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【発明の名称】 ターボジェットエンジンにおける入口案内羽根の制御機構を保護するための装置
【発明者】 【氏名】エリツク・コネト

【氏名】フランソワ・マリー・ポール・マルラン

【要約】 【課題】使用される飛行機の飛行の安全を確保できる、ターボジェットエンジンの入口案内羽根における方向制御アクチュエータを保護するための装置を提供する。

【解決手段】この装置には、その制御アクチュエータ8のピストンにおけるスピンドル7の動きを、すべての羽根の方向を決める制御リング4に伝達するための連接棒10に、少なくとも1つの細い部分13が設けられている。それゆえ、連接棒10は壊れやすい部分として作用する。本発明は、現存するすべてのターボジェットエンジンに適用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ターボジェットエンジンの入口で入口案内羽根の制御機構を保護するための装置であって、該機構が、制御アクチュエータ(8)と、壊れやすい伝達部分(10、20、30、42、52、62)と、この壊れやすい伝達部分を用いて制御アクチュエータ(8)により駆動される制御リング(4)と、それぞれの羽根について、対応する羽根を方向付け、かつ、制御リング(4)によって作動する制御レバー(2)とを備えており、壊れやすい伝達部分(10、20、30、42、52、62)が、単一の構成要素であり、制御アクチュエータ(8)と制御リング(4)との間に位置する制御機構のリンクを構成することを特徴とする保護装置。
【請求項2】 前記壊れやすい伝達部分は、一端が制御アクチュエータ(8)のスピンドル(7)にそれ自体接続された枢動伝達部分(6)に位置し、かつ、他端が制御リング(4)に接続された、細い部分(13、23、33)を含む連接棒(10、20、30)であることを特徴とする請求項1に記載の保護装置。
【請求項3】 連接棒(32)およびその細い部分(33)が、管状であることを特徴とする請求項2に記載の保護装置。
【請求項4】 前記連接棒が、連接棒(20)の細い断面部分(23)を取り囲んでいる保護部(21)を含むことを特徴とする請求項2に記載の保護装置。
【請求項5】 管状保護部(21)が、熱収縮可能な二重の被覆からなることを特徴とする請求項4に記載の保護装置。
【請求項6】 前記壊れやすい伝達部分が、羽根制御機構のヨークにおける少なくとも1つの細い断面部分(43、53、63)を含む壊れやすいピン(42、52、62)であることを特徴とする請求項1に記載の保護装置。
【請求項7】 枢動伝達部分(6)の下流側ヨーク(11)に取り付けられており、細い断面部分(13)が破壊した場合に、制御アクチュエータ(8)あるいはピストン(7)のスピンドルに衝撃を引き起こすような振幅で連接棒(10)が回転しないように連接棒(10)の端部を覆う振れ防止部(14)を備えることを特徴とする請求項2に記載の保護装置。
【請求項8】 羽根(73)の枢軸ピン(3)を位置決めするために用いられた突起(71)に当接する制御リング(4)に横向きに取り付けられた横ストッパ(70)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の保護装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転中に角度が制御される羽根からなる入口案内羽根(翼)を含むターボジェットエンジンに関するものである。
【0002】本発明は、詳しくは、羽根の向きを制御するアクチュエータの保護に関するものである。
【0003】
【従来の技術】戦闘機に使用されるように、あるターボジェットエンジンが使用されるとき、ある飛行条件では、ターボジェットエンジンの吸気口における空気流に応力(ストレス)が加わる。実際に、特定の気象条件では、ターボジェットエンジンの所与の運転条件に対して、そのターボジェットエンジンの吸気口における空気流が「サージング」のように攪乱される現象が起きる。この種の現象は、ターボジェットエンジンの吸気口における実際の瞬間空気流がターボジェットエンジンの好ましい運転条件についての特定の瞬間に要求される理論空気流と異なっている、ということを意味している。次いで、ターボジェットエンジンの入口案内羽根、特にその方向付け可能な羽根において、激しくて強い吸引の現象が発生する。これによって、圧縮機に空気力学的な不安定性が生じることになる。
【0004】同様に、飛行機がエンジン停止しているかあるいはごく低い高度で飛行しているとき、物体あるいは飛行物体が吸い込まれて、1つ以上の羽根が大きな衝撃を受けることがある。その場合、羽根の機械式チェーンを構成している部品の1つが損傷したり破壊したりする。しかしながら、たいていのターボジェットエンジンでは、機械式チェーンは、圧力下のターボジェットエンジンの燃料で作動するアクチュエータによって制御される。羽根の1つへのそのような衝撃によって、機械式チェーンの部品の1つに起因して直接的あるいは間接的に、制御アクチュエータが損傷し、また、重大な燃料漏れが生じるおそれがある。このような出来事は、これらのターボジェットエンジンの1つが使用されるどのような飛行も危険にさらされないようにするために、いかなる場合においても防止すべきである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の目的は、この種のターボジェットエンジンが使用される飛行機の飛行の安全を、入口案内羽根の羽根制御アクチュエータなどの壊れやすい部分の保護によって、確保することである。
【0006】さらに、米国特許第4695220号には、異物が吸い込まれたときにターボジェットエンジンにおける入口案内羽根のそれぞれの羽根に掛かる荷重が制限される、壊れやすい機構システムが開示されている。それぞれの羽根は、制御レバーと入口案内羽根制御リングとの間に壊れやすい部分が備えられており、それぞれの羽根は、衝撃を受けたときに、この壊れやすい部分によって保護される。この壊れやすい部分が壊れると、前記リングにおけるくぼみによって羽根制御レバーの移動が制限される。壊れやすい部分が壊れたときに衝撃を吸収するために、リングのくぼみに、バネやエラストマー材料などのさまざまな減衰システムが用いられる。
【0007】この種の解決法の欠点は、すべての羽根が壊れやすい部分を備えることが必要であることである。このことは、構成、重量およびコストの面からは不利である。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような欠点を克服するために、本発明の主な目的は、ターボジェットエンジンの入口で入口案内羽根の制御機構を保護するための装置である。この機構は、・制御アクチュエータ、・制御アクチュエータによって作動する折れやすいあるいは壊れやすい(frangible)伝達部分、・壊れやすい伝達部分を用いて制御アクチュエータにより駆動される制御リング、および・それぞれの羽根について、対応する羽根を方向付け、かつ、その制御リングによって作動する制御レバーを備えている。
【0009】本発明によれば、その壊れやすい伝達部分は、単一の構成要素(部品)であり、制御アクチュエータと制御リングとの間に位置する制御機構のリンクを構成する。
【0010】本発明の好ましい実施形態では、壊れやすい伝達部分は連接棒であり、この連接棒の一部分には、制御アクチュエータと制御リングとの間に、細い断面部分がある。また、ただ1つの枢動伝達部分が、連接棒の前方でアクチュエータの出口に使用され、これら2つの構成要素の周りに連結されている。
【0011】この場合には、前記細い断面部分の周りに、管状保護部を設けるのが有利である。
【0012】この管状保護部は、熱収縮可能な二重の被覆から成るのが有利である。
【0013】また、細い断面部分および前記連接棒全体は、管状に形成することができる。
【0014】本発明の別の実施形態では、壊れやすい伝達部分は、枢動伝達部分の下流におけるヨークに位置している、細い断面部分を持つ壊れやすいボルトである。
【0015】一旦壊れた連接棒が、この機構の機構部、とりわけアクチュエータを損傷するのを防止するために、前記の枢動伝達部分の下流側ヨークに偏向あるいは振れ防止部を嵌め込んでその連接棒の端部を覆い、前記アクチュエータが衝撃を受けるような振幅で前記接続部が回転するのを防止するのが、きわめて有利である。
【0016】本発明およびその技術的特徴は、本発明の実施形態に係る次の記載からいっそうよく理解されるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】図1によれば、ターボジェットエンジンへの入口は、このターボジェットエンジンに入る空気流を調節するために使用される入口案内羽根の入口ケーシング1からなっている。この入口案内羽根には傾斜羽根が含まれており、これらの傾斜羽根は、図示しないが、入口ケーシング1の外側に位置する制御レバー2によって暗示されている。これらの傾斜羽根は、羽根の一構成部分を形成しており、また、それぞれが、このターボジェットエンジンの仮想軸に垂直である羽根の枢軸ピン3の周りを枢動するように取り付けられている。これらの羽根は、入口ケーシング1の外側に位置する制御アクチュエータ8を用いて傾斜が付けられ、また、そのピストン7は、枢動伝達部分6を用いて羽根制御リング4を駆動する。制御リング4は、入口ケーシング1の周囲全体を取り囲んでいる。それぞれの羽根制御レバー2の端部は、制御リング4が入口ケーシング1の周りをわずかに回転するときに、それぞれの入口案内羽根がそのピン3の周りを枢動するように、制御リング4の周りを枢動するように取り付けられている。
【0018】連接棒10によって、枢動伝達部分6の動きが制御リング4に伝達される。このように動きが伝達されるためには、この連接棒は、制御リング4のヨーク12においてターボジェットエンジンの軸に平行で制御リング4に対して固定された枢軸ピン5の周りを枢動するように取り付けられている。連接棒10の他端も、枢動伝達部分6の下流側ヨーク11で枢動するように取り付けられている。
【0019】図2によれば、連接棒10が、壊れやすい部分であって、この連接棒の細い断面部分13によって構成された弱化部位を含んでいる。この細い断面部分13についての理由は上述されている。その結果、羽根の1つへの衝撃あるいは極度の機械的歪みによって制御アクチュエータ8が損傷することはない。実際、衝撃が加わると、羽根制御機構アセンブリ全体のうち細い断面部分13がまず初めに壊れる。
【0020】図3によれば、符号20で示されたこの連接棒の別の実施形態には、熱収縮可能な二重あるいは二層の被覆から成るのが好ましい管状保護部21によって外側が保護された細い断面部分23がある。
【0021】図3において、保護部21は、細い断面部分23の状態を確かめることができるように、透明であってもよい。
【0022】連接棒の長さはヨークの雄部分のネック24にねじ込まれる2つのねじ付き端部22によって調整することができることに留意すべきである。
【0023】図4は、符号30で示された連接棒の別の実施形態である。この連接棒30は管状部分32からなり、管状部分32には、細い断面部分33が含まれている。連接棒30の内側はスピンドル34で完成される。スピンドル34は、ヨークの第1雄部分におけるネック36の一構成部分を形成しており、別のヨークにおける別の雄部分のネック35の内部に収容される。2つのネック35および36はねじが切られているとともに、管状部分32には、連接棒の長さをねじ込みおよびねじ戻しによって調節することができるように、雌ねじが切られている。
【0024】図5によれば、本発明における壊れやすい部分の別の実施形態において、その壊れやすい部分は、羽根制御機構のヨークにおける壊れやすいボルト42に位置している。実際に、その壊れやすい部分を連接棒10と制御リング4との間のヨークにおける、図1の枢軸ピン5に位置させることができる。この実施形態では、連接棒には細い断面部分は含まれていない。
【0025】図5に戻れば、断面部分43の備わった1つあるいは2つの部位は、玉継手41の周りにおける連接棒40のヒンジの中心に位置するボルト42に含まれていてもよい。したがって、ヨーク46の雌部分は伝導リングの一構成部分を形成している。玉継手41がガタつかないように、連接棒40の周りにおける雌部分46の把持力(グリップ)を調節するために、ナット45が使われている。
【0026】図6には、連接棒40の玉継手41の周りの遊びを調節することができる別の実施形態が示されている。この実施形態では、弱化された1つの部位あるいは複数の部位53は、ボルトの一部分を構成しないヨークピン52に位置している。他方、ヨーク56の雌部分は、調節ボルト57がヨーク56を通過することができるように伸ばされており、また、調節ナット55は、玉継手41の周りにおける遊びを調節するために使われている。
【0027】図7には、連接棒40における玉継手41の遊びを調節するための、さらに別の実施形態が示されている。別の調節ボルト67がヨーク68の雌部分の内側に位置しており、また、調節ナット65が用いられている。端板68が用いられているが、これは、1つあるいは2つの弱化部位63が含まれるピン62の一構成部分を形成している。
【0028】図1によれば、振れ防止部14もまた示されている。この振れ防止部14は、連接棒10の第1端部と枢動伝達部分6の下流側ヨーク11とによって構成されたヒンジの周りに位置している。実際に、連接棒10の壊れやすい部分13が破壊する場合、その部分は2つの部分に分かれる。前記アクチュエータに最も近い部位、換言すれば、枢動伝達部分6の下流側ヨーク11に取付けられた部位が制御アクチュエータ8あるいはピストン7のスピンドルに当たったりぶつかったりするのを防止することは必要である。それゆえ、振れ防止部14は、U字状であって、ボルト、ヨーク11のピンあるいは下流側ヨーク11の雌部分の一構成部分を形成している。どのような振れも最小限にするように、この振れ防止部によって連接棒10の端部を覆わなければならない。
【0029】振れ防止部14の1つの実施形態は、図9に詳しく示されている。U字形は、中央部分15と、この中央部分15に垂直である2つのアーム16とによって、主として構成されている。2つのアーム16は、互いに平行であり、また、連接棒10の頭部における一方の側に位置している。連接棒10の頭部と、振れ防止部14の3つの部分、換言すれば中央部分15およびとりわけ2つのアーム16との間に、わずかな遊びが存在している。したがって、連接棒10が取り付けられる枢動伝達部分6のヨーク11に対して連接棒10が振れる可能性は、取付けピン18の周りの回転に主として制限される、ということがわかるであろう。振れ防止部14が取付けピン18の周りを枢動するのを防止するために、それぞれのアーム16における一方の側に位置決め脚部17を設けることができる。
【0030】図8には、制御リング4の位置が示されている。実際に、羽根の1つが過大な衝撃あるいは歪みを受けた後に連接棒あるいは壊れやすいボルトが損傷したり破壊したりする場合、制御リングは、ターボジェットエンジンのピンに対して長手方向の位置に保持されることがもはやできない。換言すれば、制御リング4は長手方向へ動きやすくなる。本発明によれば、制御リング4には横ストッパ70が装着されている。ストッパ70は、入口ケーシング1に設けられた突起71に接触するように、かつ、羽根73の枢軸ピン3を位置決めするように意図されている。横ストッパ71は制御リング4の両方端部に設けられている。さらにまた、それぞれの横ストッパ70における端部には、突起71へのどのような衝撃も防止するために、減衰材料74の先端が備えられるのが有利である。
【0031】細い部分が連接棒に用いられていようがヨークのピンに用いられていようが、提案された解決法は、制御機構にただ1つの部分だけが必要であるため、安価である。
【0032】組み立てが容易である。
【0033】さらにまた、図3および図4に示すように、連接棒の長さは、組み立てを容易にし、かつ、既存の設備に適した解決法を与えるように、調節することができる。振れ防止部による解決法は、それが単一のシート状金属部分を加えることからなるので、比較的簡単なものである。
【0034】連接棒の玉継手の周りにすでに存在する部分を枢動伝達部分の頭部に嵌め込むように適合させることができる。
【0035】重量の増加は微々たるものである。
【0036】振れ防止部は所定位置に簡単に留めることができるので、組み立てが容易である。
【0037】とりわけ、この解決法はきわめて安価である。
【出願人】 【識別番号】500045316
【氏名又は名称】スネクマ・モトウール
【出願日】 平成12年6月6日(2000.6.6)
【代理人】 【識別番号】100062007
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 義雄 (外3名)
【公開番号】 特開2001−20756(P2001−20756A)
【公開日】 平成13年1月23日(2001.1.23)
【出願番号】 特願2000−168497(P2000−168497)