86を備えている。各支持ブッシュ80はまた、管の平坦部70と一致する軸方向位置に置かれており、その軸方向位置で管を支持している。特に図5(A)〜(C)を参照すると、ブッシュ80は、開口64の深座ぐり孔を軸方向に越えて置かれているスリーブ86の端部に隣接する、半径方向外側を向いたフランジ88を有している。フランジ88の軸方向端面はまた、シール84の外径縁を受け入れる環状の凹部90を有している。フランジ88の外側端92は、以下に説明するように、シール84のストッパとして作用する。
【0012】図7(A)〜(C)に示したシートブッシュ82は、支持ブッシュ80のスリーブ86の内径よりも大きい内径を有するスリーブ94を有している。図3に示したように、平坦部70は、薄肉部72がシートブッシュ82内に位置するように、かつシートブッシュ82から離れるように、薄肉部72へ移行している。シートブッシュ82は、ブッシュ80のフランジ88に軸方向に対向し、軸方向に対面する支持面96を備えた、半径方向に大きくされたフランジを有している。支持面96は、シール84の内径縁98用のシートとして作用する。
【0013】図6(A)〜(C)を参照すると、シール84は、その内径98と外径93との間に延びる、浅い円錐台形部を有している。シール部材84の内面とロータ軸に対して垂直な平面との間に形成される角度αは約13°であり、10〜15°の範囲内にある。このように、この角度は浅いものである。
【0014】図4を再び参照すると、支持ブッシュ80およびシートブッシュ82は、最初の組み立て時に、互いに軸方向に隔てられていることがわかる。シール84は、その外径縁が凹部90内にあり、外側ストッパすなわちフランジ92にもたれかかっている状態で、環状の凹部90内にある。内径縁98は、圧縮力によって環状のシート96に押し付けられている。タービン起動の間、ホイール14,16,18,20およびスペーサ30,32,34は、熱せられるとロータRの温度上昇に応じて互いに向かって移動しようとする。ブッシュを互いに向かって変位させようとする十分に大きい圧縮力は、シール部材によって吸収される。始動後にタービンが定常動作に近づくと、シール組立体Sは、その最初の組立て状態に戻る。しかしながら、定常動作の間、遠心力による大きな負荷がタービンロータのリムに加わり、したがって、遠心力による大きな負荷がシールに加わる。しかし、シール組立体Sの円錐台状の環状の形状は、シールとしての自身の機能を同時に果たしつつ、これらの大きな遠心力負荷に耐える十分な剛性を有している。
【0015】これらの支持ブッシュ80およびシートブッシュ82はそれぞれ、必ずしもスペーサ30,32,34およびホイール14,16,18,20の深座ぐり孔内に取り付けられなくてもよいことがわかる。ホイールおよびスペーサは、それぞれ、支持ブッシュ80およびシートブッシュ82を据え付けることができる。また、シール組立体Sは、第2段目のホイール16とスペーサ32との間、スペーサ32と第3段目のホイール18との間、ホイール18とスペーサ34との間、およびスペーサ34と第4段目のホイール20との間にあるものとして示されているが、これらのシール組立体Sを他の位置に配置できることが理解できるであろう。
【0016】本発明を現時点で最も実用的で好ましいと考えられる実施形態に関連して説明したが、本発明はここに開示した実施形態に限定されず、それどころか、特許請求の範囲の範囲内に含まれる様々な変形や均等な構成に及ぶものと理解されるべきである。
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成12年6月14日(2000.6.14)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一 (外3名)
【公開番号】 特開2001−20759(P2001−20759A)
【公開日】 平成13年1月23日(2001.1.23)
【出願番号】 特願2000−178081(P2000−178081)