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【発明の名称】 可変容量タービンの可変ノズル機構
【発明者】 【氏名】陣内 靖明

【要約】 【課題】アクチュエータ側のノズル駆動部材と複数のノズルベーンとを連結する連結部材と、前記ノズルベーンとの連結部を、塑性変形を伴うことなく高強度を有するとともに、治具等の格別な組立要具を必要とすることなく少ない組立工数でかつ低コストで以って高精度の結合構造となした可変容量タービンの可変ノズル機構を提供する。

【解決手段】可変容量タービンの可変ノズル機構において、アクチュエータ側のノズル駆動部材と複数のノズルベーンとを夫々連結する複数の連結部材を備え、該連結部材に形成された穴側係止面を有する結合穴に、ノズルベーンの回転軸に形成され軸側係止面を有する結合軸部を、該結合穴及び結合軸部に塑性変形を伴うことなくかつ前記穴側係止面と軸側係止面とを当接させることにより、前記連結部材と前記ノズルベーンとを相対回転不能に嵌合せしめ、先端部に抜け止め処理を施したことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タービンケーシングに形成された渦巻状のスクロールと、該スクロールの内周側にタービンの円周方向に沿って配置されるとともに前記タービンケーシングに回動可能に支持されて翼角を可変にされた複数のノズルベーンと、該ノズルベーンの内周側に回転自在に設けられたタービンロータとを備え、作動ガスを前記スクロールからノズルベーンを経てタービンロータへと半径方向に流動させて該タービンロータを回転駆動するように構成された可変容量タービンにおいて、アクチュエータに連結され該アクチュエータによりタービン軸心廻りに回動可能にされたノズル駆動部材と前記複数のノズルベーンとを夫々連結する複数の連結部材を備え、該連結部材に形成され平面あるいは曲面からなる穴側係止面を有する結合穴に、前記ノズルベーンの回転軸に形成され前記穴側係止面に対応する形状の軸側係止面を有する結合軸部を、該結合穴及び結合軸部に塑性変形を伴うことなくかつ前記穴側係止面と軸側係止面とを当接させることにより、前記連結部材と前記ノズルベーンとを相対回転不能に嵌合せしめ、先端部に抜け止め処理を施したことを特徴とする可変容量タービンの可変ノズル機構。
【請求項2】 前記結合穴及び結合軸部を、対向する2面に前記穴側係止面及び軸側係止面が形成された2つの当接面からなる断面形状の結合部に構成したことを特徴とする請求項1記載の可変容量タービンの可変ノズル機構。
【請求項3】 前記結合穴及び結合軸部を、該結合軸部の1面を切欠いて前記軸側係止面となすとともに、該結合穴には前記軸側係止面に当接可能に前記穴側係止面を1面形成してなる断面形状の結合部に構成したことを特徴とする請求項1記載の可変容量タービンの可変ノズル機構。
【請求項4】 前記結合穴及び結合軸部を、該結合軸部の外周に沿って形成された複数のセレ−ション外歯を前記軸側係止面となすとともに、該結合穴の内周に沿って形成され前記セレ−ション外歯と噛み合う複数のセレ−ション内歯を前記穴側係止面となしたセレ−ション結合部に構成したことを特徴とする請求項1記載の可変容量タービンの可変ノズル機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の過給機(排気ターボチャージャ)等に用いられ、作動ガスをタービンケーシングに形成された渦巻状のスクロールから翼角を可変にされた複数のノズルベーンを経てタービンロータへと半径方向に流動させて該タービンロータを回転駆動するように構成されたラジアル流型の可変容量タービンにおける可変ノズル機構の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】過給機付き内燃機関においては、機関からの排ガス流量と過給機の最適作動条件となるガス流量とのマッチングをなすために、渦巻状のスクロールからタービンロータに送られる排ガス流量を機関の運転状態に応じて可変とする可変容量タービンを備えた過給機が、近年多く用いられている。かかる可変容量タービンを備えた過給機は、図5、6示にされるような基本構造をそなえており、同図において、10はタービンケーシング、11は該タービンケーシング10の外周部に渦巻状に形成されたスクロールである。12はタービンロータで、図示しないコンプレッサと同軸に設けられセンターケーシングに軸受(何れも図示省略)を介して回転自在に支持されている。
【0003】2はノズルベーンで、前記スクロール11の内周側にタービンの円周方向等間隔に複数枚配置されるとともに、これの内周端部に形成されたノズル軸02が前記タービンケーシング10に固定されたノズルマウント4に回動可能に支持され、その翼角を変化せしめられるようになっている。14は前記タービンケーシング10に固定されて前記タービンロータ12で膨張仕事をした排ガスを機外に送出するための案内路を形成するガス出口ケーシング、16はガス出口である。3は円盤状に形成されたリンクプレートで、前記タービンケーシング10に回転可能に支持されるとともに、レバープレート1のボス部6が嵌合される長孔03がタービンの円周方向等間隔に設けられている。7は前記ノズルベーン2を駆動するアクチュエータ07(図示省略)の出力端であるアクチュエータロッドで、該アクチュエータロッド7の往復動は駆動レバー06及びクランクコントロール5及び球面継手からなる連結部17により回転運動に変換されて前記リンクプレート3に伝達されるようになっている。
【0004】図7は前記ノズルベーン2とレバープレート1との結合態様の従来技術の1例を示し、該ノズルベーン2の回転軸を構成するノズル軸02の軸端部には、円形断面の結合軸部033が形成されている。一方、レバープレート1には前記結合軸部033が嵌合される結合穴031が穿孔されている。該結合穴031は、図7(B)に示すように、円周方向に沿って歯部034が形成されている。そして、前記ノズルベーン2とレバープレート1とを結合する際には、図7(A)のY矢のように、レバープレート1の結合穴031にノズル軸02の結合軸部033を押し込み、結合穴031の歯部034を結合軸部033の外周に喰い込ませ、さらに結合軸部033の軸端部をかしめあるいは溶接することにより、ノズルベーン2とレバープレート1との相対回転を阻止して両者を固定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる可変容量タービンは、その多くは車両用内燃機関の過給機の排気タービンとして用いられるが、該過給機は小型であることから、前記ノズルベーン2のノズル軸02及び結合軸部033も小径であり、強度面から大きな力を加えることはできない。然るに、図7に示される従来技術においては、レバープレート1の結合穴031にノズル軸02の結合軸部033を押し込み、結合穴031の歯部034を結合軸部033の外周に喰い込ませ、さらに結合軸部033の軸端部をかしめあるいは溶接して、ノズルベーン2とレバープレート1との相対回転を阻止して両者を固定することにより、ノズルベーン2とレバープレート1とを結合している。
【0006】即ち、前記従来技術においては、結合穴031の歯部034を結合軸部033の外周に喰い込ませ両者を塑性変形させることにより、ノズルベーン2のノズル軸02とレバープレート1とを固定することから、結合軸部033を結合穴031に押し込む際には大きな力が必要となる。このため、かかる従来技術にあっては、前記のように小径の結合軸部033と結合穴031とを大きな力で押し込むことにより両者を固定することから、ノズル軸02に倒れが生じ、また前記結合軸部033と結合穴031との結合部に大きな回転力が作用すると歯部034がちぎれ、前記結合軸部033と結合穴031との結合部において破損を生ずるという不具合が発生し易い。
【0007】また、かかるノズルベーン2は排ガスに晒され高温となっていることから、前記ノズルベーン2とレバープレート1とを結合している結合軸部033と結合穴031との結合部も高温となる。このため、前記のように該結合部が塑性変形による結合であることから、この部分の高温強度が低くなっており、前記のような、ノズルベーン2の結合軸部033における破損が発生し易くなる。さらに、かかる可変容量タービンは翼角を高精度で制御することを要することから、前記従来技術においては、前記ノズルベーン2とレバープレート1とを組立時に治具を用いて両者間の相対角度を設定しており、このため、多くの組立工数を要するとともに、前記治具等の格別な組立要具を必要とし、コスト高となる。
【0008】本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、アクチュエータ側のノズル駆動部材と複数のノズルベーンとを連結する連結部材と、前記ノズルベーンとの連結部を、塑性変形を伴うことなく高強度を有するとともに、治具等の格別な組立要具を必要とすることなく少ない組立工数でかつ低コストで以って高精度の結合構造となした可変容量タービンの可変ノズル機構を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、タービンケーシングに形成された渦巻状のスクロールと、該スクロールの内周側にタービンの円周方向に沿って配置されるとともに前記タービンケーシングに回動可能に支持されて翼角を可変にされた複数のノズルベーンと、該ノズルベーンの内周側に回転自在に設けられたタービンロータとを備え、作動ガスを前記スクロールからノズルベーンを経てタービンロータへと半径方向に流動させて該タービンロータを回転駆動するように構成された可変容量タービンにおいて、アクチュエータに連結され該アクチュエータによりタービン軸心廻りに回動可能にされたノズル駆動部材と前記複数のノズルベーンとを夫々連結する複数の連結部材を備え、該連結部材に形成され平面あるいは曲面からなる穴側係止面を有する結合穴に、前記ノズルベーンの回転軸に形成され前記穴側係止面に対応する形状の軸側係止面を有する結合軸部を、該結合穴及び結合軸部に塑性変形を伴うことなくかつ前記穴側係止面と軸側係止面とを当接させることにより、前記連結部材と前記ノズルベーンとを相対回転不能に嵌合せしめ、先端部に抜け止め処理を施したことを特徴とする可変容量タービンの可変ノズル機構を提案する。
【0010】請求項2ないし4記載の発明は、前記ノズルベーンと連結部材との結合部の具体的構成に係り、請求項2記載の発明は、請求項1において、前記結合穴及び結合軸部を、対向する2面に前記穴側係止面及び軸側係止面が形成された2つの当接面からなる断面形状の結合部に構成したことを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1において、前記結合穴及び結合軸部を、該結合軸部の1面を切欠いて前記軸側係止面となすとともに、該結合穴には前記軸側係止面に当接可能に前記穴側係止面を1面形成してなる断面形状の結合部に構成したことを特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1において、前記結合穴及び結合軸部を、該結合軸部の外周に沿って形成された複数のセレ−ション外歯を前記軸側係止面となすとともに、該結合穴の内周に沿って形成され前記セレ−ション外歯と噛み合う複数のセレ−ション内歯を前記穴側係止面となしたセレ−ション結合部に構成したことを特徴とする。
【0013】かかる発明によれば、連結部材の結合穴にノズルベーンの結合軸部を、該結合穴の穴側係止面と結合軸部の軸側係止面とを当接させて嵌合するので、ノズルベーンと連結部材とは塑性変形を伴うことなく幾何学的に結合されることとなり、小さな力で前記結合穴と結合軸部とを相対回転不能に嵌合できるとともに、互いに当接する2つの穴側係止面及び軸側係止面によりノズルベーン側の回転力を受け持つことができる。
【0014】これにより、ノズルベーン側の回転力等により、前記結合穴と結合軸部との結合部に疲労破壊を生じることなく、またノズル軸に倒れ等を生じることなく、ノズル駆動部材側からの駆動力を、連結部材を介してノズルベーンに滑らかに伝達することができ、また前記結合穴と結合軸部との結合部が高温下にあっても該結合部が塑性変形を伴うことなく幾何学的な結合であるため前記回転力等による該結合部の破損が回避され、耐久性の大なる連結部材とノズルベーンとの結合構造が得られる。
【0015】さらに、かかる可変容量タービンはノズルベーンの翼角を高精度で制御することを要するが、かかる発明によれば、ノズルベーン側の結合軸部の軸側係止面と、連結部材側の結合穴の穴側係止面とを当接させることにより、ノズルベーンと連結部材とを予め設定された関係で以って幾何学的に結合するので、従来技術のように、前記ノズルベーンと連結部材との組立時に治具を用いて両者間の相対角度を設定することを必要とせず、組立工数が低減されるとともに、前記治具等の格別な組立要具が不要となり、装置コストが低減される。
【0016】請求項3のように構成すれば、ノズルベーンと連結部材との相対回転を阻止する軸側係止面及びこれに当接する穴側係止面を1面設ければよいので、前記係止面で受け持つ許容回転力は小さくなるが、加工工数が低減される。また、請求項4のように構成すれば、通常のセレ−ション歯を加工すればよいので、加工が簡単であり、セレ−ション内歯とセレ−ション外歯との噛み合わせ位置を変えることにより、ノズルベーン側とノズル駆動部材側との相対位置の調整が容易にできる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0018】図1は本発明に係る可変容量タービン付き過給機の可変ノズル機構におけるノズルベーンとレバープレートとの結合部の第1実施例を示し、(A)はその斜視図、(B)は(A)のZ―Z線断面図である。図2は前記結合部の第2実施例を示し、(A)はレバープレートの平面図、(B)は図1におけるZ―Z線断面図である。図3は前記結合部の第3実施例を示し、(A)はレバープレートの平面図、(B)はノズル軸部の斜視図である。図4は本発明に係る可変容量タービン付き過給機の可変ノズル機構の要部断面図、図5は前記可変容量タービン付き過給機の回転軸心に沿う要部断面図、図6は図5のA―A線断面図である。
【0019】図5ないし図6において、10はタービンケーシング、11は該タービンケーシング10の外周部に渦巻状に形成されたスクロールである。12はラジアル流型のタービンロータで、図示しないコンプレッサと同軸に設けられセンターケーシングに軸受(何れも図示省略)を介して回転自在に支持されている。2はノズルベーンで、前記スクロール11の内周側にタービンの円周方向等間隔に複数枚配置されるとともに、これの翼端部に形成されたノズル軸02が前記タービンケーシング10に固定されたノズルマウント4に回動可能に支持され、後述する手段によりその翼角を変化せしめられるようになっている。14は前記タービンケーシング10に固定されて前記タービンロータ12で膨張仕事をした排ガスを機外に送出するための案内路を形成するガス出口ケーシング、16はガス出口である。
【0020】3は円盤状に形成されたリンクプレートで、前記タービンケーシング10に回転可能に支持されるとともに、後述するレバープレート1のボス部6が嵌合される長孔03がタービンの円周方向等間隔に設けられている。該長孔03は、その中心線が、タービンの軸心を通る半径方向線に対して一定角度傾斜して形成され、リンクプレート3からレバープレート1への駆動力の伝達抵抗を低減している。7は前記ノズルベーン2を駆動するアクチュエータ07(図示省略)の出力端であるアクチュエータロッドで、該アクチュエータロッド7の往復動は駆動レバー06及びクランクコントロール5及び球面継手からなる連結部17により回転運動に変換されて前記リンクプレート3に伝達されるようになっている。
【0021】かかる構成からなる可変容量タービン付き過給機において、内燃機関(図示省略)からの排ガスは前記スクロール11に入り、該スクロール11の渦巻きに沿って周回しながらノズルベーン2に流入する。そして、該排ガスは、前記ノズルベーン2の翼間を流過して前記タービンロータ12にその外周側から流入し、中心側に向かい半径方向に流れて該タービンロータ12に膨張仕事をなした後、軸方向に流出してガス出口ケーシング16に案内されて機外に送出される。
【0022】かかる可変容量タービンの容量を制御するにあたっては、前記アクチュエータに対し、前記ノズルベーン2を流れる排ガスの流量が所要の流量になるような該ノズルベーン2の翼角を、翼角制御手段(図示省略)により設定する。かかる翼角に対応するアクチュエータの往復変位はアクチュエータロッド7、駆動レバー06、クランクコントロール5及び球面継手からなる連結部17により回転運動に変換されて前記リンクプレート3に伝達され、該リンクプレート3が回転駆動される。該リンクプレート3の回転により、該リンクプレート3の長孔03に嵌合されている前記各レバープレート1のボス部6が該長孔03内を回動かつ摺動しながら円周方向に移動せしめられる。かかるボス部6の移動により、前記ノズル軸02に根元部を固定されているアーム状の前記レバープレート1を介して該ノズル軸02が回転せしめられ、これによりノズルベーン2が回動して前記アクチュエータにて設定された翼角に変化せしめられる。
【0023】本発明は、以上のように構成された可変容量タービンの可変ノズル機構の改良に係るものであり、図4において、100は可変ノズル機構で、次のように構成されている。3は円盤状に形成されたリンクプレートで、前記のように、アクチュエータロッド7に連結部17等を介してタービン軸心廻りに回動可能に連結され、タービンの円周方向等間隔に(不等間隔でもよい)長孔03が穿孔されている。2は前記スクロール11の内周側にタービンの円周方向等間隔に複数枚配置されたノズルベーンで、これの翼端部に形成されたノズル軸02が前記ノズルマウント4に、前記リンク室13内との間のガスシール用のシール部4aを介して回動可能に支持されている。
【0024】前記各ノズル軸02の反ノズルベーン2側端部には前記複数のレバープレート1の結合部が後述する手段により固定されている。前記レバープレート1の他端部に形成されたボス部6は前記リンクプレート3の長孔03に回転かつ摺動可能に嵌合されている。そして、前記レバープレート1及びリンクプレート3は、前記スクロール11よりも内周側に形成されたリンク室13内に、前記ノズルベーン2とリンクプレート3との間にレバープレート1が配置されて、該ノズルベーン2に対してタービン軸方向に並べて設けられている。
【0025】本発明においては、前記のように構成された可変ノズル機構100のノズルベーン2とレバープレート1との結合部を改良している。即ち、かかる結合部の詳細を示す図1において、1はレバープレートで、その一端側には前記リンクプレート3の長孔03に嵌合されるボス部6が形成され、他端側には結合穴31が前記ボス部6の軸心と平行に貫設されている。該結合穴31は、対向する2面に平行な穴側係止面32を有する小判形状に形成されている。
【0026】一方、前記ノズルベーン2のノズル軸02の軸端部には、前記結合穴31に嵌合される結合軸部33が形成されている。該結合軸部33はこれが嵌合される前記結合穴31と同一形状の小判形状に形成され、互いに平行な軸側係止面34が前記穴側係止面32に当接することにより、前記レバープレート1とノズルベーン2とを相対回転不能に嵌合せしめている。また、前記 結合軸部33を結合穴31内に嵌合した後は、図4に示すように、結合軸部33の先端をかしめる(05はかしめ部)ことにより、抜け止めを施している。この抜け止めに関しては、結合軸部33の先端を軽微な溶接等で代用しても良い。
【0027】かかる実施例において、前記レバープレート1の結合穴31にノズルベーン2の結合軸部33を嵌合するにあたっては、該結合穴31の前記穴側係止面32と結合軸部33の軸側係止面34とを、ノズルベーン2の翼角とリンクプレート3の回転角とが所要の関係になるように幾何学的に設定して当接させて嵌合し、結合軸部33の先端をかしめる(05はかしめ部)ことにより、抜け止めを施こす。この抜け止めに関しては、結合軸部33の先端を軽微な溶接等で代用しても良い。
【0028】かかる実施例によれば、レバープレート1の結合穴31にノズルベーン2の結合軸部33を、該結合穴31の穴側係止面32と結合軸部33の軸側係止面34とを当接させて嵌合するので、ノズルベーン2とレバープレート1とは塑性変形を伴うことなく幾何学的に結合されることとなり、小さな力で前記結合穴31と結合軸部33とを相対回転不能に嵌合できるとともに、互いに当接する2つの穴側係止面32軸側係止面34によりノズルベーン2側の回転力を受け持つことができる。これにより、ノズルベーン2側の回転力等により、前記結合穴31と結合軸部33との結合部に疲労破壊を生じることなく、またノズル軸02に倒れ等を生じることなく、リンクプレート3側からの駆動力を、レバープレート1を介してノズルベーン2に滑らかに伝達することができ、また前記結合穴31と結合軸部33との結合部が高温下にあっても該結合部が塑性変形を伴うことなく幾何学的な結合であるため前記回転力等による該結合部の破損が回避され、耐久性の大なるレバープレート1とノズルベーン2との結合構造が得られる。
【0029】さらに、かかる可変容量タービンはノズルベーン2の翼角を高精度で制御することを要するが、かかる実施例によれば、ノズルベーン2側の結合軸部33の軸側係止面34と、レバープレート1側の結合穴31の穴側係止面32とを当接させることにより、ノズルベーン2とレバープレート1とを予め設定された関係で以って幾何学的に結合するので、従来技術のように、前記ノズルベーン2とレバープレート1との組立時に治具を用いて両者間の相対角度を設定することを必要とせず、組立工数が低減されるとともに、前記治具等の格別な組立要具が不要となり、装置コストが低減される。尚、前記結合穴31と結合軸部33とを、長円あるいは楕円で構成してもよい。
【0030】図2に示す前記ノズルベーンとレバープレートとの結合部の第2実施例においては、前記レバープレート1の結合穴35及びこれに嵌合されるノズルベーン2の結合軸部37の形状を、該結合軸部37の1面を切欠いて軸側係止面38を形成するとともに、前記結合穴35には前記軸側係止面38に当接可能な穴側係止面36を1面形成した断面形状に構成している。かかる実施例においては、ノズルベーン2とレバープレート1との相対回転を阻止する軸側係止面38及びこれに当接する穴側係止面36を1面設ければよいので、前記係止面38、36で受け持つ許容回転力は小さくなるが、加工工数が低減される。
【0031】図3に示す前記ノズルベーンとレバープレートとの結合部の第3実施例においては、前記レバープレート1の結合穴を、複数のセレ−ション内歯からなる結合穴セレ−ション41とし、これに嵌合されるノズルベーン2の結合軸部を、軸部の外周に沿って形成された複数のセレ−ション外歯からなる結合軸部セレ−ション42に構成して、結合穴セレ−ション41と結合軸部セレ−ション42とを噛み合わせ、該ノズルベーン2とレバープレート1との相対回転を阻止している。かかる実施例においては、通常のセレ−ション歯を加工すればよいので、加工が簡単であり、セレ−ション内歯とセレ−ション外歯との噛み合わせ位置を変えることにより、ノズルベーン2側とリンクプレート3側との相対位置の調整が容易にできる。
【0032】
【発明の効果】以上記載の如く本発明によれば、ノズルベーンと連結部材とは塑性変形を伴うことなく幾何学的に結合されることとなり、小さな力で連結部材の結合穴とノズルベーンの結合軸部とを相対回転不能に嵌合できるとともに、互いに当接する2つの穴側係止面及び軸側係止面によりノズルベーン側の回転力を受け持つことができる。これにより、ノズルベーン側の回転力等により、前記結合穴と結合軸部との結合部に疲労破壊を生じることなく、またノズル軸に倒れ等を生じることなく、ノズル駆動部材側からの駆動力を、連結部材を介してノズルベーンに滑らかに伝達することができ、また前記結合部が高温下にあっても該結合部が塑性変形を伴うことなく幾何学的な結合であるため、前記回転力等による該結合部の破損が回避され、耐久性の大なる連結部材とノズルベーンとの結合構造を得ることができる。
【0033】さらに、ノズルベーン側の結合軸部の軸側係止面と連結部材側の結合穴の穴側係止面とを当接させることにより、ノズルベーンと連結部材とを予め設定された関係で以って幾何学的に結合するので、従来技術のように、前記ノズルベーンと連結部材との組立時に治具を用いて両者間の相対角度を設定することを必要とせず、組立工数が低減されるとともに、前記治具等の格別な組立要具が不要となり、装置コストが低減される。
【0034】請求項3のように構成すれば、ノズルベーンと連結部材との相対回転を阻止する軸側係止面及びこれに当接する穴側係止面を1面設ければよいので、前記係止面で受け持つ許容回転力は小さくなるが、加工工数が低減される。また、請求項4のように構成すれば、通常のセレ−ション歯を加工すればよいので、加工が簡単であり、セレ−ション内歯とセレ−ション外歯との噛み合わせ位置を変えることにより、ノズルベーン側とノズル駆動部材側との相対位置の調整が容易にできる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成12年5月19日(2000.5.19)
【代理人】 【識別番号】100083024
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌久 (外1名)
【公開番号】 特開2001−329851(P2001−329851A)
【公開日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【出願番号】 特願2000−148942(P2000−148942)