トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの

【発明の名称】 ガスタービン機関を始動させる方法および装置
【発明者】 【氏名】グレゴリー ビー、ウェバー

【要約】 【課題】ガスタービン機関始動用の方法および装置を改良し、近似的に正確な燃料量が始動中の機関へ送られるように、ポンプから送られる燃料質量流量がポンプ速度および燃料温度の関数として決定されるようにする。

【解決手段】燃焼器ノズル19の圧力/流れ特性をシミュレートするように寸法付けされた較正オリフィス16を得る段階と、ポンプ13からの燃料流を選択的に較正オリフィスを介して方向づける段階と、ポンプ13を予め選択した複数速度で操作する段階と、前記の各速度での前記燃料流の温度を測定する段階と、前記の各速度での燃料流の、較正オリフィス16前後での圧力降下を測定する段階と、燃料質量流量を、ポンプ速度および燃料温度の関数として計算する段階と、燃焼器ノズル19を介して燃料流を選択的に方向づける段階と、機関始動用の目標質量流量を得るため、ポンプ速度を制御する段階とを含む方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガスタービン機関を始動させる方法であって、前記ガスタービン機関の正常作動時に、燃焼器ノズルを介して燃料を燃料源から前記機関に供給するように操作可能に構成された可変速度電動燃料ポンプを有する形式のものにおいて、前記燃焼器ノズルの圧力/流れ特性をシミュレートするように寸法付けされた較正オリフィスを得る段階と、前記燃料ポンプからの燃料流を選択的に前記較正オリフィスを介して方向づける段階と、前記燃料ポンプを予め選択した複数速度で操作する段階と、前記速度のそれぞれでの前記燃料流の温度を測定する段階と、前記速度のそれぞれでの前記燃料流の、前記較正オリフィス前後の圧力降下を測定する段階と、燃料質量流量を、ポンプ速度および燃料温度の関数として計算する段階と、前記燃焼器ノズルを介して前記燃料流を選択的に方向づける段階と、前記機関の始動用の目標質量流量を得るために、前記ポンプ速度を制御する段階とを含む、ガスタービン機関を始動させる方法。
【請求項2】 可変速度電動燃料ポンプの質量流量出力を、ガスタービン機関の始動中のポンプ速度の関数として定義するための装置において、燃焼器ノズルと、前記燃焼器ノズルの圧力/流れ特性をシミュレートするように寸法づけられた較正オリフィスと、前記燃焼器ノズルまたは前記較正オリフィスのいずれかに前記流れを選択的に方向づけるための弁と、種々の速度で前記燃料ポンプを操作するための制御装置と、前記燃料ポンプの出力流の燃料温度を測定する温度センサと、種々の速度の場合に、前記ポンプ出力流の、前記オリフィス前後の圧力降下を測定する圧力センサと、前記燃料ポンプ出力流の燃料質量流量を、ポンプ速度および燃料温度の関数として計算する装置とが含まれ、それにより前記燃料ポンプが目標質量流量を生じさせるように制御される、質量流量をポンプ速度の関数として定義するための装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広くはガスタービン機関を始動させる方法と装置に係わり、より具体的には、較正モード時に先ず機関の予想作動状態をシミュレートし、引き続き作動モード時に機関を操作する改良された方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば予備動力ユニット("APU")として使用される小型のガスタービン機関は、通常、歯車変速機を介して機関速度の一定部分で駆動される固定容積形燃料ポンプの出力を計量することで制御される。計量された流量は、通常、機関速度制御ループを介して制御されることで、目標機関出力設定が達せられる。このようなシステムでは、過剰な燃料ポンプ出力が、通常、逃がし弁を介してバイパスされ、かなり非効率である。
【0003】機関の始動時には、機関に駆動される燃料ポンプからの燃料質量流量を、機関速度制御ループの助けなしで制御する必要がある。なぜなら、機関の作動前には、燃料送出量は機関速度に影響を与えないからである。このため、通常、補助部品、例えば圧力調整器、計量弁、何らかの種類の流量測定機器が必要となる。これらの部品のすべてのために、機関制御システムの費用がかなり増加することになる。加えて、質量流量は、温度の関数、つまり急速に変化し得る変数である。例えば商業用ジェット旅客機は、タールマック舗装の滑走路温度が過剰、例えば約37#C(100#F)の或る場所から、周囲温度がより低い、例えば約0#C(32#F)の別の場所へ急速に移動することがある。航空機がゲートで点検を受けている間に、APUを作動させるのは普通のことである。しかし、APUを始動させるのに必要な燃料の質量流量は、周囲温度が異なれば調節しなければならないだろう。
【0004】したがって、概して望ましいのは、前記補助部品を必要としない、ガスタービン機関始動用の改良された方法と装置を得ることだろう。それらの部品を省くことによって、機関制御システムの総費用が低減できる。加えて、そのような簡単化されたシステムにより、燃料ポンプ速度が機関速度とは無関係に制御可能にされるならば、正常な機関作動時の出力効率も改善されよう。
【0005】
【課題を解決するための手段】ここに開示する改良された方法および装置では、機関の主燃焼器ノズルの圧力/流れ特性を精密にシミュレートするように寸法付けされたオリフィスにより制御されたポンプ吐出流量で作動する場合、先ず燃料流量対モータ速度特性の較正が行われる。種々のポンプ速度がポンプ制御装置によって命令され、その結果生じるオリフィス圧力降下が、燃料温度と共に記録される。次に、このデータがポンプ制御装置によって処理され、ポンプ速度と質量流量との関係が設定される。次いで較正オリフィスが、燃料ポンプの流れ回路外へ切り替えられ、流れが機関燃焼器ノズルへ再び向けられ、これによってポンプ制御装置が較正データに基づいて目標質量流量を設定できる。機関が作動した後、機関制御装置は正常作動モードへ移行し、該モードでは、ポンプ速度が、外部のタービン速度制御閉ループに応答して調整される。このシステムは、したがって温度や摩耗によるポンプ性能の変化を経済的に補償する。
【0006】本発明により、広くはガスタービン機関を始動させる改良された方法と装置が得られる。単なる説明目的のもので限定目的のものではない、本発明の実施例を、対応する部品、部分、表面に括弧付きの符号を付して次ぎに開示する。一態様によれば、本発明により、機関の正常作動時に、燃焼器ノズル(19)を経て燃料源から機関へ燃料供給するように操作可能に構成された可変速度モーター駆動燃料ポンプ(13)を有するガスタービン機関(17)を始動させる改良された方法が得られる。この改良された方法は、次の段階、すなわち、燃焼器ノズルの圧力/流れ特性をシミュレートするように寸法付けされた較正オリフィス(16)を得る段階と、燃料ポンプからの燃料流を選択的に前記オリフィスを介して制御する段階と、燃料ポンプを予め選択した複数速度で操作する段階と、前記各速度での前記燃料流の燃料温度を測定する段階と、前記各速度での燃料流の、較正オリフィス前後の圧力降下を測定する段階と、燃料質量流量をポンプ速度および燃料温度の関数として計算する段階と、燃焼器ノズルを介して燃料流を選択的に方向づける段階と、機関の始動用の目標質量流量を得るために、前記ポンプ速度を制御する段階とを含んでいる。
【0007】別の態様によれば、本発明により、可変速度電動燃料ポンプ(13)の質量流量を、ガスタービン機関(17)の始動中のポンプ速度の関数として定義するための装置(10)が得られる。該改良型装置は、少なくとも1つの燃焼器ノズル(19)と、前記ノズルの圧力/流れ特性をシミュレートするように寸法づけられた較正オリフィス(16)と、前記ノズルまたは前記オリフィスのいずれかに前記燃料流を選択的に方向づけるための弁(15)と、種々の速度で前記ポンプを操作するための制御装置(12)と、ポンプ出力流の温度を測定する温度センサ(14)と、種々の速度の場合に、前記ポンプ出力流の、前記オリフィス前後の圧力降下を測定する圧力センサと(18)と、前記ポンプ出力流の燃料質量流量を、ポンプ速度の関数として計算する装置とを含んでおり、それにより、前記燃料ポンプが目標質量流量を得るように制御されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の全般的な目的は、ガスタービン機関を始動させる改良された方法および装置を得ることである。別の目的は、近似的に正確な燃料量が始動中の機関へ送られるように、燃料ポンプから送られる燃料質量流量が、ポンプ速度および燃料温度の関数として決定される、ガスタービン機関始動用の改良された方法と装置を得ることにある。前記およびその他の目的、並びに利点は、既述の、および以下の明細、図面、請求の範囲により明らかとなろう。
【0009】
【発明の実施の形態】最初にはっきり理解すべき点は、複数の図面で一貫して、等しい構成部材、部分、表面を同定するために、等しい符号を用いている点である。前記構成部材、部分、表面は、更に、明細書の記載全体により記述または説明され、以下の詳細な説明は明細書の不可欠の一部をなすものである。他に指示がなければ、図面は、明細書と一緒に読まれるべきであり(例えば斜線、部品の配置、比率、度など)、本発明の記述全体の一部と考えるべきものである。以下の説明で用いられているように、「水平」「垂直」「左」「右」「上」「下」の用語は、これらの語の形容詞および副詞(例えば「水平に」「右方へ」「上方へ」など)同様、読み手が特定図面に向かって見た場合の、図示されている構造物の配向を端的に意味するものである。同じように、「内方へ」とか「外方へ」という用語も、表面の伸長軸線(axis of elongation)、または適当で有る限り、回転軸線に対する表面の配向を概して表している。
【0010】図示の本発明により、広くは、ガスタービン機関を始動させる改良された方法および装置が得られる。この機関は、例えば商用業のジェット旅客機のAPUである。しかし、本発明は、その使用目的に限定されるものではなく、適宜のガスタービン機関の始動に広く使用可能である。図1には、全体を符号10で示す改良型装置が、概して、APU制御装置11と、ポンプ制御装置12と、可変速度電動ポンプ13と、温度センサまたは変換器14と、切り替え弁15と、オリフィス16と、差圧センサ18とを含む装置として示されている。この装置は、ガスタービン機関のブロック19内に示した燃焼器ノズルと組み合わせて示されている。
【0011】APU制御装置11は、ライン20を介して外部から指令を受ける。APU制御装置11は、ライン21を介して機関からタービン速度の負帰還信号を受信する。これら2つの信号の代数和が、エラー信号としてライン22を介してポンプ制御装置へ与えられる。ポンプ制御装置12は、適当な電流および周波数の信号をライン23を介してポンプ13へ送り、ポンプ13の方は、ライン24で示された燃料を温度センサへ供給し、ライン25を介して切り替え弁15へ供給する。切り替え弁15は、較正オリフィス16または機関の燃焼器ノズル19のいずれかに燃料の流れを方向づけることができる。オリフィス16からの戻り流は、ライン26を介してモータポンプへ戻される。燃料流の検出温度は、ライン31を介してポンプ制御装置へ送られる。オリフィス前後の圧力差は、差圧センサ18によって検出され、ライン29を介してポンプ制御装置12へ送られる。モータ速度(すなわち速さと方向)はライン30を介してポンプ制御装置12へ送られる。燃料温度は、ライン31を介してセンサ14からポンプ制御装置12へ送られる。
【0012】先述のように、本発明により、機関の正常作動時に、適当な燃料源(図示せず)から符号19で示した燃焼器ノズルを経て機関へ燃料を供給する用に操作可能に構成された符号13で示した可変速度の電動ポンプを有するガスタービン機関を始動する改良された方法と装置が得られる。この改良された方法は、概して、次の段階を含んでいる。すなわち、燃焼器ノズル19の圧力/流れ特性をシミュレートするような大きさに(すなわちそのような寸法かつ形状を有するように)された較正オリフィス16を得る段階と、ポンプからの燃料流を較正オリフィスを介して初めに方向づける段階と、ポンプ制御装置12により得られる予め選択した速度でポンプを操作する段階と、予め選択した各速度での燃料流の温度を、例えばセンサ14によって測定する段階と、前記各速度での前記燃料流の、較正オリフィス前後の圧力降下を、例えば差圧センサ18で測定する段階と、燃料質量流量を、ポンプ速度および燃料温度の関数として計算する段階と、その後で燃料流を較正オリフィスから燃焼器ノズルへ、例えば2位置切り替え弁15を操作することで再方向づけする段階と、機関始動のための目標燃料流量が供給されるように、較正データから得られた平均計算流量にしたがってポンプ速度を制御する段階と、その後で機関始動のための目標質量流量を制御するため、外部のタービン速度制御ループによりポンプ速度を制御する段階とを含んでいる。
【0013】別の態様の場合、本発明によれば、ガスタービン機関の始動中に、可変速度電動燃料ポンプの出力質量流量を、ポンプ速度の関数と定義するための改良型装置が得られる。この装置は、概して、符号19で示す燃焼器ノズルと、該ノズルの圧力/流れ特性をシミュレートするような寸法および形状(すなわち大きさ)を有するようにされた、符号16で示す較正オリフィスと、燃焼器ノズル19または較正オリフィス16のいずれかに前記燃料流を選択的に方向づけるための、符号15で示す切り替え弁と、種々の速度で燃料ポンプ13を操作するための、符号12で示すポンプ制御装置と、燃料ポンプの出力流の燃料温度測定用の、符号14で示す温度センサと、前記種々のポンプ速度でのポンプ出力流の、較正オリフィス16前後の圧力降下を測定するための、符号18で示す圧力センサと、ポンプ出力流の燃料質量流量を、ポンプ速度および燃料温度の関数として計算するための、ポンプ制御装置12に内蔵された装置とを含み、それによりポンプが機関の始動中に操作され、目標質量流量を得ることができる。
【0014】本発明には、多くの変化形や変更態様が可能と考えられる。例えば、ポンプ13は、電動モータにより駆動できるが、別の種類の原動機を使用することもできる。また異なる種類の温度センサおよび変換器も使用することができる。弁15は、2方電磁操作弁でもよい。較正オリフィス18は、簡単なオリフィス板でもよい。差圧センサとしては、さまざまな種類の市販の差圧センサを使用できる。したがって、本発明では、添付図面に略示された部品の代わりに、種々の部品を使用できることを明瞭に理解されたい。したがって、以上、改良型装置の、現時点で最良の形式と、該装置により実施される方法とを説明したが、当業者には、種々の付加的な改変および変更態様が、特許請求の範囲に定義され詳説されている本発明の精神を逸脱することなしに可能であることが分かるだろう。
【出願人】 【識別番号】593195886
【氏名又は名称】ムーグ インコーポレイテッド
【出願日】 平成12年7月7日(2000.7.7)
【代理人】 【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓 (外3名)
【公開番号】 特開2001−20758(P2001−20758A)
【公開日】 平成13年1月23日(2001.1.23)
【出願番号】 特願2000−206356(P2000−206356)