トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの




【発明の名称】 内燃機関用負圧駆動装置、電磁切替弁装着用ケーシング、負圧タンク
【発明者】 【氏名】嶺岸 輝彦

【氏名】棟方 明広

【要約】 【課題】内燃機関の負圧機器間を接続する配管の部品点数を削減し、負圧機器の部品の集約化を図り、組み立て作業の簡便化およびコストの低減を図る。

【解決手段】内燃機関用の負圧アクチュエータ、負圧を蓄積する負圧タンク10、大気圧と負圧の導入を切り替える電磁切替弁9とを備える。負圧タンク10には、負圧取り出し側に電磁切替弁9を装着するためのケーシング10Aが付設される。このケーシングに装着される電磁切替弁9の負圧ポート903と出口ポート904がシール901,902を介して負圧タンクに設けた嵌合孔104に挿入結合される。この嵌合孔104における出口ポート904の周りに環状の隙間107が確保され、ケーシング10Aに環状の隙間107に通じる配管接続部106が設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関用の負圧アクチュエータ、負圧を蓄積する負圧タンク、大気圧と負圧の導入を切り替える電磁切替弁とを備えた負圧駆動装置において、前記負圧タンクには、負圧取り出し側に前記電磁式切替弁が装着され、該電磁切替弁の負圧取り入れポートが該負圧タンクに設けた嵌合孔にシール部材を介して挿入結合されていることを特徴とする内燃機関用負圧駆動装置。
【請求項2】 内燃機関用の負圧アクチュエータ、負圧を蓄積する負圧タンク、大気圧と負圧の導入を切り替える電磁切替弁とを備えた負圧駆動装置において、前記負圧タンクには、負圧取り出し側に前記電磁切替弁を装着するためのケーシングが付設され、このケーシングに装着される電磁切替弁の負圧取り入れポート及び出口ポートがシール部材を介して該負圧タンクに設けた嵌合孔に挿入結合され、この嵌合孔における前記出口ポートの周りに環状の隙間が確保され、前記ケーシングに前記環状の隙間に通じる配管接続部が設けられ、この配管接続部を介して前記負圧アクチュエータに通じる圧力導管が接続されるようにしたことを特徴とする内燃機関用負圧駆動装置。
【請求項3】 前記負圧タンクの負圧取り入れ口にワンウェイバルブが装着されている請求項1又は2記載の内燃機関用負圧駆動装置。
【請求項4】 内燃機関用の負圧アクチュエータに負圧を供給するための負圧タンクにおいて、タンク本体の負圧取り出し側に電磁切替弁装着用のケーシングが付設され、このケーシングは内部に、負圧導入通路と、大気圧・負圧切替用の電磁切替弁を挿入により装着可能にした電磁切替弁装着部と、前記電磁切替弁の負圧取り入れポート及び出口ポートをシール部材を介して挿入させる嵌合孔と、前記出口ポートの周囲に形成される環状の隙間と通じる配管接続部とを有し、前記電磁切替弁を前記ケーシングに挿入するだけでその負圧取り入れポートが前記負圧導入通路に臨み、前記配管接続部を介して前記負圧アクチュエータに通じる圧力導管が接続可能にしてあることを特徴とする内燃機関用の負圧タンク。
【請求項5】 内燃機関用の負圧アクチュエータにつながる負圧経路に配置される電磁切替弁装着用のケーシングであって、該ケーシングの内部には、負圧導入通路と、大気圧・負圧切替用の電磁切替弁を挿入により装着可能にした装着部と、前記電磁切替弁の負圧取り入れポート及び出口ポートを挿入させる嵌合孔と、負圧アクチュエータ側に通じる通孔とが形成されており、前記電磁切替弁を前記ケーシングに挿入するだけで、前記負圧取り入れポートが前記負圧導入通路に臨むと共に、前記出口ポートの周囲には、環状の隙間がシールされつつ確保され、この環状の隙間と前記通孔が連通していることを特徴とする内燃機関の電磁切替弁装着用ケーシング。
【請求項6】 内燃機関の負圧アクチュエータの駆動源となる負圧を吸気管よりワンウェイバルブを介して取り入れ蓄積する負圧タンクにおいて、前記ワンウェイバルブは、先端に弾性体のリップ部を設けたタイプであり、該リップ部と反対側の一端にフランジが設けられ、前記負圧タンクの負圧取り入れ口を構成する壁面が負圧タンクの内側に突出し、この突出部の端面に前記フランジを嵌め込むと共に、前記リップ部を前記負圧取り入れ口に挿入した状態で、前記突出部に負圧通孔付のキャップを取り付け、このキャップと前記突出部とで前記フランジを挟み付けることで前記ワンウェイバルブが固定されていることを特徴とする内燃機関用負圧タンク。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の各種用途に使用可能な負圧駆動装置、それに用いる負圧タンク、電磁切替弁装着用のケーシングに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の分野では、吸気管の絞り弁下流に発生する負圧を利用して、内燃機関の種々のアクチュエータを駆動する技術が知られている。
【0003】例えば、内燃機関の燃焼室内に噴射燃料と共に吸入空気を供給する場合に、燃焼室内に混合気の渦流を発生させるシステムが存在しているが(例えば、特開平5−222941号、特開平7−189710号)、この燃焼システムに使用する吸気管の偏流バルブは、負圧アクチュエータの負圧と大気圧の切替制御により開閉される。
【0004】このような偏流バルブは、吸気管に流れる空気流に偏流を生じさせて、燃焼室内に流入させるものである。
【0005】その他に、EGRバルブ(排気ガス還流弁)などにおいても負圧アクチュエータが用いられている。
【0006】従来のこの種の負圧駆動装置は、内燃機関の吸気管(吸気ブランチ)、負圧タンク、負圧・大気圧切替用の電磁弁、負圧アクチュエータをそれぞれ独立に構成してこれらの独立した負圧機器を圧力伝達配管でつないでいた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この種負圧駆動装置の負圧機器間を接続する配管の部品点数を削減し、しかも負圧機器の部品の集約化を図り、組み立て作業の簡便化およびコストの低減を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、基本的には、内燃機関用の負圧アクチュエータ、負圧を蓄積する負圧タンク、大気圧と負圧の導入を切り替える電磁切替弁とを備えた負圧駆動装置において、負圧タンクに電磁式切替弁を直接結合させるようにした。
【0009】この電磁式切替弁は、負圧タンクにおける負圧取り出し側に装着され、その負圧取り入れポートが該負圧タンクに設けた嵌合孔にシール部材を介して挿入結合されている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0011】図1は本発明の一実施例にかかる内燃機関用負圧駆動装置の断面図、図2はそれに用いる電磁切替弁装着部を示す要部断面図である。
【0012】図1に示すように、エンジンに吸入される空気は、吸気バルブ2の開弁時に吸気管1からその一部となる吸気ブランチ1Aを通り燃焼室3に供給される。偏流バルブ4は、その一部を切り欠くことで、該バルブ4の閉弁時には、空気の流れがバルブ4の切り欠きを通過することで、偏流が生じる。この偏流が吸気バルブ2を介して燃焼室3に流入することで、燃焼室3内に渦流が発生する。このような渦流発生システムは、高い燃焼効率が要求される希薄燃焼運転(リーンバーン)時に実行され、通常の燃焼運転時は、偏流バルブ4が開弁状態にあり偏流モードは解除されている。
【0013】偏流バルブ4は、リンク7を介して負圧アクチュエータ5の出力ロッド8と連結されている。負圧アクチュエータ5は、ダイアフラム式アクチュエータであり、電磁切替弁9の切替制御により負圧を導入したり、負圧解除(大気開放)になることで、ロッド8がストローク動作し、偏流バルブ4が開閉動作する。
【0014】アクチュエータ5は、大気圧・負圧切替用の電磁弁(電磁切替弁)9の出口ポート904に圧力導管(配管)6を介して連通している。圧力導管6は、後述するように電磁切替弁装着用のケーシング10Aに設けた配管接続部106に接続されている。
【0015】電磁切替弁9は、図2に示すように、負圧を導入するための負圧取り入れポート(以下、負圧ポートと称する)903、大気圧を導入するための大気圧取り入れポート(以下、大気圧ポートと称する)905、それらの共通の出口ポート904を備える。
【0016】負圧ポート903,大気圧ポート905は、電磁切替弁の本体9Aに内装した電磁コイル(図示せず)のオン,オフにより、出口ポート904に対する接続が切り替えられる。ここでは、一例として、電磁コイルをオン(励磁)した時に負圧ポート903が出口ポート904と通じるように開き,大気圧ポート905は閉じる。電磁コイル9のオフ時には、大気圧ポート905と負圧ポート903が上記とは逆の状態になる。この基本原理自体は周知である。
【0017】本実施例では、この電磁切替弁9を次のようにした点に特徴がある。
【0018】すなわち、電磁切替弁9を今までのように負圧伝達経路に独立配置させるのではなく、負圧タンク10の負圧取り出し側に装着すると共に、その負圧取り入れポート903を負圧タンク10に設けた嵌合孔104にシール部材901を介して挿入結合する。
【0019】負圧タンク10は、タンク本体が負圧室101を構成し、負圧取り出し側に電磁切替弁装着用のケーシング10Aが付設されている。
【0020】ケーシング10Aは、負圧タンク10と一体に形成され、筒形を呈してタンク10の一面から突出している。
【0021】ケーシング10Aの内部に、負圧導入通路102と、大気圧・負圧切替用の電磁切替弁9の本体を挿入により装着可能にした電磁切替弁装着部103と、電磁切替弁9の負圧ポート903及び出口ポート904をシール部材901,902を介して挿入させる嵌合孔104とが一連に形成されている。
【0022】負圧ポート102は、電磁切替弁9をケーシング10Aに挿入するだけで嵌合孔104に嵌まり、負圧導入通路102に臨む。
【0023】負圧ポート903を形成する筒部903Aと、出口ポート904を形成する筒部904Aとは、前者の方を後者よりも幾分細身にして、両者間に段差を設けている。この段差に合わせて、ケーシング10Aの内部の嵌合孔104にも段差を設ける。電磁切替弁9をケーシング10Aに挿入した時に、これらの段差同士が係り止めすることで、ケーシング10Aに対する電磁切替弁9の軸方向における位置が自ずと決定される。
【0024】出口ポート904の周囲には、環状の隙間107が確保されている。環状隙間107は、出口ポート904の筒部904A外周と嵌合孔104の内周との間の空間よりなる。環状の隙間107は、シール部材901,902により気密性が保持されている。
【0025】ケーシング10Aの壁部には、環状の隙間107に通じる圧力通孔(小孔;圧力導出孔)105が隙間106と直交するようにあけられている。この通孔105の一部となる配管接続部106がケーシング10より突出している。この配管接続部106を介して、負圧アクチュエータ5に通じる圧力導管6がケーシング10Aに接続可能にしてある。
【0026】電磁切替弁9の電源端子用のコネクタ906は、ケーシング10Aに設けた切り欠き(図示せず)を通してケーシング10A外部に引き出されている。大気圧ポート905もケーシング10Aの外部に出ている。
【0027】負圧タンク10(ケーシング10A)の一端面には、いわゆるスナップフィットといわれるホルダー907が取り付けられており、このホルダー907により電磁切替弁9が確実にケーシング10Aに固定されている。ホルダー907は、弾性を有する複数のフック(爪部)908を有している。フック908がケーシング10Aの外周に設けた凹部108に掛かり止めすることで、ホルダー8が外れないようにしている。
【0028】なお、このホルダー907の取り付けは、ケーシング10Aの外周に突起を形成して、この突起にフック908を掛かり止めさせて行ってもよい。また、ホルダー907をケーシング10Aにねじ止めや加締めにより取り付けてもよい。
【0029】上記したような電磁弁取り付け構造によれば、負圧アクチュエータ5側には、次のようにして作動圧力が導かれる。
【0030】電磁切替弁9を通電した場合には、負圧ポート903と出口ポート904とが連通し、負圧タンク10の負圧は、負圧導入通路102、負圧ポート903、出口ポート904、環状の隙間107、通孔105、配管6を介して負圧アクチュエータ5に導かれる。
【0031】一方、電磁切替弁9の通電を停止した場合には、大気圧ポート905と出口ポート904とが連通し、大気圧がそのポート905、出口ポート904、環状の隙間107、通孔105、配管6を介してアクチュエータ5に導かれる。
【0032】図3に上記実施例と比較するための従来の電磁切替弁9′と負圧タンク10との関係を示す。なお、図中、図1、図2と同一符号は、上記実施例の要素と同一或いは共通する要素を示す。
【0033】従来の電磁切替弁9′は、負圧タンク101と別々になっており、その負圧取り入れポート903と負圧タンク10側の圧力取り出し口110とが配管61を介して接続されていた。また、大気圧・負圧切替の出口ポート904′は、電磁切替弁9′に設けられている。電磁切替弁9′の固定も別途用意されたブラケット911にねじ910を用いて固定されていた。
【0034】図1に示すように、本実施例における負圧タンク101の負圧取り入れ口11には、ワンウェイバルブ12が装着されている。
【0035】図4にワンウェイバルブ12の取り付け状態を拡大して示し、図5にワンウェイバルブ12の単品状態を斜視図で示す。
【0036】ワンウェイバルブ12は、弾性体よりなり、図5に示すように、先端にリップ部120を設けたタイプであり、該リップ部と反対側の一端にフランジ121が設けられている。このワンウェイバルブ12の取り付けは、次のようにして行われる。
【0037】図4に示すように、負圧取り入れ口11を構成する壁面111が負圧タンク10の内側に突出する。この突出部111の端面に環状の嵌め込み溝112および113を2段にして形成し、このうち溝12にフランジ121を嵌め込む。リップ部120を負圧取り入れ口11に挿入した状態で、突出部111の一端面に負圧通孔124付のキャップ122を取り付け、このキャップ122と突出部111とでフランジ121を挟み付けることで、ワンウェイバルブ12が負圧タンク10内壁に固定されている。
【0038】キャップ122は、その側壁に小孔123が形成され、この小孔123にタンク壁面の突出部111外周に設けた爪125が係合することで、キャップ122の外れ防止がなされている。
【0039】負圧取り入れ口11のうちタンク10外壁面から突出する部分が配管接続部となって、負圧導入配管13の一端と接続されている。負圧導入配管13の他端は吸気管1の負圧取り出し口14に接続されている。
【0040】内燃機関の絞り弁下流の吸気管圧力が負圧になり且つ負圧タンク10内の圧力が吸気管負圧よりも大きいときには、ワンウェイバルブ12のリップ部120が開き、吸気管負圧が配管13を介して負圧タンク10内に導かれ、タンク10内に負圧が蓄積される。
【0041】なお、ワンウェイバルブ12の取り付けは、他のタイプのものでもよく、また、螺合による固定やねじ締め、圧入による固定方法を用いても実現可能である。ただし、上記したリップタイプのものが、製品コストが安く、また取り付けが簡便である。
【0042】図6にワンウェイバルブ12の別の態様を示す。
【0043】図6のワンウェイバルブ12は、傘型形状をしていて外周部分にリップ部120が設けられており、図4の実施例と同様に負圧タンク10の内壁111に取り付けられている。図4の例と同様にリップ部120が弾性材であるが故に順方向のみに気体を流す特性が得られる。
【0044】図7に比較のために従来のワンウェイバルブ12′と負圧タンク10との関係を示す。
【0045】従来の構成では、内部にチェックボール127とスプリング126を内蔵したワンウェイバルブ12′が独立して配置されていた。この構成では、負圧タンク10の負圧取り入れ口11とワンウェイバルブ12の間は配管131を介して接続されている。
【0046】一方、ワンウェイバルブ12の他端は、配管13を介して吸気管側と接続されている。
【0047】本実施例によれば、次のような効果を奏する。
【0048】(1)負圧タンク10に電磁切替弁9を一体に取り付けることで、負圧タンク10と電磁切替弁9間の配管や従来のブラケット911を省略することができ、部品点数および配管接続工数を削減することができる。
【0049】(2)ワンウェイバルブ12についても、負圧タンク10に一体に取り付けることで、ワンウェイバルブ12と負圧タンク10間の配管を省略することができる。
【0050】(3)電磁切替弁9をケーシング10Aに挿入するだけで、電磁弁9と負圧タンク10との結合が可能となり、ワンタッチで負圧ポート903が負圧導入通路102に臨み、同時に出口ポート904が環状隙間107を介して通孔105に通じるので、部品の組み立て作業の簡便化を図ることができる。
【0051】(4)ワンウェイバルブ12の負圧タンク内部への取り付けが簡単であり、また、ワンウェイバルブ内部にチェックボール127とスプリング126を内蔵していないので、スプリングの共振などによる動作不安定現象も回避することができ、信頼性も向上する。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、この種負圧駆動装置の負圧機器間を接続する配管の部品点数を削減し、しかも負圧機器の部品の集約化を図り、組み立て作業の簡便化およびコストの低減を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】000232999
【氏名又は名称】株式会社日立カーエンジニアリング
【出願日】 平成12年2月28日(2000.2.28)
【代理人】 【識別番号】100068504
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男 (外1名)
【公開番号】 特開2001−241330(P2001−241330A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−55988(P2000−55988)